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平成30年 第四回定例会(第2次みどりの風吹くまちビジョン)

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ページ番号:978-983-685

更新日:2018年12月7日

12月7日(金曜)、平成30年練馬区議会第四回定例会にあたり、前川燿男(まえかわあきお)練馬区長が記者会見を行いました。
会見では、6月に成案化した「グランドデザイン構想」の実現を目指し、区政改革計画を取り込み一体化した、新たな総合計画「第2次みどりの風吹くまちビジョン」の素案を説明しました。

日時

平成30年12月7日(金曜) 午後2時30分から午後3時28分

記者会見資料

区長発言

 議会ごとの定例会見を始めさせて頂きます。
 お手元の記者会見資料についてご説明いたします。
 お配りした一覧表を見て頂きたいのですけれども、今回の第2次みどりの風吹くまちビジョンについてお話をします。その後、特別区の職員の給与体系について一言お話しします。
 まず見開きを見て頂きます。私が就任したのは平成26年4月ですが、それから26、27、28、29、30年度と、これまでやってきたことを要約してまとめてあります。
 上から、子育て、高齢者、福祉・医療、それから都市インフラ、更には魅力のあるまちづくり像、また区政改革という形で、主な取組について、ざっとまとめてあります。
 こうした形で行政を進めるというのは、あまり特別区でもやっていないと思います。偶々私は長い間、東京都で三十数年仕事をし、一番長くやったのは計画行政です。今日は新しい記者の方もいらっしゃるので、一言お話をします。
 都に入庁したのは昭和46年、美濃部都政の一番の全盛期でありました。今となっては皆さんよくご存知ないと思いますが、美濃部さんの何が斬新だったかというと、要は行政というものを計画的にやる。都内の経済モデルを作りまして、それに従って経済成長を予測し、財政計画を立て、そしてシビル・ミニマムといいましたけれども、市民のいわば最低限の福祉水準というものを作り、その実現を目指して計画的に体系的にやったのです。それに私は惹かれて都に入ったものですから、体の中にそれが染み込んでおります。行政というのは総合的、鳥瞰的にやっていかなくてはいけない、と今でも信じております。それが一つ。もう一つは、偶々石原都政の時に様々な政治闘争を経ながら、都政全体の運営を何年か担いました。
 そういう意味で、計画と、現実の政治の戦い、その二つを総合的に体験したという点で、口幅ったいですが今の区長さんの中では一番私が、体験が深いのだろうと思っています。それを生かしてこうした形で体系的に取り組んでいるということをご理解頂きたいと思います。
 以下、簡単にご説明を申し上げます。

