(表紙) 練馬区都市計画マスタープラン まちづくりカルテ 〜区民意見交換会等で寄せられた意見および提案のまとめ〜 はじめに 都市計画マスタープランとは、都市計画法(昭和43年法律第100号)第18条の2の規定に基づく「市町村の都市計画に関する基本的な方針」のことです。練馬区では、まちづくりの理念や基本的な考え方を示した全体構想(平成13年(2001年)3月)と、7つに分けたそれぞれの地域のまちづくりの方向性を示した地域別指針(平成15年(2003年)6月)からなる、練馬区都市計画マスタープランを策定しました。 その策定から10年以上経過し、区のまちづくりは大きく進展しました。また、この間に、都市計画関連法令の改正が行われました。また、環境への配慮の必要性や、災害に対する安全性確保の重要性についても一層認識されるようになりました。さらに、平成27年(2015年)3月には、今後の区政運営の方向性を明らかにした「みどりの風吹くまちビジョン〜新しい成熟都市・練馬をめざして〜(以下「ビジョン」という。)」を策定しました。ビジョンでは、これからの社会をモデルなき成熟社会とし、新たな成熟都市の実現をめざすことが必要としました。 練馬区都市計画マスタープランは、このビジョンのまちづくり分野の計画として、練馬区における都市計画の全体像、個別の都市計画の方針を示します。また、住民と行政がともに進める協働のまちづくりの指針となります。 この「まちづくりカルテ」は、今回の練馬区都市計画マスタープランの改定の方針である「多様な方法で区民の意見を反映する」の一環として開催した区民意見交換会等で寄せられた、都市計画マスタープランおよび区のまちづくりについての区民のご意見等をまとめたものです。 【改定の方針】 基本的な内容を踏まえ、わかりやすくする 社会経済情勢の変化等に対応する 多様な方法で区民の意見を反映する まちづくりカルテは、以下のとおりに三部構成になっています。 第1部区主催による意見交換会等で出された提案等 区が主催した区民意見交換会、区政モニター懇談会、まちづくり学生ワークショップで出された意見および提案をまとめたものです。 第2部住民グループによる提案等〜行政と住民との協働によるまちづくりの事例集〜 区民意見交換会に参加した区民による自主懇談会が、協働によるまちづくりを推進するために、これまでの事例を分析し、「協働のポイント解説」等をまとめたものです。 第3部まちづくりセンター主催によるねりまちコレカラ集会で出された提案等 練馬まちづくりセンターが住民主体のまちづくりの方向性を検討するために開催した「ねりまちコレカラ集会」で出された意見および提案を「住民主体のまちづくりのコツ」とし てまとめたものです。 都市計画マスタープランの変更にあたっては、区民のご意見等を練馬区都市計画審議会まちづくり・提案担当部会、練馬区都市計画マスタープラン改定検討委員会での検討の際に参照し、反映しました。 まちづくりの実現にあたっては、様々な主体が互いに協力・連携して進める必要があります。このまちづくりカルテは、今後、区民・事業者・区が協働でまちづくりを進める際の参考としま す。 「まちづくりカルテ」について 「カルテ(karte)」には本来、『診察簿(大辞林より)』という意味があります。 都市計画マスタープランの策定では、全体構想(平成13年3月)に続き、地域別指針(平成15年6月)の検討を約2年間かけて行いました。検討にあたっては、130人を超える住民が参加するブロック懇談会を設置し、住民と行政の協働による指針づくりを行いました。 ブロック懇談会では、参加者自らが2年間の成果を「地域カルテ」としてまとめました。地域カルテには、まちの現状や特性、課題の分析およびまちづくりについての提案が記載されています。地域は、参加者が共有できる鉄道駅を中心とした範囲(疑似的な生活圏)で分け、7つとなっています。 この「地域カルテ」の「カルテ」を継承して、改定都市計画マスタープランについての区民の意見、提案をまとめた本書を「まちづくりカルテ」としました。本書には、まちの課題や解決のための提案、まちへの思いやまちづくりのアイデア等、まちづくり全体に関わる様々な意見や提案を掲載しています。 目次 第1部区主催による意見交換会等で出された提案等1ページ 区主催による意見交換会等で出された提案等について3ページ T区民意見交換会4ページ 1区民意見交換会の概要4ページ 2当日の様子5ページ 3いただいたご意見6ページ 3-1分野別まちづくり6ページ 1安全・安心のまち6ページ 2活動的でにぎわいのあるまち11ページ 3みどりと水のまち23ページ 4環境と共生するまち29ページ 5ともに住むまち34ページ 3-2地域別まちづくり41ページ 1第1地域41ページ 2第2地域45ページ 3第3地域50ページ 4第4地域54ページ 5第5地域58ページ 6第6地域63ページ 7第7地域68ページ 3-3実現化方策など72ページ U区政モニター懇談会79ページ 1区政モニター懇談会の概要79ページ 2当日の様子79ページ 3いただいたご意見80ページ Vまちづくり学生ワークショップ83ページ 1まちづくり学生ワークショップの概要83ページ 2当日の様子83ページ 3ワークショップの結果84ページ まとめ88ページ 第2部住民グループによる提案等〜行政と住民との協働によるまちづくりの事例集〜89ページ 住民グループによる提案等〜行政と住民との協働によるまちづくりの事例集〜について91ページ 1「放射35号線整備」に関わる協働の取り組み92ページ 2「江古田北部地区密集市街地整備促進事業」に関わる協働の取り組み96ページ 3「中村橋駅周辺交通バリアフリー基本構想」策定に関わる協働の取り組み100ページ 4「区立春の風公園かえる池の再生」に関わる協働の取り組み104ページ 5「白子川護岸整備」に関わる協働の取り組み108ページ 6「みんなの広場公園の整備・維持管理」に関わる協働の取り組み112ページ 7「千川通り(補助229号線)拡幅事業」に関わる協働の取り組み116ページ 8「春日町周辺の環状8号線整備」に関わる協働の取り組み120ページ 提案作成を終えて(平成26年2月)124ページ 第3部まちづくりセンター主催によるねりまちコレカラ集会で出された提案等125ページ はじめに(「ねりまちコレカラ集会」とは)127ページ ■住民主体のまちづくりのコツ129ページ 1ねりまにふさわしい『まち暮らし』を考えよう129ページ 2まちの魅力を『プロデュース(演出)』しよう133ページ 3「公共的な空間」をまちづくり的に使いこなそう137ページ 4まちに開かれた「居場所」をつくろう141ページ おわりに(「ねりまちコレカラ集会」と都市計画マスタープラン)143ページ 各提案の作成経過145ページ 1ページ 第1部区主催による意見交換会等で出された提案等 3ページ 区主催による意見交換会等で出された提案等について 平成25年度に区主催で、区民意見交換会、ワークショップ等を実施しました。 第1部は、以下の会でいただいたご意見等をそれぞれまとめたものです。 T区民意見交換会 U区政モニター懇談会 Vまちづくり学生ワークショップ T区民意見交換会 都市計画マスタープランの「分野別まちづくり(全体構想T)」、「地域別まちづくり(地域別指針)」、「実現化方策(全体構想U)」等の内容に沿ってご意見をいただきました。 分野別まちづくりの内容 1安全・安心のまち 2活動的でにぎわいのあるまち 3みどりと水のまち 4環境と共生するまち 5ともに住むまち U区政モニター懇談会 「ねりまらしさ」について、また、それをどのようにまちづくりに活かし、住みやすいまちにするか等について、ご意見をいただきました。 Vまちづくり学生ワークショップ 練馬の魅力アップの方法とその方法を表すキャッチフレーズについてご提案をいただきました。 4ページ T区民意見交換会 1区民意見交換会の概要 ●平成25年5月から平成26年2月にわたって練馬区役所本庁舎内で10回開催した。 ●参加者は、区報等で公募した区民に参加いただいた。参加登録者は、第1回〜第6回が「54人」、第7回以降は「64人」だった。 ●内容:9回をT〜Vに分け、全体構想および地域別指針の方針等に基づき話合いをした。 T 第1回(5月15日)今どうなっているの?―現状と課題を話し合う― 第2回(6月12日)これからどうすればいいの?―将来像や今後の取組を話し合う― 第3回(7月10日)まちづくりカルテをつくる―これまでの議論をまとめる― 第1回から第3回のテーマ ・コミュニティ ・防災、防犯 ・住まいと暮らし、 ・福祉のまちづくり ・土地利用 ・全体 U 第4回(7月31日)今どうなっているの?―現状と課題を話し合う― 第5回(8月28日)これからどうすればいいの?―将来像や今後の取組を話し合う― 第6回(9月18日)まちづくりカルテをつくる―これまでの議論をまとめる― 第4回から第6回のテーマ ・産業、観光 ・交通 ・みどり、水、農、景観 ・エコ、環境 ・実現方策 V 第7回(10月9日)今どうなっているの?―現状と課題を話し合う― 第8回(10月30日)これからどうすればいいの?―将来像や今後の取組を話し合う― 第9回(11月20日)まちづくりカルテをつくる―これまでの議論をまとめる 第7回から第9回のテーマ ・地域について(第1〜第7地域) 第10回(2月19日)まとめの会 5ページ 2当日の様子 以下の写真を掲載 第1回区民意見交換会の様子 第2回区民意見交換会の様子 第5回区民意見交換会の様子 第8回区民意見交換会の様子 第3回区民意見交換会の様子 6ページ 3いただいたご意見 3-1分野別まちづくり 1安全・安心のまち (1)お互いに助け合い、災害を防ぐまちづくり ●震災に強いまちづくりについての提案 提案:まちに広い空間とゆたかな空間をつくろう! 課題 ■建物の不燃化が必要である ・建物の不燃化や建て詰まりの防止が必要である。 ■災害に備えたハード整備が必要である ・狭あい道路や密集市街地の整備、補助172号線の早期開通、公園の整備、延焼対策等、災害に備えたハード整備が必要である。 提案 ・区内に南北東西の交通ネットワークを確保する。また、補助172号線を早期に開通する。 ・区道の拡幅や4m未満の道路の拡幅等、道路計画を推進する。 ・道路にベンチを置く。ベンチ設置にあたっては、協賛・協力を募り、設置費や維持管理費に充てる。また、協賛・協力者を紹介する小型のプレートを取付ける。 ・大きな公園を整備し、空地としての機能を果たす農地を残す。これらをつなげる。 ・建物の不燃化や耐震化を進める。また、昭和56年以前の建築物は耐震診断をする。 ・交差点や公園などに各種対応端末から情報が得られるようにICチップ入りの杭(東西南北とNo.を記入しておく)を設置する。区ホームページで地図上に杭の番号を公表し、現在地がわからなくなった人へも対処しやすくなり、自らも調べやすくなる。番号を活用するということであれば、消火器も活用できる。 ・災害グッズ(バール、ジャッキ、土嚢袋、砂など)をベンチの下のスペースにいれておく。 ・災害時に遮蔽物を排除するための重機車両などを確保する。 ●水害に強いまちづくりについての提案 提案:水害に強く、水の豊かさを活かしたまちづくりを進めよう! 課題 ■水害への対策ができていない ・災害時の避難場所としての土地を確保できていない。放っておくとマンションになってしまう。 ・マンションなどで老人が孤立し、防災・防犯上問題である。超高齢化社会での防災は今後のまちづくりにとって重要である。昔の隣組のような防災組織の設立や横の連携強化が求められる。 ・石神井川の北区王子付近で崖崩れが起きたら水流はどうなるか心配である。 提案 ■水害対策 ・低地を遊水池にするなど、新たな土地利用による対策を構築する。 ・雨水の地下浸透を確立し、湧水を復元する。 ・区内各河川に緊急用に「貯水地」を設ける。 ■宅地規模の確保 ・防災上、最小限宅地面積を100uから拡大する。人口減少で実現の可能性は高い。 ・最小限宅地面積は、最低基準として分割する際の面積、目標基準として開発の場合の面積の2本建にして決める。 ・宅地の再分割については、開発許可制度の中で検討する。その際、旗ざおの形を極力防止する。 7ページ ●災害対策についての提案 提案:地域で取組む災害対策を進めよう! 課題 ■備蓄品や災害弱者対応が不十分である ・震災時の備蓄品の数量的に足りていない。 ・震災時の弱者に対して、避難路や避難所づくりを進める必要がある。 ・共助の組織を設立する必要がある。 ■個人の活動に対する助成が求められる ・災害に対して区民個人の活動に対する助成が求められる。 提案 ・基本は自分の努力や力で解決していく「自助」を重視する。自立して動ける人を大事にし、把握するシステムをつくる。 ・個人情報保護の問題はあるが、震災時の「共助」のシステムづくりを進める。自治会、町会を基にし、任意の防災ネットワークをつくることが考えられる。既にある地域コミュニティ活性化プログラムについては、災害対策という視点から力を入れる。 ・災害弱者の実態を把握する。 ・近隣の管理組合で連携を図るために、区が話しあいの場を設置する。 ・食品、日用品等、震災時の物資確保に関する制度をつくる。 ・救助や援助の時に誤解を招かないように、防災、防犯についての講習を行い、宣言、宣誓した人にバッチ、ワッペン、腕章を持ってもらい、救助や援助などのときは宣言して腕章をはめて行動する仕組みをつくる。技術的な面については、区内の専門団体等に協力してもらい講習会を数多く開催する。 ・一般の人も医師の手伝いができるようにする。 ・被災時には活動が制約されるので、応援体制を整備する。 提案:避難訓練は何度も実施しよう! 課題 ■災害時の行動ルールが必要である ・大規模震災時にとるべき行動や地域のリーダー等を明確にする必要がある。また、その情報の共有が必要である。 ・避難拠点によって対応がまちまちである。避難拠点の利用方法の基本ルールの周知徹底が必要である。 ■防災訓練を徹底する必要がある ・防災訓練を徹底する必要がある。また、効果的な防災訓練を行うことが求められる。 提案 ・「練馬区災害対策ルール」をみんなに目に見える形にまとめる。また、避難拠点の場所、利用方法、ルールを明確化する。避難拠点の役割など既にルールが明確なものは周知徹底が必要である。 ・区が各避難拠点に利用ルールを提示する。 ・避難拠点を利用する対象者に優先ルールをつける。 ・避難拠点が逃げ込む場所という意識にならないようにする。 ・災害時における弱者への配慮のために、名簿や隣人間での救助のルールをつくる。 ・個人属性や病気の症状などを知るため、パソコンデータだけでなく、カード化するなど紙媒体でも避難者情報を分かりやすく整理する。 ・災害時の避難道路の精査を行うとともに、道路や道順などが子ども、外国人でも分かる道路案内標識を設置する。 ・町会レベルでは防災訓練の内容に差が出ているので、防災訓練を行政主導で行う。また、区報に避難訓練の情報を載せる。 ・近隣のマンションと連携して、防災訓練やバーベキューを兼ねた炊き出し訓練を行い、いざという時に顔がわかる関係を築く。 ・災害時の避難拠点の運営委員のリーダーを決めておく。リーダーの条件は2日間寝なくても大丈夫な体 8ページ 力の持ち主などとする。 ・災害時における活用を考慮して、太陽光発電、雨水利用を日頃から活用する。 ・災害時に危険地域に入れなくなる標識を設置する。 ・災害対策の目標を設定し、達成率を確認する。例えば、数値目標を設定すれば、達成状況が分かる。 提案:情報共有で安全、安心を実現しよう! 課題 ■情報発信が必要である ・情報が分かりにくい、避難に関する情報発信が必要である。 提案 ・非常時の混乱を防ぐため、平常時から練馬区の防災ツイッターアカウントを開設して常時情報発信する。 ・区報などでツイッター(インターネット上で不特定多数の人に向けて、140文字以内で文を発信するサービス)アカウントを広める。 ・避難所などを起点としたFM放送局や無線を開設する。若者に活動に参加してもらうために活用できる。 ・集合住宅に必要な防災情報を提供する。 ・防災や防犯等を題材にしたポスターのアイデアを募集する。 提案:あらゆる年齢層・主体が話し合える場を設置しよう! 課題 ■話し合える場が必要である ・防災・防犯について住民が話しあえる場が必要である。 ・集合住宅同士で防災・防犯連絡会が必要である。 ・町会に入っている人と入っていない人で格差があるため、町会のあり方を見直す必要がある。 提案 ・近い将来、独居老人が激増し、防犯、防災上の問題が大きくなる。自治会や町内会などもあるが、「隣組」制度などの組織形態や避難拠点などの新しい制度を設け、日頃からのつき合いを深めるきっかけにしていく。 ・町会活動の再活性化のために、まちづくり団体との連携について、区主導でコミュニケーション向上を図る会議を開く。 ・若者に防犯・防災活動に参加してもらえる環境をつくる。 ・防災会設立方法を分かりやすく提示・案内する。 ・FM放送局などを活用して若者を集める。 ・避難所などでは業種ごと(建築や調理担当者など)のチームをつくる。 ・話し合いのまとめ役として、防災の専門家などがコーディネーターを担う。 提案:地域に密着した防災事業を進めよう! 提案 ・全住民加入の地域防災組織を構築する。 ・民間の防災指導員を養成し、平均的に設置する。 ・公営住宅の集会所を活用して、学校に依存しない災害活動の拠点にする。 ・狭あい道路の確認や避難ルート、拠点の周知を推進する。 ・各町内会の消防担当班が所轄の消防署と防災や消防の予防指導訓練を行っている。それを区内全町会で定期的に実行する。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・区民防災委員の任命 ・「共助」のできるまちづくり ・被災後→食料品店を中心に復興 ・学校スピーカーの利用(雨に備え、雨水路を確保する) ・首都直下型地震に備えよう!(地域コミュニティを大切に) ・竜巻、積雪についての対策(側溝の蓋に雪山をつくらない) ・緊急時の自家用自動車の提供システムなどもあって 9ページ よいのでは (2)安心して生活できるまちづくり ●防犯についての提案 提案:もっと街路灯を設置しよう! 課題 ■まちが暗い・夜間の電灯が少ない。 提案 ・人通りの少ない場所や犯罪のあった場所に優先的に常夜灯を設置する。 ・事件・事故などが発生したときに、緊急通報ボタンを押すとインターホンで警察官と相互に通話できるスーパー防犯灯を設置する。 ・小さな音でメロディがでる小型のセンサーライトを暗がりや路地に設置する。(練馬区は新宿などと違い繁華街があるわけではないので、街路灯の必要性は低いという意見もあった。) 提案:コミュニティ交番をつくろう! 課題 ■手を結んで犯罪を防ぐことが求められる ・交番の配置は、現状では無計画に思われる。 ・防犯や防災をきっかけにしたコミュニティの促進が求められる。 ■交番について不安である ・交番の数が足りているのか、民間交番でまちの安全が守られるのか不安である。 提案 ・ボランティアを利用して治安維持や交番機能を充実するためのコミュニティ交番を設置する。機能としては、@治安(犯罪防止)、A道案内や落とし物受付、Bもめごと相談、かけこみ寺、C交通整理、D住民状況把握(見守り)が考えられる。また、コミュニティ交番をネットワーク化する。 ・「子どもやお年寄りにまちづくりの主役として活躍してもらおう!」という提案と統合してシステムをつくる。 ・小学校区での地域連携の仕組みとして、小学校にコミュニティ交番を設置することも考えられる。 ・また、屋敷森のある農家や古民家を活用して「地域の家」として、若いお母さんたちのしゃべり場や元気な高齢者のたまり場とすることも考えられる。 ・宅配便の人たちを地域の防犯ネットワークに活かす。 提案:安全・安心への認識をしっかりもとう! 課題 ■安全・安心という言葉が先行している ・安全・安心という言葉が独り歩きしている。 ・不信感を持たれてしまっている。 提案 ・安全・安心とはハードとソフト(意識)の両面からという考え方を徹底する。 10ページ 提案:みんなが参加するパトロールを実施しよう! 課題 ■防犯に対する日常的な行動が求められている ・空き巣、放火などの犯罪に対して有効な日常的な行動を見出すことが求められている。 ・犯罪をみんなの目で防止するため、見通しを確保することが求められる。 ■防犯パトロールのあり方を検討する ・不審者の判断など防犯パトロールのあり方を検討すべきである。 ・放火(連続放火も)に対する住民の連携が必要である。 ■行政の体制の整備や他区との連携が必要である ・役所で昼と夜の体制をしっかりとってほしい。夜が不安である。 ・隣接区同士で、防犯面での助けあい・連絡が必要である。 提案 ・パトロールの心構え、考え方をしっかり持って、パトロールをやってほしい。 ・地域の防犯活動(大型店舗や火事場泥棒等のパトロールなど)を義務化する。 ・パトロールや監視時の考え方の基本に、誰でも不審者になると認識して、自らも律していく考え方を持ち行動対応する。けっして優越意識でパトロールや監視を行ってはならない。また、パトロールに対しての意見を出し、報告を確認できる場を設ける。 ・パトロール時のユニフォームを統一するなど、自分が助ける側の人間であることを示す仕組みをつくる。 ・練馬独自のパトロール方法をつくる。 ・各種団体をひとつにまとめ、取り締まるパトロールから、助けるパトロールへ変える。 ・防犯パトロールを工夫して、時間や通路など、その都度変更するような方法を検討する。 ・防犯カメラの情報を公開する。 ・子どもたちに疑う心だけを育ててはならない。差別を生み、逆に犯罪者を育てる事になる。 ・町会、自治会等の地域への安全・安心講座を義務化する。 提案:子どもの防犯教育を推進しよう! 課題 ■子どもに対する犯罪への対策が必要である ・子どもに対する犯罪(いたずらなど)への対策が必要である。 提案 ・子どもの自己防衛に関する啓発活動を行う。 ・学校に対して、地域安全マップづくりを義務化する。 ・子どもに対して、自己防犯の授業を行う。教育委員会を通じてできるようにする。 ・子ども同士の犯罪もあるので、初歩の犯罪でも通報する。 ・子どもの安全を守るために遊び場を確保する。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・ストリートウォッチャーを促す仕掛け(チョイス等) 11ページ 2活動的でにぎわいのあるまち (1)活動的に行き来のできるまちづくり ●交通についての提案 提案:道路は歩行者優先にしよう! 課題 ■歩行者優先の道路づくりが必要である ・区道を含めて、歩行者が安全に歩ける道が多くない。高齢化社会のため、歩行者優先の歩車道分離の道路づくりを進めていく必要がある。 ・電動車いすの扱いを検討する必要がある。 提案 ・今後、車から人を優先する道路づくりを徹底し、歩道をつくることを条例化する。交通主体間の平等化を原則とする。 ・道路を新設する場合は歩行者優先とする。車は2車線までとする。 ・歩車道分離の道路作りのために道路を広くする。16m道路の車道分を7m位にして、両側は歩道にする。(車道9m、歩道を3.5mという意見もある) ・旧道や住宅地等の速度制限、一方通行化などの歩行者(ベビーカー、車いす)、自転車が安心して通ることができる道を大切にする。 ・歩車分離されていない道路では、10km/h程度にコントロールする。(20〜30km/h程度が適切であるという意見もある)関越道の側道の一部で、車道に段差があり、速度抑制の効果があるので参考にする。 ・ふたかけ緑道(元々の水面に蓋をして緑道とした)については、道路との交差部は緑道優先にして、快適な歩行空間にする。(隅切りがなく事故が起こりやすいため、緑道優先は反対という意見もある) ・公共用地を利用して安全な通学路を確保する。 ・超安心道路の指定のために住民参加で社会実験を行う。石神井公園周辺や河川沿いの道路については、 超安心道路に指定する。 ・普通車、ハイブリッドとも、走行時に音を出すことを推進する。 12ページ 提案:安全な自転車利用を進めよう! 課題 ■自転車の積極的な活用が求められる ・原則車道を走る等の規制は自転車の利便性を低下させてしまうので、自転車、歩行者等がうまく共存できるルールづくりが必要である。 ・公共交通の概念をもっと広げ、公害や安全性の面から自転車も公共交通と位置づけることが考えられる。 ■自転車レーンの整備が課題である ・環境負荷を減らすため、自転車レーン、ネットワーク化等求められる。車のための道路ばかり整備することは、車利用を支援することになる。 ・自転車については、ヨーロッパと違って、道路幅が狭い日本では難しい問題が多すぎる。 ■自転車の安全な走行が課題である ・自転車事故を減らすために自転車に乗る人のマナーを良くして、安全に楽しく乗れるようにすることが課題である。 ■タウンサイクルの推進が課題である ・自転車が増えすぎても問題があるのでタウンサイクルが必要である。 提案 ■自転車の利用を促進する ・自転車の入る電車を増やす。 ・二人乗り自転車の開発を進め、視覚障害者でも後ろに乗れるようにする。 ・区内共通で使えるタウンサイクルを整備し、乗り捨てできるようにする。これにより、自転車の数を制限する。 ■自転車レーンを整備する ・新しい道路を作るときは、自転車専用レーンを必ず作る。 ・自動車レーンを減らして自転車レーンを作る。また、広幅員道路は駐車帯を自転車レーンにする。 ■自転車マナーを向上させる ・中学生・高校生向けに学校でマナー教育をする。 ・自転車は音を出し、注意喚起を行う。 ■駐輪場を整備する、利用しやすくする ・個人の家の前や店先等の民地において、一日中、自転車を置きっぱなしにできない仕組みを考える。 ・全ての区立自転車駐車場を24時間利用できるようにする。 ・自転車駐輪場を義務化するとともに罰則を設ける。 提案:誰でも使いやすいようバリアフリー化を進めよう! 課題 ■バリアフリーのさらなる充実が課題である ・面的なバリアフリー、ユニバーサルデザインなど、より大きな目標が必要である。 ・光が丘駅北口はエレベーターがあるが南口はない、南口は坂もあり歩きにくいため、駅の特徴にあわせた整備が求められる。 ・駅の改札では、視覚障害者誘導用ブロックが大きい改札に誘導されているが、車いす利用者とぶつかって危ない。また、介助者は切符で入場するが、タッチ式の改札が多くて不便。 ・バギー(乳母車)が問題になっている。 ・音声案内の信号機のボタンの位置がわからない。「ボタンは横」という点字が必要である。 ・練馬区には音の出る信号機が少ない。 提案 ・バリアフリーにする時は必ず当事者の意見を取り入れて工事の前後に検証する。 ・駅を中心として、街のバリアフリー化を積極的に進める。光が丘駅南口に早急にエレベーターをつける。 ・駅のバリアフリーでは、エスカレーターを増やし、上り、下りのアナウンスをつける。エスカレーターは必ず下りもつける。また、電車が入ってきた時、注意喚起の音を出す。 ・音声信号機が少ないので、駅の周辺や大通り、交通事故の多い道路に優先的に整備する。 ・歩車道の区別のない通りが多いので、分かるようにする。 ・マンホールやグレーチング(溝蓋)をバリアフリー仕様のものに整備する。 13ページ 提案:住民本位の道路づくりを進めよう! 課題 ■都市計画道路の考え方等について整理が求められる ・補助135号線、補助232号線は中学校の上を通る計画であり、見直しが必要である。 ・都市計画道路(計画線)を跨いで、マンションが建てられており、法整合性が問われる。 ・都市計画道路事業決定に際して、住民合意の手法が不充分である。 ・都市計画道路の廃止の手続きがない。 ■生活者の視点を取り入れる必要がある ・南北道路が不足しているが、急激な計画が多すぎる。車優先が先に立ち、生活者の視点からの道路計画がほしい。 ・駅を超えるのにアンダーパス道路はストレスが大きい。例えば大泉学園駅のアンダーパスは歩行者、自転車にとって、とても不便である。 ・新しい道路によって、分断される生活道路の中には旧道もあるが、富士街道、清戸道などを大切にするべきである。樹木も立派である。 ・新規整備で旧道が抜け道になり危ない。 ・みどり30等、みどり、水を大切にする計画はあるが、計画道路優先で、みどりが減少することが懸念される。 ・今後の道づくりは、街灯や街路樹に力点を入れる必要がある。 提案 ・新しい道路計画では、地域に計画のあらましを伝え、地域の意見を尊重する。外かく環状道路の上部をアンケートの結果で決めるようで疑問がある。 ・道路整備に時間がかかるなら中止する。改廃を含めて住民参加で検討するしくみをつくる。 ・補助172号線を早く完成させ出口に当たる早宮中央通りを広げ、文化センター方面に車が流れるようにする。 ・中学校の校庭で交差する道路計画は、アンダーパスにするか、ルート変更を検討する。 ・歩車道の分離やバスや自転車の専用レーンを拡充させる。一方、車道幅員をせまくし、マイカーが使いにくいまちにする。 ・歩行者、自転車が平面移動できるまちづくりを進める。 ・電柱の地下化は、歩行や通行、景観上からも進める。また、歩道上の電柱は車道側に移動する。 ・生活道路は平面で残し、新設道路は、アンダーパスにし立体交差にし、半地下化し立体化する。 ・旧道の大樹を大切にする。 ・防災上の安全のため、4m以下の道路は4mになるようにする。 ・固定観念にとらわれない新しい発想による道路空間について研究し、社会実験により検証し、順次、区内の生活道路に適用していく。このための多様な主体による協働体制とそのための事務局組織(例えば、まちづくりセンターなどに設置)を構築する。 提案:西武新宿線の高架化などを進めよう! 課題 ・西武新宿線の駅前は都市計画的な整備が不充分である。 提案 ・交通渋滞の1つである西武新宿線の高架化を早急に進める。高架化に伴い、歩行者、自転車、車いす等の利便性を優先させる(上下補助、まわり道を極力減らす)。 ・乗り合いタクシーなどにより、地域内移動を便利にする。 ・関越道を練馬ICから都心へ延長する。 提案:大江戸線延伸、エイトライナー推進を進めよう! 課題 ■事業者間の連携による利便性向上が求められる ・鉄道の立体化や鉄道間の相互乗り入れを今後も進めてほしい。 ■大江戸線延伸とエイトライナー事業化が求められる ・エイトライナー構想の実現性に疑問がある。 14ページ 提案 ■事業者間の連携による利便性を向上させる ・利用者の利便性を向上させるため、バスも含めて事業者に関わらず料金を統一する。 ・西武豊島線を北方向へ延長させて、東武線まで延ばすことで利便性を向上させる。 ・有楽町線、副都心線を大宮、浦和副都心へ乗り入れるようにする。 ■大江戸線延伸を推進する ・練馬区北西部、大泉学園方面へのアクセスとして大江戸線の延伸を早急に進める。 ■エイトライナーの事業化を進める ・環状8号線の下部に構想されているエイトライナーを具体化する。拠点駅を形成させるためには、エイトライナーのルート4駅(成増、光が丘、石神井公園、上石神井)を通るようにする。 提案:駅周辺をまちの拠点として充実させよう! 課題 ■駅周辺の充実が課題である ・駅前はそのまちの玄関である。そのため、景観と美観を考える必要がある。 ・公共交通の結節点での自転車や自動車利用を充実させる必要がある。 提案 ・できるだけ駅を中心として徒歩で済むだけの範囲に住居を集中させる。ケアホーム、グループホームを駅近くに整備する。住宅建設にあたっては景観上高さをある程度揃え、タワーマンション型はやめる。 ・全ての駅ナカを充実させる。 ・駅の昇降が多く不便なので、高架化しスムーズに流れる工夫をする。また、駅をはさんだ両側のまちの行き来が歩行者、車いすなど、平面移動しやすいように優先的に設計する。 ・分かりやすい駅の名前にする。 ・拠点駅に求める商店街については、身の丈に合った規模とする。また、歩道のはみだし陳列を罰則化する。(駅中心ではなく、小学校・中学校を中心とすべきであるという意見もある。) 提案:千川通りに自転車レーンと清流の復活を! 課題 ■千川通りの自転車交通環境の改善 ・練馬区の南縁を東西に続く千川通り(補助229号線)は重要な道路であるが、自転車交通の安全性が考慮されていない。 提案 ・千川通りの道路脇には、1696年に江戸に飲料水を供給するためにつくられた千川上水が暗渠(地中に埋設された河川や水路)になって存在しており、1986年の清流復活事業により、高度処理下水が流され、上流部では流れを楽しむ散歩道が実現されている。そのため、この歴史遺産を、暗渠部の青梅街道の伊勢橋から旭丘一丁目まで開渠化し、平行して自転車レーンを整備する。 15ページ 提案:バスの利便性を高めよう! 課題 ■バスの利用は不便である ・バスは時刻があてにならない。定刻運行が求められる。 ・バスの停め方が様々で乗りにくい。 ・バスの本数が減少し、路線の変更によって、不便になってしまった。 提案 ・バス専用レーン、バス優先レーンを整備してバスの定時運行を実現する。 ・バス停に接近表示板を付けて、待ち時間が分かるようにする。また、スマートフォンで接近状況がわかるようにする。浜松市のシステムが参考になる。 ・バス路線は、東西が少ないので、みどりバスや都営バスで利便性を向上させる。 ・みどりバスをルート、本数の見直しで充実させる。 ・バス路線マップについては、各社でバラバラに作成せず、区内は1つのマップ(地図)にする。 ・バス会社の相互連携を図り、料金を統一する。 ・バスの路線新設や本数減、廃止については、住民に説明する機会を設ける。 ・「バスの停留所の名前」と「電車の駅名」との整合を図る。 16ページ 提案:必要な駐車場は確保しよう! 