令和8年 第一回定例会 区長所信表明
ページ番号:173-407-105
更新日:2026年2月5日
- はじめに
- 行財政運営
- 令和8年度当初予算案等
- 子どもたちの笑顔輝くまち
- 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
- 安心を支える福祉と医療のまち
- 新型コロナウイルスへの対応
- 安全・快適、みどりあふれるまち
- いきいきと心豊かに暮らせるまち
- 区民とともに区政を進める
- おわりに
はじめに

所信表明の様子
令和8年第一回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
区民栄誉賞の授与
昨年12月22日、東京2025デフリンピックでメダルを獲得された、男子陸上の山田真樹選手、女子空手の森こころ選手、女子卓球の山田瑞恵選手、男子サッカーの原口凌輔選手をお迎えし、区民栄誉賞を授与しました。選手の皆様からは、「練馬区の皆様の応援が力となり、結果に繋がりました。今後も挑戦を続けます」などの言葉を頂きました。75万区民を代表して、心からお祝いを申し上げます。
区政運営の基本
私は次期選挙に立候補せず、次の世代に区政の舵取りを委ねることとしました。今定例会は、任期最後の定例会となりますので、これまでを振り返りながら申し述べさせて頂きたいと思います。
私は結婚を契機に、住まう場所を探していました。当時、東京都で都政全体を見る立場にあって、多くの方から異口同音に、「練馬区が良い。都心に隣接しながら、みどり豊かで、しかも最もポテンシャルがある街だ」と薦められ、練馬区に決めました。平成26年、その練馬で、思いもかけず、区長選挙のお誘いを受けました。地方自治行政への想いが道半ばで都庁を退職せざるを得なかった私は、もう一度現場に戻り、自治行政の理想を追求しよう、そう心を固めました。
「改革ねりま」をお約束して区長に選んで頂き、まず手がけたのは「区政の窓を大きく開き、外の風にあてる」ことです。「区政改革推進会議」を設置し、公募区民、学識経験者、企業経営者など多様な方々にご議論を頂き、政策に反映しました。区政の内向きな体質は大きく変わりました。
区民の皆様に、共に区政を考えて頂くため、「ねりま推し」をはじめ広報・広聴を強化するだけでなく、私自身が先頭に立って、情報の発信と区民との意見交換に取り組みました。コロナ禍の期間を除いて、毎日のように区内の様々な現場に伺い、「練馬の未来を語る会」だけでも117回を数えています。一人一人の声に真摯に耳を傾け続けた実感から、「参加と協働」を区政運営の基本理念としました。
行財政運営
練馬区の目指すべき将来像を区民の皆様と共有し、区政を前に進めるため、「グランドデザイン構想」を策定し、概ね10年から30年後の将来像を明らかにしました。その実現を目指し、「みどりの風吹くまちビジョン」を三度策定し、全国自治体を先導する多数の政策「練馬区モデル」を構築してきました。
少子高齢化の急速な進展などモデルなき時代の最中にあって、サービスを充実、向上させるため「区政改革計画」を策定し、様々な改革を進めています。「取組体制強化プラン」により、政策を実現する体制を強化しました。福祉職、保健師などを増員し、特にケースワーカーは1.4倍として、国の標準配置数を確保しています。
財政基盤はより強固なものとなりました。基金残高は、就任前の610億円から1,280億円と倍増する一方、起債残高は微増の548億円に留まっています。経常収支比率は81.3%と適正水準に近づき、公債費負担比率は6.2%から2.2%へと大幅に改善されるなど、各種財政指標も好転を続けています。コロナ禍の難局において、医療従事者や福祉・保育従事者への支援、酸素ステーション設置など区独自の様々な施策を実行できたのも、こうした努力があったからです。
令和8年度当初予算案等