 お配りしている横開きの資料を見て頂きます、第2次みどりの風吹くまちビジョンの概要です。
 第2次みどりの風吹くまちビジョンは、2ページに記載した形の位置付けになっています。まず6月にグランドデザイン構想を策定いたしました。これは謂わば私の公約も兼ねていたのですが、それに従って、これを実現するために、今回のビジョンを策定しました。
 中身は基本計画とアクションプランの二つに分かれています。基本計画では基本理念と施策の柱を立て、具体的な戦略計画はアクションプランで21の計画を作っています。
 次のページを見て頂きますと、基本目標と基本理念。基本目標はグランドデザイン構想の実現で、「都市」「暮らし」「区民参加と協働」の3部から成っています。基本理念は「区民サービスの向上」「区民協働による住民自治」と「区政改革の徹底」。ある意味では当たり前ですけれども、私は、特に区民協働については、お題目だけではなく本気でやっていきたいと思い、色々なことを進めております。これを具体的な施策の柱にしたのが次の3、4ページ、これは私の公約と合致していますが、6つの柱を立てています。
 柱1「子どもたちの笑顔輝くまち」から始まって、高齢者、福祉・医療、安全・快適、みどり、そして心豊かに、そして最後、区政を進める・区政改革です。次ページ以降、この6つの柱ごとに、リーディングプロジェクトと主な取組を掲載しています。
 具体的な個別の中身について、お手元の冊子「基本計画」には理念、今お話ししたような目標や施策の柱について概略を記載してあります。例を見て頂くと、施策の柱1、22ページから23ページにかけてです。「子どもたちの笑顔輝くまち」が施策の柱1で、それに取り組む区の基本姿勢と施策の方向性をまとめ、右ページにリーディングプロジェクト、それから主要な取組を掲げています。これを6つの柱ごとに行ってあります。後で読んで頂ければ、細かい内容は分かると思います。
 そして、基本計画に従って戦略計画をまとめたものが、もう一つの冊子です。
 こちらは例えば、戦略計画1から4が施策の柱1の戦略計画になります。施策の6つの柱と全部で21の体系については、目次や一番最後に掲載した図、施策の体系と戦略計画という形で図にしてありますので、後ほど見て頂ければと思います。
 以下お話をするのは、元の記者会見資料に戻って頂きます。この基本計画と戦略計画の二つについて簡単にまとめたものが、この資料です。こちらにより簡単にお話をして、ご質問を受けたいと思います。
 まず5ページから始めます。
 ここでは「子どもたちの笑顔輝くまち」、リーディングプロジェクトとして保育サービスの更なる拡充があります。待機児童がゼロになったと宣言している区もある訳ですけれども、何を以て待機児童をなくしたという定義はみんな違いますので、同じように比較するのは難しい。私どもの区は口幅ったいですけれども、記載のように5年間で保育所定員を5,000人以上拡大してきました。全国でトップレベルだと自信を持っているのですが、にも拘らず、待機児童が発生しています。去年48人、今年は76人。
 この大部分は、ここに記載してありますように、地域における需要と供給のミスマッチです。保育所全体の定員と需要で比較すれば既に定員が1,160人上回っています。上回っているのですけれども、なお待機児童が出ている。それは何故か。それはこの園にしか行けないという人もいれば、色々な方がいらっしゃいます。そうしたことを踏まえて、どうしても若干ながら出てきている、というのが現状であると考えています。ただ、そうかといって、それを放置はできません。なおかつ、今年度も努力をしていますし、来年度もまた努力していきたい。そう考えております。同時に、「新規」と記載していますように、ただ漠然と、むやみやたらに保育所を増やせばよいという訳にはいきません。中には公園まで潰して保育所を作っている自治体もありますけれども、私は本末転倒だと思っていますので、そうしたことをする気はありません。長い目で見て、保護者が子どもの教育とは何かを選択できる社会を実現すべきです。そのためには、単に保育所だけではなくて、所得政策から、労働政策から、総合的に取り組むべきだと思っています。
 第1の柱の主要な取組は、この他に「練馬こどもカフェ」。これまでも高齢者のためのケアカフェをやっておりますけれども、それと類似した形で、例えばスターバックスに協力してもらうなど、民間のカフェの中の一角をこどもカフェとして確保して、そこに保護者が集まったり、リラックスして子どものことを語り合うとか、そうした仕組みを作っていきたいと思っています。
 それから「母子健康電子システム」。これは、いわば母子手帳の電子化。電子母子手帳と言ってもよいと思っておりますが、あらゆる情報を電子化し、保護者、それから本人がある程度の年齢になったら見られるようにしていきたいというものです。妊娠期から子育て期まで切れ目ないサポートを実現するものです。
 それから、児童相談体制の問題。これは、これまでいらしている記者さんには何度もお話をして参りましたが、児童相談所行政というのは広域行政です。初めての方もいらっしゃるので、あえて配りましたが、9月の記者会見でお配りした資料の中で、児童相談所行政の部分だけ、お手元にあります。
 また、まるで22区と練馬区が対立しているかのような報道がされておりますけれども、そうではありません。児童相談行政は、これは、私は基本的に区市町村、区の行政だろうと思っています。今お話をしたような電子母子手帳みたいなことも含めながら、これも、各区が様々な形で区が頑張るべきです。しかしその中で、児童相談所行政は、基本的に広域行政である。これを説明し始めると、またこれだけで時間を取りますので、またご覧頂ければと思います。そこのところを是非、やっと今日いらっしゃっている日経新聞さん、毎日新聞さんをはじめとして、色々な形で正確な報道がなされるようになってきていますけれども、是非、正確な、ポイントを捕まえた報道をお願い申し上げたいと思います。
 今日お配りした資料に戻ります。6ページをお開けください。次は高齢者です。
 リーディングプロジェクトは特別養護老人ホームの増設です。既に現在29施設が区内にあり、都内最多です。特別区だけではなくて、市や町も含めた都内最多ですが、これを更に、当面5施設を増やそうとして整備中です。
 また、主要な取組として、コンビニ・薬局と協働した介護予防と見守りをやっていきたい。今度は「街かどケアカフェ」を、コンビニや薬局とも連携して、イートインスペースや待合室を活用してやっていきたい。そして、コンビニの従業員を対象としたニンプロ、Nerima-improvisation、即興劇になりますけれども、ご存知のとおり。そういった研修を現在始めておりますが、これを実施していくことになります。
 一番の問題は元気高齢者。特に男性の元気高齢者に、まちなかに出てきてほしいのですけれども、なかなかこれが大変、極めて難しい課題ですがその努力をしたい。「シニア職場体験事業」であるとか「はつらつシニア活躍応援塾」をやっていきたいと思っています。
 資料の右側に戦略計画06-1、06-2と記載しております。先ほどの戦略計画で、該当のところをご覧頂ければと思います。