課題 ■パークアンドライドがうまくいっていない ・練馬駅前や石神井公園駅前のパーク&ライドはうまくいっていない。駅周辺の道路との関係がよくない。 提案 ・パークアンドライドでは、石神井公園駅や光が丘駅では公園駐車場を活用し、適切な駐車料金として、利用者を増やす。 ・商店街近くの道路予定地を先行買収して、臨時の駐車場として活用する。 提案:交通標識を見直そう! 課題 ■交通標識がわかりづらい ・歩行者目線の標識の充実と作成が課題である。 ・子どもは標識が分からない。 提案 ・標識ではひらがなを使う等、分かりやすくする。 ・世界的に使用している標識にする。 ・中学校や高校で交通標識を教える機会を設ける。 提案:道路の災害対応を進めよう! 課題 ■災害への対応が求められる ・道路網と避難場所との関連が不明確なのはよくない。 ・例えば、消防活動困難地区などでは、道路網を整備する必要があるが、整備されるまでの対策が必要である。 提案 ・避難物資の輸送を考えて避難所を位置づける。また、避難所への道の安全を確保する。 提案:道路空間の活用とアーバンデザイン(都市を構成する建築群などの形態を重視して,都市環境や都市空間を計画・設計すること)を進めよう! 課題 ■沿道景観のコントロールが必要である ・生活幹線道路、生活道路では、整備の時に沿道景観をコントロールする必要がある。アーバンデザインなどを取り入れたい。 提案 ・練馬駅南地区で既存のオープンテラスなどを活用し、道路の広場化の社会実験を行う。 ・小さなプレートによる広告付ベンチを道路各所に設置する。作製、管理はシルバー団体や障害者支援団体等に広告料金内で行ってもらう。区は場所を確保する。 ・区内各所の道路上に杭(方位とNo付プレート、出来る事ならデータ入りのICチップが付いているもの)を設置する。地図上にNo表示し、杭のデータを読み取ることなどから、多用途への利用が可能となり、商売へ利用、発展していく。 17ページ 提案:自転車、歩行者、車いす等に配慮した道路づくりをしよう! 課題 ■自転車とみどりのネットワークの整備が求められる ・練馬区は広いので、自転車を活かせる道を整備してほしい。石神井川が整備され、石神井台から豊島園までは行けるようになっている。 ・緑の多い練馬に自然を残すように、公園、川を線的に結ぶような緑のラインをつくって、自転車を活用できるようにしてほしい。 ■交通に関する様々な課題がある ・幹線道路の整備や交通網の整備が必要である。 ・大泉ICから中央環状線までの通過交通を分離して区内の交通安全の向上を行う必要がある。 ・笹目通りや環八道路から住宅地に迂回する車が激増しており、通学路の規制強化を行う必要がある。 ・新しい道路ができるが沿道まちづくりが進んでいない。 ・練馬駅の周辺の道路や、中村橋駅のバスターミナル、石神井川周辺道路等について整備すべきである。 ・交通安全上、関越道の末端を改善する必要がある。 提案 ・道路については必要性を議論する。「物流」に配慮した道路網の見直しを行う。 ・道路の一方通行化を進めて、道路利用にゆとりと安全確保をめざす。4m道路は全て一方通行をめざす。 ・石神井川、白子川、千川上水、武蔵関公園、石神井公園などをつなぎ、緑と水のネットワークを自転車で移動できるレーンに整備する。 ・自転車を停める場として商店街の店の前の土地を確保する。 ・公園を駅前に整備し、地下を自転車駐輪場にする。公園は帰宅困難者が滞留できるようにする。 ・駐輪場の付置を義務化する。土地利用には駐輪場整備費を支払う仕組みを設ける。 ・車いすですれ違うことができる歩道を確保する。 ・めぐり歩いて楽しいまち、歩きながら「まち」を知ることができるように、まちの博物館化を進める。 その際、文化財や歴史的建築だけでなく、まちづくりに貢献する建築物を記載する。 ・「駅前広場」の整備を進める。電車とバスのスムーズな乗り換えが可能となるようにする。また、ターミナルにはバスの転回機能を確保する。 提案:道や広場はみんなのモノひと>自転車>クルマを進めよう! 課題 ■オープンスペースとしての道など道路のあり方についての検討が必要である ・自動車・自転車が危ない。ひと>自転車>クルマという考え方が求められる。 ・道路空間の使い方を検討する必要がある。道路空間を安全なオープンスペースや安心なみどりの空間として考える。特に路地は道路という状態に限界がある。オープンスペースやコミュニティの場として捉える。 ・歩行者や自転車のネットワークの形成を促進する必要がある。 ■駅前放置自転車の対策が必要である ・それぞれの駅周辺の駐輪場・駐輪スペースの確保が必要である。 提案 ■道路、道のあり方 ・限られた都市空間を有効に利用するために、歩行者優先とする。そのために先ずは区役所の発想転換を進める。ゆっくり歩け、自転車でも安全に移動できる交通網をつくる。 ・道を公園の一部として捉える。また、私道はコミュニティスペースとしての可能性があるので、そのあり方や実現方法について検討する。 ・歩道は草の道として水の循環を進める。また、区道を全て透水貯留施設にする。 ・道路、駅前広場などの整備には、土地関係者だけでなく、周辺住民、駅利用者なども参加できるしくみをつくる。上石神井・武蔵関の新宿線エリアにもう少し力を入れる。 ■自転車について ・国土交通省が作成した「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」に基づいて、住民参加のもとで、早急に自転車ネットワークと整備形態を決める。 ・区内の幹線道路すべてに自転車走行レーンを整備する。 ・住民参加のもとで、地域の実情・課題・ニーズを捉えながら、「自転車安全利用マップ」を作成する。また、自転車専用レーンには、専用の信号を設置し、モラルを向上する。 ・駐輪場は、鉄道高架下などを活用した整備に加え、道路占用による駐輪施設の設置などにより、柔軟な対応を図る。また、駐輪場の位置情報の周知を徹底する。 18ページ ・地下に立体駐車場を整備し、すぐに取り出せるシステムを導入する。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・道路は車から人へを中心に考えよう! ・歩行者優先(歩車分離不可の道路でも) ・身近なまち、住みたいまちづくりをするために、移動しやすい、色んな場所に行けることが必要→歩道、自転車道の充実(常にこれを考えながら継続する) ・新設道路はできる限りアンダーパスにする。(生活道路を壊さない、計画道路は地元の意見や、そこで生活している人々の意見を聞きながら検討) ・超安心道路(網)(今から網をつくる) ・生活道路の一方通行化の推進 ・駅近くの一時駐輪所の充実(駅前商店街の利用が便利、化石燃料も原子力も使わない) ・マイカーの活用 ・環状8号線の下にエイトライナーを早期に通そう! ・外環の2について議論が必要 ・笹目通りの排気ガスが増えている。外環が必要かもしれない。 ・自転車レーンのネットワーク化(みどりと水のネットワークとつなげて、練馬の良さも巡れるようにする)[※みどりと水と共通] ・パークアンドライド反対(道路整備ができないうちは、かえって危険) ・歩行者と自転車と車と交通機関(駅・バス停・駐車場・駐輪場)のネットワーク ・交通の不便さの解消 (2)生き生きとしたにぎわいのあるまちづくり ●産業・観光についての提案 提案:練馬らしいイメージを打ち出し、PRしよう! 課題 ■この10年の変化が感じられない ・10年前と比べてもあまり変化がない。変化のスピードもない。 ・区民がわくわくするようなイベントや産業がない。 ■PRをもっとうまく実施する必要がある ・練馬らしさとは何か。何かに活用できるねりまのイメージとは何か。農業、アニメ、大根など何か共通認識がほしい。 ・練馬の観光名所がこれと言って思い当たらない。観光についての周知がほとんどされていない。 ・まち歩き観光マップなどのパンフレットが良くない。 ・「アニメのまち」には違和感がある。 ・住んでいる自分たちも練馬のどこが良いのか、イマイチ分からず、自慢できない。 提案 ■変化を確認し、実感できるようにする ・これまでに募集した将来の練馬を描いた作文や絵を見直し、変化を確認する。(50・30・15年前、現在など) ・練馬区に長く住む方たちの意識改革ができるようなインパクトのあるイベントを実施する。 ・観光・消費マーケットデータ(統計)をしっかりとって、戦略を考える上での判断材料にする。 ■練馬らしい視点を活かしてPRする ・練馬らしさはちょっと田舎であること、緑が多いこと、区民が元気であることである。それを大事にしたい。 ・まずは地元の人に愛されるまちを目指す。 ・今ある練馬らしい資源を活用し、活性化策を考える。 ・練馬にはホットな空間があり、それをアピールする。 ・アニメ会社やアニメの産業の集積をアピールする。 ・練馬らしい新しいアイディアで魅力をつくる。 ・にぎわいは人が出す音である。 ■練馬区のイメージをつくり、売り出す ・練馬の歌をつくる。(コミカルな、心の歌)家族で踊れるねり丸音頭、シニア以上がステップを踏めるなつかしい曲、あまちゃんの南部ダイバーのような曲など練馬区の歌を公募する。公募した歌をさらにアルバムにすることにより、公募などのプロセスから盛り上げる。 ・漢字の練馬から平仮名の「ねりま」にする。馬というイメージからよく練り込まれた生活空間、吟味された味付けのまちであるということを練馬のイメージにする。練るということから、よく考え込まれたというイメージにする。 ・子どもが元気に育つことをテーマにして、親世代やシニアやシルバー各世代が助けあいながら暮らしを楽しめる区にしていく。 ・練馬区に今ある特徴を活かしつつ、新たに練馬のイメージをつくる。 ・練馬区を元気にする提案を公募する。例えば「ねり 19ページ 丸賞」を創設する。 ・練馬区について書いた昔の作文や絵とこれからの夢をアニメにして、小学校で見せる。アニメの案内役はねり丸にする。 ・練馬区外の人から見たときの「練馬」のイメージも参考にする。 ・「練馬らしさ」もあるが、逆に「練馬らしくない」こともPRする。 提案:練馬にある資源を活かした産業を起そう! 課題 ■既存資源(川、公園、グランド)を活かす ・川、公園、グランドを保全し、活かす。 ・練馬区の持っている資源(地理的条件・環境的条件・行政力・予算・個々の組織的条件・人材)をもう一度見直し、産業が育つ条件はいつ、どこにあるのか、育つのか、作り出していくのかを検討する必要がある。 提案 ■川、公園、グランドを活かした病院を誘致する ・川、公園、グランドを活かして、周辺にリハビリやスポーツ関連に特化した病院を誘致する。区外からの集客も期待できる。そのためにはスポーツがきちんとできる環境や、遊歩道、サイクリングロード等を設備し、健康増進のまちとする。 ・まちの中に病院などをつなぐウォーキングルートやウォーキング専用ロードをつくる。 ・グランドとリハビリを組み合わせる。 ■公園等を活用した産業を創出する ・公園やポケットパークになるような小規模な区有地などを活用し、産業を生み出す。国営昭和記念公園のように、様々な目的の人が集まれるようにする。 ■川を活かした産業を創出する ・川沿いはサイクリングロードにする。自転車好き向けのレジャーとして、自転車店と石神井川などでコラボ(共同)する。 ■ウォーキングルートとアニメなどを連携させる ・アニメのスポットをつなぎ、スタンプラリーなどで回れるようにする。 提案:若い人や外国人、アニメ産業を呼び込める環境をつくろう! 課題 ■企業誘致が進んでいない ・企業誘致が進んでいない。大泉のタムラ製作所並みの牽引力がある企業がきて、若い人が入ってきてほしい。 ・オフィスビルが不足していることが想定されるが、オフィスのニーズがあるのか不明である。 ・練馬に来るメリットは少ない。アニメ産業の集積する意味がネット環境の整備で薄れている。パソコンひとつあれば、どこでもアニメが創れてしまう。 提案 ・職住近接を希望する人をターゲットにする。・廃校を起業家などにレンタルしたり、無償で貸した りする。また、小規模のレンタルオフィスをつくる。 ・空きスペースをビジネスや交流の拠点にする。アニメーター、漫画家が「集まる場(コミュニケーションを図る場)」、「学校のように技術を学べる場」をつくり、練馬区の強みにする。練馬らしい空間と交通の利便性をウリにした、オフィススペースを平和台〜春日町の間につくる。 ・区が空き家を活用できるような規制緩和に取り組む。 ・シェアハウス、シェアオフィス(住宅やオフィスを複数の人と共有する)を促進する。 ・若手に限らず創業者支援をもっと充実させる。 提案:親しみがあり、楽しい商店街をつくろう! 課題 ■商店街の活性化が求められている ・高齢者世帯が増加している状況では、身近な集客力のある商店街、魅力ある商店街が求められている。しかし、既存組織(商店街)が機動的に動けない。 ・商店街のイベントに資源をもっと投入すべきである。 ・後継者など人的資源が不足している。 ・不動産収入など商売で生活していない商業者もいる。 がんばっている商業者は外から入ってきたお店や人 20ページ となっている。 ・小規模な商店では大規模店に比べて宣伝力が弱く、消費者に情報が伝わっていない。 提案 ■複数の商店街が連携する ・4地区(練馬、石神井、大泉、光が丘)が協力して商店街を活性化する。 ■商店街の回遊性を高める ・コミュニティバスが商店街を循環する。 ■商店街の新しい売り出しイベントを考える ・ターゲットを絞ったサービスに取り組む。例えば、子育て世帯にサービスする大阪府の「まいど子でもカード」(関西子育て世帯応援事業)を練馬区でも展開する。 ・商店街の活性化にテーマ性をもたせる。例えば、今日は○○(パパ、ママ、子ども、シニア、若者、ねりコレデー、アニメデー、防災・安全デーなど)のサービスデーやポイントサービスなどを行う。各店の知恵や工夫で買い物客が心暖まるようなサービスを提供してもらう。 ・広域で取り組めるサービスを行う。そうすれば、社会貢献的にも捉えることができる。 ■アニメと連携する ・キャラクターの音楽を流して、それが流れている時にお得になると子どもも集客できる。 ■商店街活性化で顔の見えるコミュニティをつくる ・荷物を持ってバスには乗れない人などが身近な所で買い物ができるようにする。顔の見えるまちづくり、商店街づくりを行う。買い物する喜びが人と人をつなぐ。 ・大規模販売やインターネット販売とは別な展開ができるように、ご用聞き商売を復活させる。高齢者はインターネットを使えないので、買い物しやすい環境をつくる。 ・商店街の域内消費率を上げる。ただ安いだけでなく、メリットが見えると良い。 ・+αのサービスは春夏秋冬をテーマにしたお祭りで生み出す。 ■やる気のある人が一緒になって商店街活性化を考える ・例えば、やる気のある人を集めた組織など、既存組織にとらわれない新しい組織をつくる。 ■自動車で商店街に来られるようにする ・商店街の近くに駐車場を設ける。 ■商店街の新たなターゲット ・2020年の東京オリンピックの機会を捉えて、外国人を呼び込む。 21ページ 提案:練馬区のメリットを打ち出し、アニメで盛り上がろう! 課題 ■アニメを活用したまちづくりの効果が出ていない ・アニメという地盤があるのにうまく機能していない。区民にそれほど知れ渡っていない。立て看板だけでは気づきにくい。大きなイベントもなく、にぎわいもない。 ・ねり丸は、にぎわいの創出ができているので地道に続けた方がよい。しかし、ねり丸グッズの価格が高いので、PR効果を阻害している。 ・フランスの都市と協定を結んでいるが、効果が出ていない。 提案 ・アニメ業界にメリットがある取り組みを行う。 ・コスプレイベントをやる。(としまえんで年1回やっている) ・ITとアニメを連携させる。10年後を想像すると、CGをウリにするほうがよい。 ・マイナーな漫画家のコンテンツをつくる。 ・2020年の東京オリンピックに合わせて、練馬のアニメを活かして、新たなイメージキャラクターやアニメをつくる。 ・ねりまんピックを開催する。 ・10年後も色褪せないコンテンツ(内容)をつくる。 提案:緑と農を活かした施設やイベントをつくろう! 課題 ■農業に関するPRが不足している ・農が一般の人に浸透していない。 ・練馬大根が有名だが、全国的な認知度は高くないのではないか。 ・練馬金子ゴールデン麦が知られていない。全体的にPRが足りない気がする。 提案 ・農園とタイアップしたヨーロッパ風の洒落た雰囲気のレストランをつくり、「練馬区の木もれ日レストランにようこそ。地元産品の安心メニューです」というキャッチコピーで売り出す。渋谷園芸のレストランのようなところが参考になる。無名の練馬区のミュージシャンのコンサートも行う。 ・朝の畑巡りを促進する。マップをつくったり、朝カフェを実施したりする。 ・練馬区ならではの良さ(緑・農園)を組み合わせる。 ・全国大根サミットを実施する。大根を使ったB級グルメ大会をやる。 ・農地が残っている内に、農業用地扱いの野菜工場をつくる。 ・都心から30分のところで農家になれることを新規就農者にアピールする。 提案:様々な交通手段で練馬区を楽しめるようにしよう! 課題 ■バスによる周遊観光を行う ・区内史跡、名所、産業拠点、農家、練馬百景、年間イベント、東映アニメーションギャラリー、小泉牧場、武蔵大学などいろいろな所を巡る、練馬を知るためのバスを走らせる。バスに「知るバス」というキャッチコピーをつける。いろいろな行程を用意し、リピーターを増やす。小学校の校外見学にも使う。 ■タウンサイクルの利便性を高める ・観光地でも利用できるように、タウンサイクルがどこでも乗り捨てられるようにする。 提案:行政に頼らない、まちづくりを進めよう! 課題 ■お金をかけない方法を検討する必要がある ・区の財政状況が厳しい中で、行政がどこまで協力してくれるのかわからない。行政側の歩み寄りも必要であるが、お金がなくても実現できることを検討す 22ページ る必要がある。 ・公共の施設は人が来ないと成り立たなくなる。通信、運輸、金融など民営化されても公共の施設を使用している実態がある。 ■まちづくりを進める人、組織、担い手が必要である ・資源を活かしたまちづくりを推進するまちづくりセンターのような担い手が必要である。 ・区に要求するだけでは無責任である。 ・専門家は使い方次第で、結局区民が頑張るしかない。 ・ボランティアが商売の邪魔をしてはならない。 提案 ■お金の使い方をよく考える ・お金をあまりかけないで、伸びそうな取り組みに注力するなど、優先度順位をつける。 ・発想の原点を見直し、個人の力で努力している人を評価し、支援する。 ・マイクロファンド(コミュニティファンド)をつく る。 ■行政が収入を増やせる仕組みをつくる ・例えば、区民だけ○○税○○%アップなど、現実的な手段を考える。 ・行政は、場所や環境を積極的に民間(個人や団体)に貸し出し、その運用や運営を任せるなどし、行政が収入を得られるようにする。他の地域から人が入って来ることも促す。 ■民間の人材を活用する ・まちの漫画家など、民間の人材や知恵を活かす。 ・まちづくりセンターでまちづくりの人材育成や企画づくりを実施する。 ・ボランティアとプロのすみ分けを考える。 ・多くの区民がまちづくりへの参加感を持てるようにする。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・練馬のピーアール方法を考えたイベントづくり ・練馬区のイメージ戦略をする(農業のイメージを生かした野菜工場、映画技術を活かせるハイテク産業を誘致、健康人の集まるまちなど) ・健康促進スポーツ施設、リハビリ施設の充実 ・商店街によるイベントやサービス等 ・産業の底力(企業の発達) ・文化施設めぐりのパーマネントコースをつくるのも一考かも。数コースを廻った人に記念品を、などはどうですか。 ・産業の活性化 23ページ 3みどりと水のまち (1)みどりや水との出会いがあるまちづくり ●みどりと水についての提案 提案:質の高いみどりでネットワークを作ろう! 課題 ■練馬のみどりに区民が誇りを持ちたい ・練馬のまちは植物園のようである。現状、みどりが多いことで、区民は安心しているのではないか?未来について広くアピールして、みどりに関心をもってもらうことが必要である。 ・旧石器時代から住宅地が続いている。土地の履歴を住人が誇りを持って話せるようにしたい。 ・みどりと水のネットワークは、前回の都市計画マスタープランに書いてあるが、どうなっているのか。もっとこの考え方を具体化する手法が必要である。 ■屋敷森の保全が求められる ・広大な屋敷森、巨木を税優遇しても守りたい。 ・屋敷森、鎮守の森を再生することを検討する。 ・道路計画が優先され、みどりが少なくなっている。 昔からの大木を大切にしたい。 ■街路樹でみどりの回廊をつくることが課題である ・道路ができるとみどりが減る。風景的には増えるようにしてほしい。街路樹の育成によるみどりの循環路、回廊を整備してほしい。 ・道路ほど活用できる空地はない。みどりを創出する土地としてもっと活用を検討する。 ・街路樹の足元の部分に水がたまらないため、木が育たない。 ■緑被率等の数値だけの判断は危険である ・屋敷林などと保存する方法が異なるため、緑被率の算定対象から農地を外すべきである。 ・数値を明確にすることは大事であるが、数値だけで判断することは危険である。 ・数値は減っても良い。これからは量ではなく、場所に適した質の高いみどりを育てることが課題である。 提案 ・水辺や道路をもっと活用して、みどりのネットワークをつくる。 ・緑被率など上空からのみどりの量だけでなく、人の目線でのみどりの量を図る評価方法をつくる。 ・質の良いみどりにするためのわかりやすい制度をつくる。(保全の仕方、助成など) ・町ごとに植木の種類を区分けして整理し、○○といえば○○といった地域のイメージづくりをする。 提案:望ましいみどりの姿を区民みんなで守り育もう! 課題 ■民有地のみどりの育成・管理が課題である ・近年は民有地のみどりが減少傾向にある。増やすための優遇措置を検討する。 ・生け垣の促進のPRをもっとするべきである。一方、生け垣は手入れに費用がかかることが課題である。生け垣助成はあるが、それで終わりになっており、その後の維持について考える必要がある。 ・人の手が行き届かない宅地のみどり・樹木が多くあり、景観的にも防犯的にもよくない。 ・近所の屋敷林が伐られた。高木で植木屋の手間賃が高いので、費用の一部を助成できないか。 ・近隣から迷惑がられる庭木は管理にお金がかかる。年に5千円では安い。保護樹木など大木の保全の仕組みをつくる必要がある。 ・管理者もそうでない人も楽しめるみどりになるような仕組みが必要である。 ■グリーンキーパー(公園などで芝生やみどりを育て、管理する人)のビジネス化を検討する ・みどりの手入れが課題である。 ・各地のいこいの森(約50箇所)が細かく手入れされていない。 ・高齢になり、庭木からの落ち葉の掃除ができず、庭木を切らざるを得ない場合がある。 ・街路樹や公園の木の剪定の時期を花などの見頃を考慮して、考えてほしい。 提案 ・グリーンキーパーだけでなく、シルバー人材センターの登録者を増やし、高齢で庭を手入れできない方に対して、手助けをする。植木屋さんに頼むよりも安い。 ・街並みに活きている高齢者世帯の庭木のみどりについて、近隣で維持する仕掛けをつくる。 24ページ ・住宅新築の際に、道に面して樹木を一本植えることを義務化する。 ・大木を管理者だけの判断で、勝手に切ることができないような制度をつくる。(法的手段、景観の制度など) ・木に名前をつけて、愛着を持ってもらう。 ・谷中にあるようなシンボルツリーをつくる。 ・緑地や樹林の保全について、土地所有者とみどりに関する活動団体を結びつける仕組みづくりを行う。 提案:実効性のある仕組みをつくり、区と区民一体で進めるみどり施策を進めよう! 課題 ■練馬区の実効力を高める必要がある ・区は計画だけをつくるのではなく、実効性をもってほしい。「できた」「できない」を評価して、できなかったらそれはなぜかをしっかり考えていく。 ・区と区民が一緒にやっていくことが大事である。 ・諸条例、計画に示されている目標数値の把握と推進状況の明示が必要である。 提案 ・温暖化が進む中、みどり、特に大樹、屋敷林等、大きなみどりの重要性が感じられる。昔からある樹木の保護を道路、公園、農家の中で実施していく。 ・構想から実施へ、具現化案するために、社会実験などを実施する。 ・みどりの機構のまちめぐり隊に参加しよう!(年2回) ・区民の意識の向上のために、様々なPRやまち歩きを行う。 ・庭に木を植えて、植えない人からは税金をとる。(みどり税) ・都市にある緑地や練馬の原風景をもっと子どもの遊べる場にする。 ・災害時の避難地としてみどりの公園を設ける。他区にないことを実践していく。 ・商業施設前の緑被率をあげる。例えば商業施設前に大型のプランターの設置を義務づける。 提案:公園と施設を融合し、まちの魅力をつくろう! 課題 ■公園と施設が連携していない ・管理の問題や所管の違いなどで、公園と施設などはバラバラに考えられている。 提案 ・公園や緑地と、商業サービス施設の融合を進める。日比谷公園の花屋やレストランなどが参考となる。これらについて、区が論理的に必要性を検討するべきである。 ・区内公園の道路に面した角地や遊休地を活用し、コミュニティの場やベンチなどを設け、民間交番とする。 ・東京都の「思い出ベンチ事業(公園を愛する個人・団体・企業等からベンチを寄付してもうら東京都の事業)」のような制度を練馬区でも実施し、その資金でみどり環境を良くすることに役立てる。 25ページ 提案:みどりを増やし、景観によりまちの価値を高めよう! 課題 ■みどりと景観の保全が必要である ・練馬区の特徴なので、みどりの保存が第一である。区の「みどり30」は大変であり、区民は協力すべきであるが現状では不十分となっている。 ・農地法について、農地の転用を柔軟にし、森林としてみどりを保全できるように改善することが求められる。 ・建売業者への公園整備の基準を緩和したため、過密住宅地が生まれている。 ・住宅地に高層ビルはいらない。風害や地下水等に影響を及ぼしている。 提案 ・まちの価値は景観によって決まると言っても過言ではない。このため、景観条例を区民に周知する等、景観についての取組を行なっていく。 ・緑化率(敷地面積に対する緑地面積の割合)30%や、緑化率+各戸の緑地の合計50%等を条例で定め、建売業者への緑化を義務化する。緑化した面積に対しては非課税にすることも考えられる。 ・道路の緑蔭化を進めて、ヒート・アイランド(都市部が周辺より高い温度になっている状態)防止や緑被率向上を実現して、歩いて楽しい道路づくりを進める。 ・ヒートアイランド化を防止・低減するため、みどりの風の道をつくる。 ・若者へのみどりの継承や、みどりの整備等、将来を見据えてみどりを創出・維持管理する。 ・各家庭の「生け垣」化をすすめ、生け垣の維持費用(植木手入れ費用)を区で助成する。 ・高層マンションを禁止するため、高さ制限を行う。また、高度化する場合は、緑化帯を設ける。 提案:緑地を守ろう! 課題 ■緑を守る必要がある ・土地私有制に疑問がある。土地は地球のものと捉えられる。 ・生産緑地の農地の解除が多い。計画性や公共性の判断が必要である。 ・農地・憩いの森・街かどの森の危機保全には、地域住民の理解や相続問題への対応が求められる。 ・練馬独自の農地に関する法が求められる。 提案 ・緑地が年々住宅化されているが、相続税のために農地や緑地が売却されることが多い。このため、緑地保全の土地利用計画を策定し、重要な緑地は区で買い取り、税の面で補助や優遇を行い、緑地を残せるようにする。また、指定樹木についても、所有者が守ることでインセンティブを強く得られるような奨励制度を検討・実施する。 ・緑地を民間で保全するために、ナショナルトラスト(自然や歴史的建造物の保護を目的とする英国の団体)やクラウドファンディング(インターネット上で企画内容と必要な金額を提示し支援を呼びかける手法)、立木トラスト(乱開発を阻止し、自然環境を守るために、開発予定地の立木などを買い取る運動)の仕組みを活用する。 ・練馬独自の農地に関する法をつくる。第3セクターで六次産業としたり、小規模農地をまとめたりする。また、生産緑地については、農業生産以外の利用方法を認めたり、緑地として地域への開放を奨励したりする方法を検討する。 26ページ 提案:自然の水循環のあるまちにしよう! 課題 ■水環境の保全が課題である ・石神井川は源流がなく、湧水から川となっていて素晴らしい。石神井川の親水エリアが使われておらず、もったいない。 ・水路敷は昔の名残であるので保全してほしい。 提案 ・雨→地下への浸透→湧水→川という水の循環が成立する場所にしていく。 ・谷戸の保全、貫井池の復活など、地形の歴史を大切にしていく。 ・ゲリラ豪雨や浸水のどちらにも対応できる施策を進める。 ・石神井川沿いを練馬環境メインロードとする。周辺道路を整備して、川沿いを通行可能にする。昔の川の領域を川の領分に戻していく。 ・三宝池と石神井池に1日3千トンの水が給水されている。処理として下水に放流しているが、石神井川に放流することを検討する。 ・千川上水の開渠(蓋をしていない水路)の実現を目指す。 ・千川通りを川に沿った遊歩道付きの道路に整備する。 ・三面張りの白子川の川底を土とした二面張りにする。 ・各公共施設に雨水を利用する施設をつくるなど、雨水を活用した取り組みを行う。 ・「都市計画公園・緑地の整備方針(平成23年12月改定)」を「練馬区総合治水計画(平成24年3月改定)」に組み入れた「練馬区総合治水・地下水涵養計画」を策定し、推進する。 提案:未来予想図は緑と水を真中にしよう! 課題 ■練馬区唯一の全国区資源を保全する ・三宝寺池や石神井池は全国区の資源であり、環境保全が必要である。 ■身近な川が遠い川になっている ・石神井川を復元する必要がある。新しい治水が求められる。また、崖線内を公共の場にしていく必要がある。 ・白子川やその他河川の親水のしかけを検討する必要がある。 提案 ■みどり、水、地形の長期的計画 ・練馬らしさとしてみどりの軸や水との共生を進める。100年後の議論へ向けてみどりと水の軸を残す。 ・練馬の地形の特色を守り、残し、伝えて生かしていく。地形については、ハザードマップや昔からの寺社の位置に着目していく。 ・河川敷の土地を公共の所有にしていく。 ■住民参加について ・みどりや水の整備については、計画段階や維持管理段階で、住民参加による地域の意見を集約する。 ・三宝寺池等の都立公園については、住民の関わりが薄いため、練馬区がもっとコミットして住民参加の機運を盛り上げていく。 ・練馬城址公園整備にあわせて、石神井川の多自然化、親水利用について住民の参加のもとで検討する。 ・グリーンキーパー(公園などで芝生やみどりを育て、管理する人)など住民参加でみどりを維持していく。 27ページ 第10回意見交換会で出されたキーワード ・みどりが年々失われている。みどりを保全して、地球環境を守ろう!(ねりまみどり30) ・みどりのまち、ねりま ・川のあるまち、ねりま ・道路の緑蔭づくり(みどり30との整合) ・公園の外にベンチを置く。人が集まれる場所をつくる。 ・各住居や区庁舎、校舎、民間ビルの周りに生け垣をつくるため、植木や苗木を配布する。また、ビルの壁に「ツタ」を植えてのばす。 ・みどりと水がある散歩道 ・緑と水辺 (2)農とともにあるまちづくり ●農についての提案 提案:農地を保全しよう! 課題 ■農地が減少している ・これ以上農地を減らさないための方策を検討する必要がある。 ・体験農園以外の農地の対策が必要である。 ■農業生産物を活用することが課題である ・地産地消で農業を支えたい。 ■体験農園の増加、活用が課題である ・体験農園(区民農園など)が減っている。希望者が多いのに対応できておらず、もっと増やしたい。 ・コミュニティガーデンや市民がつくる農業をつくってほしい。 ・フェンス、入り口など農地外周のしつらえが良くない。 提案 ・農地景観を残し、農家と周辺住民のコミュニティ醸成を図るため、野菜の路地販売や学校、幼稚園、保育園を活用したイベントなどを、区とまちづくりセンターで仕掛ける。 ・野菜の直売所やマルシェ(市場)を多く設ける。他県からの出店は評判が良い。 ・現在行われている体験農園の方式だけでなく、農家の負担が軽くなるような手法を検討する。農家が継続できるような仕組みづくりを行う。 ・体験農園は、個人で借りるだけではなく、地域で借りて、みんなで使う地域農園、コミュニティ農園のようなものを創設する。 28ページ 農で水と土と緑と食を活かす、社会で農生産・管理を進めよう! 課題 ■農地の保全と活用が課題である ・周辺住民とのかかわり、野菜が売れないなど農地をもつのは大変である。畑をやるより土地を貸したり売ったりしたほうが良いと知り合いの農家は言っている。 ・農地の周辺は道路が狭い。周辺の住宅に迷惑、消防車が通りにくい。 ・道路との私有地の間の部分の緑をどう作るかが大切である。 提案 ・練馬の農をエコのためにも公的力で活かしていく。 ・農地の土地利用の区分と拠点化を進める。農地の周囲を果樹園や生け垣にして、宅地との境界をつくる。また、農地の周辺に十分な幅員の道路をつくる。 ・畑地保存を奨励し、必要な場合は区で購入する。 ・練馬野菜を使ったギョウザなど農産物を観光の面でも活かしていく。 ・小学生に収穫体験をさせる。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・「生産緑地」を活用できるまちづくり(平成34年問題を視野にいれる) ・農地を活かす 29 4環境と共生するまち (1)周辺と調和のとれたまちづくり ●景観についての提案 提案:景観法・景観計画などの制度を具体的に活用しよう! 