新年度予算は「大江戸線延伸を基軸として、福祉医療サービスを更に充実し、文化・スポーツ・みどりなど、区民生活をより豊かにする施策を組み合わせ、一体で取り組んでいく予算」として編成しました。施設整備やまちづくりはもとより、子ども、高齢者、福祉医療などの施策は、いずれも長期にわたり、成果を得るまでに永い年月を要します。目指すべき目標を明らかにして、着実に進めるための道筋をお示しし、政策の継続性、一貫性を保つため本格予算として編成しています。
一般会計予算額は3,687億円、教育、子育て、高齢者、障害者福祉の推進などの施策を充実し、昨年度比170億円の増となっています。学校改築、道路、公園の整備など、区民生活を支える社会資本を形成する事業には、基金と起債を可能な限り活用し、持続可能な財政運営の堅持に努めています。
物価上昇の影響を緩和するため、国の補正予算を受け、昨年末、今年度3度目となる補正予算を可決して頂きました。低所得世帯への給付金及び物価高対応子育て応援手当は、今月から支給を開始します。キャッシュレス決済ポイント還元事業を、4月15日から2か月間、還元率20%で実施します。教育・子育て施設や介護・障害者児サービス事業所に対する給付金は、6月までに支給する予定です。新年度予算においても、学校給食単価の増額、公衆浴場燃料費等助成金の拡充などに要する経費を計上しています。
子どもたちの笑顔輝くまち
次に、「子どもたちの笑顔輝くまち」についてです。
保育サービス・教育環境の充実
子育てのかたちを選択できる社会の実現を目指してきました。私の若い頃からの宿願であった、全国初となる区独自の幼保一元化施設「練馬こども園」を創設しました。更に職員一丸となった「待機児童ゼロ作戦」の展開により、12年間で全国トップクラスとなる9,400人以上の保育定員増を実現し、5年連続で待機児童ゼロを達成しています。先月、立野町区有地の私立認可保育所の運営事業者を決定しました。また、今月、低年齢型の練馬こども園3園を追加認定する予定です。
全ての小学生を対象とした放課後等の居場所づくりを進めてきました。練馬型の放課後児童対策事業「ねりっこクラブ」を創設し、学童クラブ定員は、10年間で2,700人以上の増となっています。来年度2校で開設し、実施校は64校となります。更に、「朝の居場所事業」を小学校5校でモデル実施します。
小中学校の校舎、体育館、武道場の改修・改築をはじめ、空調設備の設置・更新など、安全で快適な教育環境の整備が大きく進みました。4月には、区内で2校目となる小中一貫教育校「みらい青空学園」が開校します。
児童相談行政
私は、都に入って永く児童相談行政の現場で仕事をしました。家庭が崩壊し遺棄された子ども、虐待された子ども、貧困に苦しむ子どもは、最も不幸な存在です。児童相談行政は、都の児童相談所による専門的な支援、施設入所等の広域的な調整と、区の子ども家庭支援センターなどによるきめ細やかな支援が一体となってこそ成り立ちます。しかし、就任当時、区が住民により身近な自治体だというだけの理由で、区による児童相談所の設置が23区の一致した方針となっていました。
私は練馬区の児相設置方針を変更し、ただ1区、区の子ども家庭支援センターと都の児童相談所の連携強化へと舵を切り、一昨年、東京都練馬児童相談所が区の子ども家庭支援センターと同一施設内に開設されました。この練馬区モデルは他区に拡大しています。児童相談行政が大きな節目を迎えただけでなく、東京の自治の歴史を前に進めるものになったと考えています。
児童養護施設や里親の手を離れた若者が、生まれ育った環境によらず、自らの意思で希望する未来を切り拓けるよう、自立を支援することが必要です。「ねりま羽ばたく若者応援プロジェクト」は、私の永い児童福祉の取組の一つの到達点です。
高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち
次に、「高齢者が住み慣れた地域で暮らせるまち」についてです。
高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的・継続的に提供される、地域包括ケアシステムを確立することが必要です。