 施策の柱3は、子ども・高齢者以外の、福祉と医療のまちです。
 リーディングプロジェクト、障害者のライフステージに応じたサービスの提供を確実に進めていきたい。区内で初めてですけれども、医療的ケアが必要な方のためのショートステイ事業の実施の検討を始めております。
 それから農福連携です。これは例えば、区内に山口さんというトマト農家がありますが、そこに精神障害者の方が来て、トマトの世話、摘み取りなどをやっています。大変印象に残るので、是非ご覧頂ければと思いますけれども、そうした色々な農福連携というものを積極的に進めていきたいと思っています。
 そして主要な取組としては、セーフティネットを拡充していくということもやっております。「ひとり親家庭への自立応援プロジェクト」を進めていますが、その出張相談を開始したり、生活保護受給世帯の子どもについて、更に応援を強化していきたいということです。
 それから区内病院の整備の促進です。ご存知の通り、練馬区の10万人当たりの病床数は23区最低でありました。23区平均の3分の1しかありません。これは私が改めて申し上げるまでもなく、現在の医療行政というものは、どうしても既得権が優先になっていますので新しい展開ができないという、そういう構造、根本的な問題があります。これはなかなか、東京都の医療計画で病床数が認められないと増設ができない、という大きな制約がありますけれども、その中でも何とか増やしたいということで、今このような形で努力しています。今後とも、特に、新しい病院の誘致を目指していきたいと考えています。
 4番目、次の8ページ「安全・快適、みどりあふれるまち」、都市インフラです。
 これはもう何度も申し上げております。区の都市計画道路の整備率は極めて低く、約5割で、しかも西部地域は約3割という論外の状態です。このことが大変大きな制約になっています。単に交通不便というだけではなく、いざ災害というときに、救急車、消防車さえ通れない所が未だにあります。それを何とか、確実に都と協力をしながら都市計画道路の整備をしていきます。
 大江戸線の延伸については、ご存知のとおり、国や都の計画あるいは答申において、整備は決まったのですが、これを一日でも早く具体化していきたい。西武新宿線については、池袋線に続いて近々早期着工に向けて持っていきたいと思っています。
 それから「みどり」です。リーディングプロジェクトはもう一つあります。
 練馬区の自慢は、一つはみどりなので、緑被率が23区で最も高い訳ですけれども、これまでは「みどり30計画」というのを作って、30%の緑被率を確保するということをやってきたのですけれども、これはもう計画を作って12年経つのかな。事実上、それは無理でありまして、区内の緑地の4分の3は民有地で、4分の1が公有地です、公共地、公園や樹林地、そうした公共の用地は増えているのですが、民有地は農地を初めとして、確実に残念ながら減ってきております。
 これを何とか、区民と協働しながら守り育てていきたい。そのために、緑被率30%の目標、これはもう現実離れしていて無理なので、今は二十何%しかありませんので、みどりに満足している区民の割合を80%にしていきます。今は70%弱ですが、それを目標にして、並木を整備した幹線道路を作ったり、あるいは「武蔵野の面影」をテーマにして稲荷山公園の整備をしたり「水辺空間の創出」をテーマに大泉井頭公園を整備していく、ということをしていきます。
 そして、三つ目の丸にありますように、基金をリニューアルするなど、みどりを守り育てるムーブメント、区民のムーブメント。いい表現がないので、あまり適さない言い方をしていますが、運動、そういうムーブメントを引き起こしていきたいと考えています。
 災害リスクについては、練馬区は、これでも23区で最も安全なまちですけれども、それでも、まだ地域によっては住宅密集地域があったり、狭あい道路などの問題がありますので、これを更に安全なまちにするため努力していきたい。

 それから5番目、9ページです。「心豊かに暮らせるまち」ですが、リーディングプロジェクトは二つあります。
 区立美術館を大拡張していきたいと思っています。現在の区立美術館は、北側にサンライフ練馬という公設の施設と一体です、それが大体区立美術館と同じぐらいの面積がありますので、それと合わせて大リニューアルをしたい。
 これをするために、館長には秋元雄史さん、東京芸大の美術館長ですが、この方に来て頂いて、今、具体的な設計を始めております。例えば世田谷美術館、ご存知の通りなかなか良い美術館がありますが、何とかあちらに負けないような、魅力と一体となった美術館を作っていきたい。合わせて、美術館の前に美術の森緑地がありますが、それと近くの商店街、駅へ続く動線を一体化した、そういう街並みと一体となった美術館を作っていきたい。
 その他、私が区長になりましてから、様々な行事をやってきました。「真夏の音楽会」、や「薪能」、様々なことをやってきたのですが、それを更に充実していきたい。
 そして来年11月には「世界都市農業サミット」を開催いたします。これは東京オリンピック・パラリンピック競技大会の前年に合わせて開催するものです。
 この11月には、ニューヨークとロンドンの代表者4名に来て頂いて、プレイベントを開催いたしました。おかげ様で多数の皆様に見て頂いて、成功だったと思っていますけれども、来年が本番です。
 この2都市にジャカルタ、ソウル、トロントを加えた5都市から農業者、研究者、行政関係者をお招きして、都市農業の魅力を共に考えて、世界に発信していきたい。合わせてワールドマルシェであるとかフェスティバルを開催する、大きなお祭りとしても見応えのあるものにしていきたいと思っています。
 そして、農と共存するまちづくりについて。これは私が区長になりましてから、積極的に国交省、農水省に出向きまして、制度改正を働きかけてきましたけれども、その甲斐がありまして、平成27年度から、矢継ぎ早に制度改正が実現しています。その新しい制度を生かして、積極的に農地の保全と新たな開発に取り組んでいきたい考えています。
 最後は、区民とともに区政を進めるです。
 リーディングプロジェクト、窓口から区役所を変えていきたい、と思っています。
 戦力計画21に載せていますが、色々な自治体、例えば千葉市の新しい市長は窓口から変えるということで色々と努力していらっしゃる。私 は、これはなかなか難しいけれども、よくワンポイントでそこに行けばできるとか、そういうことを言うのは簡単ですけれども、なかなか実際は難しい。派手でなくてもいいから、スタンドプレーではなく、ただ目立つだけではなくて、現実に区が変わるようにしたい。
 冊子で戦略計画21を見て頂きます、こちらの方が分かりやすいので、そこに記載のように五つやっていきたい。
 区役所に行かなくても、自宅や近所で手続ができるようにしていきたい。今、それをコンビニで始めておりますけれども、それを更に充実していきます。
 それから、区役所に来なくては混雑状況が分からないのでは困りますので、来庁前に窓口の混雑状況が分かって、事前の準備ができるようにしていきたい。そして日時を選んで行けるようにしていきたい。
 3番目として、窓口にフロアマネージャーを置き、案内が正確・迅速に行えるようにしていきたい。そしてスマートフォンで順番が確認できるようにしていきたい。特に高齢者、障害者、外国人の皆さんが便利になるような案内の手法も考えていきたいと思っています。
 それから4番目。複数の申請書が一括して作成できる支援システムを導入して、来庁された方と職員が一緒に専用の端末を見ながら入力して、必要な申請書をまとめて作成できるようにしていきます。
 そして最後ですが、今までも残念なことに、色々なミスがありました。間違った相手に書類を送付したり、あるいは入れなくていいものをわざわざ入れてしまったりと。残念ながら、今までミスが、まだ続いているのですが、これは当然ながらヒューマンエラーがほとんど全部です、努力をしているけれども未だにミスが発生しています。
 必ず、謂わばフェイルセーフであって、人間は必ずミスを起こすものだということを前提にして事務処理全体を見直していきたい、そう考えています。
 これをリーディングプロジェクトにしながら、区民とともに区政改革を進める、区民協働による住民自治を進めていきたい。
 10ページに一目だけ戻って頂きますと、この窓口から区役所を変えながら、防災、ひとり暮らし高齢者の見守りであるとか、町会・自治会組織の活性化であるとか、様々な形の取組を進めていきたい。