課題 ■道づくりから景観を先導する ・新しくつくられる道路沿いの建物について、先行的に網をかけないと景観づくりができない。 ・景観づくりには「お金」がかかる。道路沿いなど投資が期待できるところに地区指定をしないと結果がでない。 提案 ・新しくできる道路は景観重要公共施設に先行的に指定し、景観づくりを行っていく。みどりのコリドー(回廊や通路のこと)にしていく。通りにその景観を特徴づけた名前をつける。 ・石神井公園は「景観重要公園」であり、また周辺地区は「景観まちづくり地区」にも指定されているが、景観法の「景観地区」とし、さらに法的裏付けの強い地区として景観の顔にしていく。 ・巨木の保全のため、練馬区の指定樹木を景観重要樹木に指定する。 ・みどりの種類を整理して、統一感のあるまちにしていく。 ・新築住宅の時に道路幅も随時広げていく。 提案:地域の施設を景観まちづくりの核にしよう! 課題 ■ふつうの景観をよくしていくことが課題である ・農、巨木、空地など、特徴的な場所、よいところを伸ばしていく。 ・不統一な公共空間、広告、看板の色、大きさなど悪いところを改善していく。ネガティブチェックをしていく。都条例は機能しないなどゆるい。 ・練馬区の80%は住宅地であり、住宅のある景観が普通の景観になる。建物の色や沿道のセットバックのやりかたなどをしっかり考える。 提案 ・普通の景観をつくるために、「景観まちづくり」を多くのまちづくり団体の連携ですすめる「場」をつくる。まちづくりセンターのイベントなどでPRする。 ・まちづくりセンターの助成事業では、景観の要素を盛り込むことを条件にする。 ・特別養護老人ホームなどの施設を核とした景観づくりを行う。維持は、地域の人々が協働で行う。 ・医師会など医療福祉系の業界団体へ敷地に高木の植栽をするなどの景観活動を促す。また、その活動を診療所内に表示するなどして評価する。 ・宅地開発事業に景観評価制度を設け、表示を認める。 提案:景観重点地区の指定を進めよう! 課題 ■景観に関する制度について ・近隣商業地域でも周辺環境を考慮して建物の高さの最高限度を検討する。(例:武蔵関周辺) ・景観まちづくり地区の候補があったが、その後の評価、調査を進めていくべきである。また、景観まちづくり地区のその後のフォロー、評価が課題である。 ・風致地区の制度が活かされていない。逆に指定見直しの動きがある。 ・3、4階建ての建物が並ぶ駅前商店街の中に10階を超えるマンションが生活拠点と位置づけられた西武新宿線の上石神井と武蔵関で出現した。武蔵関では、大きな道路にも面していないが、大きな空き地ができたため、隣接する住宅地からの視界と風を遮る建物ができた。上石神井では広い未整備の計画道路に面し、未来を先取りして建った。 30ページ ・都市計画マスタープランで指定した町の計画をデベロッパーに先手を取られないよう、監視し、我々の計画が完成するまでストップを掛けてほしい。 提案 ・景観まちづくり地区候補について、その評価を行い、指定を進める。 ・風致地区内の建築行為について、事後の検査をきちんと行う。 ・近隣商業地域にも高さ制限をかける可能性を追求する。 ・景観に関してもっとPRをしていく。まちづくり条例の第126条の表彰制度で、美しい景観を表彰、公表、宣伝する。 ・住宅、駅を中心にして区画整理していく。みどりとのバランスも考える。 提案:景観に配慮した屋外広告物、案内サインをつくろう! 課題 ■屋外広告物など景観を阻害する要素への対応が課題 である ・練馬駅周辺の景観がよくない。 ・大泉学園駅北口のパチンコ店の派手なネオンを抑えたい。 ・まちの中の公的案内板が貧しい、少ない。 提案 ・景観の要素一つ一つを見直し、悪いものは悪いと声をあげ、一体となった街並みをつくるための仕組みを考える。 提案:都市計画道路を建設する時に沿道の緑化を進めよう! 課題 ■都市計画道路の建設時に、沿道緑化や積極的な街並み形成が考えられていない ・「道路をつくるとみどりが減る」という事態になっている。 ・都道では「道路をつくる東京都」と「地区計画で沿道の民間建設を誘導する練馬区」の間で、街路樹以外の緑化が進まない。 ・関連してつくられる公園は、点での効果しかなく、街並みとしての広がりに欠ける。 ・収用残地は時間貸しの駐車場などになり、長期の間、質の悪い街並みができる。このため、沿道には魅力ある店舗などが立地しない。 提案 ・「都市の中のみどりの道路」をつくり、それに魅力を感じる質の高い商業や飲食サービス事業者の誘致を促進し、デザイン性の高い街並みを創り出す。 ・土地収用の残地をポケットパークにする。商業地としての賑わいの連続性に問題が生じる時には、ポケットパークからの隣接民地への歩行者の出入り通路を認める。 ・予算は「大きな公園を一つ」から「連続的につながる沿道緑地+中くらいの公園」の形で確保する。 ・70〜100mごとに、ポケットパークに大きな高木を植栽し、アイストップにする。まちの動きの中にみどりのメリハリと変化を持たせる。歩くこと、走ることを楽しく感じさせる。 ・期間限定の仮設的な店舗の建設を認め、街並みや賑わい創出を優先する。 ・「憩いの森制度」のような借り上げ制度ができれば望ましい。 提案:生活環境を良くしてキレイなまちを目指そう! 課題 ■きめ細かい生活環境の悪化 ・ゴミ置き場の美観、カラス対策などが必要である。 ・道路のごみ、落書きが多くなっている。 提案 ・小動物(ハクビシン、タヌキ、カラスなど)の扱いについて、今のうちに規制する。 31ページ 第10回意見交換会で出されたキーワード ・貸し景のすすめ(生け垣や通りに面した窓に花などをかざる) (2)環境に配慮した循環型のまちづくり ●環境・エコについての提案 提案:豊かな水環境をつくろう! 課題 ■エコを実感できる環境にしていくことが課題である ・皆の力で、「練馬区に入ると涼しい、そして冬は暖かい」と実際に感じられるようにする。 ・エアコン無しでも暮らせる地域環境になれば人気の区になる。 ・道路・交通、緑、コミュニティなど全ての面に生活スタイルとしてエコを浸透させる必要がある。 提案 ・石神井川の親水化工事により、川の水を利用する。川の中にプールを作り、その水を非常時のトイレに利用できるようにする。また、ザリガニやドジョウ、ウナギの復活を目標に生きている川にする。 ・道路や青空駐車場の路面を浸透化し、熱容量の低減を促進する。また、道路周囲に浸透可能な緑地等を設ける。 ・雨水の再利用を進める。雨水利用のモデル地区を募集し、専門家のサポートを受けながら活動する。地域の小学校・中学生とも協力する。 ・自宅の敷地に井戸を掘って、それを植木の水やりに使うことで水道の水を節約する。 提案:みどりが見える、数値(データ)も見えるねりまにしていこう! 課題 ■数値的な評価が求められる ・都内のなかで練馬区の取り組みはどのくらい成果が出ているのか分からない。 ・雨水利用を進めるための具体的な方法が十分に知らされていない。 提案 ・都市計画マスタープランができたころの地球環境と現状を比較して示す。 ・区内の農園・樹林地や河川・池が緑に貢献していることを数値的に評価する。緑の数値化を進め、高木の評価を検討する。 ・道路舗装の雨水浸透化の進捗状況をパーセンテージで示す。 ・みどりを風景として評価する。また、緑の掲示板を立てて、地域の緑情報をPRする。 提案:「エコ&リサイクルの先進区ねりま」を目指そう! 課題 ■リサイクルが難しい ・リサイクル分別ができないゴミとできるゴミの判断が難しい。リサイクルできないまま「燃えるゴミ」に出してしまう。 ■家庭ごみの処理が大きな問題 ・エコの中でも家庭ごみの処理は大きな問題。 ■エコ推進に関する予算が少ない ・エコ推進の予算が少なく、市民活動で苦労している。 提案 ・「ねりまリサイクルプロジェクト」のような試みを立ち上げる。練馬区のリサイクルの現状を分別達成度や処理にかかるコストなどを明らかにして具体的な目標、区や家庭でできる方策を定めて取り組む。 ・学校や職場などでリサイクル教育・支援を行う。また、スーパーで買う段階で包装の材質が分かるよう 32ページ にする。 ・エコライフチェック(区民の日常生活におけるエコライフ(環境に配慮した行動)を促進する目的でチェックシートを用いて自己チェックする)を区民団体や事業者に協力してもらう。 ・ゴミを出さない「江戸スタイル」を取り入れる。ミソやしょう油、豆腐などをパッケージなしで販売する。 ・雑紙回収用の袋を販売し、いままで捨てていた紙片も集める。 ・エコの専門家を全区的に配置して、取り組みを推進する。 ・ねりまエコ推進費を創設する。 提案:自転車に乗って二酸化炭素を減らそう! 課題 ■自転車を利用しやすい環境整備が必要 ・区を越えたレンタサイクルの取り組みが課題である。 ・通勤通学の時間帯、自動車が多く自転車で目的地にたどり着くのに苦労している。 ・知らないまちでは、どこに自転車を停めて良いのか分からない。 提案 ・自動車から自転車利用への転換を奨励する。練馬区ノーカーデーを設定する。 ・自転車専用道または歩行者・自転車のみ通過可能なモデル地域をつくる。公園、緑地、商店街、オフィス街など「ここでは自転車の利用が便利」という意識を向上させる。 ・駐輪場を増やす。駐輪場マップをつくる。 ・自転車道や自転車のための優先ルート(時間帯)を設定する。 ・もっと目立つところにレンタサイクル施設を増やす。また、レンタサイクルの無料券、割引券を地元商店会が買い物客に金額に応じて配布する。さらに、東上線や中央線で自転車を乗り捨てるようにできると利用が促進される。 提案:経済的な支援を進めよう! 課題 ■経済的な支援が課題である ・屋敷林や生垣は手入れのための費用を補助してくれないと維持できない。 ・一般家庭での取り組みは啓発活動だけでなく経済的な支援が必要である。 提案 ・温暖化防止の諸助成制度を強力に推進する。例えばエコタイプのエアコンへの更新などに対し買い物券を配布する。 ・各家庭のみどりを増やし、育成する費用を助成する。 ・企業の参加、支援の呼びかけをする。 提案:地産地消のエネルギー利用を目指そう! 課題 ■再生エネルギーに地域で取り組む ・緊急時、災害時に自力で発電できないため、再生エネルギーに地域で取り組む必要がある。 提案 ・水車、風力、太陽光、水素などエネルギーの地産地消を進める。落ち葉等を利用するバイオガスや川の水力を活用する。樹木林の手入れを兼ねて焼き芋イベントを実施する。 ・地域ごとに再生エネルギープロジェクトを実施する。 ・小学校・中学校でエネルギーの地産地消をモデル的に始める。風力、太陽光、井戸はすでに設置してある学校もある。避難拠点としても有効と思われる。 ・街路灯は全て太陽光発電を取り入れる。 ・既存も新設も大型マンションは緑の山になるようにする。雨水利用の貯水池も整備する。 33ページ 提案:ゆるやかなガイドラインでPRと啓発と夢実現を行おう! 課題 ■PRが不足している ・各種制度のPRが不足している。 ・区報でエコ・環境の取り組みを分かりやすく紹介してほしい。 提案 ・イベントを実施して「ねりまのエコ」のイメージづくりを行う。 ・ゆるやかなガイドラインを作成して冊子にする。二酸化炭素削減の具体的な取り組み事例を紹介し、クイズを交えて分かりやすくPRする。 ・身の回りの生き物を守る視点から緑を守る啓発を行う。 ・民間との協働で緑化技術の研究・開発を推進していく。 ・「エコ」「コミュニティ」などのカタカナ表記をやめて、区民に分かりやすい言葉で表現する。 提案:緑を増やす環境づくりをしよう! 課題 ■緑が減少している・都市化が進み農地が数年でなくなる。 提案 ・集合住宅をつくるときに1戸当たりの緑の量を義務付ける。 ・ビルや校舎、区の庁舎などの壁にツタなどを植える。 ・区立公園に大きく成長する樹種を植栽する。 ・区立公園の緑化を促進する。 ・駐車場からの熱気と熱風を抑えるつる植物付きのフェンスを設置する。 ・学校で雑木林をつくり、育てる。 ・空き地や倒壊しそうな建物に対して外部空間、公園など緑地を増やしていく。 ・公園のあり方:(水道や肥料なしで)元々の自然の力を活かす。 ・エコのためだけでなく他面へも効果ある項目を優先する。塀を生垣にするなど。 ・街路単位で塀の生垣やつる植物フェンスへの更新や塀をなくすことを奨励する。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・植樹などにより、風の道をつくる・「環境」と「災害時」の再生エネルギーの活用 34ページ 5ともに住むまち (1)ともに住むやさしいまちづくり ●住まいと暮らしについての提案 提案:耐震化の調査を組織化して、耐震化を進めよう! 課題 ■住宅の耐震化が進んでいない ・住宅の耐震補強100%に向けて施策を検討する必要がある。 ・耐震化については、優先すべき沿道から考える必要がある。 ・出火対策が必要である。 提案 ・耐震性があるかどうか、安全であるかを調査することを組織化し、依頼したらすぐに調べに来てくれるようにする。また、危険な建物に呼び掛けを行う。 ・耐震診断は、自分の家が不適格かもしれないという恐れから診断をためらいがちである。このため、建物一戸一戸ではなく、広いまちづくりの視点から、避難道路を確保するために耐震化が必要な道路に面する建物など、優先順位を決めて公的な補助をしていく。 提案:みどり・オープンスペースを保全して、住環境を良くしよう! 課題 ■オープンスペースや遊び場が少ない ・住宅が増えすぎていて、オープンスペースが少ない。 ・戸建てマンションが増えて、遊び場も少なくなっている。 ・ほとんどの公園でボール遊びが禁止になっている。 提案 ・畑や緑地、農地を守る手立て(特に相続問題に対して)を行うことで、宅地化を防ぎ、空間を増やす。 ・みどりを育て、公共のみどりを創出するため、みどり税を活用する。 ・農地を区が買取り、体験農園に活用する。また、全ての小学校で、小学生が収穫体験などの経験をできるように整備していく。 ・現在は規模の大きい建物のみ義務化されているが、全てのマンションを建てる時に、オープンスペースや公園を設置することを義務化する。 ・お金を出して街路樹や記念樹などを植えたいという区民を募集し、タイルや看板にお金を出した人の名前を刻む。 ●福祉のまちづくりについての提案 提案:まちづくりサポーター制度を充実させよう! 課題 ■福祉のまちづくりの充実度が地域別によって濃淡がある ・「福祉のまちづくりモニター200人」は、平成27年度には「まちづくりサポーター500人」とすることを目標としているが、現状では地域別に割り当てられていないので、サポーターが偏らずに、それぞれの地域から平等な数とするように決めてほしい。 ・桜台地域は福祉に関する施策が充実していない。 提案 ・まちづくりサポーターの年齢に幅を持たせ、様々な年代のサポーターを位置づける。子どもサポーターなどもつくる。 ・まちづくりサポーターの意見を反映させる仕組みなどを充実する。 35ページ 提案:高齢者等を地域ぐるみで見守ろう! 課題 ■必要な人に福祉の制度が利用されているかわかりづらくなっている ・一人暮らし高齢者や障害がある方の困り事は誰がどう対応しているのかわからない。また、障害者、高齢者等の各福祉制度が十分に利用されているか、利用率を上げる工夫をしているのかも不明である。 ・高齢者の見守りの仕組みが必要である。 ・自分の地域にいる民生委員と会う機会がない。 ・ゴミ収集の人が見守りサービスをしているらしいが、チラシがどこにもない。 ・識字ができない住民(外国人、高齢者、その他障害を持つ方)に対してどうフォローしているのか。専門の民生委員が訪問してフォローするべきである。 提案 ・孤独死を防ぐためにも見守りサービスの活用を呼びかける。 ・民生委員が町会の催事に参加し、花見などの季節の行事の目的で地域別に懇親会を開き、顔の見える関係づくりをする。 ・「安全安心パトロール」で回るだけでなく、困っている人に声掛けをする。また、「安全安心パトロール」について成果報告する。 ・民生委員が町会の催事に参加する等によって連携を進める。 ・識字ができない住民の相談を受け付ける場所を地域ごとにつくる。 ・マンションなどで消防団を結成し、それを町会がバックアップしていく仕組みをつくる。 ・避難拠点の防災訓練の周知が足りないため、枠組みや仕組みづくりを進める。 提案:自転車レーンを整備しよう! 課題 ■自転車は車道も歩道も通りづらくなっている ・自転車は、原則車道を通ることになっているが、現実には、自動車の多い車道を通るのは危険である。 ・歩道を速い速度で走っている自転車族が多い。大きく分けて2種類あり、通学・通勤などで速い速度で行く若い方と、荷物が多いから自転車を使っている主婦や高齢者である。 ・歩道を通る歩行者・車いす・自転車等の優先順位がわかりづらい。 提案 ・千川通り、新青梅街道などの主要道路では、車道の中に自転車レーンをつくったり、歩道を拡げたりする。自転車、歩行者が安全に移動できることは、災害時にも便利であり、地球にもやさしい。 ・追い越しができないように自転車レーンを狭くし、その分歩道を広くする。 ・自転車免許制度を充実させ、子どもだけでなく大人にも発行する。 ・子ども、乳幼児と一緒の親、障害者、高齢者等は、例外として歩道を徐行しながら自転車で走れることを自転車運転教室で地域ごとに開いて周知する。 ・お年寄りや障害者などがゆっくり通行できる徐行レーンをつくり、充分幅員がとれなくても、自転車レーンと歩道を行き来できるようにすみ分けをする。 36ページ 提案:交通弱者に対する細かい配慮を実施しよう! 課題 ■歩道やアンダーパスなどは歩行者にとって移動しづらい ・道路は自動車中心に考えられている。地域に住む人の生活のしやすさや移動に対してもっと配慮をするべきである。 ・車道はなめらかであるが、歩道は凸凹している道路が多い。ベビーカーや車いすの移動がスムーズにできない。 ・歩道から車道への傾斜が危険を感じる。 ・もぐる道路(アンダーパス)は車に便利でも、高齢者などの歩行者・車いす・自転車につらい。 ■視覚障害者誘導用ブロックなどの管理が十分でない ・壊れた舗装がそのままになっていたり、視覚障害者誘導用ブロックが無かったり、管理が足りないと感じる。図書館などの公共施設周辺くらいキチンとしてほしい。 ・福祉の視点を取り入れた道路をつくって終わりではなく、その後も常にチェックが必要であるが、現状はできていない。 提案 ・居住ゾーンが通過交通のルートにならないようにする。 ・信号のない横断歩道では、車道に段差をつけてスピードが出ないようにする。また、住宅地の中の交差点では、優先順位を整理して、地域からも呼びかける。 ・スクランブル交差点には必ずエスコートゾーン(横断歩道の中央にある視覚障害者誘導用ブロック)をつける。 ・事故の多い横断歩道に音声信号をつけ、目で見えるサインや看板を設置する。 ・福祉の視点を取り入れた道路では、普段利用している高齢者等の当事者に歩いてもらって調査を行う。 ・公共施設への導線は視覚障害者誘導用ブロックなどをしっかり整備する。 ・バス停に屋根をつける。 ・大人の自転車のマナーを向上させるために、自転車教室など交通ルールを知ってもらう機会を設け、意識を高める。また、子どもたちに対しては小学校だけでなく、中学校・高等学校でも自転車教室を開催する。 ・問題をシェア(共有)するために、自転車事故の実態について「見える化」を図る。 提案:平面移動がしやすいまちをつくろう! 課題 ■駅はまちを分断している ・駅は南北のまちを分断する。 ・小竹向原駅〜新桜台駅の優遇運賃にするか、小竹向原駅〜新桜台駅を東京メトロに移管するかして、新桜台駅を便利にしてほしい。不便なため高齢化が進んでいる。 ・大泉学園駅のホームは曲がっていて、線路とホームの間が空きすぎていて危険である。 提案 ・駅の高架化を進める。道路が平面移動になるため、歩行者、自転車、車いす、ベビーカーの方々が利用しやすい。特に、大泉学園駅は不便なため、早急に高架化を進め、合わせて道路も整備する。 ・歩行者・自転車は平面移動、自動車は立体移動とし、歩行者に便利な道路づくりをする。 提案:ITシステムやGPS機能を活用しよう! 課題 ■サインや案内板がわかりづらい ・練馬駅から区役所に行くルートでさえ、障害のあるなしに関わらず明確でない。手厚い案内板を設けてほしい。また、案内板の文字を大きくしてほしい。 ・ITを取り入れたシステムが必要である。 提案 ・案内については、ハード面よりもソフト面を充実させる。 ・ITを活用し、ねり丸をコンシェルジュ(特定の分野や地域情報などを紹介する人)としたサービスを 37ページ 提供する。 ・GPS機能を活用し、あらかじめ危険ゾーンを設定しておき、危険ゾーンに近づくとメールが届いたり、ナビをしてくれたりなどのサービスの開発をする。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・活気のあるまちと静かなまちの関係 ・福祉のまちづくりサポーターの育成(マンパワーの活用) ・多世代が助け合う暮らし ・長く住み続けられるまちづくり(努力して良いまちにしても、コストがかかり、生活できなくなってしまっては意味が無い) (2)交流を育むまちづくり ●コミュニティについての提案 提案:地域デビューの機会を創出しよう! 課題 ■地域でのコミュニケーションのきっかけが少ない ・現在のコミュニティの状況は、引っ越してきたけどご近所との交流がうすい、1つ屋根のマンションでさえ連絡が不十分となっている。 ・また、地域のコミュニティに参加する動機・機会がなく、何にも属さない人が一定程度いる。 ・健康な人や病気の人などで経済格差が大きく、何らかの対応が求められる。 ・個人情報保護法で小学校名簿やおくやみお知らせのポスターも出せないので、コミュニティでの取り組みが困難になっている。 ■コミュニティのイメージがあいまい ・地域コミュニティのイメージがあいまいとなっている。 ・コミュニティの単位として中学校区単位があるのではないか。 ・一世代住宅が増し、高齢化が進むのに、他人に関わらない流れとなっている。そもそもコミュニティとは面倒で作業的なので、どのような魅力で引き付けていくのかが課題である。 ■既存組織が弱体化している ・コミュニティの活性化において、今までの町会、自治会、管理組合はあまり役に立っていない。町会は上意下達の組織となっており、地域の問題を地域で考えて提案できる組織を育成することが必要となっている。 ・現状では、子どもの就学が親世代の地域デビュー機会となっているので、PTAの持つ地域コミュニティ力をうまく活かすことが求められる。 ・役所以外の力をもっと活用してコミュニティに参加しやすい活動を行うことが求められている。 提案 ・まず、自分から一歩踏み出して地域活動に参加する。子どもが小学校入学する時が地域デビューの好機であり、つながりを活かす。子どもが居ない人も共通するテーマを見つけ地域活動に参加する。 ・地域での祭りや盆踊りを復活させる。 ・マンション管理組合をネットワーク化し、連絡し、情報を共有する。 ・地域コミュニティに参加するメリットが実感できるような施策をつくる。 ・地域コミュニティ活動への参加のモチベーション(動機づけ)を上げるために、参加に対しポイント制とし、ポイントが貯まると地域で使えるお買い物券に交換できる仕組みを作る。 ・お気軽な参加は無理がある。月1回の義務化にしてはどうか。無理な場合は対価を支払う。 ・向う三軒両隣から道路沿道コミュニティをつくり、道路に名前を付ける。 ・町会等の既存組織の活動を充実する。 提案:身近で気楽な世代間の連携を進めよう! 課題 ■世代間が交流できる場が少ない ・世代間の交流できる場が少ない。特に子育て世代が気楽に入れる場がない、若い子育て世代が気楽にコミュニティについて話し合える場所がないことが課 38ページ 題である。 ・若者たちの地域参加の機会づくりも求められる。 ■高齢化への対応が不十分 ・練馬区の推定年齢は約65歳となっており、高齢化に対する対策不十分である。 提案 ・江古田銀座を手本に教育機関と連携する。また、若い人を活かす地域や組織づくりを進める。 ・高校生〜高齢者までの幅広い世代による子育てサークルをつくる。 ・児童館、敬老館、高齢者センターが別々になっているが、高齢者が気軽に児童館に出入りして交流するようにする。 ・高齢者と若者のシェアハウスプロジェクトを進める。 ・公園を舞台に、高齢者向け健康体操と防災まちづくりをセットにした活動を進める。 提案:子どもやお年寄りにまちづくりの主役として活躍してもらおう! 課題 ■子どもやお年寄りをまちづくりの主役として捉える ・平日の日中は高齢者と子どもしかいない。もしも災害が起きたら高齢者と子どもをどう守るか、どうがんばってもらうかが課題である。このような現状を踏まえて、高齢者のデイケアサービスと子ども園を併設するなど、公共施設を有効利用することが求められる。 ・地域で子育て支援に取り組むなど、子育てとコミュニティ性化を結びつける。また、先生の啓発などにより、学校と地域コミュニティの連携を促進することが求められる。 ・多くの人が高齢者となる高齢化社会において、福祉という概念を超えて、まちのコレクティブ化を検討する。また、元気な高齢者が平日昼間、町に溢れているので、人材の有効活用が求められる。 ■地域での議論、交流、組織改善が必要である ・町会から小学校区を単位とした地域コミュニティを育成することが考えられる。その際には、地域課題を討議する場を設け、住民参加で地域の方向性を決める必要がある。 ・地域では、旧住民と新住民と新々住民がおり、これらの交流を促進することが求められる。 ・町会を開かれたものとし、多様な年代で運営するよう改善することが必要である。 提案 ・小学校や中学校、路地、神社、仏閣、商店街などを活かし、身近なエリアで子ども、高齢者、みんなのユートピアをつくっていく。 ・小学校を地域運営支援学校に指定して、地域コミュニティの活性化とあわせて子どもを育てていく。また、学校でPTAなどによるまちづくり活動の情報を配布する。 ・「緑のおじさん(交通安全指導員)」の見守りが機能した例があり、高齢者等から子どもたちへ昔あそびの伝承をしながら、見守りも行う。これらが元気な高齢者の働きの場となるとよい。 ・町会回覧板や町会のサインボードを活用して、まちづくり情報を発信する。 提案:障害者や高齢者が安心して生活できるまちづくりをしよう! 課題 ■障害者と地域のコミュニケーションが不足している ・近隣のコミュニケーションが不足している中、障害者が地域で生きづらい状況になっている。地域での改善すべきバリアの整理や解決主体、方法の整理が必要である。 ・また、障害者や認知症などの家族はそれを知られたくない中、どうやって周りの人に関わっていくか、難しい状況である。 ・障害者が地域の中で生きるには、公共サービスはむしろ弊害な面もある。 ・ユニバーサルデザイン(あらかじめ、障害の有無や年齢等にかかわらず、多様な人が利用しやすいように都市や生活環境をデザインする考え方)に基づいたまちづくりが十分出来ていない、スピードが遅い。 提案 ・自力で参加することが困難な人(障害者、外国人、高齢者)への支援をコミュニティで取り組む。コミュニティでハンディキャップ(立場を不利にする条件)をカバーする。例えば、障害者に声をかける「ひと声運動」を推進する。また、一般の人は障害者の不便さを充分理解しているとは言えないので、地区集会所や地区区民館で障害者を交えた話し合いの場を設ける。 ・認知症患者が全国で462万人、その予備軍が400万人いる時代であり、地域で認知症対策に取り組む。 39ページ 提案:まちづくり人材を育成しよう! 課題 ■シニアの力をコミュニティに活かしきれていない ・定年退職者の力を社会の中で活用すべきである。 提案 ・地域で意見交換や学習会をするために、リーダーを養成する研修を実施する。また、研修を受けた人を“まちづくりの達人”として登録し、それを活用する制度をつくる。 ・西大泉でモデルとして行なっている地域活動拠点の職員や、まちづくりセンターの職員をコーディネーターとして活用する。 ・無給では続かないので、少なくとも事務局は有給とする。 ・上記の取り組みを自分たちの暮らす地域で始めてみる。また、資金はファンドなどにより、民のお金で実施することが考えられる。 ・“定年退職者を目覚めさせる練馬大会”を大ホールで毎年開催する。 提案:地域情報の発信・交流の仕組みをつくろう! 課題 ■地域の情報が共有化されていない、発信されていない ・まちの楽しみ方について、どこから情報を得ればいいかわからない。 提案 ・既存の「ねりま情報メール」を浸透、活用するとともに、区民が「まちの情報発信員」となり、区民視点のメルマガを配信する。 ・情報共有、発信の場として、コンビニ、ファミレス、直売所などを活用する。また、情報サロンなどの情報拠点に銭湯などを利用して持ち回りで展開する。 ・区民の活動が書ける掲示板を設置する。 ・まちづくりセンターから情報を発信する。 ・地域の町会掲示板に貼ってあるだけでは見落としてしまうので、区報に小中学校99校の催し情報(防災訓練や学校公開日等、誰でも参加できるもの)を載せる。 提案:小さな場づくりから大きなコミュニティにつなげよう! 課題 ■コミュニティの活性化の拠点がない ・現在の区民館、集会所、敬老館などはコミュニティの活性化の拠点として十分に役立っていないので、コミュニティの拠点になる場所を新しくつくる必要がある。 ・コミュニティの拠点として、地域で声を交わす、意見が言える、参加できるスペースが求められている。 ■気軽に集まれる場・しかけがない ・若い人に限らず幅広い年齢層の人と出会える場がない。 ・また、場だけあっても集まってくるまでのしかけが必要である。 ・学校の余っているスペースや、空き家・民家、商店街の活用が求められる。 ・地域課題についての情報が共有化されていない。共有化方法や発信の仕組みづくりが求められている。 提案 ・近所の人と立ち話ができるような空間、施設だけでなく気軽に集まれる場をつくる。 ・年に1回ご近所博覧会(オープンハウス)を開催する。また、住宅のプライベートスペースで街の風景を映写、共有化する映写会を随時開催する。 ・空き家、空き店舗、遊休地などをコミュニティの場として活用する取組みを進める。コミュニティカフェのような例が区内でも増えている。こうした試みをもっと推進する。(チャイハナ、ローディ(自主的)、まちの縁側(UR))。ワンディシェフなど、チャレ 40ページ ンジ出店できる工夫も検討する。 ・集まれるきっかけや情報収集の場として、幅広い世代をターゲットとしたねりまグルメツアー(おすすめを教え合ったり)などを開催する。 ・集会所の活性化策としてフリーマケットを開催する。(利益追求型ではなく高齢者も子どもも元気になるイベントとして) ・各地域に野外の憩いの場所をつくる。時間を決めて、多少の音が出てもいいようにする。また、地区ごとにコミュニティガーデンを配置し、地域の人達が主体となり活動していく。 ・新たにマンションやURなどが建設する予定がある際に交流拠点(施設やガーデン)を必ず取り入れるなどの独自の制度をつくる。また、作っただけでは使われないので、地域のものになる工夫を行う。 ・場づくりにおいては、既存組織(町会、自治会)と新しい組織との連携を進める。また、商店街の活性化もあわせて考える。 ・区民館や地域集会所、公園にカフェスペースをつくったり、小学校に集会施設を併設したりする。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・環境の良い社会(男女共同参画) ・コミュニティ=ご近所づきあい(まちの活性化に加え、防災対策にも役立つ) ・コミュニティ=地域社会として、区内の町会組織をさらに強化し、連帯して活動してもらう。 ・場所の開放(緑地にされた場所や学校、空き家など) ・既成組織(町会)の仕組みと連携したまちづくり ・社会的弱者を包み込む地域社会を。 ・交流の場をつくり、顔の見える関係づくり ・コミュニティづくり(先日の降雪の際に感じた「雪かき」。お隣同士助けあって、雪の中に1本の細い道がつながり、本当に歩くのに助かった。) ・コミュニティの形成、コミュニティがまちをつくる(公共財(公園、施設、図書館、運動場など)を利用しやすくする工夫、共有財(街路樹、ほこら、史跡、川など)を認識する。) ・交流の空間づくり(公園の角地(外側)にベンチを置いた空間) ・語り合える場所づくり(駅前広場にミニ演芸空間をつくる) ・公共財、「共有財」に「人財」を加えて、活用し、楽しいコミュニティ(まち)づくりにすることが大切かと思います ・交流の場所づくり ・区民の顔が見えるまち(人間広場、人々が集う場所) ・区民の顔が見える 41ページ 3-2地域別まちづくり 1第1地域 提案:地域に愛着の持てる空間づくりをしよう! 課題 ・練馬から光が丘への道が良い雰囲気である。 ・まちがどこへ向かっているのかわからない。 ・商店街の賑わいが少なくなってきた。 ・練馬春日町駅周辺の活気がない。 提案 ・練馬の良いところを知らせる散歩道の整備をする。 ・地域の寄り合いの場としての「みちの駅」のような農産物直売所を農業者と協働で整備する。 ・北町や春日町を活性化する。北町の下練馬宿が区内唯一の宿場であることを強調する。 ・としまえんは以前城があり、貴重な財産である。将来的な使い方を住民参加で考える。例えば、緑と水の総合レジャー施設にすることが考えられる。また、ドーム型施設を作り、プラネタリウムなどを併用することも考えられる。 ・環状8号線の都営地下鉄大江戸線練馬春日町駅から有楽町線平和台駅までの間を経済特区的な地域として、都市開発、ハイテク産業、アニメーション動画産業などを誘致する。 提案:緑豊かな農地、屋敷森等を再生して魅力あるまちにしよう! 