これまで、団塊世代が全て後期高齢者となる令和7年問題に取り組み、地域包括ケアシステムを構築してきました。地域包括支援センターの27か所体制への強化、介護保険施設等の整備、在宅サービスの充実に積極的に取り組んだ結果、特別養護老人ホーム、都市型軽費老人ホーム、看護小規模多機能型居宅介護の施設数は、都内最多となっています。また、交流、相談、介護予防の場となる街かどケアカフェを創設し、来年度は53か所となります。
団塊ジュニア世代が高齢者となる令和22年に向けて、地域包括ケアシステムを更に深化させる必要があります。来年度当初予算案では、特別養護老人ホームの「改修・改築費補助事業」の開始、都市型軽費老人ホーム1施設整備の予算を計上しています。
安心を支える福祉と医療のまち
次に、「安心を支える福祉と医療のまち」についてです。
障害者施策の充実
障害者児福祉は、私が行政に取り組む原点であり、ライフワークの一つです。障害者の皆さんが地域から隔離された特別な存在であってはならない、住み慣れた地域の中で、一人一人の個性を活かして生きることができる社会に、この練馬を一歩でも近づけたい。その思いで障害特性に応じ、ライフステージに対応したサービスを充実してきました。
生活基盤の整備、家族への支援、就労の支援、意思疎通の支援など、様々な事業に取り組み、重度障害者グループホーム、地域生活支援拠点、都内最多となる医療的ケアが必要な重度障害者の通いの場などを整備するとともに、区独自の障害児一時預かりなどを実施しています。23区初となる障害者ICT相談窓口の開設をはじめ、多様な意思疎通手段の選択機会の確保などに取り組んでいます。
現在、三原台二丁目用地の活用による、医療的ケアにも対応した重度障害者の地域生活支援拠点の整備を手がけています。これまでの都区役割分担から一歩踏み込み、特別区の取組としては初となる、24時間医療・介護が提供される生活の場をつくるものですが、建築費や人件費の高騰等を受け、来年度の実施設計は見送ることとしています。
来年度は、障害児のいわゆる「18歳の壁」の解消に向けた取組のほか、区内2か所目となる多機能型地域生活支援拠点の機能を備えた重度障害者グループホームを整備します。
発達障害児を総合的に支援する取組を開始します。早期発見・気づきに繋げる仕組みの強化、小学校就学後の支援体制の強化など4つの柱のもと、福祉・健康・教育・こどもの各部が連携して、横断的に取り組みます。
ひとり親家庭自立応援プロジェクト・困難な問題を抱える女性への支援
永い間、ひとり親家庭への施策は、対象が母子家庭に限定され、支援内容は母子寮が主体で、母子福祉資金の貸付けや児童扶養手当などを組み合わせたものだけでした。私は、相対的な貧困率が高く、日々の生活で複合的な困難を抱えるひとり親家庭を支援するため、「ひとり親家庭自立応援プロジェクト」を立ち上げました。転宅費の助成や訪問型学習支援事業など、生活・就労・子育ての3つの支援を組み合わせて提供し、23区で最多となる28事業を展開しています。来年度は、心理職によるメンタルヘルスの相談、経験者によるピア相談を開始します。
困難な問題を抱える女性が、それぞれの意思が尊重されながら最適な支援を受けられるよう、女性自立支援施設や民間団体等との協働により、居場所事業、LINEでの相談事業などに取り組んでおり、来年度は更に拡充します。
医療提供体制の整備
区民の命と健康を守ることは、区政の最も重要な責務です。就任当時、練馬区の人口は23区で2番目であるにも関わらず、10万人当たり病床数は、23区平均の3分の1でした。病院を整備し、病床を増やすには、医療圏による病床数制限、用地確保、病院経営など、多くの課題があり、東京都に強く働きかけるなど、様々な努力を重ねてきました。