 すみません、時間が長くなりました。
 もう一言だけ申し添えます。文頭に申し上げました、今回、東京都の人事委員会から、職員の給与について勧告がありました。
 大きな引き下げを勧告された訳ですが、これについては当然ながら、全区がこれを実施をできないということです。私の杞憂かもしれませんが理解が不十分かなと思いますので、あれは人事委員会の勧告の内容が間違っていたのです。事務的な事務処理のミスです。
 だから、それは私が先頭に立って反対いたしました。ああいった間違ったミスを下す、間違った勧告をすることを許してはなりません。つまり、政治的に間違っていたのは勿論ですけれども、例えば、何故国が上り、都が上り、民間が上がるのに、区だけ下がるのか。その説明が全くされていません。
 そういう中で、ただただ制度改正があったので、それに合わせて下がっている。訳が分からない、全く信じられないような事務処理の誤りをしていますので、それを是非ご理解頂きたい。あえて申し添えておきたいと思います。
 私からは以上です。ご質問をお受けいたします。

質疑応答

【記者】
 読売新聞の中根です。宜しくお願いいたします。
 みどりの風吹くまちビジョンについてです。「みどり」というのが大きなテーマだとは思いますが、世界的には気候変動対策が非常に重要視されているなかで、気候変動対策というのはこのビジョンの中に盛り込んでいますか。
【区長】
 私は偶々、区長になる前に東京ガスにいたこともあり、要は、地域単位のエネルギー政策といいますか、そうしたことをやりたいと思い、ビジョンの中に盛り込んでいます。戦略計画の15を見て頂けますか。
 東京都にいるときは、あまりエネルギー政策に関係がありませんでした。道路政策と一緒で、あまり関係なかった。偶々東京ガスでお世話になって、それでエネルギー政策を勉強させて頂いた。基本的に大規模発電、大規模輸送というものは、止むを得ない面もあるけれども、どうしても環境上は色々な負荷がかかりますし、問題がありますので、自立分散型のエネルギー社会になるべく日本も移行していくべきだ、とずっと考えています。
 そこで、記載したように、避難拠点について、まずエネルギーセキュリティを確保しながら、区には力の限界がありますけれども、例えば地域コジェネを導入したりとか、再生可能エネルギーを利用促進したりとか、たまたま清掃工場もありますので、それを使ったり、色々な形で自立分散型エネルギーについても、頑張ってきたと思っています。それをやってきました。
【記者】
 関連して、隣の板橋区長が、区の脱炭素の取組が評価されたということで、ポーランドで開かれている気候変動枠組条約の会議に参加して、板橋区の取組を発信されています。区長として、今後、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)を受けて発信するとか、そういう考えは。
【区長】
 板橋区長には、それはそれで頑張ってもらえばいいのですけれども、私はそうしたことよりも、こういう人間で、元々行政をずっとやってきましたし、現実に区は何ができるか、です。それが問題だと思っています。実際に、例えば大きな「脱炭素」という意味で、そんなに区が大きく貢献できるかというと、板橋区の条文を読みましたが、住宅都市が具体的に何ができるか。それをやっていきたい。
 私は東ガスにいましたから、コジェネを大々的にやりたいと思って、内輪話で東京ガスとも相談したりしたのですけれども、これが、コストがどうしても難しいのです。ご存知の通り。一番、省エネそれから省CO2という意味では、それこそコジェネなり何なりが一番良いのです。良いのだけれども、コストで勝てない。当然ながら、再生可能エネルギーの一番の弱点はコストです。大規模発電、大規模輸送には勝てないのです。そこを、ではどうしたらいいのか。その具体的な取組ができたら、自信を持って自分が先頭に立ってやりますけれども、どうしても制約があるな、と思っています。