課題 ・農地が減少しているなかで、どのように魅力あるものにできるか。 ・元練馬農協本店跡地はどうするのか。 提案 ・昔の風景である屋敷森を残す。また、早宮の森や内田家の屋敷林(練馬区指定天然記念物)を一般開放する。 ・地域集会所や学校の一部を森にする。 ・鎮守の森を復活させ作り直す。 ・農家と屋敷森に地域の寄り合い所を整備する。 ・庭の管理が大変なので、グリーンキーパー制度をつくる。 ・みどりを大切にし、落ち葉を掃くことがオシャレと感じられるまちにする。 ・まちの家をつくる。昔の景観を伝える屋敷森の中で、おかずショップ・レストラン・カフェや直売所、酒場で地の物を食しつつコミュニケーションをとる。託児所も兼ねることで子育て世代の人のコミュニ ケーションの場となる。多世代交流で孤独老人を救う。 42ページ 提案:地域に残る歴史を大切にしよう! 課題 ・谷戸(丘陸地が浸食されて形成された谷状の地形)があるのに、既に住宅地となってしまっており、認識がされていない。 ・旧川越街道や旧富士見街道などの雰囲気のある街道がある。 ・川、谷戸、河岸段丘などの地形が土地を特徴づけている。そこに練馬の基層がある。 提案 ■生活(あそび)の中心を川にする ・石神井川、田柄川を親水方式にする。 ・水田や谷戸を復活する。 ■道を見直す ・自分たちの住んでいる土地の歴史を知るきっかけとして、旧街道、宿、尾崎遺跡があり、それらの存在を見直していく。 ・細い道は草道にし、遊べる通り道にする。舗装は泥濘ない程度のもので良い。 提案:地域コミュニティの活性化しよう! 課題 ・町会の力が弱くなってきた。若手の不在が問題である。 ・住んでいる人の年齢構成が変化している。若い人が増えた。若い人にとって、都心から近くて便利であるが、住んでいる地域に目が向かない。 ・地域のつながりが薄い。マンションの中でコミュニケーションをとる機会も無く、顔も知らない。 ・空き巣に入られたことがある。周辺も多いと聞く。情報の共有化が必要である。 ・大通りができたことでまちが分断している。 ・生業が変化してきている。 ・畑も相続等によりマンションになってしまう。 提案 ・共助の社会づくりのために、新しいコミュニティを形成する。 ・地区区民館の利用者が高齢化しており、若い人が集まれるようにする。 ・町内会を活性化するために人が集まるイベントをつくる。 ・一人暮らしの高齢者を地域で見守る仕組みをつくる。 ・避難所のリーダーが高齢化しているので、体力のある若者を育成する。 ・7地域対抗のオリンピックを開催する。 ・ねりコレを集めたアンテナショップを商店街につくる。 ・地域の拠点としての駄菓子屋を復活させ、運営はPTAが当番で担当する。また、駄菓子屋で使える子ども版地域マネーを運用する。 ・石神井川沿いにコミュニティバスを走らせる。小竹町〜氷川台〜練馬総合グラウンド〜豊島園〜豊島掴裏、春日町〜高松〜ガスタンク、福祉センター〜高野台〜石神井公園ボート池〜関町など。 43ページ 提案:補助172号線周辺の道路ネットワークや道路の安全性を確保しよう! 課題 ・環状8号線、平和台ハンバーグレストラン前など交通事故が多発している。 ・交通量が多く、住宅地の中に車が流れてくるようになった。 ・現在計画中の補助172号線の早宮三丁目の道路を早く完成してほしい。また、完成するまでに、早三東通りを拡幅してほしい。 ・補助172号線の自動車がスムーズに文化センター方面へ流れるようにしてほしい。 提案 ・防災上のため、4m以下の道路を拡幅する。 ・補助172号線を早期に完成するとともに、補助172号線周辺の道路ネットワークを整備する。 ・早三東通りを拡幅し、練馬文化センター方向に自動車が流れるようにする。 ・練馬総合グラウンドを全天候型グラウンドにする。 また、近くにスポーツトレーナーリハビリ病院施設を設置する。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・石神井川、田柄川にみどりと水の見える空間を ・平和台駅と練馬春日町駅の間にお金を生み出す空間 を ・石神井川沿いにコミュニティバスを走らせる ・北町、平和台、春日町、早宮地区から区役所への道を便利に 44ページ 第1地域図 45ページ 2第2地域 提案:中村橋−練馬−江古田でアートラインを形成しよう! 課題 ■美術館などを活用できていない ・区役所へ行った帰りに寄れる場所(カフェなど)がない。 ・中村橋駅周辺には人が集まる美術館がある。美術館を盛りたてるまちづくりや気運が必要である。 ・芝居をする人の人口が多いのに、ホールや劇場が無いため、本番は別のまちで行っていてもったいない。(江古田駅周辺) 提案 ・中村橋の美術館、練馬の文化センター、江古田の大学という各地域の強みを活かして、連携し、全体の地域力をパワーアップする。 ・練馬駅周辺等では、チェーン店ではなく、女性目線の個人店を集積させ、オシャレなまちをつくる。こだわりのあるお店、コストパフォーマンスの高いお店、垢抜けたお店などを誘致する。 ・中村橋駅に「ようこそ練馬区立美術館へ」などのサインをつくったり、おしゃれなお店を集積させたりして、アートのまちづくりを進める。 ・江古田駅周辺では、下北沢のような古着、雑貨、ライブハウス、ハンドメイド店などのお店を集積させて、地域のイメージづくりをする。 提案:歩いて楽しいまちにしよう!(練馬駅周辺) 課題 ■練馬駅周辺は商業の中心核としての機能が薄い ・都心部(池袋など)へのアクセスが良すぎて、中心核として成立させるのは難しい。練馬の中心核であるのに方策や対策が少ない。 ・テナントの賃料が高い。 ・商店街同士の横の連携ができていないと感じる。エリアとしてまとまっていない。 ・商店街に駐輪場が無く、不便である。 ・地下街をつくって商業を集積させるなどしないと、地上には場所が少ない。 提案 ・賃料などの小売店舗自体が抱える問題を解決する。 ・練馬駅南側の三角地帯等は、子育てがしやすいまちにする。 ・商店街の通りを歩きやすくして、歩いて楽しい道をつくる。歩道に向いた店舗等との連携や、花を植え、緑化するなどの対策を実施する。 ・商店街利用者のための駐輪場をつくる。 提案:テーマ性を持って中心核にふさわしいまちとして育てよう!(練馬駅周辺) 課題 ■練馬駅周辺は商業が雑多に集まるだけの駅前になってしまっている ・公共施設や文化施設が多く、商業・業務機能の集積を阻害している。 ・お店はあっても、歩きにくいので立ち寄れない。 提案 ・公共施設や文化施設が多く集まっていることをもっとアピールして連携し、商業の活性化に結びつける。 ・練馬文化センターは、音楽祭や文化祭などの主催・企画をしていく。また、企画に住民も関わり、低料金にするなど「みんなの文化センター」にして、文化のまちを高めていく。さらに、氷川神社の「ツルの舞」などを練馬の伝統文化が継承できる場所にする。 ・Coconeri(ココネリ)(練馬駅北口に平成26年度開設の「区民・産業プラザなどの区施設」と「商業施設などの民間施設」からなる複合施設)を契機として、練馬駅の北側と南側の連携を図る。また、Coconeri(ココネリ)中心とした駅前広場をつくり、様々なイベントができるようにする。さらに、周辺商店街と連携し、テーマ性をもたせたまちづくりを行う。周辺区との差別化を図る。 46ページ ・Coconeri(ココネリ)にリハビリセンターが入ることを利用して、福祉のまちとしてお店などを誘致する。 ・オフィスをもう少し立地させ、練馬区に本社を置く(本社がある)企業を育てる。区内の会社を使って区の事業をする。 ・インキュベーション(新企業に国や地方自治体などが経営技術・金銭・人材などを提供し、育成すること)施設をつくり、起業支援をする。 提案:安全・安心で、誰もが笑顔で暮らせるまちにしよう!(中村橋駅周辺) 課題 ■地域資源が活用できていない ・他区には、区が運営する無料の自習室があるらしい。中村地区には地域集会所はあるが、もっとそのようなスペースをつくってほしい。 ・高齢者と子どもが交流できる、お互いが役立つ仕組みづくりが必要である。 ・勉強や遊びなど、子どもや乳幼児の居場所が少ない。 ■治安が悪い場所があり、安全面に不安がある ・小さい公園によっては、「使われている公園」と「使われていない公園」がある。公園の規制が厳しく、使いにくいため、人が行きにくい。・中村かしわ公園は、防災面やみどり面を考えると良いと思うが、防犯面が気になる。 ・人口増加が著しいが、安全面に不安があるため、中村地区に交番がほしい。 提案 ■地域資源を活用する ・学校の空き教室や中村地域集会所を活用し、交流の場づくりを進める。 ・空き家を活用する。空き家オーナーとユーザーのマッチングを区が呼びかける。 ・既存の公共施設を自習室として利用し、子どもたちの集まる場所にする。 ・交番を設置する。 ・中村かしわ公園は、地域活動ができる拠点とするとともに、防災イベントを実施して、防災の意識を高める。また、カフェテラスを設置し、人が集まるようにして、人の目が防犯に繋がるような環境をつくる。さらに、中野区や新宿区と合同でのイベントなどを実施する。 ・子どもが遊べる場をつくるために、治安を良くし、公園をきれいに整備して活用する。 ・中新井川緑道、南蔵院などを含めた中村かしわ公園を活かした面的な整備への展開につなげる。 提案:学生との連携で活動をもっと発信しよう!(江古田駅周辺) 課題 ■大学立地の特性が活かされていない ・3大学(武蔵野音楽大学、日本大学、武蔵大学)が閉鎖的である。撮影の許可が下りず、まちづくりに対して開かれていない。 ・大学との連携は、各所であるが、見えにくく、情報が届いていない。 ・これから武蔵野音楽大学の建替えが始まる。まちはどのように変わるのかわからない。 ・シンボル的な市場が平成26年8月に建て替えとなるため、江古田らしさをどのようにつくっていくか課題である。 ・補助172号線の整備など、今後まちが大きく変わっていく。道路幅員が拡がると、江古田らしさが消えてしまう。 ・江古田駅北口地区の街並み誘導型地区計画、江古田北部地区の密集住宅市街地整備促進事業は評価できる。 提案 ・大学との連携をもっと活発化させて、江古田だけでなく、世界に発信できるようなPRをする。例えば、江古田学園に名前を変えるなど、地域ブランディング(顧客や消費者にとって価値のあるブランドを構築するための活動)をしていく。 ・江古田市場を核として、オンリーワンの店を集めて学生のまちにふさわしいまちづくりをする。 ・区と大学の協働でボランティアセンターを運営する。 ・浅間神社を大切にする。 47ページ 提案:地域コミュニティを大切に、災害に強いまちをつくろう!(桜台駅周辺) 課題 ■良い生活環境を保全していきたい ・基本的に落ち着いた住宅地が広がっており、現在の地域環境やコミュニティを保全していきたい。 ・桜台駅は地域拠点として衰退している。コンビニや宅配などによって、これからの時代は、お店は飲食店だけしか残らないのではないか。 ・放射35号線分岐から環状7号線までの放射36号線の整備において、どのような道路づくりを考えていくか、開通後の地域の分断対策も課題である。 ■建物が密集していて、防災性が低い ・世代交代によって相続が発生し、大きな区画が分割され、建物が建てられている。ミニ開発や宅地細分化によって、建て詰まりが進行している。 ・練馬区では、地震時の倒壊被害よりも、火災延焼被害のほうが心配である。桜台五丁目、六丁目付近の消防活動困難区域は改善されたのか、今後10年でどの程度の改善を見込めるのか、その手立てはあるのかを知りたい。 ・空き家が多くなってきている。 提案 ・補助172号線の石神井川から環状7号線を整備して、建て詰まりの進む桜台地区の消防活動困難地域の解消を目指す。 ・地域の自主防災活動組織の若返りや住民組織の堅固化、日常的な防災活動などで充実を図る。 ・区が床の需要を把握し、空き家をコントロールする。 提案:地域のコミュニティづくりから「住宅都市ねりま」の実現を目指そう! 課題 ■地域のコミュニティづくりが課題である ・震災時に欠かせないコミュニティ形成を今からつくっていかなくてはいけない。 ・集合住宅同士の連携の推進が必要である。 ・転入者は地域情報が得られないので、地域の情報提供場所や情報交換ができる場や機会が必要である。 ■豊玉地域では、住宅都市練馬のまちづくり問題の縮図があらわれている ・世代を継いで住み継がれてきた住環境を維持したいが、環状7号線も近く、今後の開発が心配である。 ・若年層(転入者)と老年層(30から40年間居住)の二極化が進み、コミュニケーションがとれていない。子どもが少なく、小学校は1学年1クラスである。 ・現状二面接道のない土地もあり、防災上も問題があるし、新しく建て替えることもできない。 ・地区同士は連携しているが、区境でエリアに対する考え方が違う。 ・防災防犯問題、コミュニティの衰退、戸建てとマンションの共存など、「住宅都市ねりま」ならではのまちの課題が、豊玉地区は顕著である。 ■学校の統合等が課題である ・学校によって、子どもの人数などに格差がある。小学校の統合など、考える必要がある。 提案 ・豊玉地域では、高齢化でワンルームマンション等が増え、町会づきあいが少なくなってきている。高齢者を外に出す運動(健康系)と子どもを見る運動などで、高齢者と子ども中心のコミュニティを形成する。 ・町会にまちづくり部(仮称)をつくり、まちづくりに関する区と住民のパイプ(窓口)づくりをする。 ・集合住宅同士の連携について、管理組合はあくまでも建物の維持管理の組織である。コミュニティの連携については、自治会や町会を重視する。 ・地域支援センターの増設と活用を行う。 ・町会、自治会に限らない地域組織として、「防災会」などの防災をテーマにコミュニティをつくっていく。また、「ねりま防災会議(仮称)」のような民間の交流グループを立ち上げる。 ・施設、公園、会など、自治会やPTAでない「第3の居場所」のような場を地区に設ける。 ・学校による生徒数の格差は、教育委員会の問題で、子供が目の前の学校に通学しないことが原因であり、この点を改善する。 ・同じような地域の悩みを持つ地域同士の横の連携をつくっていく。 ・中野区との連携でのまちづくりを進めていく。 48ページ 提案:道路景観整備によるまちの魅力づくりをしよう! 課題 ■道路景観整備によるまちの魅力づくりが課題である ・まちづくりカルテ(前練馬区都市計画マスタープラン第2地域まちづくりカルテ)のキャッチコピーの「巡り歩いて楽しいまちに」の実現に向けて、道路景観の整備を官民協働で進める具体策をつくる必要がある。 ・宅地の建て詰まりの進行や農地の減少などを踏まえ、道路周辺の緑化を進めることで、道路景観における緑化を図り、道路部分の緑被率の向上を図ることが必要である。 ■生活道路における安全対策が課題である ・西武池袋線以北の住宅街における生活道路の交通安全対策が必要である。 ■外国人向けサインが必要である ・まちなかに外国語でのサインをもっとつくるべきである。 提案 ・居場所を分かりやすくするために、道路の名称をつけ明示していく。無ければ区民から名称を募集する。 ・道路修景を道路管理者と住民で話し合う機会を設ける。 ・樹名板の整備を行う。まちの博物館化、見える化をする。 提案:安全面に配慮した交通環境を確立しよう! 課題 ■練馬駅周辺は鉄道以外のインフラが弱い ・鉄道以外の交通アクセスの集中に欠ける。 ・バスのアクセスが偏っていて、特に北側への展開が悪い。 ・西武池袋線以北、特に北から東の準幹線道路の整備が早急に必要である。 ・放射35号線の整備が課題である。 ■中村橋駅周辺は「交通バリアフリー」のモデル地区としての整備が足りない ・中村橋駅南側のバス停の配置は計画性がない。 ・中村橋駅前交差点の自動車交通処理が複雑で信号の待ち時間が長い。 ・中村橋駅南の中杉通りは道路が狭く、商店街での買い物が危険である。子どもの通学路にもなっているため、配慮が必要である。 提案 ■道路を整備する ・補助172号線と区画街路1号(マロニエ通り)を早期につなぐとともに、バス路線を開設する。また、補助172号線の環状7号線までの区間を整備する。 ・放射35号線、特に目白通り以北を早期に整備する。 ・補助133号線(中杉通り)の整備促進を早急に実施する。 ・スクランブル交差点にするなどの工夫をする。 ・歩車分離をして、歩行者の安全を確保する。 ・「一方通行」にするなど、既存の道路の使い方を工夫する。 ■バスや鉄道などの公共交通を整備する ・バス路線を充実させ、北へのアクセスを良くする。 ・中野区よりのバス道路を千川通り以北へ延長し、補助172号線へつなげる。 ・西武池袋線の地下化を促進する。地下化で発生する鉄道用地を利用し、駅前広場を整備する。 提案:公園の使い方を工夫しよう! 課題 ■公園の利用規制が厳しすぎる ・スポーツや遊具の使用が制限されている公園がある。近隣への騒音防止などのためであると思うが、非常に残念である。もっと良い方法はないか。 提案 ・ポケットパークなどの低利用な公園では、ボール遊びを解禁する。 ・子どもを遊ばせるなら、責任を持って子どもを管理するようなボランティアを地域で育成する。 49ページ 第2地域図 50ページ 3第3地域 提案:石神井川と緑道を観光スポットにしよう! 課題 ■石神井川を活かす必要がある ・石神井川に関わる範囲が7つの地域の中で最も広く、石神井川は湧水が流れ込む価値の高い川である。また、緑化はとても良い。 ・掘割になり、河床が土で埋まってしまう。 ・としまえん内の石神井川は、入園料を払わないと通行できない。 提案 ・湧水が流れ込むことなどを活かして、石神井川を観光に活用する。石神井川に対する意識を「水路」から「川」にし、自然を取り戻す。 ・かつての水源である石神井公園内の三宝寺池からの水を下水ではなく石神井川に流す。 ・水量が少なく水位が低いので、河床を一部凹ませ、少ない水量でも水位を確保し、魚などが住めるような環境にする。たくさんの魚を放流する。 ・川沿いを緑化して散歩道を整備する。点在している残地を活用する。小さい虫が飛び交うので消毒を徹底するなど、手入れをしっかり行う。 ・南田中団地周辺のように、水に近い、親水性の高い空間をつくる。 ・としまえんの跡地を活用し、としまえんと石神井川の一体的な整備を行う。 ・河川の自由な利用と維持管理を住民参加型で行う。 提案:としまえんの活用を皆で考えよう! 課題 ・としまえんの周囲にある万年塀が老朽化していて危険である。万年塀沿いの道路は交通量も多い。 ・としまえん跡地にスタジアムを建設する話がある。 提案 ■としまえんやその周辺は住民参加で検討する ・としまえんの都立防災公園化について、区が検討組織をつくる。多数の関係団体が参加し、住民参加型で検討する。 ・としまえんを利用して、社会的合意システムをつくるための社会実験を行う。 ・としまえんの敷地周辺を区有化もしくは区が整備できるようにする。区が整備できる部分は住民参加で整備の検討を行う。 ・としまえんの情報の公開に関する公式的な仕組みをつくる。 ・防災公園化を早期に進める。 ■隣接する都営大江戸線と西武豊島線の2駅を活用する ・としまえんに隣接する2駅を活用し、公園連携型の商店街(駅と公園と商店街を結びつける)にする。 ・商店街は、なんでも揃うおしゃれでリッチなものにする。 提案:農地などを守り、安全・安心で緑のあるまちにしよう! 課題 ■貫井周辺の密集市街地の改善が必要である ・貫井周辺は木造密集市街地となっている。新築住宅が密集した状態で建築されている。 ・高等学校西側の南北道路が西武池袋線で止まっている。 ■春日町五丁目周辺の密集市街地の改善が必要である ・春日町五丁目周辺に木造密集市街地があり、消防車が入れない。 ・接道していない建物があり、建替えができない。 提案 ・春日町五丁目周辺で防災計画を作成する。 ・防災に景観、緑化を関連づけるなど、複数分野で連携した取組みとして、長期的な事業にする。 ・残っている農地を保全することで空地を確保すると 51ページ ともに、緑も保全する。 提案:緑を保全・保護しよう! 課題 ・樹木や畑が減少している。 ・現在の1人当たりの公園面積が目標値の約50%である。 ・青梅街道や富士街道などの大木が伐採されている。 提案 ・中村橋駅北口周辺の空いている土地を緑の公園にする。 ・子どもたちに自然や緑の大切さを伝えるカリキュラム(教育課程)をつくる。 ・桜通り、花みずき通り、さるすべり通りなど、通りごとに街路樹を統一する。 ・憩いの森、屋敷林等の緑の保全を徹底する。樹木の伐採も禁止する。 提案:災害に強いまちにしよう! 課題 ・地中に埋設された河川や水路があることに問題はないのか。 ・災害時の共助体制や避難拠点の運営、弱者への対応についてきちんとした対策が必要である。 ・練馬区は他区と比較して人口が多いにも関わらず食料備蓄が不足している。ただし、その前に自助(3日間の備蓄等)が必要である。 提案 ■自然・地形を活かす ・地形を池や沼地、川を活かす。自然環境を活かした防災のあり方を考える。 ・地形を活用した密集市街地対策を行う。ハザードマップに示される2m以上浸水するようなくぼ地を池や公園にする。 ■災害時の体制を整備する ・災害時の人材として若年層やシニア層を活用し、共助の体制を確立するための訓練を行う。 ・備蓄は災害弱者から優先的に配布する。 ・誰がどの避難所(避難拠点)に逃げたらよいのかはっきり住民にわかるようにする。 提案:安全・安心で使いやすい交通環境にしよう! 課題 ・東西方向と比較して、南北方向の交通が脆弱である。 ・環状8号線下の「エイトライナー」は共通課題であり、近い将来の都市交通の大きな課題である。 ・補助133号線の目白通り以北への延伸が遅れている。 ・目白通りの小学校前交差点とファミリーレストランの駐車場のあたりは交通事故が多い。 ・狭あい道路の整備では、沿道居住者に理解を得るのが難しい。 提案 ■補助133号線の整備を促進する ・第3地域の消防活動困難区域の緩和・解消や、中村橋駅以北へのバス路線の延伸につながるため、補助133号線を整備する。中村橋駅を通過することで、バスターミナルの不備を補完することもできる。 ・南北を結ぶ交通を確保するために練馬区から板橋区・北町方向へ行くバスの本数を維持する。 ■対面交通を解消する ・練馬二丁目中央グランドの東側道路(弁天通り)は狭く、対面交通で危ないので対策が必要である。 ■安全・安心な通学路や交差点などを整備する ・目白通りの小学校前交差点とファミリーレストランの駐車場のあたりは危険であり、道路標識のあり方を検討する。 ・交差点改良時に沿道の土地も巻き込んでなるべく交差点が垂直になるように整備する。その際は地区の状況を踏まえて整備する。 ・下校ルートの危険なスポット(場所)を改善する。 ■狭あい道路を整備する ・災害の時も安全で安心して歩くことができる道路を確保する。このために、緊急に整備を必要とする狭あい道路を決定し、整備する。整備する道路の決定 52ページ や道路整備の検討にあたって、まち歩きを実施する。区が主導して狭あい道路整備への理解を沿道居住者に求めていく。 ・最低限、救急車と消防車が通れるような道路を整備する。 ・狭い私道の区有化を進める。 ■東京都立第四商業高等学校西側の南北道路を千川通りまでつなげる ・東京都立第四商業高等学校西側の南北道路を千川通りまで整備する。 提案:練馬区を「ふるさと」にしよう! 課題 ・練馬区を「ふるさと」と呼べるようになれるか。 ・無秩序にマンションを建てると「ふるさと練馬」でなくなる。どの駅も同じに見えてしまう。 提案 ・「ふるさと」と呼ぶために、緑、水、いこいの森を大切にする。 ・区施設の改修が難しい状況にあるので、区施設を統合し、不要になった土地を公園等にする。 ・各所管部署同士の横の連携を図り、総合的な観点から様々なことを考える。そのうえで、区民の要望などをまとめ、区長プロジェクトとして検討する。 ・マンションの開発にあたっては、20、30年後を見据えて公園や保育園を整備するなど、計画性のある開発等を行う。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・豊島園の中に大規模プラネタリウムをつくり、遊覧できる装置を設置するなどを提案する ・1人当たりの公園面積6uと、道路幅12m以上の道路整備の実行 ・空き家や既存公共施設を利用した交流や学びの場づくり 53ページ 第3地域図 54ページ 4第4地域 提案:光が丘団地に外から人を呼び込み、地域をうるおそう! 課題 ■若い人が団地内に住めず、高齢化が進んでいる ・家賃が高くて、若い人が光が丘団地内に住むことができない。一部で高齢化率が30%を超えている地区がある。 ・お金を落としてもらう仕組みが必要である。 ・団地周辺では、都営地下鉄大江戸線の延伸で周辺の乱開発が大問題となっている。 提案 ・光が丘団地と周辺地域の交流を活性化する。人と人のコミュニケーションを活発にする。 ・観光と都市農地、劇場や研究施設、専門学校など今までにないものを持ってくる。 ・土支田、高松などの周辺の農地を利用して、出稼ぎ農業を誘致する。交流の核は光が丘にする。 ・高級志向のスーパーと庶民的なスーパーなどメリハリのある商業施設を誘致する。 ・都営地下鉄大江戸線の延伸で周辺がうるおう。 提案:光が丘に新しい風を吹き込もう! 課題 ・家賃が高く、インターナショナルスクールの先生などが光が丘になかなか住めない。 ・光が丘は都心へのアクセスが良いためか、区内よりも都心に目が向いている。 ■事業者による地域活動が難しい ・地域のための活動をしたいが、「商売」「ビジネス」で売り込むと難しい。 提案 ・インターナショナルスクールがある環境を目玉として、地域の魅力をアップする。 ・インターナショナルスクールの海外的な発想を取り入れる。交流を進める。 ・防災訓練では、パフォーマンスや食で人を集める。 ・学生とお年寄りが一緒に住めるようにする。 ・地域と企業のタイアップを後押しする。 ・都営地下鉄大江戸線の深夜運転を進め、若者が光が丘に住みやすいようにする。 提案:地域を活性化する施設をつくれるようにしよう! 課題 ■建築基準法の規制で建て替えが困難 ・建築基準法第86条(一団地認定制度)で地域を活性化する施設がつくれない。 ・居酒屋やコンビニが少ない。コンビニ側からしたら全く儲からないので出店のハードルが高い。 ・ちょっと食事に行けるオシャレな店がほしい。 ・生活を支える商業施設が不足している。 ・一団地認定の変更は権利関係者全員の合意が必要だが、現在は4,000人から5,000人(開発当時は13人)もいて、不可能である。 ・都市の成り立ちを考えると光が丘団地はここだけの問題ではない。都市計画マスタープランだけでは解決できないのではないか。 ・光が丘団地と周辺地域は置かれている環境が違う。 ・建築基準法86条は30年のスパンで考えた場合、どうにかしなくてはならないと考える。 提案 ・建築基準法第86条の撤廃を検討する。 ・建て替えではなく、減築を進める。 ・周辺地域(土支田)にショッピングセンターを誘致する。 ・器を変えられないとすれば、中身をどれだけ変えられるかを検討する。 55ページ 提案:災害対策を進めよう! 課題 ■団地内のコミュニケーションが難しい ・大地震が発生しないとコミュニティはできてこない。 ・被災時のライフラインの保安要員をどれだけ確保できるかが問題である。また、災害対策を担う人の世代交代が必要である。管理組合の単位でまとまって動けるのは利点である。 ・光が丘周辺は小規模な宅地が多く、火災が心配である。 ・田柄一丁目は空き家を買っても接道条件などで建て替えが難しい。 提案 ・防災訓練ではパフォーマンスや食で人を集める。(再掲) ・光が丘は災害時の機材が充実している。知恵と道具があれば、みんな参加する。 ・青年部会をつくるなど、50歳代から地域活動に参加する仕組みをつくる。 提案:コミュニティの維持、形成を工夫しよう! 課題 ■コミュニケーションが難しい ・団地内の住民は所得差があり、コミュニケーションが難しい。管理組合のメンバーは任期が1年で管理以外の仕事をすることは難しい。 ・定年退職した男性が1人でファミレスと図書館を行き来する悲しい現実がある。 ・表札のない家が多い。 ■光が丘は発展している ・光が丘は都心へのアクセスが良いためか、区内よりも都心に目が向いている。 ・どんどん発展する光が丘に対して周辺は変わっていない。 ・インフラが整っていて、電柱がないまちである。区全体から光が丘は羨望をもってみられているのではないか。 提案 ・長期間留守にするとき両隣に声をかける運動をする。 ・男性の地域デビューを支援する。「パワーアップカレッジねりま」で地域デビューを後押しする。 ・団地それぞれでカラー(特色)が違うが、いいところを真似しあう。団地をウォークラリーで回り、交流する。 ・町会回覧板や町会のサインボードを活用して、まちづくり情報を発信する。情報交換の場づくりをする。 ・オープンスペースでの区民アゴラ(区民集会)を小単位から展開していく。 ・光が丘でマラソン大会を開催する。また、文化祭を防災訓練と併せて開催する。 ・小学校や中学校、路地、神社、仏閣、商店街などを活かし、身近なエリアで子ども、高齢者、みんなのユートピアをつくっていく。 ・小学校を地域運営支援学校にする。また、学校でPTAなどによるまちづくり活動の情報を発信する。 提案:団地の空き部屋を活用しよう! 課題 ・UR賃貸住宅の空き家が200件くらいある。 ・一人暮らしの高齢者が団地内に点在している。 ・団地住民は近隣の高齢者施設に入居することが難しい。 ・20年前のライフスタイルでルールが決められている。ペットとの同居、オフィスの入居が制限されている。実際には、IT系会社や運送会社が部屋を利用するなど、契約と利用実態がかけ離れている。故郷として残すためには、守ってきた規制は大切にすべきという側面もある。 提案 ・散らばっている空き家を1フロアに集約して、住み替え支援、ひとり暮らし高齢者向けのグループホームのような活用などを行う。 ・高層棟の最上階をゲストルームとして活用し、ホテルとして非日常性を提供する。 ・寺子屋のような専門学校を誘致する。 56ページ 提案:緑の維持管理を適切に行おう! 課題 ・光が丘団地内の公園、街路樹の管理が不十分である。 提案 ・イチョウの堆肥化に成功したので、これを活かす。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・地域コミュニティの情報発信 ・団地の空き室をグループホームやゲストルームとして活用する。 ・高齢者に優しいまち(上りのエスカレーターは時間がかかり、本当は下りのエスカレーターが必要ではないか) 57ページ 第4地域図 58ページ 5第5地域 提案:風致地区を機能させよう! 課題 ・風致地区の緑化のルールが守られていない。 ・風致地区以外でも良好な住宅地の形成に積極的に取り組むことが必要である。 提案 ■風致地区の規制の実効性を高める ・竣工検査がないので、検査をしっかり行う。 ■風致地区の周知の徹底、啓発活動を充実させる ・地域住民の意識を高める。ルールを守らない人がいれば指摘する。 ・周知を徹底する。啓発活動を充実させる。 ■地域ルールを定める ・住民合意により、地区計画、建築協定等の地域ルールを定め、地域のブランド化をはかる。 ・風致地区に隣接する地区に地域ルールを定める。 提案:防災性を向上しよう! 課題 ・道路未整備の街区は、防災面の課題がある。 ・西大泉五丁目、六丁目には、木造密集地域がある。 ・西大泉四丁目、大泉学園町六丁目等は、消防活動困難区域となっている。 ・防災訓練の参加者が少ない。 提案 ■安全な環境を確保する ・生活幹線道路の整備を進め、積極的に消防活動困難区域を解消する。 ・避難拠点に至るルートを見直し、安全を確保する。 ■避難訓練を充実する ・避難訓練の参加者(特に若い世代)を増やすような仕掛けを考える。 ・災害時要援護者を支援する訓練を実施する。 提案:緑を保全・創出・管理しよう! 課題 ・私有地や寺社の樹木を保全することが課題である。 ・道路整備によって、緑地が減少している。 ・東京外かく環状道路沿いの緑地の管理が不十分である。 提案 ■緑を保全する ・寺社の緑・樹木を再整備する。 ・維持管理が大変なので、コミュニティ・ビジネスにして対応する。 ■緑の協定の締結により接道部分を緑化する ・民有地の接道部分(道路際)を緑化し、道路の緑被率を高める。 ・緑の協定の締結を推進し、地域で運動・競争する。 ■駐車場等を緑化する ・コンビニや青空駐車場に植栽を義務づける。 ■道路の街路樹を管理する ・地域の人が道路公団から街路樹の管理事業を受託し、コミュニティ・ビジネスとする。 提案:新しい方法で農地を保全しよう! 課題 ・地域外の人の話では、この地域を散歩すると農地(果樹園)があり安心するとのことであり、農地は保全すべきである。しかし、従来型の農業対策では農地の維持は立ち行かない。 59ページ 提案 ・農園レストランや体験農園「大泉風のがっこう」、食育の取り組み(NPO法人畑の教室)など、区内には色々な優良事例があるので、その取り組みを広げる。 提案:地域特性を活かした公園を整備しよう! 課題 ・総合公園として整備予定の稲荷山憩いの森について、今ある自然を十分に配慮してほしい。 ・公園のある場所が偏っている。 ・民間の公園があまり使われていない。遊んでいる子どもが少ない。管理できていない。 提案 ■自然に配慮して稲荷山憩いの森を総合公園として整備する ・稲荷山憩いの森は、憩いの森の理念に基づいて、総合公園を整備する。このため、湧水や上流の木を保全する。 ・コミュニティや団体が維持管理を行う。 ■崖線の憩いの森を保全する ・白子川の崖線にある憩いの森を大切にする。 ■住宅地の公園を整備する ・公園の空白地帯に公園を整備する。 提案:大泉学園通りを改善しよう! 