順天堂練馬病院の増床、練馬光が丘病院の移転・改築、ねりま健育会病院や光が丘医療福祉プラザの開設等により、病床1,000床の大幅増を実現しました。更に、順天堂練馬病院が三次救急医療機関に指定されるなど、高度急性期、急性期から回復期、慢性期、在宅医療に至るまで、切れ目のないバランスのとれた医療提供体制の整備が進んでいます。
新型コロナウイルスへの対応
「新型コロナウイルス感染症」は瞬く間に全世界に拡散し、国内の感染拡大は8波を数えました。地方自治に携わるなかで、様々な危機に直面してきましたが、区・都・国・世界が根源的に揺さぶられる危機は初めてでした。極めて困難な状況のなか、一人一人の生活に寄り添ったきめ細やかな支援に、全庁を挙げて取り組みました。
感染拡大の防止と医療提供体制の充実、区民・事業者の支援、社会インフラの維持を柱に、PCR検査検体採取センターを開設したほか、かかりつけ医による健康観察、酸素・医療提供ステーションの設置などにより、自宅療養者を支援しました。エッセンシャルワーカーを支えるため、保育園を閉ざすことなく続けました。医療従事者や福祉・保育従事者への支援、ひとり親家庭臨時特別給付金の支給、コロナ対応特別貸付など、全国に先駆けて様々な独自の対策を実施しました。
なかでも、職員の発案を活かした、ワクチン接種体制「練馬区モデル」は、全国を牽引しました。私自身が首相官邸、厚生労働省と綿密に協議を重ねて構築し、国が「練馬区モデル」と命名したものです。予防と重症化の防止に大きな役割を果たせたと自負しています。コロナとの闘いは、終生忘れることはないと思います。
新たな感染症の危機に備えるため、行動計画の改定を進めており、年度内に成案化する予定です。
安全・快適、みどりあふれるまち
次に、「安全・快適、みどりあふれるまち」についてです。
攻めの防災
復旧復興を中心とする「待ちの防災」から災害予防対策に重点を置く「攻めの防災」へと転換してきました。
密集住宅市街地整備促進事業は、江古田北部地区と北町地区が完了し、桜台東部地区、貫井・富士見台地区で進めています。来年度は、地区計画策定や新たな防火規制導入に向けた協議、検討を進めます。
区独自の「防災まちづくり推進地区」である田柄地区、富士見台駅南側地区、下石神井地区でも事業が進んでいます。来年度、田柄地区を23区初となる空家等活用促進区域に指定し、建替えの促進、空き家の発生抑制に取り組みます。
震災時に救急救命活動や緊急支援物資輸送の大動脈となる道路を閉そくさせないため、沿道建築物の耐震化に力を入れてきました。特定緊急輸送道路沿道にある旧耐震の対象建築物の耐震化率は、平成26年度の22.8%から、今年度末の82.2%へと大幅に改善する見込みです。また、11地区を防火地域に指定し、都市計画道路沿道建築物の不燃化による延焼遮断帯の形成に取り組んでいます。
初期消火体制を強化するため、消火用スタンドパイプを防災まちづくり事業実施地区内の区立施設やコンビニなどに優先的に設置し、実戦的な訓練を重ねています。備蓄の強化も進めており、今年度末に、都が想定する避難者数137,000人分を確保します。中高層マンションの在宅避難を促進するため、防災ガイドブックを全面改訂するとともに、応急給水栓やマンホールトイレの整備費助成などに取り組んでいます。来年度は、消火用スタンドパイプの設置拡大、マンション防災会への携帯トイレの配付、避難所用テント等の備蓄を実施します。
都市インフラの整備
都市計画道路は自動車交通の円滑化に加え、安全な歩行空間の確保や豊かなみどりの創出など、生活を支える都市インフラです。練馬区を更に発展させていく上で、東京全体の道路ネットワークを支える都市計画道路の整備は必要不可欠です。来月には、新たな「東京における都市計画道路の整備方針」が策定され、区は、今後も着実に整備を推進していきます。
区の悲願である大江戸線の延伸は、実現に向けて大きく前進しました。3年前、小池知事と直接意見を交換し、副知事をトップとする検討組織が立ち上げられました。昨年、事業化に向けた検討結果が公表され、漸くここまで来たと実感しています。