【記者】
 NHKの加藤と申します。よろしくお願いします。
 以前の会見でも度々ご説明があったかもしれませんが、児童相談体制の練馬モデルについてもう少し詳しくお話を、どういうものになるのかご説明して頂けますか。
【区長】
 資料をお配りしてあります、これを見て頂けますか。
 先ほど申しました児童相談行政、児童福祉行政そのものは、私は区が中心になってやるべきだと思っていますので、最初にお話ししたようなこどもカフェ、あるいは電子母子手帳とか、様々な努力をしています。ただ困ったことに、そこに大きな矛盾があります。
 特に23区は、日本、全国の中でも児童相談行政が極めて深刻です。当然、それは当たり前ですよね。つまり家庭が一番孤立しているのは大都市です、しかも東京が一番です。そういう中で、必要な支援を受けられないで虐待があったりとか、それこそ最悪の場合には子どもとの心中、そうした連鎖が起きている。そういう深刻な児童の相談について、しかも、その件数が増えてきている。こういった件数、ただ、色々なマスコミ等の報道では物凄くたくさん起きているような印象を受けますけれども、そんなことがあったら大変です。数からいえば、実はそんなに多くはないのです、絶対数は。
 つまり、資料の表の1番上に支援施設である児童養護施設があります、これは全体で、都の関連で63か所あり、大体そこに子どもが3,000人弱入っているのですけれども、その数は、保育園に入っている子どもに比べたら100分の1ぐらい、そうした数です。しかも、その児童養護施設というのは、都外も多くて、23区の中には数えるほどしかないのです。そういうなかで、子どもに対して対応していかなくてはいけない。
 つまり、項目2に記載したように、児童養護施設などの社会的資源は少数で、しかも広く都内外に分散していますから、これは広域行政とならざるを得ない。区が、もしやるためには、児童養護施設や里親を全部、区内に準備して、しかも、それでも一時保護となると区内で完結させることはできない。だから、広域行政にならざるを得ない。
 次のページを見て頂くと、それに対して、今まであたかも練馬区だけが反対していて、他の22区は賛成しているようなことがありますけれども、本気で児相を設置しようとしているのはほんの一部です、ほんの数区です。しかも、私は特別区長会で何度も言いました。なぜ23区で作った方が、都がやっているより良くなるのかと聞いても、何の説明もない訳です。身近な区政だからという訳です。23区の悲願だから、とか抽象的な議論しかやってこない。
 つまり、他区や都の児童相談所との入所や指導の調整が不可欠なので、今のまま、しかも都がなくなって区が作る、区に移管するわけではないのです。都は残したまま区が作って、そして、屋上屋を重ねるだけで、しかも、そうなっても区だけでは完結できないのですから、結果的には、都の児童相談所におんぶにだっこになるか、あるいは何らかの、それこそ一部事務局組合みたいなものを作らざるを得ない。それはおかしい。
 だから、練馬区は子ども家庭支援センターを中心として、地域単位のきめ細やかな支援をしながら、都の児童相談所と連携してやっていく。次のページはそのイメージです。
 すでに都の児童相談センターと「連携強化事業」の協定を結んでいますけれども、区の職員が、都の児童相談センターに行って一緒に仕事をしたり、逆に、都の児童相談センターの職員が区の職員会議に参画する、そうした交流を現に始めておりまして、そして援助方針を検討する会議等にも一緒に、一部だけでも入れるような形で進めております。これを更に進めたいというのが、今の方針です。そのために、区内の3警察署とも協定を結びました。
 私は、23区全部に児相を作ったら、とてもではないけれども、例えば、養護施設に入れる人をどうやって調整しますか。今の七つの児童相談所だって大変なのです、それを都外の施設も。子どもはごみではないのだから、電話して1本で済むという訳にはいかないのです。子どもの特色もあれば、施設の個性もあるのです。施設によって、子どもの年齢構成も違えば、男女比も違えば、子どもの成育歴も違えば、職員の資質もこれまでの経験も違う。その中で、一番適切な組み合わせを探していかなくてはいけない。23区が全部やってしまったら、どうなってしまうのか。必ず調整しなくてはいけない。それが驚いたことに、区長会では、例えば、ある養護施設で100人の子どもが定員でいたとすれば、その何割が東京都で、何割が特別区で、そのまた特別区も、優先順位を決めておくとか…信じられないです、そういう発想すること自体が。真に機械的で、しかも実現不可能なことを平気で言っている。私は、そういう検討をすること自体が異常だと思っています。
 私がそもそも都に入ったのは福祉をやろうと思い、入りました。最初は障害者行政をやったけれども、一番長くやったのは、職員でやったのは児童福祉です。そういう中で、児童相談所は自分の所管として仕事もしたし、児童相談所はどういう体制にもっていくか、様々なプロジェクトを作ったりしながら工夫してきました。日本で初めて、養子縁組を目的としない、養育里親制度を作ったのも私です。養護施設についても頻繁に行き、子どもたちと交流して、職員と交流してきました。現場の実感が身に染みついています。区長さん達には一回でもそうしてもらいたい。児童養護施設に行ってみろ、と言いたい。一度もそういうこともしないで、ただ口先だけで、一番身近な行政だから区がやれば良い、という信じられないほど乱暴な行政に腹が立って、私は仕方がありません。
 ところが、マスコミ報道では、あたかも私が都の職員だったから頑なに反対していて、他の区が、いわば身近な行政として子どものことを心配している、そうしたことを言う方もいるわけです。この前、ある新聞の編集員の方が見えまして、私に、22区と一緒になって児相設置に取り組むべきだ、ということを平気で仰った。では何を根拠にそういう議論をしているのか、というと何の根拠もない。身近な区市町村が頑張っていくのだ、とそういう決まり文句が出てくるだけで、私は真に腹が立っておりました。これは許せません。