課題 ・学園バス通りの自転車交通が人にも自転車にも自動車にも危険なことがある。 ・沿道の商店がなくなっていて、商店会の街路灯のメンテナンスが行われていない。 ・桜の木の手入れがなされていない。 ・桜は根が張ってスペースが必要になるので、街路樹としては不適当である。 提案 ■安全を確保する ・東京外かく環状道路、放射7号線が整備されれば、学園通りの交通量が減るので、これらの整備を促進する。 ・高齢者が休める椅子を置く。 ・沿道の建物はセットバックすることになっているので、建替えが進めば道路は拡がる。建替えを促進するようなインセンティブが必要である。 提案:骨格道路の整備と一体的に沿道まちづくりを進めよう! 課題 ・放射7号線の延伸が進まない。学園通りの渋滞がひどくなる一方である。 ・防災主要街路である補助233号線の見通しが立っていない。補助233号線を補助230号線と同時に開通しないと、学園通りに交通が集中する。 ・道路延伸によりコミュニティが分断する。災害時の活動が変わりなく進められるようなハード・ソフトの再構築が必要である。 ・地下鉄駅と交通広場の整備について、東京都は十分に検討していない。 提案 ■住民主体の協議会を設立し、沿道まちづくりのルー ルを制定する ・区主導ではなく、自主的な協議会をつくり、道路事業者と話し合う。反対団体ではなく、提案型とする。 ・環状8号線では、住民が残地利用に取り組んでいる事例があり、道路の整備に伴う沿道の残地を積極的に利用する。 ・道路整備にあわせて、沿道のまちづくりのルールを制定する。 ■骨格道路を早期に実現する ・都営地下鉄大江戸線の光が丘から先の延伸計画の具現化をする。 60ページ ・東京外かく環状線インターチェンジを早期に実現する。 ■住民参加により地下鉄駅と交通広場を検討する ・地下鉄駅と交通広場の整備にあたっては、まずは練馬区がよく考えて、都市計画に盛り込む。 ・そして、住民参加でよく検討する。 ■自転車専用道路を整備する ・骨格道路の整備にあわせて、自転車専用道路を整備する。 ■バスの利便性を向上する ・放射7号線の整備後、バスの利便性を向上する。 提案:生活道路を改善しよう! 課題 ・生活道路の制限速度が25km/hから30km/hになり、危険が増した。 ・4mから6m前後の道路について、歩行者、自転車、自動車の住み分けが必要である。 提案 ■自動車を減速させる工夫を行う ・自動車の速度を減速させるために、ハンプ(道路上に設置するカマボコ状の突起)の設置、幅員をせばめる(限定的な箇所)、ボラード (車両の進入を規制したり、進行方向を誘導したりする)を中央に建てる等を行う。 ■通過車両を入れない工夫を行う ・生活道路を通過できる車両を許可制にし、緊急車両と住民しか通れないようにする。 ・外周道路を確保した上で、内部の生活道路は歩行者・自転車中心とする。 ・一方通行にする。 提案:高齢者・障害者にやさしいまちづくりを進めよう! 課題 ・超高齢化社会を迎えているのに、ユニバーサルデザインの視点が抜けている。景観からのまちづくりに偏り過ぎている。 ・高齢化が進んでいる。障害者が多い。 ・この地域は作業所、病院、特別養護老人ホーム等が多い。 提案 ■福祉のまちづくりのモデル地区にする ・コンビニ等のバリアフリー化を進める。 ・休みながら歩けるように、イスを置く。 ・誰でもトイレが使えるようにする。 ・病院や福祉施設へのアクセス道路をバリアフリー化する。 ・車いす利用者等が安全で安心して移動・買い物できるように、段差・傾斜を解消する。 ・地区計画を制定し、建物間口を車いす対応にする。 提案:住民参加の機会を拡大しよう! 課題 ・住民参加が限られた人たち(町内会、商店会、地主等)が中心になっている。 ・会合の時間帯によって、集まる住民が偏る。 提案 ・第5地域は市民活動が盛んなまちなので、地域支援センターがコーディネーターとなり、町内会、市民活動団体、練馬区、まちづくりセンター等をうまく結びつける。 ・まちづくり条例を活用して、まちづくり団体をつくる。 ・会合の時間と場所を工夫して、子育て世代等、多様な人が参加できるようにする。 61ページ 提案:予算を考慮しよう! 課題 ・住民は予算の仕組みを十分には理解していない。費用のことを考慮した提案をしない。 ・お金がかからないアイデアが必要である。 提案 ・東京都の施策・事業を活用する。 ・法律に従うだけでなく、限られた予算の中でも、良い環境(まち)をつくるような優良な事業者を誘致する。そうした事業者が参加できるような条件づけを練馬区がしっかりと考える。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・外環の2に練馬区(石泉地区)のシンボルプロム ナードづくりを。(20m級の高木の並木道、散歩 道)[※第6地域、第7地域と共通] 62ページ 第5地域図 63ページ 6第6地域 提案:駅周辺をまちの玄関にしていこう! 課題 ・商店の活性化のために、道路拡幅による建替と集客増が必要である。また、人口増を考えるべきである。 ・保谷駅前については、まちづくりの進捗や体制、スケジュールがわからない。 提案 ・駅前広場はそのまちの玄関であるので、それにふさわしい整備をする。 ・石神井公園と大泉学園はまちの顔として街並みと景観を重視して発展させる。 ・保谷駅周辺のまちについて検討し、将来像を示す。 ・駅周辺に福祉施設を導入する。活性化と入所者、通所者の孤立を防ぐ。 ・商店街の小売店は専業化をはかり可能な安価で対抗するか、まちなかのスーパーではできない、ガーデンストリートタウン(オープンカフェがある商店街、歩行者空間を広くするイメージ)で対抗する。 ・人口増のために、緑や広場のある魅力あるまちで、かつ綺麗で交通の便利が良く、安全安心なまちとしていく。 提案:石神井公園駅周辺を有効活用していこう! 課題 ・石神井公園駅は店舗の数が過剰である。 ・石神井公園駅の大手スーパー開店により、商店街は客が減った。 ・石神弁公園駅周辺整備事業では、区は地域住民等の意見を採り入れるために協議会を開くなど行ったが、そこで出された貴重な意見に対して適切な対応がなされたか、説明責任を果たす必要がある。 提案 ■石神井公園駅の周辺を高度利用する ・石神井公園駅南口地区は、景観上も土地の有効利用からしても不充分なので、もっと有効利用する。このために、西武所有地の空中権を利用し、建物の高さを最高30m程度に揃える。 ■石神井公園駅の南口駅前広場を広くし、有効に活用する ・駅前広場計画の見直しを行う。面積を広くしたり、歓迎のモニュメント等を設置したり、駅前広場から石神井公園につなぐ空間をつくったりする。 ・石神井公園駅前広場にボランティアの活動拠点となる場所を設け、活発的に活動するまちにしていく。 ・石神井公園駅の設計への提言が実現していない。区の説明責任を果たしていく。 ■駅周辺の福祉機能を充実する ・駅周辺に福祉施設を移す。 ■駅周辺の新たしいみちづくりを行う ・石神井公園駅周辺の補助132号線、補助232号線は、早期に着工を進める。完成後は、商店街路を歩行者・自転車のみとし、緑道公園化して自動車は通行禁止とする。路面をテラス化し自由に散策・買物等ができ、1・2階のみ瀟洒な商店の並ぶ楽しいショッピングモールにする。 ・石神井公園駅南口商店街では、多様な主体の参画と社会実験により、安全・安心・活力ある新しいみちづくりを行う。 64ページ 提案:大泉学園駅北口の整備を考えよう! 課題 ・大泉学園駅周辺は、既に大手不動産が入っているが、開発についての周知が足りない。 ・大泉学園駅北口に再開発ビルができ、区民事務所はその中に移転するが、福祉事務所はゆめりあのままで不便である。 ・大泉周辺等では、10年以上前に大型マンション建設地があり、今後の対処の仕方が課題である。 提案 ・大泉学園駅北口の開発に関してはバリアフリー化が後付けになっているので、同時進行で整備する。 ・大泉学園駅北口の大泉学園通りや大泉街道との交差点周辺の交通混雑を緩和し、歩行者、自転車の空間を確保する。 提案:東京外かく環状道路は議論しながら、整備を促進しよう! 課題 ■周辺地区まちづくりの議論が不足している ・後背地への配慮はどうなっているかわからない。 ・着工しているのに外環その2の議論が不足している。周辺まちづくりの議論も不足している。 ・笹目通りは交通量が多く排気ガスがひどい。 ■水脈への影響・地盤沈下が懸念される ・大深度地下での工事で問題ないとされているが、三宝寺池の湧水に影響はあるとみられる。地下水脈について事前の検討が必要である。 ・オープンハウスでの説明を聞いたが、工事に伴う地盤沈下を防ぐ広報が未定では安心できない。 提案 ■事業を推進する、周辺まちづくりの議論を進める ・東京外かく環状道路は促進すべきであると思う。 ・東京外かく環状道路を1日も早く完成させる。 ・まず周辺まちづくりの議論を進める。 ■水脈への影響や湧水の活用を検討する ・工事による地下水の池への影響の科学的調査をする。 ・外環トンネルからの湧水を下水道に放流するのでは なく、石神井公園へ供給することを検討する。 提案:住民に便利な西武線鉄道立体交差化と関連整備を進めよう! 課題 ・西武池袋線・新宿線高架化に伴う騒音問題について、住民の意見をしっかり聞いてほしい。 ・高架化で南北交通の渋滞が解消された。この経済効果は大きい。 ・上石神井には開かずの踏切がある。先日の踏切での事件は、踏切内の人を救助しようとした善意の行為が死を招いており、一刻も早く対策を講ずるべきである。 提案 ・西武線高架化(池袋線・新宿線の両方)に伴う側道整備に合わせて、歩行者用と自転車用道路を整備する。 ・高架下を無料の自転車置き場にする。 提案:歩行者の安全性や利便性を向上させよう! 課題 ■笹目通りの交通量が多い ・笹目通りの交通量が激増で排気ガスが酷い。午前7時から午後7時で上下34,600台である。 ・笹目通りは大型道路のため、南田中などのまちが分 65ページ 断されており、地域コミュニティが損なわれている。 ・笹目通り沿道の沿道型地区計画はどのように策定しているのか。 ■補助132号線と補助232号線、富士街道の早急な整備が必要である ・補助132号線と補助232号線は地域のまちづくり上必要である。 ・補助135号線は中学校を分断して整備しようとしたが、住民の反対、マスコミでの話題となり、中断している現状を正確に理解して、今後の方針を検討する。 ・交通の安全性から富士街道の拡幅は急がれる課題である。 ■歩行者優先の道路整備が必要である ・谷原交差点(別名:五差路)は、バリアフリーの実現化をすべきである。 ・歩行者優先を実現すべきである。自動車や自転車は危険である。 ・大泉学園駅南口、富士見通り、商店街は歩行困難となっている。 ・危ない交差点の対策を検討すべきである。 提案 ■実態を見据えて道路整備を行う ・道路計画は、計画がある、つくる、ではなく実態を見据えて事業化すべきである。 ・富士街道の拡幅を早急にすべきである。 ・放射7号線の整備においては、路面の雨水は分流化し、地下浸透を通じ白子川に還元する。 ■歩車分離、歩行者優先の道路整備を進める ・幹線道路の整備に際しては歩行者を最優先にする。歩行者専用道路を設ける。 ・笹目通りと目白通りの交差点は立体化にする。 ・谷原交差点や陸橋のバリアフリー化を実現する。上部空間を利用して、万人が自由に登り、横断ができ、憩いの広場があり、富士山を眺めるベンチや四季の花々のあるものにする。 ・スクールゾーン指定時間を無視する自動車の取締りを行う。 ・歩車分離できない道路の安全確保のため、速度制限やボンエルフ(車道を蛇行させるなどして自動車の速度を下げさせ、歩行者との共存を図ろうとする道路)にする。 ■自転車利用環境を充実させる ・駐輪場の増大化を進める。商店街に近い所は商店街のサービスを取り入れる。また、石神井公園駅の石神井南および大泉学園駅のゆめりあ地下の駐輪場を24時間営業化する。 ・旧早稲田通りを自転車で走りやすくする。 提案:緑や河川の充実に、風致地区、景観計画を活かそう! 課題 ・生産緑地の更新時期を迎えるが、どのようにすれば環境を守れるのか。 ・みどりの保全は環境保全のため、非常に大切である。みどり30の推進をする。 ・石神井川から高野台までの親水化は、子ども達が大変喜んでおり、親しまれている。 ・石神井公園駅南口のまち並みについて、工夫はあったのか。 提案 66ページ ■恒久的なみどりのまちづくりを進める ・恒久的なみどりの創出のために、土地利用規制を行う。また、大通りに面しているビルの壁面緑化を制度化したり、生垣、庭木を保全するために区が助成したりする。 ■石神井川・白子川の親水化を進める ・石神井川・白子川の親水化のため、ところどころにビオトープ(野生生物の生息する空間)をつくったり、緊急時に川の水を利用できるように川の中にプールをつくったりする。 ・石神井公園や白子川など湧水の地下水脈の科学的調査を行い、復元の可能性を検討する。 ■風致地区の規制を充実させる ・石神井風致地区では、住環境を守るため、色などの建築規制をする。また、塀は生垣にするために条例を制定するとともに助成する。 ・石神井公園周辺風致地区50m内では、建造物の新築や現存建築物の増改築を禁止し、建造物を遮蔽する植樹林を設ける。また、補助132号道路面にも植樹林を設け騒音や中高層建築物を遮蔽する。 ・暮らしの景を活かすために、景観計画、景観条例とまちづくり条例を運用する。 提案:公園計画への住民参加をしやすくしよう! 課題 ・大泉井頭公園は、優先整備される公園(平成27年度中に事業化?)となっているが、具体的にどのように進めていくのか。 提案 ・白子川源流地域の公園整備計画を住民参加で検討する。ゲリラ豪雨対策と雨水浸透による湧水の保全を行う。 ・石神井公園ボート池北側を公園敷地にして野外音楽堂を公園内に作り直す。 ・湧水保全・治水のため、白子川、石神井川流域の雨水浸透マスの設置と透水性舗装、雨水貯留槽の設置、緑地、農地の保全と優先的に進める。 ・まちづくりの前提として、石神井公園の地下水の再生を図る。 ・早い段階から、計画への住民参加を行い、その評価方法を確立する。また、早い段階で計画の地域住民への告知を行う。ポスティング、HP、区報に加え、現地での告知を積極的に行う。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・大泉学園駅の早期高架化(歩行者、自転車等の平面移動のスペース確保、エスカレーター、エレベーターに頼り過ぎない。) ・田柄用水の整備(歴史遺産、ウォーキングトレイル、開渠化) ・石神井を面の拠点として、文化・芸術なども整備したい。 ・石神井松の風公園はスポーツ主体の公園ではなく、文化の薫りがする区民の憩いの公園とすべきである。 ・都道富士街道は狭くて危険である。東西と同じく15から16m道路に拡幅してほしい。 67ページ 第6地域図 68ページ 7第7地域 提案:駅周辺のまちづくりを進めよう! 課題 ■上石神井駅周辺まちづくりと外環の進め方等が課題である ・上石神井駅周辺まちづくりでは、石神井公園駅で学んだ駅周辺まちづくりの進め方をもっと工夫してほしい。ステークホルダー(利害関係者)の考え方が不明である。形式ではなく関係を上手につくってほしい。 ・上石神井駅周辺のまちづくりはなぜ進まないのか。数年前から止まっている。東京外かく環状道路を除けば反対している人はいない。住民が参加していない。平成17年からやっているのに成果が出ていない。 ・高架化を前提として整理していく。踏切を渡りきれないお年寄りが多くなってきた。 ・駅前広場や商店街をどうするのかを考えた方が良い。 ・インターチェンジは賛成反対両論あり、まとまっていない。 ・駅前の景観をもっと考える必要がある。 ■上石神井駅東側地域のまちづくりが課題である ・上石神井駅の北東側は畑やアパートが多い。畑等を残すか、もしくは整備をするか。 ・夜は暗い。対策をとった方がいい。 ・操車場跡地開発は行なわれるのか。南北方向に通り抜けできるようにして欲しい。 ■武蔵関駅周辺まちづくりを進めてほしい ・武蔵関駅のまちづくり計画を順次進めてほしい。 提案 ■上石神井駅周辺のまちづくりは住民と議論して進めていく ・上石神井駅のまちづくりは、まずは情報を発信、公開し、住民と議論する。オープンハウスを実施する。 ・外環の2とあわせた駅前広場整備を行なう。外環地下化と西武新宿線立体交差化に伴い、地上部に駅前広場等を整備し、地域拠点としての駅前商店街のにぎわいの創出を図る。 ・上石神井駅は整備とあわせて、アーバンデザインの手法をもとにデザインガイドラインを策定し、景観づくりを進める。 ■武蔵関駅北側の景観づくりを進める ・武蔵関駅北側では、石神井川の改修や寺等の資源を活かしてアーバンデザインの手法をもとにデザインガイドラインを策定し、景観づくりを進める。 提案:バスや自転車を活用して移動しやすいまちにしていこう! 課題 ・バスや自動車が通り、道幅が狭いので自転車に乗りにくい。 ・西武新宿線は渡りにくく、危ない。高架化をしてほしい。 ・石神井公園駅〜上石神井駅まで、面的に動いて楽しみたい。移動がしやすければ、駅周辺のおしゃれな店舗等も散策できる。 ・千川通りに自転車レーンが整備されている。自転車レーンの整備と自転車乗り捨てが今後の課題である。 提案 ・コミュニティバスの利用者を増やし、路線を拡充する。 ・自転車道ネットワークの整備とタウンサイクルの乗り捨てを進める。 ・タウンサイクルの拠点、自転車の種類、サイズをもっと増やす。武蔵関にも拠点を設置する。 提案:南北道路の整備を検討しよう! 課題 ・補助135号線の整備は進めたいが、中学校や憩いの森を突っ切る計画となっている。整備にあたっては、連続性にこだわる必要がないのではないか。 ・外環その2は避けて通れないが、隣の市にできた南北道路の影響が地域にどう出てくるか。それを踏まえて検討すべきである。 69ページ 提案 ・賛成か反対でなく、すべての情報を公開し信頼関係ある議論をする。 ・大規模事業の事業費をうまく活用して、まちづくりを進めるチャンスである。 ・民間大規模敷地で行う開発行為では、セットバックで歩道状空地をとる。 提案:石神井川や千川上水の魅力を高めていこう! 課題 ・千川上水はいい感じとなっている。もっと知ってもらいたい。 ・青梅街道から南の千川上水の保全が求められる。 ・千川上水は不法投棄が問題である。ゴミマンションがある。 ・千川通りの拡幅工事に伴い千川上水の水が流れていない。どうなるのか。 ・関町地区の石神井川沿道整備が必要である。 提案 ・千川上水の川沿いで景観まちづくり地区の指定を行う。 ・青梅街道から外環の区間では、部分的な開渠(ふたをしていない水路)化を行い、千川上水のイメージをアップしていく。 ・千川上水では、開渠の区間でも、所々ふさがっている箇所がある。開渠を増やしていく。 ・石神井川の西側への沿道整備にあたっては、歩行者、自転車ネットワークや並木道の形成といったまちづくりの視点に立って進める。 70ページ 提案:公園を活用しよう! 課題 ・公園の管理をしたい人とのマッチングが必要である。 ・石神井公園の水質の悪化や、樹木の茂り過ぎが問題である。 ・日銀グラウンドを開放的にしてほしい。 ・武蔵関公園は景観的によい。もっと知ってほしい。 子どもにとっても遊びやすい。 ・武蔵関公園は池の水が循環しておらず、アオコが発生している。 提案 ■公園の情報発信とネットワーク化を進める ・第7地域には大きな公園が3つ(石神井公園、武蔵関公園、善福寺公園)ある。水とみどりのトライアングルとして繋げると良い。石神井川沿川も含め、遊歩道や自転車道のネットワーク、緑の連携を進めていく。 ・公園を活用していない人も多いので、マップ、インターネット等により情報をもっと発信する。 ■石神井公園の環境や景観を維持していく ・石神井公園を区民の手で管理していくことも重要であり、環境教育の視点も踏まえ、自然の大切さとともにこれらの問題も区民に伝えていく。 ・三宝寺池からは、周辺に高い建物が見えない。この景観を維持するようなガイドラインをつくる。 ■武蔵関公園のアピールと住民の自主管理を進める ・武蔵関公園では、自生種の育成といった公園の管理のボランティア等、いろいろな活動がなされている。ボランティア活動をうまく進めるには課題もあるが、もっと増やしていく。 ■日銀グランド跡の公園の区民への開放方法を検討する ・日銀グランド跡の公園は、まちづくりの観点から、区民への開放の方法を考えるべきである。住民による自主管理等が考えられる。 提案:農地を残し、活かそう! 課題 ・農地を残してほしい。 ・直売所が良い。 ・農地の景観を大切にする。果樹園の景観が良い。 提案 ■農地の価値を再発見し、景観資源とする ・地域住民に農地の価値の再発見を促す。 ・練馬の特産物、キャベツ、大根、果樹園の景観を景観資源にもっと指定し、周知する。 ■農地を多様な方法で保全する ・市街化と共存する施策として、やむを得ず農地を宅地化する場合は、駅周辺の農地の有効活用を考え、農園付マンションとして農地の良さを売り出していく。 ・農家と周辺住民の交流を促すよう、直売所をまちづくり拠点の一つととらえ、人が集い語らえるコミュニティースペースとして確保できるような仕組みをつくる。 ・公園の新しい形としての農園のあり方を考える。 ・農業体験農園は農地の保全につながる良い施策であり、実施している農地も増えている。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・グリーントライアングル(石神井公園、武蔵関公園、善福寺公園でみどりと水の三角形をつくる) ・外環の2の事業を機にまちづくりを考えよう!(議論を進める)。 71ページ 第7地域図 72ページ 3-3実現化方策など 提案:都市計画マスタープランの評価を日常化、頻繁化、継続化しよう! 課題 ■都市計画マスタープランの成果の確認が必要である ・都市計画マスタープランはどのように実現しているか、成果の確認作業が必要である。 ・区議会や区行政に区民の意見を速やかに実現してもらえない。 ・現在無計画に建設されている。規制されていない。 ■評価が充分でない ・この10年の成果を振り返り、分野別の整理を再確認する。 ・5年、10年という長い期間ではなく、動向の確認ができる仕組みづくりが必要である。 ・石神井公園駅では、子どもの絵とできたものが違っている。つながりがどこかで切れている。 ・評価の基準や方法が明確でない。P→D→C→Aが回っているか不明である。 提案 ・現行都市計画マスタープランの達成度を確認するために検証委員会を創設する。また、地域別指針の達成度の検証を正確にまとめて区で示す。「三歩進んだ」とか、「一歩後退した」とか、具体的な例と共に解るようにする。 ・「都市計画マスタープラン実施状況報告書」の報告会は極めて低調であった。10年間まとめて評価するのではなく、熱を保つには頻度をあげる必要がある。「分野別方針」ごとに実現するための事業を明らかにした事業計画をつくり、その実施状況を毎年公表する。 ・都市計画マスタープランの達成度について、緑、コミュニティ、道路などの進捗度とコメントを記載し、ホームページで公開する。 ・都市計画マスタープランの実現の流れを示す。(都市計画マスタープラン→方針→条例→具体化) ・都市計画マスタープランを行政職員に理解してもらうために、常に都市計画マスタープランをフィードバックしながら仕事を進める仕組みをつくる。 ・区民が評価しやすいように、行政責任者が説明責任を果たす。また、都市計画マスタープランチェックウォークを実施する。 ・高度や景観の規制を進める。 提案:協働のしくみをつくろう! 課題 ■行政や議会が縦割りになっている ・公園関係とその他の関係部署で連携が取れていないことがあった。 ・区役所では受付の方は勉強しているが、上司はコピーも取れない人もいる。 ・議員は会派で、教育や高齢者等の担当が決まっていて、練馬区民の課題全体に目が届いていない。 ■自ら行動することが大事 ・他人に強制せず、私がどうしたらいいか考えて実行している。例えば、練馬の千川通りで朝6時半から清掃して半年になるが、商店街が少しきれいになった。 提案 ・課題を軸とした協働のしくみを民間・行政間・住民参加でつくっていく。その際には、区役所内連携。 国・都・区の連携を進める。また、縦割りの各政策を地域の横割りと擦り合わせる仕組みづくりを行う。 ・都市計画マスタープラン自体は協働を支える仕組みとする。 ・協働のしくみの事務局をまちづくりセンターが担う。また、受け身でなく課題解決の提案者になる役割を果たす。 ・都市計画の決定過程への区民参加をルール化して担保する。 73ページ 提案:地域コミュニティ活性化プログラムと協働しよう! 課題 ■住民参加のプロセスの透明性が課題である ・都市計画マスタープランの重点は住民参加である。住民参加が充分であったか、現状を見直し、できるだけ重点地区まちづくりやまちづくり条例の総合型、施設管理型、テーマ型の事例を正確に把握する必要がある。 ・今後の住民参加の重要性を考える。 ■うまくいったまちづくりの事例がある ・うまくいった事例として、千川上水の都市計画道路事業から市民活動が始まったり、白子川の保全活動が東映跡地活用の提案に繋がったりしている。また、平和台の横断トンネルは住民提案で良いものになった。 ・その他の成果として、練馬駅前の商店街から電柱がなくなったことや、順天堂大学病院の誘致が上げられる。 ・一方、西武線の高架化は反対者がいる。地域の人が頑張らなければ、速やかな消防活動などが実現しない。 ■達成感とエネルギー切れで「志」の継承がうまくいっていない ・都市計画マスタープラン、まちづくり条例、まちづくりセンター、景観条例等が出来上がり、達成感からエネルギーが薄れている。 ・10年の時間の経過と共に「志」の継承がうまくいっていない。 ・都市計画マスタープラン策定で培われたネットワーク(人脈)の活用が薄れてきている。 提案 ・「地域コミュニティ活性化プログラム」と連携する。庁内での協働体制を組むとともに、住民やまちづくりセンターと連携していく。 ・都市計画マスタープランを住民参加で運営するために地域活動の事務局を確立する。 ・地区まちづくり協議会、中村橋バリアフリー、白子川整備検討会等における住民参加の事例を調査する。・都市計画マスタープランの広報も兼ねて「住民参加」の実現化方策についてのシンポジウムを開催する。 ・区民の活力を利用するシステムをつくる。 提案:都市計画マスタープランを地域で実現しよう! 課題 ■都市計画マスタープランが住民へ周知されていない ・都市計画マスタープランの区民あるいは区民同士の情報発信、情報交換が充分でなく、区民の関心がなかなか高まってこない。また、使われてなく、使いづらい面がある。 ・区の都市計画について、住民に対する事前周知が速やかに行われていない。 ・区民に都市計画マスタープランに基づいて「何が」、「どのように」進んでいるのかを周知し、検証していくことが必要である。 ■地域ごとのまちづくりが必要である ・風致、高度、建ぺい率、容積率、日影規制、中村橋のバリアフリー化など、計画の事前周知がされていない。住みよいまちづくりは、住民主導で地域ごとにその街をどういう街にしたいかを議論すべきである。 ・地区まちづくり協議会は、地域の有力者が重視されているが、広く住民の意見を聞く必要がある。また、地権者だけでなく、利用者の意見を反映する機会をつくることも求められる。 ・国、都などの事業に対し、地元からの補正提案を積極的にしていく必要がある。虫の眼からの修正が必要である。石神井川や白子川では、住民参加の検討委員会ができており、よい傾向にある。 ・住民参加については、この10年間にまちづくり条例、景観条例等制度づくりが進んだ。今後10年はそれを利用する局面にある。住民の中の専門家の活用等を進める必要がある。 提案 ・各地でまちづくり集会を行い、都市計画マスタープランを説明する。地域集会(ワークショップ)の開催を住民主導で行う。 ・自分たちが住んでいるまちをどのようにしたいのか議論して決める。このため、地域ごとに具体的なまちづくり検討組織と事務局を確立する。 ・人、自転車、車の共存する道路空間を創出するため社会実験を10年で10ヵ所実施する。 ・「社会資本整備総合交付金(国土交通省)」により事業を実施する。 74ページ 提案:まちづくりは人づくり、気軽に意見を言える場を設けよう! 課題 ■住民提案についてハードルが高い ・住民提案を受け止めてくれる部署がない。また、まちづくり条例ができてまちづくりの提案ツールはあるが、ハードルが高い。 ・練馬駅北口施設のバリアフリー設計について、もう工事は始まっているが説明がない。 ■協働で成果を上げる方法を検討する必要がある ・以前は、区議や区長に話を通さないとまちづくりができない時代があった。まちづくり運動のリーダーが議会などに説明して回るのが一番の効果であった。 ・現在は、協働が基本となっており、賛否両論があったとしても話し合いの場があることが大切である。 ただし、まちづくりの仕組みや検討の仕方等、うまくいかない要因を改善する必要がある。 提案 ■住民同士が気軽に話し合える場をつくる ・一人のリーダーではなく、みんなで頑張るまちづくりで結果を出していく。 ・昔からまちづくりをやっている人と新しくまちづくりをやっている人が話し合う。 ・住民発意で行われたまちづくりの検証、まちづくりの仕組みを学ぶ勉強会を開催する。 ・町会に入っている人が分かりやすいコミュニケーション(文字を大きく、カタカナ語を使わない、古 いポスターを貼りっぱなしにしない、綿密に)を心がける。 ・まちづくりセンター等によって、意見やアイディアが言える気軽な場を設ける。 ・意見反映の方法を明確にする。 ■子どもたちにまちづくりに親しんでもらう ・子どもたちがまちづくりに親しんでもらうように小学校・中学校でまちづくりの話をする。 ・小学校・中学校で行われているまちづくりの授業を大人が見学する。 提案:まちづくり条例を地域にブレイクダウンしよう! 課題 ■まちづくり条例の役割が大きい ・話し合いの場に反対意見の人が参加できないということもあったが、まちづくり条例策定後は住民提案ができるようになった。 ■まちづくり条例が知られていない、使いづらい ・区民にまちづくり条例が知られていない。広報が不十分である。また、分かりにくく、使いづらい。道具はできたが、料理ができていない。作業・行為ができていない。運用されていない。 ・練馬区のまちづくり条例、その理念はよくできている。もっとスピード感をもって実施してほしい。 ・都市計画は練馬区まちづくり条例に従って計画を行うことが望ましい。 ・第三者(機関)による「まちづくり条例」の評価が必要である。 提案 ・まちづくり条例を地域の集会で説明し、住民参加での成功体験を積み重ねていく。 ・「まちづくり条例」を使いやすくするように見直す。 ・「まちづくり」についての常設ギャラリーを地域の中心につくって広報する。 提案:行政は都市計画の役割を積極的に果たそう! 課題 ■都市計画の課題がある ・都市計画とは何かをしぼって考える必要がある。また、都市計画部門が土木部門に負けている。 ・農業系からの用途転用が住居系主体に進んでいるが、関越や外環沿いでは、大型物流施設や事業系への転用も戦略的には考えるべきである。 ・建ぺい率を見直してみどりを増やすことが求められる。 ・区内全区域で、超高層マンションを禁止すべきである。光が丘団地のような5から10階迄の中高層に留めるべきである。超高層は、将来、区の環境(景観)悪化で取り返しのつかない禍根を残す。 ・住民に依存している面がある。セットバックで道路を整備するのは期限がなく、いつまでも道路がでこ 75ページ ぼこになっている。このため、電柱の地下埋設ができない。 ・違法建築をなくし、確認申請を受けたら、必ず検査済み証をとる必要がある。 提案 ・道路整備後の沿道まちづくりでは、区画のとりまとめ等、行政が積極的にかかわる。また、残地をポケットパークや沿道型の公園に整備する。 ・建ぺい率の見直しを行う。 提案:まちづくりセンターのコミュニティへの参加を進めよう! 課題 ■まちづくりセンターの役割が大きい ・都市計画マスタープラン策定後、身近なまちづくり活動が増えている。まちづくりセンターのサポートで70〜80の市民団体が活動を始めている。まちづくりセンターではまちづくりの相談に乗ってくれているが、存在が知られていない。 ■区民・行政は“まちづくりセンター”を使い切っているか? ・区民にまちづくりセンターが知られていないし、使われていない。使いづらいのではないか。 ・まちづくりセンターには「住民参加のまちづくり」をもっとサポートしてほしい。サポート不足である。 ・多様な組織の連携が必要である。 ・「ねりま未来プロジェクト推進構想」への参加状況が不明である。 提案 ・まちづくりセンターの存在を住民へ周知させる。「まちづくりセンター」を1階に下ろし、ショールームを設けて成果を展示する。 ・都市計画マスタープランやまちづくり条例の地域での説明会とまちづくりセンターの活動をリンクさせる。 ・まちづくりセンターの存在の目的と経営内容を区民に周知し、活動は焦点を絞る。 提案:ルールは効果的につくろう! 課題 ■ルールは少ない方がいい ・ルールは少なく、かつ効くルールが必要である。 ・都市計画を柔軟に見直せるとよい。 提案 ・既存の環境を尊重して大切にし、より良くしていく。 ・区民、市民意識のコモンセンス化を図る。自分が、自分の暮らす建物が「まち」をつくっているという意識を持つ。 ・大人も子どもも解り守れるルールをつくる。そのために、ホームページに携帯などからでも気軽に問題やその解決を書き込める仕組みをつくり、それらをまとめてルール化する。 ・「勝手に決めている」と言われないルールをつくる。 