区は、財政負担のあり方や協力する鉄道施設整備の具体的な内容について、精力的に都と協議を進めるとともに、都が進める事業計画案の作成、国との協議に全面的に協力していきます。大江戸線延伸推進基金を来年度更に30億円積み増し、計155億円とします。事業化に向けて、新駅予定地周辺のまちの姿を明確にするため、これまで取り組んできた延伸地域のまちづくりに、駅前空間の整備内容を加えた「沿線まちづくりデザイン」を策定します。本年秋の成案化を目指します。
西武新宿線の連続立体交差事業、側道及び交通広場では、都、鉄道事業者、沿線区市と連携して用地取得を進めています。上石神井駅周辺地区では、再開発準備組合による建築計画等の検討が進められており、区は引き続き組合の活動を支援します。武蔵関駅周辺地区では、本年秋の地区計画決定を目指します。
石神井公園駅南口西地区では、組合施行の市街地再開発事業が進められており、再開発ビルの工事は予定どおり進行しています。再開発事業区域から富士街道までの補助232号線の用地取得を引き続き進めます。
練馬のみどりを未来へつなぐ
大都市東京の都心近くに立地しながら、豊かなみどりに恵まれた住宅都市、それが私たちのまち練馬です。みどりは練馬区の大きな魅力であり、この貴重な財産を守り育み、次の世代に引き継いでいくことは私たちに課せられた責務です。
公園や幹線道路の整備等に合わせたみどりの創出、憩いの森など貴重な樹林地の取得、みどりの街並みづくり助成制度による沿道緑化など、みどりのネットワークの形成を進めてきました。憩いの森の自主管理や落ち葉清掃活動など、区民の皆様とともにみどりを育むムーブメントの輪を広げています。
こどもの森や四季の香ローズガーデンなど、特色ある公園整備に取り組み、区立公園等の面積は、11ヘクタール増加しました。長期プロジェクトである稲荷山公園では、来年度、「武蔵野の面影」の再生に向けて段階的な整備のロードマップを、大泉井頭公園では「水辺空間の創出」をテーマにした公園整備に向けて基本構想を策定します。平成つつじ公園の改修工事は、今年度末に着手し、9年度の全面リニューアルを目指します。園内のトイレは来年度末に完成の予定です。区内約700か所の半数が開園から30年以上経過しており、来年度、「(仮称)公園等改修計画」を策定します。
いきいきと心豊かに暮らせるまち
次に、「いきいきと心豊かに暮らせるまち」についてです。
産業・商店街振興
区内経済の発展、商店街振興を進めるため、様々な取組を進めてきました。ハリー・ポッター・スタジオツアー東京の開業にあたっては、ワーナーブラザースとの連携のもと、地元商店会、産業団体、西武鉄道、区内3大学などの協力により、来訪者の区内周遊など賑わいの創出に努めました。コロナ禍による事業環境の変化をきっかけに、練馬ビジネスサポートセンターで中小企業診断士によるデジタル化専門相談を開始するとともに、デジタル化・イノベーション等支援特別貸付を実施しました。スマート商店街プロジェクトを開始し、デジタルを活用した魅力発信などの取組を促進しています。キャッシュレス決済ポイント還元事業等により商店街を応援しています。
農地保全、農業振興
区長となって目を開かれ、最も力を入れてきた政策の一つが都市農業です。多くの農業者と話し合うなかで、練馬区の都市農業が、住宅地の中で日々の暮らしと融け合って営まれ、豊かな区民生活に欠かせないものとなっていることに気がついたのです。
この農業と農地を守り、次の世代に引き継ぐため、都市農地保全推進自治体協議会の会長として、私自身、何度も農林水産省や国土交通省に出向いて、都市農業振興基本法の成立、生産緑地の下限面積緩和、生産緑地貸借制度と特定生産緑地制度の創設などを実現することができました。
都市農業の意義を再確認し、都市生活に新たな豊かさをもたらす魅力と可能性を広く発信するため、まずは世界から始めようと、海外から5都市を招聘し、令和元年度に「世界都市農業サミット」を開催しました。ニューヨークの行政担当者から「練馬の都市農業は言わば我々が目指すべきモデル」と、高い評価を得ています。これに続く、2度の全国都市農業フェスティバルは、いずれも大きな成功を収めました。