【記者】
 今の質問に関連して、毎日新聞の福沢です。
 区長の仰っていることは、日経さんとか毎日が紙面で指摘しております。それから先日、読売さんを見ますと、23区では荒川・江戸川・世田谷の3区が2020年度にも、また港・中野あたり、それから様子見が杉並などたしか6、7区ぐらいで、このまま行くと大勢として23区は児相を自ら持つ、ということになっていくと思うのです。
 ただ区長のお話を聞いていると、確かに無駄な、屋上屋を掛けるようなところも感じるのですが、区長は行政マンとか論客としてであれば非常に面白いのですけれども、このままだと現実がもう動いてしまっているので、一言居士のように区長がなってしまう可能性も出てきてしまいます。例えば区長が呼びかけている都庁、都の広域行政。前川さんは政治家な訳ですから、例えば小池都知事とタッグを組んで、都庁に乗り込んで行って、これは都がやる、児相は東京都がやる、といったアピールを出すとか、具体的に歯止めをかけるとか、他の22区はおかしいのではないか、ということを政治的に闘争するような動きを、前川さんは何かやろうというお考えはないのでしょうか。
【区長】
 それは、もうご指摘を待つまでもなく水面下でずっとやっております。具体的に言うとまずいので言えませんが、それは都庁の行政でいえば、言いにくいのですけれども、要するに幹部はみんな私と同じ意見でありました。しかも都議会もそうです。みんなそうです、分かっているのです。分かっていて、極端に言えば誰一人、22区に賛成する人はいない訳であります。それは十分態勢はつくってあります。これからも都がやっていこうと思っています。ただ、これを表立ってやればいいという訳にもいかない。そこで東京都が今一番困っているのは、どうやって当面を落とすか、落着させるか。
 今、杉並と数区、と言われましたけれども…やる気のない区もあります。本気でやろうとしているのは江戸川と荒川と、それから世田谷ですか。江戸川は、偶々自分のところで死亡事故があった、虐待事故。ただ、では、区が持っていたら起きなかったのか。私は逆だと思いますけれども、そういった事情があります。荒川や世田谷もそれぞれの事情がある。他の多くの区はみんな模様見です。だから現実には、東京都は、だからそのレベルで収束させたいというのが本音なのです、本当に。ただ、そのために、どうやって上手く終息させるかなのです。そこを今考えている段階です。これは、何か3区が始めたら自動的にワーッと広がると、そういうことは絶対ないと私は断言していいと思っています。
【記者】
 最後に、僕も区長の言うことに大分共感しているところが多いのですが、一方で、12月1日の毎日新聞の1面トップでしたけれども、厚生労働省が、児童虐待防止、厚労省がワーキンググループ素案、児相介入を強化、整備計画自治体義務という形で、今日、たしか、その素案を国が発表して、できれば自治体が児相を作るべきだ、という大きな流れが今日また出てくると思うのです。だから、もし区長の言っていることが、私もそれは共感できるので、言うのであるならば、もっと水面下ではなくて、何かしらの行動を早急に起こさないと、この流れはきっと止まらないのではないかと思いますけれども。
【区長】
 流れができているのかな、例えば中核市にしても、2市だったかな。とっくに何十年も前から出来るはずが、出来ていません。政令指定都市は規模からいっても、生活実態からも当然ですよね。それは持つべきだ。だから、その同じ流れでいえば、東京は23区ではなくて、東京市として持つべきなのです。東京都ではなくて。それはその通りではないですか。それは現にやっているわけです。だから、そこのところは厚生労働省もどうやって収束させるつもりか、私は分かりませんけれども、一にも二にも三にも、マスコミの皆さんの責任が大きいと思います。
 何となく今まで、申し訳ないけれども、この前の記者さんもそうなのだけれども、身近な行政だから区がやるべきだ、という…。
【記者】
 ここでいう「23区の悲願、身近な行政が対応する」と。
【区長】
 それだけです。それだけでセンチメンタルにやってきて、実際の現場では困る訳です。区の職員もどうやっていいか分からない。そういう中でやったら、多分大問題が起きますよ、恐らく。間違いなく。
【記者】
 大きくそれは発言して立ち上がって頂きたいです。