そのためには、進め方・決め方のルールをつくる。 ・ひとつの解決で多々の効果を図るようにする。また、ある問題を解決するために設けたルールが新たな問題を引き起こすということにならないようにする。 ・住民、区の意見を東京都、国の計画へ反映する仕組みをつくる。 提案:財政をふまえ、まちづくりを推進しよう! 課題 ■財政と土地利用をリンクさせる必要がある ・財政的な裏付けを確保すべきである。国、都からの資金導入の推進が求められる。 ・財政計画とリンクした土地利用が必要である。準工業地域がマンションの草刈り場になっていて工業系が入れない。税金の入る土地利用を推進することが必要である。 提案 76ページ ・国、都からの資金確保と土地利用による資金創出の2つの視点が重要である。 ・国・都・官民共同などで資金導入を行い、お金をかけずに事業を実施する。 ・モデル的なまちづくりの事業実施後は、それをどのように他地区でも実現するかの工程表を作成する。 ・関越道や圏央道や国道16号周辺においては、物流系の土地利用を推進する。(物流系の土地利用を抑制するという意見もあった。) 提案:改定の論点を検討しよう! 課題 ■都市計画マスタープランの見直しの論点、進め方を検討する必要がある ・何のため、どういう点を見直すのかをまず議論したい。前の都市計画マスタープランは何が良い悪いか教えてほしい。 ・見直しの論点を整理したい。@東日本大震災、A地方分権一括化、B都の公園整備事業・河川、C大泉学園南口の開発と補助135号線、D緑地整備の状況変化、E区制推進基本条例等がある。 提案 ・10年の変化と、これまでの達成度を踏まえて改定する。 ・「都市計画マスタープラン」、「まちづくり条例」、「景観計画(条例)」の3つを練馬区都市計画行政の3本柱として連携させ、練馬区のまちづくりを発展・推進する。また、具体的な事業施策にどうつなげられるかを検討する。 ・練馬区基本構想に沿って「区と区民の協働のまちづくり」が具体的に進むような仕組みを具体的にもり込む。 ・都市計画マスタープランを踏まえて、各地区に練馬らしいプラン(計画・構想)を作成する区民コンペ(設計等の競技、課題による作品の公募)を実施する。 「都市計画マスタープラン」に誇りをもとう! 提案 ・自分のまちをそれぞれが「ほこり」をもって話せるようにする。 ・都市計画マスタープランで憲法的なものを制定する。 ・今回の都市計画マスタープランの見直しにあわせて 「まちづくり条例」を使いやすく見直す。 提案:高齢化社会下でのまちづくりを考えよう! 課題 ■高齢化・人口減少下での住まいを検討する必要がある ・人口が減ることは悪いことではないが、将来の人口減少への対策が必要である。また、光が丘等では、高齢化が進んでいるが、隣とのつがなりがなく、問題である。 ・マンションは建て替え等、将来問題になるので、戸建てを大切にする必要があるが、一方、集まって住むことも求められる。 提案 ・水害対策として低い所から高い所に住みかえる。 ・石泉地区ではまとまって住む。 ・地域包括ケアシステムの日常生活圏という地域単位を都市計画マスタープランの中で意識し、整合がとれるところはとる。 提案:ちょっといなかのよさを活かそう! 課題 77ページ ■都心から遠いことによるよさや課題がある ・東京都心から遠いことにより、屋敷森や神社、仏閣の森が残っている。これらの維持に関わる仕組みが必要である。 ・ベッドタウンから脱却し、若者が都心に出なくても働き、暮らし続けられるようにすることが課題である。 提案 ・元用水路や旧道など、まちの中で歴史を感じられるしかけをつくる。 ・私道や細い道は草道にして遊び場とした利用する。 提案:拠点づくりとコンパクトシティ化を進めよう! 課題 ■駅周辺での拠点形成が必要である ・練馬区は「へそ」がないと言われているので、練馬駅周辺整備を進め、高層ビルは区役所近辺や主要拠点市街駅前(練馬駅、石神井公園駅、大泉学園、上石神井駅)だけに集中していくことが求められる。 ・練馬駅北口や石神井公園駅南口、大泉学園駅北口の再開発に伴う土地区画整理事業や駅ビルとの関連性を検討する必要がある。 ・駅中等人の集まる所にしかお店は出せないので、商店街を維持していくのは難しい。 提案 ・練馬、石神井公園、光が丘、上石神井の4駅を中心に拠点を形成する。 ・都市の拠点づくりは住民参加で行う。また、駅前は高度利用を進める。 ・コンパクトな居住を推進する。 提案:都市計画は20年、30年先を考えて議論しよう! 課題 ■都市計画マスタープラン見直しや懇談会の進め方が課題である ・それぞれの協働、情報公開の程度をあとづけてほしい。 ・「地域の課題や指針についての取り組みの整理」について、何が特徴であるかの説明がほしい。 ・地域のまちづくりの決定過程の振り返り、評価が大事である。 ■まちのあり方が課題となる ・まちのあり方はそのまちに似合ったまちづくりが大切だと思う。 ・練馬区の20年、30年までの最大課題とは、人口減少、高齢化、少人数家族化をどのように克服するかである。 ・都市の成長にあわせて、バリアフリー化の促進や孤立を防ぐことも必要である。 提案 ■成長戦略や大震災を踏まえた改定を行うべきである ・政府の成長戦略に対応した都市計画マスタープランに改定すべきである。 ・都市計画マスタープランを見直すには、東日本大震災の教訓をもとに安全、安心を第一にすべきである。 ・南田中団地や石神井団地の耐用年数を見ながら、アメニティを大切にした新しい団地に建て替える。 ■土地の有効利用や緑化を進める ・人口減少時代に人口増を図るため、生活幹線道路沿道や拠点周辺は高層化・有効利用を行う。(「高層化は、過密や地域にふさわしい街並みにそぐわないので良くない」という意見もある) ・敷地の細分化に伴い、緑地率の減少化が進んでいる。条例で緑地化を義務化し、地域の公園化を推進する。 ・各街区の特色を生かし、住民の意見を尊重し、合意の基にふさわしい街区にする。 ・ファミリー層を増加させる。 第10回意見交換会で出されたキーワード ・大規模事業を契機にしたまちづくり ・豊富な発想の人を育てる(知識教育だけでない環境の充実を) ・協働(住民、行政、議会の協力) ・区内部でも協働 ・ブレーンとしての各部門の専門家の活用(ネット 78ページ ワークづくり) ・インボルブ(連携+α、色々な人を巻き込む) ・地域住民参加の具現化(その地域で生活する複数の方の目と専門的な目、両方から検討する。地域の人はそこで何十年も生活している。) ・次への継続(新しい都市計画マスタープラン改定に向けての準備) ・合意形成 ・話し合う場づくり ・区民によるまちづくり委員会 ・定期的なまちづくり会議(まず第7地域会→中学校区→小学校区へ) ・優先順位 ・前回の計画でどこまで実現したのか。それを理解した上で、新しい計画をつくる。 ・達成度の検証(結果を公表し、新しい計画へ結びつける) ・カタカナ語をやめること。区民はわからない。 ・実現への遅れ ・総合的「アーバンデザイン」(特に、駅前景観まちづくり) ・改修、修景、維持管理(団地や道路など) ・人のための価値ある発想への転換を進める(既存の枠にはまった発想では、新しい時代の人のためのまちはつくれない。) ・既存の考えや今までのプランにとらわれない計画をつくる。(10年後、20年後の見直しキーワードを考えておく。) ・幼児、子どもが安心して遊べ、子育てができるまちづくり ・楽しさ、にぎわい、笑いのあるまちづくり ・コンパクトな居住は反対(孤立したまちをつくるのか) ・適切な境界づくり ・多様な外部空間の数珠つなぎ ・今回はハードよりソフトを最優先に ・安心安全なまち、ねりま ・駅前の用地は、できるだけ共同ビル化して、有効活用する。 ・誰もが安心して暮らせるまちづくりの推進(幼児から高齢者、障害者から健常者) ・国際化の推進(21世紀は国際化の時代。姉妹都市を大切にし、舞台をつくる) ・バリアフリーからユニバーサルデザインへ 79ページ U区政モニター懇談会 1区政モニター懇談会の概要 ●実施日:@平成25年9月12日(木曜)A平成25年9月13日(金曜) ●場所:@練馬区役所本庁舎19階1903会議室A石神井公園区民交流センター2階会議室3 ●参加者:@12人A8人 ●内容:「魅力のあるまち」「住みやすいまち」について自由にご意見をいただいた。また、質問については区から回答した。 2当日の様子 以下の写真を掲載 懇談会の様子(平成25年9月13日) 80ページ 3いただいたご意見 安全・安心のまちをめざして(防災・復興まちづくりの方針、防犯まちづくりの方針) いただいたご意見 1練馬区は地震に対しても地盤が良く、自然災害が少ないまちと認識しています。区内の密集地の防災の取り組みも進んでおり、安心して住んでいられます。 2低層の集合住宅で、耐震耐火性を備えたヨーロッパのような建物・まち並みをつくるべきです。 活動的でにぎわいのあるまちをめざして(交通の方針、産業・観光まちづくりの方針) いただいたご意見 1練馬区は、一度住んでみると住みやすいですが、道路や公園をつくった後に維持・管理がされていないことが気になります。有料駐輪場も空きが多く、機能していないのが残念です。放置自転車もよく見かけます。 2自転車がとばして道路を走っていたり、道路の段差があったりします。特に、光が丘は自転車通行が多く危ないように思います。駅のバリアフリーだけでなく、近くの公園まで歩けるようなまちにして、バリアフリーを実現してほしい。 3練馬区の移動手段は西武線が主体ですが、西武線はJRとの接続があまりよくありません。エイトライナーを地上につくり、都電として整備してほしい。地下と比べて総工費は5分の1とも言われています。西武新宿線は地下鉄と接続がありません。 4西武池袋線だけでなく西武新宿線の高架化も進めてほしい。また、区内にモノレールをつくるのも良いと思います。5事前にいただいた資料でエイトライナーを初めて知りました。大江戸線も含めて今後どうなるか興味があります。練馬区は、緑が多く気持ちが良いまちです。車いすの方を多く見かけるので、そのような方も住みやすいまちにしてほしい。 6武蔵関のコミュニティバスは乗車する人が少なく、もっと魅力ある乗りやすいバスにしてほしい。 7みどりバスは1時間に1本の間隔で、バスがない時間帯もあります。1時間に2本以上にしてほしい。シルバー世代の人に使いやすくしてほしい。8都市計画道路は不燃化の計画がありますが、一般道路には計画がないので、見直してほしい。 9違法建築が多いので、書類審査だけでなく、手続きをした後のチェックをしてほしい。 10練馬区から武蔵野市へ入ると歩道や植栽、歩道の整備状況に差があるように思います。問題が起きてから動くのではなく、武蔵野市のように計画的に実施してほしい。 11現状では安心して住めるまちが良く、人口を増やす必要はなく、人が増えれば一概に良いというものではないと思います。「今いる人たちが住み続けたくなるようなまち」をめざしてほしい。 12練馬区は若い人向けのイメージがないので、他の区から若者が移ってくるような仕掛け、外向けのイメージを作るべきです。練馬区の状況を分析し、積極的に魅力をつくってほしい。 13「誰に」住んでほしいのかということが大切です。練馬区に引っ越そうと思う人を増やすまちづくりをし、新しく練馬区に来る方を歓迎する気持ちも大切です。都市生活者への「おもてなし」が住みたくなるまちにつながるのではないでしょうか。 14公園や公共施設で公衆無線LANが使えると魅力です。スポーツを通じて多世代が交流できるので、スポーツ施設整備も進めてほしい。 15練馬区のイメージは土、農業、畑です。住みたいまちにならない理由は、大型の商業圏がないためではないでしょうか。 16武蔵野市の図書館は、デザインやサイン、ネーミングがしゃれています。そのような建物のデザインといった手直しのしやすいところから変えていくと、もっとよくなると思います。 17練馬駅前の千川通りと目白通りの間のお店があるところは、練馬区の中心です。今後の在り方についてコンペをし、意見をきくと良いと思います。長期的プロジェクトを立てるべきです。 18アニメは区内でつくられていますが、区民に浸透していません。世界に誇る文化であれば、区にアニメ課をつくって活性化することも必要ではないでしょうか。 19松本零士さんが新しい映画を作っているので、「アニメのねりま」の良いアピールになります。 202020年に開催予定の東京オリンピックを機に、海外から人が来ることも考えられます。開催が決定したばかりですが、東京オリンピックへの対応も考えた方がいいと思います。 21東京オリンピック開催も決定したので、国際的に魅力あるまちづくりができると良いと思います。そのためには、ターゲットを絞ることが大切です。ターゲットを明確にすると具体的な施策ができます。 81ページ みどりと水のまちをめざして(みどりと水のまちづくりの方針、農のあるまちづくりの方針) いただいたご意見 1みどり・水・環境と共生するまちは、どこかの都市を具体的にモデルにしてみるのはどうでしょうか。 2練馬区にドングリ山がありますが、将来コンクリート舗装の住宅になってほしくありません。みどりと水のまちとして残すような方向にしてほしい。 3緑被率30パーセントが区民にとってどのような意味があるかわかりづらいです。農地が農地として成り立つようにバックアップするのが行政の役目です。緑被率は、最低限現状維持をしていただきたい。 4練馬区は23区で緑が一番で、「緑被率」が25.4%だが、世田谷区や杉並区は「緑率」として出しており、単純に対比ができません。農地の活用として、体験イベントを行い若い人に参加する機会をつくってほしい。 5生産緑地を保全し、街路樹を充実させ、緑の風の通り道をつくるべきです。剪定した木々は、処理費のかかる産業廃棄物にするのではなく、公園内でシュレッダーにかけ、堆肥にすると良いと思います。 6練馬区に来た外国人は、なぜ緑のない小さな家を作るのかと驚いています。練馬区は独立した家屋が多く、緑のスペースが少ないと感じます。 7相続等で1軒の家が2軒、2軒の家が4軒と分割され増えています。その上、緑がほとんどなくコンクリートで周囲を固めており、こんな家を建てていいのかと思うことがあります。 8国の制度等を使い、特区を申請して農地の保全に取り組んでほしい。 9施設をつくって終了するのではなく、その後の維持管理も考えて、ブルーベリー農園等は、統一感を持って整備を進めてもらいたい。 10固有の物語を語れる公園がありません。どこにいってもヤマモモの木が植えてありますが、それぞれの公園ごとに季節を感じられる植栽とすべきです。 11練馬区は10から15分歩けば緑や公園などがすぐにあります。農地で野菜を安く売っています。公園ではバードウオッチングができます。 12「みどりと水」の水も大切ですが、川は動かせません。みどりなら何とかできるので、少しでもみどりを増やしてほしい。 13石神井川の親水化はとしまえん辺りで止まっています。白子川はあまりきれいではありません。農地が宅地化されています。歯止めをかけないと経済原理で緑がなくなってしまいます。 14千川上水は江戸時代からあり、開渠で残されている貴重なものです。その魅力を付加し、魅力ある屋敷林を千川上水と一体で残すべきです。 15石神井川の改修は、水辺から遮断する整備であり、水辺に降りることができません。 環境と共生するまちをめざして(景観まちづくりの方針、低炭素都市づくりの方針) いただいたご意見 1電線地中化で景観を良くし、緑を活かすなどのまちづくりを進めてみてはどうでしょうか。 2建物をコンクリートにすれば、夏の夜になっても気温の下がらないまちになってしまいます。 そうした点に配慮した建て方にしてほしい。 ともに住むまちをめざして(住まいと暮らしの方針、コミュニティの方針) いただいたご意見 1昔の練馬区は田舎だったが年々良くなっています。増加する高齢者の住み心地を良くしてもらいたい。 2高齢者が中心市街地に住むような手立てによってまちの魅力が増すのではないのでしょうか。そのような工夫をすべきです。 3独居老人は全体の3割位になると聞いています。区に要求するばかりでなく、いかに高齢者自身が目標をもって生活するかが大切です。 4豊島区に比べると教育施設が整備され、緑が多く、ハードの施設面はよくできていると思います。「地域コミュニティ活性化プログラム」は良い取り組みだと思います。 5若い人を大切にし、子どもを預けられ、仕事をしやすい環境にし、ライフプランを形成しやすいまちにしていくと良いと思います。そうすることで、若い人たちも落ち着いて生活ができ、その結果お年寄りも大事にすることにつながります。 6満足度は、練馬区に住んでいる人にすでにあると思うので、練馬区に住む可能性のある人に「区民の満足度の高さ」を発信すれば良いと思います。 82ページ 子ども、高齢者、外国人が地域で交流できると良いと思います。 7町会の規模は大きすぎます。NPOや社会福祉協議会等をコーディネーターとして活用し、井戸端会議の延長のような、規模の小さい新しいコミュニティをつくるべきです。 8保育園の待機児童がゼロの区は、それがその区のアピールになります。待機児童の解消が「住みやすいまち」になると思います。例えば、「待機児童をゼロにする」といった具体的な目標を掲げてはどうでしょうか。 9大泉第一小学校の事例では、地域の方の活躍で子どもの安全が確保されました。子どもを地域全体で育てる工夫が必要です。 10今住んでいる地域では、子どもに声をかけても返答があまりありません。子どもが感謝の気持ちを身に付ける教育が必要です。そうしたことを積み上げると、良いまちへつながることになります。 11練馬区は総合病院が少ないです。お金がかかる問題とは思いますが、取り組んでもらいたい。 12「都市計画マスタープランの実施状況報告書」のアンケート調査では健康・福祉サービスに対する不満が多いようにみえます。実行できるところからやってもらえれば良いまちになると思います。 その他 いただいたご意見 1財政面も触れると良い。練馬区はまだ公債を発行しているのでしょうか。「できる事」と「できない事」もあるので、できない事ははっきりノーと言うことも大事です。 2練馬区は素晴らしい土地柄で、可能性のある要素がたくさんあります。見つけて磨いて、「きれいでしょう」と伝えれば他から人が来てくれます。 3だれにとって魅力的なまちをめざすのでしょうか。練馬区の住民なのか、東京都の住民なのか、地方または海外から訪ねてくる人でしょうか。ターゲットを誰にするのかが大切だと思います。 83ページ Vまちづくり学生ワークショップ 1まちづくり学生ワークショップの概要 ●実施日:平成25年10月29日(火曜) ●場所:武蔵大学7号館 ●参加者:武蔵大学黒岩ゼミの学生17人 ●内容:・練馬の「良いところ」「悪いところ」について付箋に書いてもらい、類型化した。 ・それらをもとに、「練馬を魅力アップする方法」を付箋に書き、類型化した。 ・最後に「魅力アップ」のアイデアを一言で表すキャッチフレーズを考えた。 2当日の様子 以下の写真を掲載 ワークショップの様子(第3グループ) ワークショップの様子(第2グループ) ワークショップの様子(第1グループ) 発表の様子(第3グループ) 発表の様子(第2グループ) 発表の様子(第1グループ) 84ページ 3ワークショップの結果 第1グループ 良いところ ■みどりのまち ・自然が多く、氷川台などには広い公園もある。 ・江古田駅の武蔵大学周辺や光が丘など、自然が多い。 ・農地も多く、練馬大根も有名で自然がある。 ・神社が多い。(氷川神社など) ■アクセス良し ・電車やバスが充実している。 ・大泉インターがあり、高速道路があり便利である。 アクセスがしやすい。 ・千川通りや目白通りなどの道が広く、歩車分離され、自転車専用の部分もあって良い。 ■練馬で海外!? ・スーパーやドラッグストアなど、生活に必要なお店が多い。(石神井公園駅周辺など) ・江古田駅周辺は、古くからあるお店が多い。 ・江古田駅周辺は、多国籍料理屋が多い。(ネパール、インドなど) ・武蔵大学の近く(通学路)に飲食店が並んでいて、学生で賑わえる。(チェーン店は少ない) ■家族の場 ・としまえんはブランドがある。夏はプール、冬はイルミネーションやアイススケートリンクがあり、家族連れで賑わっている。 ・「庭の湯」という有名なスーパー銭湯がある。 悪いところ ■大学生は多いが… ・江古田駅周辺はファミレスが少ない。(新江古田駅周辺にガストがあるくらいである) ・遊べるところが少ない。池袋に行ってしまう。 ・江古田駅周辺のお店は古く、店が狭く、単価が高い。 ■交通問題 ・大泉学園は駐輪場が少なく、駅まで遠いため、駅前に放置自転車が発生している。 ・武蔵大学〜江古田駅間は、狭い道が多い。歩道も狭い場所がある。 ・踏切が多い。橋は煩わしいので地下鉄にしてほしい。 ・江古田駅の地下道は怖くて、暗くて、危ない。 ■都市公害問題 ・環状七号線など光化学スモッグが発生している。 ・小竹町などは住宅が過密状態で、騒音被害がある。 ■内輪感がある ・江古田駅北口の市場通りは、一見さんお断りの雰囲気があり、内輪感がある。(地域性はある) ・高齢者が多い。 ■イメージ戦略ができていない ・「練馬といえばこれ」というものが思い浮かばない。 ・区内に何があるのかわからない。 練馬を魅力アップする方法 ピカピカねりま 練馬区には、様々な課題があるが、良い所(ダイヤの原石)もたくさんある。長所を伸ばしていく考えで、個々を磨き、それを連携させ、発信する。そうすることで、さらにまちを良くし、「ピカピカ光るねりま」のまちをつくろう! ■ブラッシュアップ! ・魅力はあるが、それを発信できていない。 ・練馬と他の区を比較して、どこが優れているのかはっきりさせる。(農業など) ・「練馬=○○」というものを確立させる。 ・練馬に住む有名人を探して、練馬の良さを伝える。 ・ねり丸をいろんなイベントに出させる。(ふなっしーみたいに運動神経を良くするなど) ・練馬大根というブランドをもっと推していく。 ■魅力的なお店や施設をつくる ・ファミレスやショッピングモールをつくる。 ・遊べる施設やコンサート会場をつくる。 ・多国籍料理店のマップをつくる。 ・下町感と、ファミレスやチェーン店等の都市感の差を激しくして、良さをアピールする。 ・お店の低価格化をする。 ■まちのPR ・地域ごとの特徴を活かしたまちづくりをする。 ・自然探検マップをつくる。 ・神社巡りキャンペーンをする。 ・としまえんをもっとアピールする。 ・石神井公園のような、大きい池のある公園をつくる。 ・石神井公園でイルミネーションをやる。 ■その他 ・明かり(電灯)を明るくして安全なまちをつくる。 ・大泉学園近くに駐輪場をつくる。 85ページ 第2グループ 良いところ ■自然 ・自然が多い。 ・緑が多いイメージがある。 ・公園に緑が多い。 ・静かな公園などがある。 ■飲食 ・ラーメンがおいしいイメージがある。 ・江古田駅周辺は飲食店が多い。 ■住宅 ・住みやすい(保谷、中村橋などは静かで、池袋へも行きやすい) ・住宅が多くて静かである。 ■アクセスが良い ・東京の都心(池袋)や埼玉(所沢)へのアクセスがしやすい。 悪いところ ■交通 ・道幅の狭い道が多い。 ・歩道が狭い。(駅前) ・路上に自転車、自動車が多い。 ・路側帯が狭い。(自転車で通りにくい) ・信号が多い。 ・車通りが非常に多い。(住宅地でも) ・住宅街の道が混雑している。 ・踏切の待ち時間が長い。 ・光が丘駅から公園へ行くまでの道が、自転車や歩行者で混雑していて、あまり好きではない。 ■学生向けの飲食店が少ない ・ファミレスが少ない。 良くも悪くも・・ ■印象 ・豊島園が地味である。 ・印象が地味である。 練馬を魅力アップする方法 100年住めるまち 練馬は落ち着きがあり、みどりも多い。地味ではあるが、長く住むのに適したまちであり、飲食店、都心へのアクセスといったアクティビティを活かして、住みやすさをアピールすると良い。 ■住みやすさをアピール ・地域毎にターゲットを絞り、アピールポイントを明確にして、住みやすさをアピールする。 例.学生向け(食べる所が多い)、ファミリー向け(落ち着いたまち) ・子育てがしやすいイメージをアピールする。(緑が多くて住みやすい) ・住宅街を整備する。(行き止まり道路の改善、空き家の対策等) ■飲食をアピール ・飲食店マップがほしい。紙よりも携帯で見られる方が良い。 ・飲食店の特集を組む。 ・小さい飲食店を集めた地域をつくる。 ■移動しやすくする ・道を広くする。(特に歩道) ・駐輪場、駐車場を設置する。 ・駅の交通手段を充実させる。(バス・タクシー) ■お店を増やす ・駅周辺とその他の地域のギャップを埋める。(駅から離れると、スーパー等を含め店が少ない) ・買い物をしたい。 ■レジャー・イベント ・としまえん等のレジャー施設、花火をアピールする。(あまり知られていない) 86ページ 第3グループ 良いところ ■自然 ・自然のイメージがある。 ・他のところと比べ緑が多い。 ・自然が多い。 ■落ち着いた街 ・落ち着いている。 ・公園が多くある。 ・昔ながらのまち並がある。 ・商店街など昔のまち並みがまだ残っている。 ・江古田駅周辺の町は、活気があって住みやすい。 ・豊島園駅の映画館はきれいで好印象である。 ■住みやすさ ・家賃が安い。 ・場所によっては土地が安い。 ・学生が多い。 ■治安が良い ・安全で、治安が良い。 ■都心に近い ・都心にすぐ行ける。 ・都心(池袋)から近くて行きやすい。 ・駅から都内のいろいろなところに行きやすい。 ・交通の便が良い。 ■飲食店 ・価格が安く、美味しい飲食店が多い。 悪いところ ■広い自由空間がない ・広い運動スペースがない。 ・自由に遊べる公園が少なそう。 ■道が狭い ・道が狭いところがある。 ■暑い ・暑い。暖かい。 ■イメージがうすい ・ビルがない。 ・ファッション系の店が少ない。 ・他の区と比べてイメージが薄い。 ・遊ぶ場所が少ない。 ・ホームセンターなどの大きな買い物ができる場所がない。 ・駅前に魅力が感じられない。 ・イベント、名物があまりない。 ・安い居酒屋がない。 ■としまえんの印象 ・としまえんがさびれた感がある。 ・としまえんは少し汚いイメージがある。 練馬を魅力アップする方法 学生よ食べつくせ!!食マチ練馬 練馬は自然が多く落ち着いた街であるが、イメージが薄い。学生がいて、安くておいしい飲食店が多いので、それを活かして魅力をアップしていく。また、どこかなつかしい街という魅力も活かしていけるとよい。 ■飲食店の活性化、アピール ・練馬・江古田駅周辺のおいしい店MAPをつくる。 ・飲食店、B級グルメのイベントなど。アピールする。 ・安いお店を(飲食)増やす。 ・昭和を再現する。町コンをする。 ■広い空間をつくる ・広い自由空間をつくる。 ・子どもが自由に遊べる場所があったらいいと思う。ボール禁止などはかわいそう。 ・自然を活かした公園などをつくる。 ・公園で動物園をする。 ■学生のためのイベント ・学生による学生のためのファッションバザーをする。 ・若い人向けのPRイベントをする。 ■学生が住みやすい街 ・より学生が住みやすいところにする。 ・学生マンションを建てて、学生の街にする。 ・学生マンションがあったら良い。増やしてほしい。 ■商業施設をつくる ・商業施設をつくる。駅ビルに店を多くつくる。 ・練馬駅周辺に買い物がしやすい場所がほしい。 ■としまえんイベント ・としまえんで逃走中をする。 ・遊園地としてだけでなく、広い自由スペースにする。 ・広告(イベント)、TVなどでアピールする。 ■その他 ・練馬駅から東京駅を直通にする。 ・歩きやすい道をつくってほしい。 ・ゆるキャラ(ねり丸)イベントを実施する。 ・あつい町練馬でかき氷大会をする。 87ページ ◎その他のキャッチフレーズ(案) ・懐かしい味(街)練馬。 ・都内でレトロな空気が味わえます。 ・24区目〜レトロな町へようこそ〜 ・おばあちゃんの味がここにあります。 ・昭和へタイムスリップできる町、練馬。 ・手軽にお腹いっぱいになれる街。 ・価格が安くておいしい店がある街。 ・食べ歩きの街練馬。 88ページ まとめ 第1部のまとめとして、区民意見交換会の最後にいただいた感想の中からいくつかを以下に紹介します。 住民の様々な想いを実現させるためには、区の中での管轄の違いを越えて、区民の声をしっかり活かせるような体制づくりをしてほしいです。 皆さんが集まり、話し合っているということは、練馬を良くしたいと思っている方が多いからだと思います。もっと若い人も集まって、次の世代のことを考えていければと良いと思います。 機会をいただき、話合いに参加している皆さんは、まちづくりに非常に熱いということがわかりました。 10年前の策定時にも参加しましたが、今回参加してみて、よりたくさんの提案が出てきたと思いました。 出された提案は、皆さんそれを持ち帰って、それぞれの地域活動に活かせれば良いと思います。みなさんにもそれをお願いしたいし、自分もそれをやっていきたいと思います。 セキュリティ関係に関わりがあり、防犯というテーマを見て参加しました。過去に引きずられることなく、新しい都市計画マスタープランができることを強く望みます。 様々な課題や提案を真摯に受け止めて、その実現に向けて考えてほしいと思います。 点字資料を用意していただき、皆さんと同じ土台で話合いに参加できました。ありがとうございました。 都市計画マスタープランに関して、みなさんからたくさんの意見がだされました。まちづくりセンターではその実現に向けて地区単位のまちづくりやルールづくりをお手伝いしています。 いつでもまちづくりセンターにお越しください。(まちづくりセンターより) ※まちづくりセンターは毎回参加し、各テーブルの話合いの進行に協力しました。 89ページ 第2部 住民グループによる提案等〜行政と住民との協働によるまちづくりの事例集〜 91ページ 住民グループによる提案等 〜行政と住民との協働によるまちづくりの事例集〜について 練馬区では、今回多数の住民参加により都市計画マスタープランの見直し作業を進めました。今後この計画さえあれば、練馬区では住民の満足するまちづくりがこれまで以上に飛躍的に進むことになります、と断言できればいいのですが、予算の制約や各種権利者間の調整等まちづくりの課題は当然引き続き残ります。 都市計画マスタープラン見直しの議論で確認されたことの一つに「協働による取り組み」が今後のまちづくりのキーワードになるということがあります。これは、まちづくりの大部分は、東京都や練馬区等が各種計画を策定し各種公共事業等を実施するだけではなく、住民が仲間内だけで何かやるだけでもなく、また民間事業者が不動産開発をするだけでもなく、多様な主体が相互に協力し合い進める必要があるという考えに基づいています。とは言え、大多数の住民にとっては、協働とは具体的にどのような活動を指すのか、どのように協働していけばよいのか分からないのではないでしょうか。 この事例集は、協働によるまちづくりを具体化していくためのヒントを、マスタープランに何とか盛り込めないかという議論から生まれたものです。 練馬区内には既に完了したものを含め協働によるまちづくりの素晴らしい事例が数多くあります。マスタープランに可能な限り多くの事例を盛り込むべきと考えましたが、紙面の都合もあり以下のような視点で8つの事例を厳選しました。 ・地域的に偏らないこと ・主として練馬区都市計画マスタープラン(地域別構想)策定以降(平成15年以降)に活動を行った事例であること ・取り組みの対象(施設等)や取り組み方法が偏らないこと 各事例とも当事者が中心となって分かりやすく書かれていますが、じっくり読む時間がない方は、各事例の末尾にある「協働のポイント解説」だけでも是非お読み下さい。多くの住民が長期間に渡って活動に情熱を傾けたことで分かったまちづくりのコツやエッセンスが、きっとみつかると思います。今後協働によるまちづくりを進めていく際に、この「協働のポイント」を押さえたからと言って、必ずしも上手くいくわけではないと思いますが、1つでも役に立てば幸いです。 練馬区都市計画マスタープランは、10年後には次の見直しがある予定です。それまでに、これまで以上に住民をはじめ多くの主体が協働のまちづくりを進めることにより、まちづくりのビジョンや課題が広く共有され、さらに素晴らしいマスタープランの見直しが10年後に実施されることが期待されます。 以上 92ページ 1「放射35号線整備」に関わる協働の取り組み ア事業の概要 放射35号線は、練馬区豊玉中3丁目から板橋区新河岸3丁目に至る延長約8.4kmの幹線街路として昭和40年6月に都市計画決定されました。このうち、早宮2丁目〜北町5丁目の1,330mの区間において、幅員40〜50mで平成16年12月から東京都第四建設事務所により事業着手されています。(平成27年度末完成予定) また、平和台駅前交差点周辺(環状8号線との交差部)では、平成24年度から、練馬区により地下連絡通路及び地下自転車駐車場の整備も進められています。 イ協働による検討体制<地域住民によるまちづくり検討組織の設立> 平成14年(2002年)6月に練馬区都市計画マスタープラン地域別指針が策定されたことを契機に、第1ブロックのブロック懇談会有志が『旧仲町五丁目を話し合う会』を設立し、地域の「まちづくり」についての勉強会を開催しました。この勉強会において「まち」の問題について種々話し合う中で、以下の2点について重点的に継続的に検討、協議していく事になりました。 @放射35号線・36号線の建設による地域分断の影響把握とその対応・改善策 A進む住民の高齢化対策として、住宅地内におけるミニ・バス運行の可能性の追求 このうち、@については、平成16年3月に『放射35・36号線について話し合う会(仮称)』をスタートさせ、平成16年(2004年)6月には、地域住民が参加した『放射35号線対策地域協議会』を結成するに至りました。