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練馬大根の歴史

ページ番号:251-594-887

更新日:2010年2月1日

 練馬大根とは、練馬地方で作り始めた大根をいう(※注釈)。練馬大根の栽培は江戸時代に始まった。この地方の表土は深くて大根栽培の適地だったから、すぐれた大根が生産され、練馬といえばすぐに大根を思い起こすほどの国内有数の産地となった。

※注釈:純粋な練馬大根は、沢庵(たくあん)漬専用の「練馬尻細大根」と、生売用の「練馬秋づまり大根」(煮食用。ベッタラ漬、糠味噌(ぬかみそ)漬にも用いる)の2品種である。しかし品種改良の結果、今まで多くの練馬系大根が誕生した。これらの練馬系大根も、広義には「練馬大根」といえる。

大根栽培の土質

 大根は栽培する土の性質によって根形が著しく変化する作物である。
 桜島大根は世界一大きい大根で、直径が30~40センチメートルにもなる。この大根が栽培されている土壌は、桜島火山砂礫土という軽石を砕いたような粒のあらい砂の層である。土地の人はこれをボラ土とよんでいる。ポラ土の層は水はけがよく、空気も入り込む。また、ポラ土の粒には細かい穴が無数にあり、そこに水がしみ込むので適当な水分も保たれる。根の発育には好都合な土壌である。
 長さくらべでは守口大根が世界一である。産地は濃尾平野の一部で、細かい砂地の軟らかい土質の畑で栽培されている。木曾川砂土といい、砂層が2~3メートルものところがある。だから長い根がぐんぐんと下へのぴる(※注釈)。さて、練馬大根が生まれた練馬地方の土壌は、関東ロームよばれる赤土層である。この層は洪積世(地質時代区分の一つ、今から200万~1万年前)に活動した箱根・富士火山の火山灰が、西風に乗って関東一円に運ばれ、それが風化して粘土化した地層である。東京野菜の研究者福井 功は、「練馬地方一帯を覆う武蔵野台地の土が火山灰の洪積層に厚く覆われ私宅付近の地下鉄工事現場の調査では七メートルに及ぶ所もあった。この土が根の深く入る植物の生育に最適なのであって、ダイコンばかりでなく同じ伝来野菜のゴボウ・ニンジンなどにも適し、その後新しく伝来したサツマイモの栽培も盛んになったことからも納得できるのである。」と述べている(「東京都練馬地方における練馬大根の成立の過程と変遷」平成2年刊 春陽歴研社)。

※注釈:ここでは桜鳥大根や守口大根が大きく成長する条件として土壌だけをとりあげたが、このほかに、適切な気候、良質な種、施肥など育成管理の工夫があることは勿論である(須之部 淑男「ダイコンをそだてる」昭和54年 岩波書店 参照)。

各地方の特色ある土質によって形成された名物大根の模式図


(福井 功前掲書より)図中、「宮里大根」を「宮重大根」に修正(平成15年9月1日)

 江戸では「葛西」(葛飾・江戸川方面)と「西山」(武蔵野台地一帯)で栽培する野菜の種類が異なるが、これは土壌の違いによる。葛西は荒川や利根川の運んだ沖積土で水が豊富であったから、水気を好む野菜が主であり、これに対し、火山灰土の西山は根菜類の栽培に適していたのである。
火山灰が厚く積もった赤土の台地という自然条件のほかに、練馬の地で大根生産が盛んになったのは江戸近郊農村だったからである。江戸は大消費地、練馬~江戸間は15キロメートルほど、日帰りで出荷できる。また、江戸市民の人糞(下肥)は大根栽培のよい肥料となった。
 折しも沢庵漬が普及し始めた。沢庵用の大根には、練馬大根が最適である。かくて需要は益々高まった。

練馬大根の品種

 練馬大根の代表的な品種は、練馬尻細大根(沢庵漬用)と練馬秋づまり大根(煮食用)である。しかしこの2種を基本としながらも、収穫量、収穫の時期、病虫害対策等々のため、品種の改良が行われてきた。
 次図は、森 健太郎が「種苗指針 第3号」に発表した練馬大根の系統図である(昭和45年刊 「練馬農業協同組合史 第1巻」所収)。

練馬系大根の系統図

 練馬地方で栽培していた品種は時代によって変わるが、昭和32年刊の「練馬区史」では、昭和10年の調査として大略次のように紹介している。

1.練馬尻細大根は沢庵大根として知られ、秋大根の王者とも称すべきもの。
 根身は長大で2尺5寸から3尺に及ぶ。重さ430匁ほど(1尺=約30センチメートル、100匁=375グラム)。
 首は細く、中央部太く、下部はやや急に細り、尻がとがっているので尻とがり大根ともいう。肉質しまり、水分少なく、皮薄く、色白く、乾きやすいので、干し大根として最良である。

2.練馬秋づまり大根は、煮大根として有名である。肉質柔らかで美味、糠漬にもよい。早晩二種がある。
 早生づまりの根身は円筒形で、頭が少し細く、長さ2尺2寸、重さ400匁ほど。地上に露出し湾曲しやすい。
 晩生づまりの根身は円筒形で、上下、殆ど同じぐらいの太さ。長さ1尺9寸前後、重さは500匁ほど。地表に出ることは少ない。
 両者とも肉軟らかな上、よくしまって水分甘味に富む。

3.みの早生大根は、夏から秋にかけ他の秋大根に先んじて市場へ出荷されるという有利さが喜ばれ、元来は練馬のものでなかったが、盛んに栽培されるようになった。

お問い合わせ

都市農業担当部 都市農業課 農業振興係  組織詳細へ
電話:03-5984-1403(直通)  ファクス:03-3993-1451
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