文化芸術振興
人間は日々の生活を安定して暮らし、楽しむ、それだけでは満足できません。自分が生きる意味、この世界の意味を問いかけずにはいられない存在です。ここに文化芸術が人間に欠かせない理由があります。
真夏の音楽会、みどりの風練馬薪能、ねりまの森の音楽祭は、練馬の季節の風物詩となっています。区立美術館は、あしたのジョー展、シスレー展、舟越保武展などの独創的な企画展により、高い評価を受け、区民の創作活動の発表の場である区民美術展なども定着しています。石神井公園ふるさと文化館では、ねりま漫画サロンをはじめ、多彩な催しを開催しました。
美術館は、大規模な国立、都立があれば用が足りるわけではありません。国宝や重要文化財から現代美術、区民の皆様の作品まで、幅広く鑑賞できる美術館としたい。障害の有無にかかわらず、子どもから大人まで誰もが楽しみ、学び、語る、コミュニティを創出する場とし、区民の皆様とともに地域文化の核としたい。シンボリックな特色ある建築物と中村橋のまちが一体となって、誰もがそれぞれにアートを発見し、感じ、享受できるようにしたい、美術館と貫井図書館が相乗効果を生み出し、身近に本とアートに出会い、感動や発見に繋がる場としたい、そう考えて、再整備計画を進めてきました。来年度の着工は見送ることとしましたが、区民の皆様とともに作り上げてきた美術館・貫井図書館の再整備計画は、区民生活をより豊かにする上で欠かせないものと考えています。
スポーツ振興
文化芸術とともに、スポーツは人間が人間である証であり、私たちの存在を根源で支えるものです。練馬こぶしハーフマラソンやユニバーサルスポーツフェスティバルなど、多くの区民の皆様が参加できるスポーツイベントを充実してきました。来年の練馬こぶしハーフマラソンは第10回の記念大会です。すずしろ汁の限定復活など、記念企画を実施します。スポーツ施設の整備も積極的に進めてきました。来年度、石神井松の風文化公園に、区内初のスケートボード広場が誕生します。練馬総合運動場公園とともに、スポーツと交流の中核である総合体育館の改築が必要です。新たな体育館に求められる 機能等を把握するため、来年度基礎調査を実施します。
区民とともに区政を進める
次に、「区民とともに区政を進める」についてです。
町会・自治会、協働の推進
くまなく区内を回り、区民や団体の皆様の声を伺い、意見を交わしてきました。地域では、独自の工夫を凝らした意欲的な活動が数多く生まれており、町会・自治会と関わりながら営まれている場合が多いと実感しています。
区政最大のパートナーである町会・自治会は、地域コミュニティの中核を担う欠かせない存在ですが、役員の高齢化や担い手不足など、課題を抱えています。加入促進等の支援に加え、今年度から、コンサルタント派遣、デジタル活用補助制度の拡充などを進めています。来年度は、イベント支援「まち活サポート事業」を開始するほか、地区祭への補助の充実、区東部の地域活動倉庫を開設します。
「参加から協働へ」と区政を進めました。住民による意欲的な地域活動を支えるとともに、地域の現場で起こっている課題を区民と区が共有し、将来を見通して共に知恵を絞ること、それこそが住民自治の深化に必要なことなのです。区民の皆様の自由な発想による、練馬の未来に向けた自発的な取組を掘り起こす事業を実施してきました。現在、ねりま協働ラボとして、こども食堂や不登校児の居場所事業等を行う民間団体と区が協働して、支援が必要な子どもや保護者等に必要な情報を届ける取組などが進められています。
窓口改革・DXの推進
区民の皆様と直接対応する窓口は、区役所の顔というべき存在です。
まず、来庁しなくても手続きができるサービスの拡充、事前に混雑状況が分かる仕組みなど 窓口改革に取り組みました。「行かない・書かない」デジタル区役所の実現に向け、保育園の入園申請などのオンライン化を進めており、今年度末で1,500手続きに達する見込みです。各種手数料や施設使用料のキャッシュレス化を拡大したほか、アナログからデジタルへの業務改革を進めた結果、区民の皆様の利便性が格段に高まりました。また、おくやみに関する専用の窓口を設置し、多岐にわたる申請を一括して受け付けるとともに、関係機関をご案内し、ご遺族を支援しています。