この協議会は、結成当初は建設反対を求める意見もありましたが、事業がすでに進捗している状況等を踏まえ、建設されることを前提に住民のいろいろな意見を汲み上げて、東京都第四建設事務所などの事業者及び行政に対して地域住民の抱えている不安や要望の伝達を行い、問題の提起と解決に向けた協議などを行うことを目的として、事業者からできるだけ現実的な情報提供を受けることによって「まちづくり」上の問題点について協働での解決を目指しました。 93ページ ウ協働による取り組みの内容と成果 <地域住民による生活者の視点からのまちづくり提案と協働の場づくり> @まちづくりコーディネーターとしての『放射35号線対策地域協議会』の役割 『放射35号線対策地域協議会』で幾度となく打ち合わせるうちに、道路の事業者である東京都、地下鉄の事業者である東京メトロ、地下駐輪場を計画する練馬区の三者の間の縦割りの溝がうまく埋まっていないこと、そして、各事業者はそれぞれの仕事の分野内に限った独自の全体像に基づいて事業を進めようとする姿勢が強く、地域の生活から派生するきめ細かな相互連携といった、地域にとって重要な部分にまでは目が届きにくいことに気づかされました。そのため、『放射35号線対策地域協議会』は、三者と個別の打合せを行うだけではなく、三者に一堂に会してもらい、住民からの地域視点の問題について調整、解決をお願いしたことも数度に及びました。 A「平和台駅前交差点」の検討と合意 『放射35号線対策地域協議会』が様々な協議・調整の場を持つ中で、いろいろな問題が提起され、解決に向けた努力が行われましたが、中でも大きな問題は、「平和台駅前交差点」が環状8号線と放射35号線との交差により50m×25mというオリンピック・プールに匹敵する大きな交差点となるにもかかわらず、東京メトロ平和台駅の出入口はその一角にしかないことでした。他の3方向に行くためには、この交通量の多い大きな交差点を横断して行かざるを得ないことから、歩行者(中でも地下鉄利用客)の交通環境問題は深刻でした。しかも駅の対角線に大きなスーパーマーケットがあり、かつまたバスの乗り換えにもこの交差点の横断を余儀なくされる状況にありました。 そのため、『放射35号線対策地域協議会』は、東京都第四建設事務所、東京メトロの両者にこの問題を提起し、調整と問題解決をお願いしましたが、残念ながら両者ともに予算的な制約もあり対応不能との回答でした。 東京都第四建設事務所、東京メトロの両者ともに、それぞれの立場の全体的な視点からしか対応ができないことに危機感をもった『放射35号線対策地域協議会』は、対応策を検討し、地域の問題は地域でしか解決できないとの結論に至りました。そこで平成19年(2007年)4月に 94ページ 練馬区の環境まちづくり事業本部を訪れ、この欠落に対して将来に禍根を残さないように、今回の事業実施に合わせて地下鉄の出入口対策を事業化するように強く要望しました。この要望に対して練馬区は真摯に検討を行い、「まちづくり交付金」制度に載せて予算措置を講じ、同年10月には環状8号線の下に地下連絡通路を区の事業として取り組む事を決定しました。 B住民参加を推進するための啓蒙活動 『放射35号線対策地域協議会』では、各事業者との協議を進める一方、住民参加を推進するために「まちあるき」を数回実施し、空間体験的に啓蒙活動を行いました。 また、検討用の模型を自主制作するなど、地中の立体的な把握に努め、議論や提案の糧としました。模型製作によって住民の理解が促進され、問題点を的確に把握するために多いに役立ちました。この模型は、一住民が作ったものですが、「練馬まちづくりのWAメッセ2007」にも出展され表彰を受けたほか、地元の地区区民館や光が丘の地区祭などでも展示され、注目を集めました。 95ページ 【協働のポイント解説】 「放射35号線対策地域協議会」による一連の経験から、放射35号線のような大規模な計画はどうしてもマクロな視点から行われるので、地域住民の生活上の不便に対応する緻密なミクロな視点が手薄になりがちなことが分かりました。鳥の目ばかりでなく、虫の目の視点も計画に盛り込まなければ、計画上の瑕疵が放置されたまま事業化されてしまい、住民、利用者は不便、不快を耐えざるを得なくなる恐れがあります。 この事例のような手作りの住民参加の取組みが「都市マスタープラン」の住民参加から生まれてきたことを評価します。 国の計画に東京都が、東京都の計画に練馬区が、練馬区の計画に地元住民や利用者が積極的に気のついた事を言い、それを取り上げて計画に反映する常設の仕組みの整備が心底求められているのではないでしょうか。 96ページ 2.「江古田北部地区密集市街地整備促進事業」に関わる協働の取り組み ア事業の概要 区では平成3年より江古田駅北部地区について防災性能の向上のために密集市街地整備促進事業を実施し、平成27年度まで延長実施する予定です。つまり24年間にわたって事業を展開することになる。その中で生活道路の整備や公園整備、共同建替え、行き止まり道路の解消、区営住宅の建設が実施されました。 この事業を進める中で江古田駅北口地区では、「道路が狭く、認められた容積を十分活かして建て替えが出来ない」「商業地としての活力が低下している」など、防災面や都市活力面、生活環境面で問題を抱えていました。密集市街地整備促進事業ではこれらの問題を十分解消できないことから誘導型地区計画を策定することになったのです。 またこの他に、「音大通りを考える会」のように平成13年から独自に商店街振興策を考える組織も立ち上がり、商店街を質の高いカラー舗装にすることに成功するに至っています。 イ協働による検討体制<商店会、町会、行政の協働による検討体制> 本事業を進めるために、推進協議会を立ちあげて、住民と相談・検討しながら事業は進んできましたが、その協議会の構成メンバーは商店会会長、町内会会長を中心としており、旧来型のまちづくり組織です。その結果、ハード志向の法定都市計画が実施されてきた面が強いまちづくりです。ただ、個々の公園の計画については、公園近隣の関係者でワークショップを開催して公園の計画やデザイン、公園の名前を付ける検討を加えてきました。このような活動に刺激され音大通りの商店街を中心に「音大通りを考える会」が立ちあがりました。しかし事業がハード中心であったこともあり、個別のワークショップを推進した推進協議会の子組織が個別の課題が完了すると活動も完了しているようです。 また用地買収を伴う事業だけでは不十分ということで、江古田北口地区では地区計画を立案するために、「江古田北口商業地の整備に関する懇談会」が平成14年1月から立ち上がり、商店街の振興だけでなく地区全体のまちづくりを検討する必要から平成16年7月には「江古田北口まちづくりの会」に衣替えしました。そこで当初事業にはなかった北口地区の地区計画立案にあわせて、共同建て替えや公園整備などが地元住民との話し合いで追加されました。 97ページ ウ協働による取り組みの内容と成果<多様な主体の合意形成と事業実施> 江古田では長年かけて、色々な主体が事業の計画に関わりきめ細かい協働を行政側と行ってきました。 @生活道路の整備 4m程度の幅員しかなかった通りが9m幅員に拡幅されましたが、車道幅員は6m程度に抑えられました。歩道の整備については、両側整備の部分もあれば、片側整備の部分もあります。場所によっては残地を使ってやや広い歩道の部分も。また場所によってはまだセットバックしていない敷地も(まだ事業途中)。また歩道の舗装も仕様の高いインターロッキングを使っている部分もありますが、一般のアスファルト歩道の部分もあります。車道についても幅員が一部広い部分あったりします。住民自身が全体の対案を提案したわけではないが、沿道住民や商店の意向を入れながらきめ細かく、少しずつ無理なく計画し整備していった結果です。今までの土木的道路整備では一端道路断面構成を決めると整備する場所ではどこでも同じ断面が原則ですが、ここでは沿道住民の意向や建替えの都合をくみながら、ある程度の自由度を認めて地元と協働して道路整備が進められてきました。 A音大通りの整備 以前の音大通りは幅員4mあるかないかでした。商店街としての活性化をはかるために、密集市街地整備促進事業のなかで、道路自身を拡幅するよりも、道路舗装をより質の高いものにしようということで、カラー舗装整備住民原案を区に提出し、概ねそれに沿って整備がされたのです。またこのカラー舗装するために4m幅員を確保し、道路隅切りも確保することが沿道土地所有者に求められました。それに応じて、土地の寄付をしてもらい、登記上も公共の土地とし、道路区域の決定手続きまで実施しています。また地区計画を導入す 98ページ ることにより、容積率や道路斜線の規制の緩和を得ようと住民の中で検討が加えられ、さらに用途地域の変更についても、きめ細かく対応してきました。 B地区計画の導入 99ページ 江古田北口地区は道路の幅員が狭いことから、用途上商業地なり近隣商業地の指定を受けていながら、それを十分活用できませんでした。そこで北口地区まちづくりの会を中心に地区計画が検討され合意されたのです。その中身は、敷地の規模の最低限度、建物の壁面線の後退、高さの最高限度などを定めることにより、前面道路の斜線制限等が緩和される、いわゆる誘導型地区計画を導入。また通りごとに高さ制限や日影規制についても検討。近商用途では3階建て、商業用途では4階の街並みや看板の規制などが検討されました。 C公園の整備や共同建替え 密集住宅市街地整備促進事業を使って公園が数か所整備されました。これも当初から規模や箇所、場所が決まっていたわけではなく、事業進行の中で空閑地の確保が出来たところに公園整備がされました。これらの公園については、近隣居住者や商店主が計画に参画したこともあり、いずれもユニークな公園。武蔵野音大が近くになるということもあり、音楽をテーマにした公園のデザインとなり名称も同様です。また音大通り広場のように公園というよりは広場で色々なイベントが開催できるように工夫されているのも、計画に関係住民が参加した成果と言えるでしょう。 加えて地区計画や用途地域の変更をテコに建替え促進制度を使って共同建替え事業も2か所で事業が実施されました。 【協働のポイント解説】 江古田の事業では、旧来型の組織が行政と協働して事業を進めてきました。特に土地の買収が事業の中で大きな部分を占めることから、旧来型の組織が有効に機能。他方事業の各部分が終了すると、まちづくり活動はそのまま終了してしまい、ソフト・ハード一体型、もしくはハード先行ソフト後行といった風に展開していかないきらいがあるようです。この点で練馬まちづくりセンターなどがまちづくりを継続的にお手伝いしながら、地元住民や商店主、学生と一緒にハード整備にソフトで磨きをかけることが考えられるでしょう。 100ページ 3.「中村橋駅周辺交通バリアフリー基本構想」策定に関わる協働の取り組み ア事業の概要 平成12年11月15日に「交通バリアフリー法」(正式には「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」)が施行され、平成13年度から練馬区では「福祉のまちづくり総合計画」の策定に向けた取り組みが始まりました。その一環として、バリアフリー化を重点的に進めるためのモデル地区に西武池袋線中村橋駅周辺を選定し、交通バリアフリー法に基づき「中村橋駅周辺交通バリアフリー基本構想」の検討を平成15年度に行いました。 基本構想の策定にあたっては、障害者団体の方々や公募区民の方々の参加による「策定懇談会」ならびに、国、東京都、練馬区などの官公庁関係者、交通事業者、交通管理者、道路管理者、策定懇談会代表者からなる「策定委員会」を設置し、中村橋駅周辺でのアンケート調査やまち歩きを行いながら検討が進みました。 平成16年6月に基本構想が策定され、それに基づいて、平成22年度を目途に構想に盛り込まれた整備提案の具現化が進められ、現在の姿に変わっています。 イ協働による検討体制<3つの組織による検討> 検討を進めるにあたって、この構想策定では、「策定委員会」、「策定懇談会」、「庁内検討組織」の三つの組織がつくられました。 @策定委員会 交通事業者(西武鉄道、西武バス、東京都交通局、関東バス)、交通管理者(練馬警察署)、道路管理者(東京都第四建設事務所、練馬区土木部)、国(国土交通省関東運輸局)、都(都市計画局)、練馬区(保健福祉部、都市整備部)、策定懇談会代表(3名)を含めた14名で構成し、策定懇談会での意見を踏まえて検討を行い、その結果を策定懇談会に報告して次回の討議に付しながら策定を進めました。 A策定懇談会 地元町会(向山、貫井、中村西、中村東)、PTA(練馬三小、貫井中)、商店会(6商店会8名)、団体等(保育園父母の会、中村熟年クラブ松寿会、松みどり会、練馬障害児を持つ親の会、練馬区身体障害者福祉協会、練馬区視覚障害者福祉協会、計6名)、公募区民(11名)、合計31名で構成され、策定委員会に対して、バリアフリーに関する問題点、課題を抽出、解決策について議論、検討し、提案を行いました。 101ページ B庁内検討組織 練馬区福祉のまちづくり推進委員会第四部会がこれにあたり、策定委員会ならびに策定懇談会に対する資料作成や庁内調整を行いました。 102ページ ウ協働による取り組みの内容と成果<多様な意見の収集と懇談会による集約> @中村橋駅周辺の当時の状況と重点課題 西武池袋線中村橋駅周辺では当時、連続立体交差化事業が行われ、平成9年にはホームが高架化され、その後平成14年度に複々線化が完成、線路と駅舎の整備を終えたばかりでした。それに伴って駅舎のバリアフリー化はできていましたが、周辺整備には手が付けられていませんでした。駅周辺には商店街があり、練馬美術館、貫井図書館、サンライフ練馬、中村橋区民センター、中村橋福祉ケアセンター、貫井地区区民館、学童クラブ、練馬区立第三小学校などの公共サービス施設が多数存在し、高齢者や障害者の居住や通行も多く、かねてからバリアフリー問題は地区の課題でもありました。地元商店会が作成した「商店街活性化実施計画調査報告書」においても、福祉ケアセンターに配慮した駅周辺道路のバリアフリー整備の実施が提案されていました。また中村橋駅の南から西武新宿線、JR中央線に向けて運行されているバス路線は区内屈指の運行密度であり、その他にもバス路線があって、バス利用客にとってのバリアフリー問題も重要でした。 基本構想では、誰もが安心して生き生きと暮らせるまちづくりをめざし、駅周辺の歩行空間のバリアフリー化を進めるための整備方針を定めるとともに、地区全体の課題について、「自転車対策」「地区内の一方通行化や信号機の設置などの交通規制」「都市計画道路補助133号線(中杉通り:千川通り〜目白通り間)の部分開通に伴うバリアフリーの視点からのバス停の移設・ルート変更」の3つを重点的テーマとしました。 Aまち歩き点検(策定懇談会)により抽出された課題 福祉ケアセンター利用者や居住者へのアンケート調査とともに、車いす利用者、視覚障害者、聴覚障害者、高齢者などの協力を得てまち歩きを実施し、歩道幅や路面の凸凹などの道路の問 題、自転車、置き看板など路上の障害物の問題、商店街での大型車の通行など交通の問題、案内板の高さなど案内・サインの問題などの課題があげられました。 まち歩き点検結果を踏まえて議論を進めた結果、一部道路の線形改良変更、放置自転車対策、一方通行化などの交通規制による歩行者の安全性の向上などについて、具体的かつ実現の可能性をも考慮した複数の案の提示も行われました。特に重要なルートとして、中杉通り(商店街のある旧道の南半分)、中村橋駅から福祉ケアセンターに至る道筋の周辺道路を選び、重点的な整備推進が提案されました。また、歩車道間の段差問題や点字ブロック設置の問題では視覚障害者と車いす利用者、高齢者の間で利害が一致しないことが相互に認識され、バリアフリーをユニバーサルに昇華する難しさが実感されました。基本構想策定と並行して行われた練馬区土木部による実物段差実験では、8タイプに及ぶ段差処理に対する提案があり、擬似体験者を含め100名が実験に参加して各段差処理案の評価を行いました。 103ページ B策定懇談会からの主な提案の概要 障害者の通行が集中する区民センター(福祉ケアセンター)前の交差点は、特に重要な場所として丁寧かつ多面的な議論が行われ、音声誘導式信号機設置や交差道路の一方通行化による安全確認負担の半減、ハンプや一旦停止規制、自動車のスピード抑制手法採用、歩道の勾配や歩車道間の段差問題など足元の安全確保や視覚障害者への危険報知方法などの具体的提案が行われました。また、貫井図書館と練馬三小、西武線高架に接する三叉路の交差点では、千川通りから高架下を通ってアクセスする車との相互視認性が悪いことが問題視され、道路線形の改良変更や信号機の設置が提案されました。 歩行者(特にハンディキャップのある歩行者)の安全をより向上させる手段として、歩道幅をできるだけ広く確保できるように、対象地区の全面で車道の一方通行化を採用することが提案されました。美術館・図書館を含む区有地では、同街区をぐるりと回る形でのラウンドアバウトに類似する交通方式が提案されました。また、歩道における車いすの通行を安全かつスムーズにするために、歩道幅の拡幅や電柱の撤去、植栽帯の改良整備、歩道の勾配をできるだけ平坦に改良することが提案されました。さらに、視覚障害者の通行がスムーズになるように、歩道上の障害物の撤去と誘導ブロックの整備、ポイントでの音声誘導が提案されました。 連続立体交差化事業により西武線北側に新設された鉄道付属街路(6m)については歩行者優先に配慮した交通規制を導入することが提案されました。また、千川通り(旧道)を含めて放置自転車対策の強化が強く要望されました。道路網の整備についても、千川通りの旧道と新道(補助133号線)との間の道路整備に関する提案も行われました。 バス停については安全上や利便上の問題が多々あり、指摘も数々ありましたが、補助133号線の開通後の交通処理の問題等、かなり複雑な技術的要素が多々あったので、要望にとどめて関係者による専門的な調整に委ねられました。 【協働のポイント解説】 策定委員会で交通事業者、交通管理者、道路管理者、国、都、区と、まちづくりに関する事業・行政のほぼ全関係者が一堂に会し、そこに地元の商店会関係者や視覚障害者が懇談会の代表として加わることで、全方位的な議論がまとめてできたことが一定の成果に結びついたと考えられます。また、商店会や町会関係者(居住者)といった地元の権利関係者だけでなく、車いす利用者、視覚障害者、聴覚障害者、高齢者など通行者、利用者といった流動的な関係者が参加して検討が進められたことにより、従来型の地権者を主体とした「まちづくり協議会」を超える、より汎用的、具体的な成果を生みだせました。 この事業は、交通バリアフリー法という国の法律に基づいて行われたもので、国、都の支援制度を活用して行われ、具体的な時間目標と財政支援があったことが具体的な成果をもたらせました。時間目標と予算的な裏付けを得てまちづくりを行う機会を今後とも求めたいものです。そのためには日頃からよい企画をストックしておく必要を感じます。 電線・電柱がなくなった広い歩道、安全で快適なまち歩きが全区に広がりますように。 104ページ 4.「区立春の風公園かえる池の再生」に関わる協働の取り組み ア事業の概要 かえる池の再生を進めてきた『光が丘まちづくりフォーラム』は、地域コミュニケーションの充実を図るため、2003年に活動を開始、2009年からは、区立春の風公園にある「かえる池」を、みんなの憩える場に再生するためのプロジェクトに着手、現在、清掃活動を毎月第2月曜日に行っています。 春にはカルガモの親子や、オタマジャクシの姿が見られるかえる池ですが、近年外来生物の繁殖が目立つことが課題となっています。現在では清掃活動のほか、池の周りの木に樹名板を付けることや『かえる池見守り隊』による維持管理などを行っており、地域の方に愛され続ける場所にするための活動が展開されています。 イ協働による検討体制 <地域住民、光が丘まちづくりフォーラム、専門家の参加による計画の立案> かえる池の再生を牽引した『光が丘まちづくりフォーラム』は、練馬区都市計画マスタープランの地域別指針第四ブロック懇談会「光が丘、田柄、旭町、高松、土支田等」の参加者が平成15年5月に立ちあげた組織です。会では、毎年テーマを決めて、10月に開催される光が丘地区祭にて活動報告等の展示を行っています。 ◆「光が丘まちづくりフォーラム」の活動経緯◆ 【平成15年】光が丘地区祭(以降、毎年)で広報活動 【平成16年】ねりまの野菜を畑で収穫とまち歩き(白石農園) 【平成17年】「白子宿の湧水をたずねて」まち歩き 「さつまいも堀とやきいもをつくろう」光が丘公園 【平成18年】光が丘地域と今後の住民との関わり 【平成19年】光が丘CMコンテスト 【平成20年】かえる池再生プロジェクト 105ページ 【平成21年】かえる池再生プロジェクト(実態調査、観察会) 【平成22年】かえる池再生プロジェクト(区への呼びかけ、広報版の設置) 【平成23年】かえる池再生プロジェクト(再生作業(浚渫)、維持保全のための体制づくり) 【平成24年】「かえる池見守り隊」としての維持管理活動(かえる池及びその周辺の清掃活動、観察会の実施、学習機会の提供) 「かえる池の再生」に際しては、NPO法人生態工房の協力を得て、子どもたちや地域住民を巻き込んだ専門的な調査を実施したり、かえる池の再生に向けた区への要望提出・意見交換、活動を地域へ周知するための広報板の設置などを行い、再生が行われた後も、維持管理に向けた体制構築やニュースの発行を続けるなど、幅広く情報を発信しながら、継続的な活動を展開しています。 ウ協働による取り組みの内容と成果 <まちづくり活動の継続的な支援による協働体制と維持管理体制の構築> 平成20年度より取り組んでいる「かえる池の再生」は、平成21年度より練馬まちづくりセンターのまちづくり活動助成を受け、(平成21年)実態調査、観察会⇒(平成22年)区への呼びかけ、広報板の設置⇒(平成23年)再生に向けた浚渫、維持保全のための体制づくりが進められています。年を追うごとに活動内容が広がるとともに、区との協働によりかえる池の再生を実現していることが参考になります。 @【平成21年】かえる池再生プロジェクト(実態調査、観察会) 平成21年度に行った実態調査では、予想以上の外来生物が見つかり、従来の生態系が破壊されていることが明らかになりました。また、調査に際してポスターによるPRを行った結果、多くの住民がこの活動を知り、調査を見学しました。さらに、親子向けに行ったミニ水族館には約100名が参加、意見交換会やア 106ページ ンケート調査により、住民が考える「地域の今後のあり方」を収集するなど予想以上の成果を得る展開となりました。それらの結果を「かえる池」新聞として報告し、地域住民に広く周知する活動も行いました。 A【平成22年】かえる池再生プロジェクト(区への呼びかけ、広報版の設置) 前年度の成果を受けて、かえる池の再生を区に要望するために住民懇談会を2回開催、広報板の設置により広報活動を強化したほか、かえる池周辺の観察会を開催して住民の関心を高めました。その後、区に対して「かえる池再生事業の要望書」を提出し、平成22年度に部分的な事業実施、平成23年度も引き続き事業を実施するという回答を得ることができました。 107ページ B【平成23年】かえる池再生プロジェクト(再生作業(浚渫)、維持保全体制づくり) 2年間の活動を通じて「かえる池」再生プロジェクトは区の事業として予算化されました。 実施に際しては、練馬区土木部計画課公園計画係と協議を進めながら「かえる池」の浚渫しゅんせつを実施、25年間のゴミやヘドロを一掃しました。その中で、周辺の雑木の除去も同時に行われ環境整備が進みました。また、平成23年度の目標とした区と協働の維持管理体制づくりについては、『かえる池見守り隊』として組織化することができました。 これらの活動を3年間支援した練馬まちづくりセンターの「まちづくり活動助成」については、「助成事業により生物調査や掲示板ができただけでなく、整備後に見守り隊を立ち上げることができた」と、助成事業による支援の効果を高く評価しています。平成25年現在、かえる池のプロジェクトは継続されており、当初の理念と目標は健在です。今後も、この活動を引き継がれ、かえる池が地域の住民と生態系に潤いを与える空間として存在し続けることが期待されます。 【協働のポイント解説】 「実態調査⇒参加型観察会⇒行政への呼びかけ+地域への周知⇒具体的な整備の実施⇒維持管理体制の構築」といったように、地区レベルのまちづくり課題の解決に必要な段階ごとのミッションと体制づくりを着実に進めてきたことが、現在までの活動継続及び各場面での協働につながっています。 また、月1回の清掃活動や定期的な観察会の実施をはじめ、「かえる池」新聞の発行などの広報によって地域住民の方々の参加を呼びかけながら、常にオープンな組織であることを基本スタンスとして活動していることが、行政も含めた認知につながっています。 108ページ 5.「白子川護岸整備」に関わる協働の取り組み ア事業の概要 白子川では、御園橋〜三ツ橋(800m平成14.4.1河川予定地指定)の整備(25mmから50mmへの改修)が、平成15年から26年(3月竣工予定)にかけて実施されています。また、御園橋〜一新橋(約900m平成21.11.25河川予地指定)の工事が着手されています。 イ協働による検討体制 <地域住民と白子川関連住民団体並びに専門家の参加による計画の立案> 御園橋〜三ツ橋(800m)の整備では、右表に示すように、地域の5つの町会・自治会、白子川の環境を良くする活動を続けている2つの住民団体に、東京都と練馬区、並びに専門家が加わった『白子川整備検討会』が設立され、平成15年9月から17年4月まで、6回の検討会が開催されました。 なお、座長は練馬区の土木部の課長、副座長は地元自治会長、事務局は東京都第四建設事務が務め、検討結果は「白子川整備検討会報告」としてまとめられました。 ここで特筆すべきことは、行政から事業を実施する東京都と完成後の管理をする練馬区が参加し、住民も地元ばかりでなく、遠く離れた白子川源流地域や和光市の人々が参加し、さらに多分野の専門家など、多様な主体が加わっていることです。 109ページ ウ協働による取り組みの内容と成果 <多様な主体の参画による合意形成と事業実施> 『白子川整備検討会』では、御園橋〜月見橋並びに東映橋〜三ツ橋区間の、すでに取得されていた都有地(工事区間図のの部分)の整備に関して特に多くの意見が出され、図面ばかりでなく模型をもとに熱心な意見交換がなされ、最終的には住民の一提案を中心にした、東京都の案とは異なる計画に合意がなされました。 @御園橋〜月見橋の左岸の検討と合意東京都から出された当初の案が図-2です。これに対し、住民から種々の案が出され、最終的に図-3が採択され、できる限りこの案が実現できるように実施することになりました。工事完成後の写真(写真-1、2)のとおり、住民の要望がほぼ叶えられた整備がなされました。 110ページ 当初、住民から左岸の幅広い都有地を使った緩斜面の自然護岸とする要望が出されましたが、御園橋からの水流が左岸に当たり、さらに下流の月見橋にかけて右に蛇行していて、緩斜面にすることが水理学的に危険であると判断されました。その結果、ここは図-3の緑地として整備することに合意がなされました。 A東映橋〜三ツ橋の右岸の検討と合意 御園橋〜月見橋区間の検討過程で出さされた緩斜面の自然護岸とする要望が、この区間で実現できないかが、検討の最大の問題点となりました。住民側の種々提案に対し、東京都からは、前例のある石神井川の南田中のような、図-4の案が提示されました。これに対して、種々図面と模型による検討の結果、現在、合意形成された計画に基づいて工事が実施されていますが、緩斜面への自然石の利用など、詳細な事項については、一部住民と専門家が都の担当者と随時打ち合せがなされ、工事に反映されています。 111ページ Bその他の合意事項 川が見やすいように新しい防護柵(専門委員・伊藤清忠氏のデザイン)が使用され、また、橋にはつきものの親柱を省いたまったく新規の形式の橋が完成しています。さらに、人が多く集まると思われる東映橋の高欄には、白子川の昔の風景、その裏面には東映のアニメを描いたプレートが取り付けられました。 【協働のポイント解説】 行政から事業を実施する東京都と完成後の管理をする練馬区が参加し、住民と多面的な協議ができました。また、住民も工事区域に接するすべての町会、自治会が参加するばかりでなく、遠く離れた白子川源流地域や和光市の人々が参加し、川のあり方を基調とした議論がなされ、従来の都市河川の概念から脱した新しい親水護岸を実現させることができました。この際、多分野の専門家のアドバイスが、議論を円滑にする大きな役割を果たしました。最も重要な事は、参加者が氏名を明かし記録に残して、無責任にならない様に留意した点です。 112ページ 6.「みんなの広場公園の整備・維持管理」に関わる協働の取り組み ア事業の概要 練馬区石神井町8丁目に位置する「みんなの広場公園」(都市計画公園名:石神井八丁目公園、面積:約3,680u)が街区公園として整備されることになったのを契機に、地域にふさわしい公園整備への提案のみならず、地域住民による主体的な公園の活用・管理方法についても提案し、「練馬区まちづくり条例」の住民提案制度である施設管理型地区まちづくり計画の第1号認定を受けて、その認定まちづくり協議会であるNPO法人『公園づくりと公園育ての会』が区と協定を締結しながら「みんなの広場公園」を維持管理しています。 イ協働による検討体制 <地域住民による公園の活用・管理を見据えた組織の設立> 石神井町八丁目にあった空き地「みんなの広場(通称)」は、約30年前から近接する私立幼稚園の第二園庭として園児だけでなく地域の子ども達や多くの住民に利用されてきました。10年程前に公園予定地として練馬区の所有になった後も、近隣住民によって組織された『石神井みんなの広場運営委員会』が区公園緑地課から使用許可を得て管理運営にあたり、以前と同様に安全利用を守り続けてきました。 その後、この広場が都市計画公園として計画決定されたことによって街区公園としての位置づけが明確になりましたが、地域住民から「これまで同様の利用をしたい、サッカーゴールを継続して置いてほしい」という声が多く挙がり、今まで以上に地域住民と広場との関係性が濃密なものとなったことから、平成19年(2007年)11月に、住民同士あるいは区との意見交換の場として『みんなの広場住民協議会』が発足され、地域にふさわしい公園整備のみならず、将来にわたる公園の管理と利用を「地域住民が、練馬区並びに施設管理者に協力し実現を図ること」を目的に、地域に密着した「公園づくりと公園育て」の活動が開始されました。 『みんなの広場住民協議会』では、平成19年(2007年)12月からほぼ毎週のペースで、地域住民が安心して生活できるような地域の中心施設となる今後の公園のあり方や地域住民自ら主体的に公園の運営管理に参加しながら地域の安全や暮らしを守り育てていくための仕組みづくりについての話し合いを進めてきましたが、このような住民活動をより具体的に実施してくために 113ページ は、活動の公開性(住民が合意していること)と公益性(住民の利益であること)をより明確にすることが必要になってきたことから、『みんなの広場住民協議会』の主体となる世話人でNPO法人『公園づくりと公園育ての会』を平成20年(2008年)8月に設立し、引き続き『みんなの広場住民協議会』を運営することになりました。 ウ協働による取り組みの内容と成果 <「まちづくり条例」の活用による地域住民による公園の維持管理> @施設管理型まちづくり協議会の認定と「公園育て計画」の作成 『みんなの広場住民協議会』の活動は、すべて公園周辺に住む地域住民によって行われ、世話人会を中心に約40名が参加しながら行われました。基本的には、世話人による提案を広く住民に公開して意見を聴取し、それを反映・修正して合意を得るという作業を繰り返し、ほぼ毎週のペースで、下記についての話し合いを進めました。 @住民の暮らしの中でどんな公園であるべきか(コンセプト) A誰(男女、年齢)がどのように利用したいのか(利用) Bデザイン(遊び場、遊具、歩道、ネット、水飲み場、倉庫やその位置)(整備) C実際にどう使われるだろうか(運営) D誰が清掃、安全管理するのか(管理) E施設管理者(練馬区)との協議の仕組み 平成20年(2008年)5月には、練馬まちづくりセンターのまちづくり活動助成「はばたき部門」の助成を受けて「みんなの広場ニュースレター」を定期的に発行(各回100〜200部)するとともに、区公園緑地課との協働による「掲示板」設置などにより、地域住民への広報・周知活動にも努めました。 平成20年(2008年)8月には、世話人でNPO法人『公園づくりと公園育ての会』を設立し、同年11月には、『公園づくりと公園育ての会』が練馬区から「施設管理型地区まちづくり協議会」に認定され、「みんなの広場公園」開園後の住民主体による管理・活用を行うための施設管理型地区まちづくり計画となる「公園育て計画」の作成を開始しました。この「公園育て計画」は、『公園づくりと公園育ての会』による計画案の作成及び『みんなの広場住民協議会』による地域住民への説明・意向把握を積み重ねながら進めました。その結果、平成22年(2010年)9月に区初の「施設管理型地区まちづくり計画」として認定され、「施設管理型地区まちづくり協議会」である『公園づくりと公園育ての会』が、「公園育て計画」に基づき、球技なども楽しめる広場をもつ公園の特徴を活かして、遊びやスポーツ教室活動な 114ページ どを中心に、地域のまちづくりに資する事業や公園の清掃・見回り活動を行っていくことになりました。 