平成28年11月 第四回定例会 区長所信表明
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更新日:2016年11月25日
はじめに
前川区長所信表明の様子
平成28年第四回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。
能と狂言は、世界の古典演劇の中でも、最も洗練された、極めて抽象性の高い、優れた芸術であります。初めての「みどりの風練馬薪能」を、練馬区独立70周年プレイベントとして、10月10日に石神井松の風文化公園で開催しました。当日は、天候にも恵まれ、大型ビジョンでの観覧を含め、2200人を超える方々が、長い歴史を経た舞台の「花」を堪能していました。
日本を代表する演者の方々をお招きして、練馬区ならではの、みどり豊かな会場で上演出来たことを、心から誇りに思っています。区民の皆様の期待と反響は、私の想定をはるかに上回るものでありました。「来年以降もぜひ続けて欲しい」、「こうした本格的な催しを待っていた」などの感想を直接聞かせて頂いたところであります。
薪能に先立って開催した「みどりの風区民コンサート」では、地域に伝わるお囃子、子どもたちの新体操、地元の市民オーケストラ・中学校吹奏楽部の演奏と、区民の皆さんによる多彩なステージが繰り広げられました。音楽演奏と新体操のコラボレーションによるフィナーレは、1000人を超える会場を、大きな興奮の渦に巻き込みました。
また、スポーツ関係団体や障害者福祉施設の皆様の協力や参加を得て、10月19日に「第1回ユニバーサルスポーツフェスティバル」を開催しました。障害の有無を超えて多くの皆さんが、ボッチャやスポーツ吹き矢などの競技にチャレンジし、会場は熱気に包まれ、スポーツを通じて、新しい交流の場が出来たと思います。
練馬区独立70周年記念事業
次に、練馬区独立70周年記念事業についてです。
あと1か月余りで、独立から70年という記念すべき年を迎えます。来年行う記念事業は、練馬区のイメージアップ作戦「よりどりみどり練馬」の集大成として位置付け、区民の参加と協働により展開したいと考えています。
このほど、区民の方々が企画・運営する区民協働事業として、練馬の魅力を発信するイベントや、子どもたちがまちの未来を考えるワークショップなど、5つの事業を選定しました。
来月には、こぶしハーフマラソンを嚆矢(こうし)として、年間を通して行う多様な記念事業の概要とロゴマークを発表します。200を超える区内の広範な団体の皆様により、区民実行委員会の総会が開催されます。また、記念コンサート「真夏の第九」合唱団への参加者募集が始まります。
練馬区はこれから大きく発展するまちです。独立70周年を節目として、区民の皆様とともに、未来に向けた夢のあるまちづくりに全力を挙げて取り組んでまいります。
区政改革
次に、区政改革についてです。
2年にわたり、区議会や区民の皆様のご意見を伺いながら検討を進めてきた、区政改革計画を先月策定しました。区民参加と協働を根幹に、区民サービスの向上と持続可能性の両立をめざし、16の具体的な取組を盛り込んでいます。
「みどりの風吹くまちビジョン」に掲げた施策を充実する取組は、29年度に策定する次期アクションプランに反映します。改革を実行する取組は、先に策定した情報化基本計画や、今後策定する人事戦略など、個別計画のなかで詳細を明らかにしてまいります。
なかでも、将来を見通した公共施設の維持更新や管理のあり方は、特に重要な課題であります。長期的なマネジメントの方針を明らかにする公共施設等総合管理計画素案を、同じく先月取りまとめ、あわせて、区立施設の中でも大きな割合を占める小中学校を対象に、学校施設管理基本計画素案を公表しました。2つの計画素案については、パブリックコメントに加えて、区内6会場で説明会を開催したほか、関係団体への説明会や区政モニターアンケートなど、様々な方法で区民の皆様のご意見を伺っているところです。
区議会や区民の皆様のご意見を踏まえ、年度内に両計画を策定します。
出張所の廃止と跡施設活用
次に、出張所の廃止と跡施設活用についてです。
出張所が果たすべき役割は、時代の経過とともに、大きく変わってきました。とりわけ、住民基本台帳の電算化に始まるICT化の進行、住民税の収納手段の多様化などにより、事務取扱件数が大きく減少する一方で、郵便局やコンビニエンスストアの活用により、住民サービスの利便性が向上しています。こうした状況は、マイナンバーカードの普及により、更に加速すると見込まれます。そのため、出張所は平成28年度末に廃止することとし、本定例会に、条例改正案を提出しています。
なお、証明書自動交付機の稼働の終了は、経過期間を設け、平成29年6月末とします。今後とも区民の皆様へ、マイナンバーカードの交付申請を呼び掛けてまいります。