来月、練馬区役所北庁舎がオープンします。本庁舎の空いたスペースを活用し、保育課の待合をリニューアルして、子どもを遊ばせながら手続きができるようにするなど、利便性の更なる向上に努めます。
おわりに
私が若かった頃に比べると、世界は一変しました。日本と中国との緊張が続き、中東情勢、ウクライナ情勢は予断を許しません。世界のリーダーであったアメリカは自国第一主義を更に進めようとしています。国政は、総選挙の最中で、財源の手当も無いまま、減税と給付金の支給が叫ばれています。私たち行政は今まさに、たゆたう歴史の現場で仕事をしているのです。
私は55年の永きにわたり、公共サービスの最先端で働いてきました。30代の終わりに都庁の中枢から転出して、いわゆる下町である墨田区の産業経済課長を命じられました。初めて体験する住民主体の新しい世界に、大変な衝撃を受け、目を開かれました。鳴呼そうか、これが日本だ、そして東京の現場なんだ、今自分が立っている足下に世界の全てがあり、今この瞬間が世界史の最前線なのだ。目先の受け狙いや小手先の誤魔化しに走らず、後世の歴史の審判に耐えられる政策をこそ目指さなくてはならないと。以来、この信念を曲げたことはありません。
言い方を換えると、私たち公務に携わる者にとっては、目先の世論や多数意見に従うことが正義とは限りません。時としてそれに背いてでも、例えば、都と区の役割分担を踏み越えてでも、己の存在を懸けた確固たる決意が求められる場面があります。私は2回にわたり都議会の百条委員会を体験しましたが、安易な妥協に走らず自分の信念を貫き通したつもりです。
区長になってからも同じです。例えば、ふるさと納税や区立児童相談所設置がその典型です。公務員、なかでも私たち選挙で選ばれた者には、孤立を恐れずに信念を貫いて輿論を興し、連帯の輪を広げていく妥協しない勇気、弛まぬ日々の実践が求められている。そう信じています。
区長に就任して12年、全国自治体を先導する数多くの練馬区モデルを実現してきました。その努力が実を結んで、練馬区は今、更なる発展の時を迎えています。福祉医療サービスは飛躍的に充実し、都市インフラの整備も着実に進みました。区の人口は75万人を超え、今後も増加を続ける見込みです。練馬区は、全国でも極めて稀な、豊かな可能性を持ったまちなのです。
実現に向けて大きく前進した大江戸線の延伸を基軸として、福祉医療サービスを更に充実し、文化・スポーツ・みどりなど、区民生活をより豊かにする施策を組み合わせ、一体で取り組んでいく。これによって、練馬区はその可能性を最大限に花開かせ、「子どもから高齢者まで、誰もが安心して心豊かに暮らせるまち」として、更に発展していく。確信しています。
私は平成17年、百条委員会が終わった後、自らの意志で、東京都に残らず退職しました。今回も同じです。後進に道を譲るべき時がきたと自ら決断しました。3期12年間、終の棲家に選んだまちの行政に携わり、些かなりとも、練馬区の発展に貢献できたとすれば、これに勝る喜びはありません。
区議会の皆様、区民の皆様には、これまでの私の区政運営に対して、ご理解とご支援を頂きました。深く感謝を申し上げます。残された任期を全うすべく、最後の一日まで「改革ねりま第Ⅲ章」の実現に全力を尽くしてまいります。
なお、本定例会には、これまで述べたものを含め26件の議案を提出しています。宜しくご審議のほど、お願いいたします。
以上をもちまして、所信表明を終わります。
お問い合わせ
区長室 秘書課 秘書担当係
組織詳細へ
電話:03-3993-1111(代表)
この担当課にメールを送る
法人番号:3000020131202
練馬区 法人番号:3000020131202