【記者】
 読売新聞の中根です。
 区長のお話はごもっともだと思ったのですけれども、都との連携というのが重要になるというか、結局、都任せというか、都がある程度働いてくれないと連携行政というのは上手くいかないという形になってしまうと思うのですけれども、そうすると、結果的には困った人たちが練馬区だけ取り残されてしまうのではないかとに思うのですが。この点については、どのように。
【区長】
 質問の意味が分からない。どうして練馬区は取り残されるのですか。児相ができたって何も出来ないのです。実際の問題として、実務処理の問題として。
 申し訳ないけれども、先ほど私があれほど説明したにもかかわらず、まだ区が作った方が良いという前提に立って、質問されているでしょう。そうならない、絶対やったとしたら大混乱なだけです。何故それで、練馬区が取り残されるのですか。
 僕は一番困るのは、そうやって何となくの思い込みがあって、22区のやることがよいことであって、それに反対していると、何となく練馬区が取り残されていく、と。それは困るので、私は色々な形でこうやってお話をして広めていきたいと思っているのです。都政新報でさえもそうです。都の事情が分かっているのにそれを書かない。トップは何を考えているのか分かっている、知事は何を考えているか分かっている、のに書かない。それで、まるで各区が作るのがよいことのような書き方をしている。これは許せない。だから、今の質問の意味が私はよく分からない。
【記者】
 この件で、素人目線で考えると、そのように。そのような人は多いと思うので。
【区長】
 ただ、さきほど福沢さんが言われたように、私は、これは政治問題だと思っているから、だから私は正論を言っていれば済むと思っていません。それによって練馬区は何も損しないし、何も練馬区は他の22区と…そもそもあり得ないですけれども、万が一できたとしても、ほんの数区です。まずどんどん時間が経てば経つほど脱落するし、作れないのだけれども、だからそれによって練馬区は損をする、とは私は全く思っていませんが、ただ、政治家として単に放置している訳にはいかない。
 とにかくやるところは勝手にやらせて、東京都と一緒に、現実にはダメにしていくという方向しかないと思います。ただ、お話があったように、政治的パフォーマンスも確かに必要かもしれない。それは考えます。今日よいお話を伺った。政治的パフォーマンスは上手くやらなくてはいけない。
 だから中根さんのご質問は、そういう意味で解釈しますけれども、ただ、読売新聞さんだけはちょっと、日経さん、毎日さんはきちんと書いて頂いて、まだ読売さんは本当に書いている気がして心外なので、是非よろしくお願いします。

【記者】
 お叱り頂きました都政新聞です。
 先ほどの続きの話になってしまいますが、今週から都区財調協議が始まっておりまして、その中で区長会は、児相関連のお話…基準財政需要額の算定需要ですとか、特別交付金で準備経費を全額持て、ですとか、都区間の配分割合の話も前年度に引き続き主張しているというところで、区長会側とすれば、平成32年度の開設に向けて、よりその方向性を強めていくのだと息巻いているようです。こうした動きをどのようにご覧になっているのか、というところがまず一つと、仮にその話を具体化させようという動きになった場合に、それこそ、先ほど読売さんも仰ったかもしれない、配分割合の変更ですとか児相の需要額算定が実現した場合に、仮定の話で恐縮ですけれども、むしろ練馬が詰め腹を切らされるといいますか、児相をやっていないがために、財調の配分割合が不当に減らされるですとか、そういった危険性もあるのかなと思ったのですが。その辺のところについて、仮定の話で恐縮ですけれども、何か懸念とかをお持ちなのかというところだけ伺えれば。
【区長】
 そもそも完全な誤解があるのです。都の児相を移管する訳ではないのです。単なる、出来るという法改正があって、勝手に23区が作るだけの話です。それをなぜ都が金を出さなくてはいけないのですか、財調の配分を変えなくてはいけないのですか。それは完全な誤解だし、思い上がりです。しかも今度、児童福祉司を都が増やしたら、それを寄越せとまで言っている。信じられないこの無責任さ。自分たちの行政で、自分たちでやるなら、自分たちでやれよと。自分たちの一般財政の中で。それを需要額に算定するなんて、とんでもない話。完全な甘えもいいところではないですか。やることだけは自分の勝手にやらせてほしい。内容調整も何もやらせてほしい。それで財政と人員は見てほしい。こんなふざけた話はないと思います。無責任極まりない、それで自治体と言えるのか甚だ疑問です。
【記者】
 実は今日、児童相談センターに伺い、業務を取材させて頂きました。その中で仰っていたのが人材育成の部分。都では3年かけて新人研修して、何とか一人前に育てていくけれども、区では、結局派遣研修2年で引き揚げて、それで平成32年の開設だったりとか、二次の開設に向けて、人を育てたという形にしていると。それで本当に児相が立ち上がって業務に対応できるのかというところは、児相センターの方もかなり懸念されていたことでした。ただ一方で、設置市が立ち上がった場合に、業務自体が結局、都から設置市に移ってしまうということで、そこを主張の根拠にしているというところがあると思うのです、区長会とすれば。例えば、世田谷区に児相が散らばった場合に、世田谷児相の中で、世田谷区の所管がなくなってしまう。だから、仕事自体は実質的に移管されている、というのが区長会側の主張の根拠だと思うのですけれども、その辺りのところについてはどうお考えでしょうか。
【区長】
 よく人材の育成が課題だから、というけれども、研修すれば済むという問題ではないのです。私が口を酸っぱくして言ったことの意味を分かってもらいたい。行政の性格が違うという、広域行政だと言っている。それをまるで人を育てれば、そのまま自動的に児童相談所が運営できるとか、そんなことではない。
 仮に、十分な経験を持つ職員、十分な見識、経歴、知識を持つ職員がいたとしても、出来ない。何故か。広域的な調整が必要だから。各区単位では出来ない。それを私は、くどく言っている。一時保護にしても。一時保護で虐待のこどもをどうやって逃すのか。勝手に他の区に入れる訳か、出来ない、自分の区で処理できない。養護施設が自分の中にないのにどうやって措置するのか。そこを書いてほしいのです。
 それをあたかも、都政新報は典型だけれども、職員を育成したら仕事が出来る、と嘘を書くから腹が立つ。そういうことに問題をすり替えるなと言いたい。