出張所跡施設は、区民の自主的な地域活動の拠点として活用することを基本に、施設の規模や地域の状況に応じて、高齢者相談センター支所や、街かどケアカフェ、図書館資料受取窓口などとしての利用も進めます。
先月、出張所跡施設活用計画素案を公表し、パブリックコメントを実施しました。区議会や区民の皆様のご意見を踏まえ、来年1月に計画を策定いたします。
介護予防・介護サービスの充実
次に、介護予防の充実についてです。
高齢者相談センターは、地域における高齢者や家族などの身近な相談窓口として重要な役割を果たしています。5つの支所の出張所跡施設への移転を進め、利便性を向上させ、相談環境を改善します。
介護予防などの相談と地域住民の交流の場、「街かどケアカフェ」を、来年度新たに、第三出張所と大泉西出張所の跡施設で開設する予定です。また、地域団体などの協力を得ながら、「街かどケアカフェ」のブランチを区内各地域に展開していきます。
高齢者の健康増進施設である高齢者センターについては、来年4月、4か所目を大泉に開設します。また、これを機に名称を分かりやすくすることとし、高齢者センターを「はつらつセンター」に改めます。本定例会に、名称変更の条例改正案を提出しています。
次に、介護サービスの充実についてです。
区内で初めて、小規模の多機能型居宅介護に、新たに訪問看護を加えたサービスを、大泉学園町で今月開始しました。来年4月、大泉学園町に開設される新病院などと連携し、地域における在宅療養ネットワークの一翼を担ってまいります。
区が誘致に取り組んできた努力が実り、来年度、練馬2丁目と土支田2丁目に特別養護老人ホームが開設されます。また新たに、土地の定期借地権方式に加え、施設の賃貸借方式を導入し、整備を促進していきます。
高齢者が、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けるためには、介護サービスをはじめ、地域での生活を支援するサービスが総合的、一体的に提供されることが必要です。引き続き、地域包括ケアシステムの確立をめざしてまいります。
認可保育所および区立幼稚園の保育料の改定
次に、認可保育所および区立幼稚園の保育料の改定についてです。
保護者の皆様が様々な子育ての形を選択できるようにするためには、ニーズに応じた多様な保育サービスの展開が必要です。今回の保育料の改定は、そのために必要なコストについて、広く区民が負担する税と受益者負担のバランスを見直し、保育所や幼稚園における保護者負担の不均衡を是正することを目的としています。
8月に、低所得世帯に配慮し、保護者の負担能力に応じた保育料の見直し案をお示ししました。今回の改正案では、区議会や区民の皆様から頂いたご意見をもとに、高所得世帯層の保育料の上げ幅を当初案より緩和するなどの変更を行っております。
改定による保育料増収分は、保育施設の新規整備、保育士の処遇改善、ひとり親世帯や障害者世帯の保育料軽減の拡充、私立幼稚園の入園料補助の増額などに活用する考えです。
本定例会に、認可保育所および区立幼稚園の保育料の改定に伴う条例改正案を提出しています。
公共交通空白地域改善計画の改定
次に、公共交通空白地域改善計画についてです。
練馬区の公共交通は、鉄道が主に東西方向に走り、路線バスが南北方向を担う体系となっています。区内には、鉄道の駅から遠い地域や、道路整備の遅れにより路線バスが運行されていない地域が存在します。こうした公共交通の空白地域を解消するため、これまで大江戸線延伸の実現に向けた取組を進めるとともに、公共交通空白地域改善計画に基づいて、区内の交通環境改善に努めてきました。
今後、高齢化率の特に高い地域や、坂道に配慮したみどりバスの停留所増設、都市計画道路の整備にあわせた、路線バスの運行ルート再編などにより、利便性を高めていく必要があります。
近く公共交通空白地域改善計画の改定素案を公表します。区議会や区民の皆様のご意見を頂いたうえで、今年度末に新たな計画を策定いたします。
大江戸線の延伸については、先月30日、総勢1200人の参加を得て、大江戸線延伸促進大会を開催し、実現に向けた地元の決意を改めて示すとともに、東京都に早期着工を求めました。西武線の連続立体交差化や都市計画道路の整備なども積極的に進め、引き続き、交通利便性の高いまちの実現に取り組んでまいります。
なお、本定例会には、施設名称を分かりやすくするための条例など44件の議案を提出しております。よろしくご審議のほどお願いいたします。
以上をもちまして、私の所信表明を終わります。
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区長室 秘書課 秘書担当係
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電話:03-3993-1111(代表)
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