【記者】
 日本経済新聞の亀です。話題を変えて。来週は税制の改定論議が決着しそうな雰囲気で、でも、都政の中で一番課題となっているのが、いわゆる偏在是正措置。都税が1兆8,000億ある中で、報道ベースですけれども、我々も含めて、もしかしたら、今、5,000億ぐらいが取り上げられているのが1兆円規模になる恐れもある、ということで、小池知事も含めて、都も組織を挙げて、国に対して反対運動をやっている訳ですが。
 間接的には区のレベルにも影響を及ぼすのですけれども、いわゆる偏在是正措置における、都税の、いわゆる都の言葉を言うと“収奪”について、区長は現実の区政への影響について、どのようにお考えなのか、お願いします。
【区長】
 この問題は、自分が長い間、行政でやっていましたから思いが深く、区長会にまず言いたいのは、児相どうこうなんて大した問題ではない、都がやっていればそれは済んでいる問題。一番の問題は財政です。今、亀さんが仰った財政の問題。これを何でやらないのか、都と協力して。こういう根源的な問題に一切手をつけないで、極端にいえばどうでもいい児相の問題に血道を上げる…異常です、それがまず言いたい。
 2点目に言いたいのは、私は長い間行政をやってきて、東京都でも都全体の計画行政をやってきたので、財源の問題は、ずっと私の若い頃は一貫して大問題。一貫して、国と地方に都が押される展開をやってきて、長くそれが続いてきました。
 それが唯一押し返した時期があったのは、石原さんの初期だけです。この時は、それこそ首都移転の問題から始まって、何故それが出来たかというと、石原さんが絶大な影響力を持っていた時期があった。国政にも都政にも、もちろん司法にも大きな影響力を持っていた。だから、国が石原さんの顔色を気にした訳です。だから、そういった時点では、さすがに無茶苦茶なことを出来なかった時期があったのは間違いないと思います。
 3点目、だから、従って、今大事なことは、都は政治的な力を持って頑張る、という、それしかないと思うのです。そのためには、今の状況では、都知事だけが言うだけでは難しいでしょうから、当然、国、それから、色々な地域レベルでの、政党レベルでもっと連帯してもらいたいなと思っている。それは私が余りとやかく言う問題ではないけれども、どこまで当時の石原さんレベルに力を発揮できるのか、ということ。そこが焦点だと思います。
 そして4点目。当然ながら、区の行政に多大な影響があります。私も本当に若い時から、特に腹が立っているのは、区の職員が、まるで天から金が降ってくるように思っていることです。自分が独立した自治体であったら、さきほどの児相の問題も、自分の財源でやるのが当然だ。そういう意識がないのです。事があれば何か財調を要求して、あるいは国や都に要求して済ましている。そこは根本的におかしいと思う。
 本来は、全部自分で財源を調達すべき。たまたま23区が、本来は東京市であるべきだけれども、色々な政治的な理由があって、形だけ自治体になっている。私はそれに反対している訳ではないです、変に変わらない方がよい。そして、住民自治という点では、この23区の自治というのは絶対に必要だと思っています。特に、区長になって強く思っています。ただ、それイコール「区の力」になっていない。区は、あくまでも財政的に自立できない、そういう中で、都にいわばおんぶにだっこというのが習性になっている。この体質を変えないとまずいと思っています。 それを具体的にどうしていったらいいのか、そこはまた色々と議論があるでしょう。

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