A「みんなの広場公園」の整備 これまでの『みんなの広場住民協議会』による主体的な検討や区公園緑地課との意見交換会などによる協議の積み重ねにより、平成21年(2009年)10月には、住民の意見をほぼ反映させた公園デザインに基づいて区が公園工事を着工しました。 これに先立ち、平成21年(2009年)3月には、「みんなの広場」お別れイベントとしてスケッチ大会を開催し、74名の子どもたちが参加しました。子どもたちには旧広場を自由にスケッチしてもらいましたが、大半の子どもたちは、旧広場のシンボルであったサッカーゴールを描きました。このイベントで描かれた全スケッチは、工事期間中、周囲の防御壁に展示しました。 平成22年(2010年)4月、「みんなの広場公園」が開園しました。『公園づくりと公園育ての会』の呼びかけに応じた住民・利用者が、計画認定に先立って清掃活動や自主的な見守り活動を実施しました。サッカーゴールはこの時点では未設置でしたが、開園イベントには350名の地域の子どもたち、大人たちが参加しました。そして、「公園育て計画」が「施設管理型地区まちづくり計画」として認定されたことに伴い、同年12月、区が都内の街区公園で唯一のサッカーゴールを設置しました。 B地域住民組織による公園の管理と活用 現在は、球技なども楽しめるグランドがある公園の特徴を活かして、遊びやスポーツ教室活動などを中心に、「公園育て計画」に基づいて、毎年度、区土木部計画課に事業計画を提出した上で、地域のまちづくりや公園の清掃や見回りなどを継続しています。 主な活動内容は以下のとおりです。 115ページ ◆公園の維持管理(清掃及び施設点検) ・区と協定を結び、日常清掃とともに、遊具や設備の軽度の点検を実施 ◆公園の運営管理(安全の確保) ・住民と協力して平日の午後3時間、休日の終日に見守り活動を行うことで、地域住民の安全と快適な公園利用を促進 ◆イベント(まちづくり協議会事業:誰でも参加可能) ・サッカー教室(週2回、年長〜小学生対象、約70名) ・ゲートボール(週2回、3団体、約20名) ・防災教室、ジョギング教室、リフティング大会、親子サッカー大会、震災募金活動 【協働のポイント解説】 行政に対しても、また地域住民に対しても『公園づくりと公園育ての会』が住民の窓口となることを明確に位置づけ、設立当初に定めた目的・役割・公平性・非営利であることなどを変更することなく実行したことが、協働による公園の管理・活用を実現した大きな要因と言えます。 また、まちづくりセンターなど専門家のサポートを得ながら、公園条例や行政の責任、他の公園における前例、本活動における住民の権限について地域住民に時間をかけて説明するとともに、地域住民から広く意見を収集して合意を得た提案にしたこと、さらに、事業や維持管理の提案を住民が継続できる無理のない範囲の提案としたことで行政の信頼を得ることができました。 116ページ 7.「千川通り(補助229号線)拡幅事業」に関わる協働の取り組み ア千川通り(補助229号線)拡幅事業の概要 本事業は、上石神井一丁目の伊勢橋〜立野橋間の430mにおいて、道路幅員を5.5mから20mに拡幅する事業です。また、この事業区間に隣接する千川上水緑道の一部は道路用地となっており、拡幅事業の所管は東京都、緑道の所管は練馬区と担当が分かれています。 平成14年2月25日事業認可され、現在新たな片側の歩道が開通し、なお工事中です。 イ協働による検討体制<まちづくりグループ『まっぷす』による事業への提案> 『まっぷす』は、都市計画マスタープラン地域別指針策定の際の第7ブロックに参加した地域住民が中心になって平成15年7月に結成した地域のまちづくりグループです。 平成16年10月、『まっぷす』は千川通りの拡幅事業に関心をもち、担当部署の東京都第四建設事務所に資料の閲覧と説明をもとめ話し合いを行いました。さらに同年12月、千川上水緑道公園を管理する練馬区公園緑地課との話し合いにおいて、区は緑道の樹木調査をして道路に取り込まれる部分の樹木の移植を要望していることを確認しました。そこで『まっぷす』は、19年度から4年間、練馬まちづくりセンターの活動助成を得て、完成すれば併走することになる歩道と緑道との一体的整備をめざし、地域住民の参加するイベントを開催し話し合い、道路の設計が進んでいくペースに合わせ具体的な提案を続けました。 ウ協働による取り組みの内容と成果 <道路・緑道整備計画に合わせた修景的なまちづくりの提案> @「千川上水プロムナード構想」の提案 『まっぷす』は、平成19年10月に初の主催イベントを開催し、その結果を「千川上水プロムナード構想(7つの提案)」としてとりまとめました。さらに、平成20年11月には、2回目の主催イベント「遊歩道のデザインをみんなで考えよう!」を開催し、買収済みの道路用地に新しい道路境界線、歩道線を引き、街路樹の位置、高さを確認するため樹木に見立てた風船をあ 117ページ げるとともに、フェンス沿いにパネルを並べ、千川上水緑道への希望や街路樹種の好みを調査しました。そして、このイベントでの調査結果等を反映した「千川上水プロムナード構想(10の提案)」を作成し、第四建設事務所に提案するとともに、地域住民にも広く周知しました。 118ページ A樹木の移植場所に対する提案 平成21年8月には、『まっぷす』主催でイベント「樹木移植検討会」を開催し、大木に育った樹木をどの場所に移植するかについて話し合いました。イベントでは、2通りの案の模型を用意し、歩行者の視点、車からの見え方、周辺環境とのバランス等を中心に検討しました。 このイベントでの成果を第四建設事務所に提案した結果、平成21年12月に開催された第四建設事務所主催の住民説明会で配られた樹木移植案には、『まっぷす』からの提案が取り入れられました。 B歩道と自転車レーンのデザインに対する提案 平成22年になって千川通りの拡幅事業がいよいよ本格化するなか、「千川上水プロムナード構想(10の提案)」のうち、第四建設事務所が歩道上に自転車レーンをつくる案を取り入れたことから、『まっぷす』は、平成22年9月及び12月に自転車レーンについて考える公開の勉強会を開催しました。勉強会では、完成した時に、自転車、歩行者が安全に利用できるよう専門家を招いて検討し、路面の色、標識の高さ、歩行者との合流部の注意喚起など実施にあたり注意する点をまとめ、第四建設事務所へ提出しました。 119ページ 【協働のポイント解説】 東京都の千川通り拡幅事業は、練馬区管理の緑道の一部と重なっていました。道路はどの様になるのか。緑道の樹木や景観はどう変わるのか。街路樹に見立てた風船や道路幅を示したイベントを行い、多く人の意見を集め提案が創られました。樹木の移植や歩道・自転車レーンの勉強会を行ないさらに提案を行いました。 まちづくりセンターの活動助成金を利用、多くの人の意見を集めるイベントの開催、行政と情報を共有しての話し合い、良い計画にしたいという皆の熱意がこの景観を生み出しました。 120ページ 8.「春日町周辺の環状8号線整備」に関わる協働の取り組み ア事業の概要 春日町周辺では、環状8号線と補助172号線、都営地下鉄12号線(大江戸線)の新駅整備など、多くの都市整備が進められました。その中でも環状8号線の練馬区間は、東京都と地域住民との協議によって本線掘割や環境施設帯、遮音壁などの環境対策が施された一般道路としては画期的な道路として平成18年(2006年)5月に全線開通しました。 イ協働による検討体制<地域住民組織による協働型のまちづくり運動> 今から30年近くも前、春日町は富士街道と豊島園通りが交わるところでしたが、愛染院に近く、葡萄畑などの豊かな田園風景が残る一方、鉄道駅から遠く、交通が不便な地域でした。しかし、光が丘の計画が進むと、新宿からの都営地下鉄、川越街道から環状8号線と補助172号線によるアクセスの事業化の計画が浮かび上がりました。新宿と光が丘を結ぶ都営地下鉄の駅が予定され、環状8号線と補助172号線が交差し、光が丘方面に車を誘導する中の宮交差点は交通の要衝として位置づけられることになりました。そこで、従来の25m幅員の道路計画に対して、当時公害が心配された環状8号線本線の掘割構造化、中の宮交差点を地下で通過する案が採用され、残る平和台から掘割区間に至る一般部は沿道地区計画で対処されることになりました。なお、平和台交差点から掘割区間までの間は、未然防止型の沿道地区計画が決定されたもので、その後の動きを見ると、環状8号線の整備は、環境対策を伴うことが基本とされています。 このような環境の激変に巻き込まれた地区で、駅予定地区を中心に地元住民の会が発足しました。当初は公害反対運動の様相を見せ、都議会への請願などにより、環状8号線の掘割構造化を勝ち取りましたが、その時点で環境に重点を置く方々は会を去りました。残ったメンバーは、今から20年ほど前になりますが、都や区と協議を進めるべく『春日町新駅周辺街づくりの会』(昭和60年7月21日設立)をつくり、環状8号線の延伸に加え、補助172号線の整備、練馬春日町駅再開発計画、富士街道の拡幅計画など、この地区で生じた様々な計画に関与することになりました。その後、平成5年5月には会の名称を『練馬春日町駅周辺街づくりの会』と改名し、活動を続けました。 121ページ ウ協働による取り組みの内容と成果 <地域住民と事業者との密な議論の積み重ね> @環状8号線整備における協働の取り組み 環状8号線の延伸事業に先立ち、高松中交差点以西の区間になされた環境影響評価により、平面区間は環境施設帯の設置が必要であるとされ、36m幅員に都市計画を変更し、目白通り以西については沿道住民の意向に合わせて遮音壁を併設する本線半地下の構造が採用されまし た。板橋区区間も含めて、環状8号線の拡幅、新設区間は、沿道地区計画で対応を施した既存の環状7号線や笹目通りに連なる環状8号線などと比較して、一般道路にあっては驚くほどに環境対策が施されています。 その結果、事業計画区間であった高松中交差点以東の地上平面区間は25m幅員のまま残されました。しかし、沿道環境対策のためには、新設される西側区間と同様に、遮音壁を併設する環境施設帯の設置を必要とされ、25m区間について36mに拡幅する必要が生じました。 環境影響評価以前に、都市計画決定通りに25mで事業が認可されていた道路区間に対して、都市計画変更の理由はありませんでした。住民と東京都が協議を重ねた結果、都市計画幅員を変えず、道路事業の手法を用いて片側5.5mずつ拡幅し、平面区間のすべてに10mの環境施設帯を設けることになりました。併せて、地域分断防止のために透光型遮音壁、車速を落とすためのコミュニティ道路型の副道(ふれあいロード)計画が採用されました。 このような『練馬春日町駅周辺街づくりの会』の活動や東京都との協議の過程については、一部行政による印刷費等の支援を受けながら「まちづくりニュース」を随時発行し(約1,200部)、メンバーの手によって沿道地域の住民に配布・報告しました。また、道路の拡幅及び環境施設帯の設置については、環境アセスメントがなされた当時、25m区間の両側に植木畑が残されており、『練馬春日町駅周辺街づくりの会』のメンバーが地主さんに打診しながら用地買収の話が進んだことも幸いしました。 122ページ A「協働によるまちづくり」を進めた中でのいくつかのエピソード 『練馬春日町駅周辺街づくりの会』は、行政との協議を進める一方で、活動を通じて様々な成果を生み出しました。 【環状8号線旧中央分離帯に植栽されていた樹木の保育園への移植】 平成11年(1999年)、春日町5丁目都営住宅前の旧中央分離帯にあった楠3本、中木25本の樹木を東京都住宅局の理解により隣接する春日町第3保育園に移植するとともに、0歳児保育室の冷房、遮音塀への窓の設置など、事業に合わせた対応が施されました。 【環境施設帯に部分的に側道を設けて沿道サービスを試みたこと】 当初都からの提示は全区間4mの副道であり、副道も前後の掘割構造区間の地上部と同様に、通過交通を受け入れる構造になっていましたが、アクセントをつけ、優しい構成にしました。 【透光型遮音壁の設置】 環境アセスメントの結果、中学校に対して環状8号線に4mの遮音壁が必要とされました。それに対しても議論が重ねられ、景観面、地域分断の心理的防止という点から透光型のものを採用することになりました。このことも、都の英断のひとつとして評価できます。 123ページ 川越街道以西の区間での対策は本線を遠ざけることを基本的な考え方としましたが、この区間では空間的な共存を考えようとしています。両者の遮音壁と比べるとその差が分かります。 【八幡神社前の歩道橋計画から横断歩道への変更等】 八幡神社前については、当初環状8号線の交通性能を高めるために立体歩道橋が計画されていました。それに対して『練馬春日町駅周辺街づくりの会』では神輿渡御を理由に協議をした結果、歩道橋から信号付き横断歩道へと変更されました。これは、東京都第四建設局の担当課長がたまたま神輿に理解ある方だったことも幸いしました。 また、道路区域となり本来伐採される予定だった八幡神社の樹木の一部が、地域の要望も有り、完成後の環状8号線にそのまま残されることとなりました。 【花壇の管理】 環状8号線の完成後、障害者団体と『練馬春日町街づくりの会』が一緒になって、環境施設帯に設けられた花壇を管理しています。環境施設帯は都道の一部ですが、水については、近くの公園から練馬区に提供してもらっています。 また、「春日町6丁目地区地区計画」区域内の公園予定地の一部を小広場として活用することを提案し、現在、クローバ広場として会が管理しています。 【補助172号線の桜並木整備】 会として東京都に要望するとともに補償交渉などにも関与していく中で、東京都は補助172号線に桜並木を整備しました。 【まちづくり読本「春日町に住む77人に聞いた街の移り変わり」の作成】 これまでの活動の総仕上げとして、練馬まちづくりセンターの「まちづくり活動助成」を受けて、春日町に古くから住んでいる方への聞き取り調査を約2年間かけて実施し、その結果を「春日町に住む77人に聞いた街の移り変わり」という冊子にまとめました。春日町に住む子どもたちに、春日町の昔の生活を伝えたいと考えたためです。 【協働のポイント解説】 リーダーの特質にもよりますが、補助172の整備、練馬春日町駅再開発計画、富士街道の拡幅計画、及び環状8号線の延伸など、この地区で生じた様々な計画に関与していく中で、幹線道路の計画への住民参加としては珍しく、対立型の公害反対運動ではなく協働型のまちづくり運動であったことが、協働による取り組みを実現した大きな要因といえます。 環境施設帯など、沿道環境に配慮した道路事業の採用にあたって、都の担当窓口の英断がありました。その英断を後ろ押ししたのは、当時月1回開かれていた『練馬春日町駅周辺街づくりの会』と東京都第四建設局の協議の場において、相互の信頼の下で議論が重ねられたことであったと思われます。 124ページ 提案作成を終えて(平成26年2月) 「都市計画マスタープラン自主懇談会」は、『練馬区都市計画マスタープラン(全体構想:平成13年3月策定、地域別指針:平成15年6月策定)』の見直しに併せて、練馬区都市整備部都市計画課が主催した「都市計画マスタープラン区民意見交換会(平成25年5月〜11月開催)」に参加した区民メンバーの有志が集まり、区民意見交換会での意見をさらに掘り下げ、練馬区におけるこれからのまちづくりのあり方について具体的な提案をするために組織されました。 区民意見交換会の開催後は、都市計画マスタープランの実現化に向けて欠かすことのできない「協働のまちづくり」の原則について、これから取り組もうする区民のみなさんに、もっと分かりやすく伝えられないかと話し合っていく中で、まずは先人に学ぶ、つまり、前回の都市計画マスタープラン策定後から現在までに、実際に住民と行政との協働によって取り組まれたまちづくりの実績を数地区とりあげて整理してみようということになりました。 今回、区民有志に加え、練馬まちづくりセンターのスタッフが、自主懇談会に参加し、とりまとめに尽力していただいたことにより、作業の積み重ねを本書という成果にすることができました。 今後は、本書が現在見直し中の都市計画マスタープランに反映されるだけでなく、さらに都市計画マスタープランに方針づけられた「協働のまちづくり」を具現化していくためのきっかけになれば幸いです。 【都市計画マスタープラン自主懇談会参加者(あいうえお順)】 足立栄子 伊東利孝 大内靖夫 大住徹 大屋みのり 奥村隆史 小野勝海 小場瀬令二 要久美子 久間常生 小泉秀樹 駒井康一郎 近藤純子 杉岡修 高橋葉子 武田実代子 田村晴久 冨田杏二 阪西淳史 久村克彦 平山竜也 本間俊弘 的野碩郎 田中麻起子 蒔田實 山口忠志 【とりまとめに当たってご協力いただいた方々】 熱海郁三さん(潟nオ技術コンサルタント事務所) 中島成和さん(NPO法人公園づくりと公園育ての会) 125ページ 第3部まちづくりセンター主催によるねりまちコレカラ集会で出された提案等 127ページ はじめに(「ねりまちコレカラ集会」とは) 練馬まちづくりセンターは、「練馬区都市計画マスタープラン(全体構想:平成13年3月地域別指針:平成15年6月)」策定および練馬区まちづくり条例(平成17年12月練馬区条例第95号)施行の流れを受けて、平成18年4月に開設された機関です。 練馬まちづくりセンターは、これまでにも様々な視点から住民主体のまちづくりを応援してきましたが、開設から10年が経とうとしています。そのため、「練馬区都市計画マスタープラン」の改定にあわせて、社会経済情勢の変化や区民の方々が実践するまちづくり活動の活発化なども踏まえ、改めてこれまでの練馬区における住民主体のまちづくりの経過を整理することにしました。そこで、これからの練馬にふさわしい住民主体のまちづくりの方向性について見つめ直す契機として、「ねりまちコレカラ集会」を開催しました。 「ねりまちコレカラ集会」では、まちの身近な課題をとらえた住民の自発的・主体的な活動(まちづくりのタネ)を探り出しました。そして、その一歩先の姿をまちづくり活動者と一緒に考えることによって、これから10年間の練馬における住民主体のまちづくりの方向性(住民主体のまちづくりのコツ)を明らかにするよう努めました。 その際、参加者と一緒に議論したテーマは、主に以下の4点です。 もっとまちの魅力を上手にとらえて、発信していくことが必要では? →まちの魅力づくり →まちのプロデューサー・コーディネーター 練馬に暮らしているからこそ見えてくるつながり方があるのでは? →地域の連携・つながり →若者が練馬で暮らし続けられるようにする →地域とつながりながら働く 多様な人やテーマにとっての居場所とは? →居場所づくり →空き家・空き部屋・空き店舗の活用 もっと公共施設を有効に使えないか? →公共空間の協働管理 →道路空間の有効活用 →小学校の空き教室の活用 →バリアフリー・ノーマライゼーション 4点とも、自らが住み続けたいと思えるような快適な生活環境と豊かな地域社会を実現するために、住民自身としてどのようにすべきかというまさに“住民目線”に立ったテーマです。 つまり、これらのテーマに沿ってとりまとめた次ページ以降の「住民主体のまちづくりのコツ」は、これから10年間の練馬における住民主体のまちづくり=区民自らが主役となって出来そうなまちづくりについて、区民の方々と一緒に考え・共有した結果が反映されたものと言えます。 ぜひ、「住民主体のまちづくりのコツ」を読んでいただいた区民の皆さまが、自ら主体となって練馬のまちをさらに暮らしやすくしていくための一歩を踏み出していただけるよう願っています。 128ページ 【「ねりまちコレカラ集会」の開催経過】 ねりまちコレカラ集会(その1)日時:平成25年3月20日会場:武蔵大学1号館 練馬区におけるこれまでのまちづくり活動を振り返った「まちづくり年表」などを示し、皆さんにこれから10年間の練馬におけるまちづくりを考える上でおさえておくべき社会的課題などを出していただきました。それをもとに「住民主体のまちづくりを考える上でのキーワード(視点)」について話し合い、共有しました。 まちづくり講座・まちづくりカフェ 「住民主体のまちづくりを考える上でのキーワード(視点)」を掘り下げるために、まちづくりに関する情報や学習の機会の提供を?的とした「まちづくり講座」やまちづくり活動者や一般参加者と一緒に語り合う場「まちづくりカフェ」を開催しました。 <まちづくりカフェのタイトル> 第1回:まちの風土と暮らしを心地よくつなぐ『いち』〜風土と暮らしをつなぐ「いち」でまちの魅力をプロデュースする 第2回:子育てサロンで地域デビュー〜子育ての現場から、ねりまにふさわしいまち暮らしを考える 第3回:図書館、まちづくり的大活用!〜「図書館」「児童館」を大変身!まちの公共施設をまちづくり的に使いこなす 第4回:町会座談会〜心地よく安心して暮らせる地域づくりを語りあう〜町会って、どんなことをしているの?人とまちの魅力をつくりだす地縁活動 第5回:活動拠点を開くってどういうこと?〜暮らしとまちがつながるまちに開かれた交流の場所をつくる ねりまちコレカラ集会(その2)日時:平成25年11月会場:練馬区石神井庁舎 皆さんに「練馬区都市計画マスタープラン(中間のまとめ)」や「まちづくりカフェの成果」を確認しながら、「10年で自分たちが主役になってできそうなまちづくりアイディア」を提案していただきました。それをもとに「これから10年で住民主体のまちづくりを進めていく上でのコツ」について話し合い、共有しました。 ねりまちコレカラ集会(その3)日時:平成26年3月会場:武蔵大学1号館 「その2」で導き出された「まちづくりのツボ」をたたき台に、他地区(谷中界隈)における住民主体のまちづくり実践例を話題提供していただきました。その上で、皆さんとまちづくり活動助成事業審査委員が一緒になって、どうすれば実現できるのかという視点から「まちづくりのコツ」をさらに掘り下げ、共有しました。 129ページ ■住民主体のまちづくりのコツ 1.ねりまにふさわしい『まち暮らし』を考えよう 地域とのつながりを大切にしていく… 暮らしの中から見えてくる人の輪 ・区民のみなさんが主体となって活動を広げていくときに、まちづくりのことをどのようにして近所の方々に理解してもらうか、一緒に活動する環境をつくれるかということは大きな課題になってきます。その課題を乗り越えていくためには、暮らしながら、生活しているからこそ見えてきそうな「まちに暮らす人たちの輪」に着目していくとよさそうです。 地縁組織の活動に参加する ・「まちに暮らす人たちの輪」のひとつとして、町会・自治会などの地縁組織が挙げられます。震災などのいざという時には、地縁組織が大きな役割を果たすはずです。そのために普段から町会活動に参加できるような工夫をしながら、顔の見える関係をつくっておくことも大切です。例えば、防災訓練やまちの美化などの地域活動、あるいは「町内の庭めぐり」といったようなことを地縁組織とまちづくり活動団体が同調しながら進めることで、家に閉じこもりがちな高齢者や小・中学生とまちの人との交流へとつなげていくなど、子ども・高齢者を取り巻く社会的問題への解決の糸口にできるかもしれません。 地縁組織とまちづくり活動団体がコラボレーションする ・最近のまちづくり活動は様々な団体がつながることで活性化しています。ただし、町会・自治会とのつながりはあまり活発ではない地域も多々見受けられます。そこでこれからは、NPOなどの団体が町会と地元をつなぐ地域コーディネーター的な役割を担うことによって、停滞気味の活動を活発化させることも考えられます。例えば、従来型の地縁的なつながりに、水・みどり・歴史といったテーマに軸性を置いた新たなまちのつながりを加えていくことも考えられます。 マンション同士で連携 ・また、集合住宅が年々増加していく中で、集合住宅に住まう人たちが既存の地縁組織と顔の見える関係をつくりにくいという声もよく聞かれます。例えば、「マンション隣組」といったように、地域のマンション同士で防災活動などに取り組んでいくことで、地域全体とつながっていくきっかけになるかもしれません。 130ページ 個と地域の連携によってまちの環境を守る・管理する… 個人の財産をまちの財産として守り育てる ・また、個人の財産を「まちの財産として守り育てる」という考え方を持つことで、新たな「まちに暮らす人たちの輪」がつくれそうです。例えば、生垣や庭先などを個と地域を結びつける境界空間としてとらえ、これらを「見せるみどり」「使えるみどり」としていくことで、まちの財産として共有化されます。これからは高齢世帯がますます増えていきます。家や庭などの個人の財産を高齢所有者の手だけで維持・管理することが大変になってくると、いっそのこと、庭のみどりをなくしてしまうということになりかねません。そうならないようにするためには、個人が所有する家・庭の管理をまちの人が応援するしくみを考える必要があります。例えば、「ガーデンヘルプ」として、高齢者や要介護者の方のお庭にまちの人が入り、その方と日常的な会話を楽しみながら手入れをすれば、庭の維持管理もできるし、ひきこもり防止にもなるし、まちの景観も保持されます。さらに剪定した木や実を活用したワークショップ(クラフト・料理・アロマコスメなど)を行い、活動の資金を得ることができれば、みどりの街並みはお宝となります。 ひとり一人の取り組みをまちぐるみへ ・「個と地域の連携」のもうひとつの考え方として、「雨水浸透枡の設置」や「窓あかり運動」などのように、一人ひとりができることをまちぐるみでPRしていくことによって、地域の課題解決につなげていくことも考えられそうです。 若者や子育て世代がまちなかで活躍する、地域に根ざしたサービスをビジネスにつなげる… 若者が地域と関わり続ける ・これからのまちづくりの担い手として期待される若者の視点に立てば、「コミュニティの中で働く」ということが考えられます。江古田には3つの大学があり、自らが大学で勉強してきたことの延長としてまちに残りたい、あるいは、卒業後に社会経験を経てまちに戻ってきて働きたいと願う若者も少なくありません。このような若者が、自分たちの力を発揮し続けながらまちに残ろうとする取り組みをみんなで支えていくことが大切です。 地域課題の解決を仕事にする ・さらに、若者に限らず、子育てが少し落ち着いた母親、生活はできるが自分のために働きたいという人が活躍できる場がまちの中につくられれば、「まち暮らし」は一層豊かなものになります。すでに、練馬には、「まち暮らし」からまちづくり活動へとうまくつながっていった人たちもいま 131ページ す。特に、地域に根ざしたサービス:健康・いやし・豊かな暮らし=「いきいき産業」はコミュニティビジネスにつながるチャンスがありそうです。そのためにも、まずは、「地域に残りたい」「地域で働きたい」と願っている人たちの思いをつなぎとめ、まちづくり活動をスタートさせるための後押しになるようなことをみんなで一緒に考える必要がありそうです。 まずは「ホビネス」ぐらいの気持ちから ・地域で働くために、いきなりコミュニティビジネスを始めるとなるとハードルが高くなります。まずは、趣味とビジネスの中間ぐらいの「ホビネス」くらいの心構えでまちづくり活動を始め、活動を通して人とつながっていったり、地域の課題を掘り下げていったりするとよいかもしれません。 ねりまちコレカラ集会で出された「住民主体のまちづくりアイディア」 『地域とのつながりを大切にしていく』 1)町会活動を通じた顔の見える関係づくり ・防災・炊出しキャンプ(防災飯ごう炊飯)を町会ごとに年1回開催する。 ・町内会の庭めぐり ・庭に食べられる実のなる木を植えて、おすそわけパーティを開催する。 ・町会活動単位を○○丁目より小さい○○番地ごとにすると活性化するかも。 ・新旧住民が交流する場づくりのために、デジタルとしてホームページをつくり、アナログとして交流会を開催する。 2)子ども達とともに行うまちづくり ・まちの美化・地域活動 ・家に閉じこもりがちな高齢者とまちの人、小・中学生との交流 3)マンション隣組 ・地区のマンション同士で防災勉強会・訓練。(例:エレベーターがとまったら…水がとまったら…ドアが開かなくなったら…など) 4)地縁組織とまちづくり活動団体とのコラボレーション ・NPOなどの団体が町会と地元をつなぐ地域コーディネーター的な役割を担うことによって、停滞気味の活町会・自治会動を活発化させる。 ・従来型の地縁組織だけでなく、これからは、古道や水、河川、みどりといった部分に軸性を置いた新しいまちのつながりをつくっていくことができないか。 ・町会への加入に関わらず、ひとりのまちの人として地域のお祭りなどに参加できるようになるとよい。 ・町会活動や学校とのつながりをつくるための仲介役、きっかけを教えてもらえるとありがたい。 132ページ 『個と地域の連携によってまちの環境を守る・管理する』 1)みどりの街並みづくり ・生垣、ガーデニング、みどりのカーテンなど、見えるみどりを創出する。 ・使えるみどり資源を増やす。 植物活用のワークショップ(クラフト・料理・アロマコスメなど)を行えば、みどりの街並みはお宝となる。 ・地域ごとにテーマカラーを決めてその色の花等をプランターに植えて統一した町の景観をつくり出す。 2)ガーデンヘルプ ・お屋敷の庭の維持管理を、まちの人が応援するしくみをつくり、65歳以上の在宅の方のお庭に入り、その方の質感を落とさない庭の手入れをしながら景観も保持する。 ・木が大きくなり過ぎたお宅のお手入れを援助するための資金調達として、作った小物を売って一部を援助する。 3)雨水の活用「雨水浸透枡」の促進 ・雨水浸透枡を設置しただけでは湧き水は増えないが、防災に役立てることができる。 ・小金井市の成功事例をみると、父ちゃん・母ちゃん・水道屋さん・行政…みんなが協力して儲かるしくみになっている。 ・家庭での雨水の貯留・浸透、降雨時の水利用の制限によって、水害に強いまちにする。 4)安全・安心のまちづくり ・仕事帰りの女性も安心!道路側のライトを12時まで消さない「窓あかり運動」を実施する。 ・夜のまちにたむろするワルたちをパトロール隊として雇用する。 『若者や子育て世代がまちなかで活躍する、地域に根ざしたサービスをビジネスにつなげる…』 1)若者が活躍できるまちづくり ・学生がまちと関わるために、イベントだけではなく、パーマネントとして生活できるように支援するための仕組みがあるとよい。 ・いきなりコミュニティビジネスを始めるのではなく、まずは、趣味とビジネスの中間ぐらいの「ホビネス」くらいの心構えで、人と人をつないでいったり、お得意さんをつくっていくとよいのでは。 『その他のまちづくりアイディア』 [まち暮らし]×[安全・安心] ・防犯灯を青色街灯にする。 ・「ボーサイ、ボーサイ!」と走りすぎると真の目的を見失うおそれあり。 [まち暮らし]×[にぎわい] ・放置自転車を使って改造車をつくれる工場があるといいな。 [まち暮らし]×[環境共生] ・横浜市の緑の協会が実施しているように、植樹カウントをしてCO2を減らす。 [まち暮らし]×[住環境・交流] ・町会とは別に、うちのまちのことはまちのみんなが決めるしくみをつくる。 ・練馬と地方をつなぐ知恵の交換(みどりも自然も) ・もっと活きた動きのある内容をひとまとめに見られるように、まちづくり活動に参加したい人、参加してもらいたい団体などのためのポータルサイトをつくる。 133ページ 2.まちの魅力を『プロデュース(演出)』しよう 練馬の資源・文化を見つめ直し、まちづくりに活かす… まちの魅力を見つめ直して発信 ・まちづくり活動を活発化させていくためには、「まちの色(魅力)」をうまくとらえること。そして、多様な人材を巻き込みながら「まちの色」を発信していくことが大切です。 江古田×アート ・例えば、「江古田とアートをかけ合せる」。ギャラリー、ミニシアター、美術館、スタジオなど、江古田に点在する店舗・拠点、そして江古田に暮らす人たちが文化・芸術を通してつながり、「まちの色」として発信されていけば、新たなまちのにぎわいがつくり出されていきそうです。 コブシ、アニメ、歴史 ・例えば、「コブシを活用した商品を開発する」。練馬区の木であるコブシをより多くの区民に知ってもらえるような活用方法を考えることで、様々な人たちの協力が得られるかもしれません。その他にも、「アニメ」などの地場産業を「まちの色」としてとらえてまちづくりに活かしていくことも考えられますし、あるいは、まちに残る古くても面影のあるお店や広くなくても散策したくなる古道などを「まちの歴史資源」を磨き上げていくということも考えられます。 まちなかの農地に着目する… 農地の多面的機能をまちづくりへ ・『練馬のよさは、のんびり落ち着けること。』という言葉を耳にします。のんびりできる要因のひとつとして、23区内でもっとも農地が多いということが挙げられるのではないでしょうか? 農地が持つ機能としては、農作物の供給機能に加えて、防災機能や環境保全機能、景観形成機能、健康増進機能、教育(食育)機能などがあります。これらの農地が持つ多面的な機能を活用したまちづくりというものが考えられそうです。 農地を介した顔の見える関係づくり ・例えば、ご近所にごひいきの農家をつくるなど日常的に農家との係わりを密にしながら、手伝い・コミュニティの場として農地を地域住民とともに守り育てていく。そうして、練馬の特色である農地を中心とした普段からの顔の見える関係をつくっていけば、いざという時には防災拠点になるなど安全安心のまちづくりにもつなげていくことができそうです。 農地を練馬の風景として守り育てる。 ・練馬における農地の価値がますます高まっていく一方で、近年、農地は、相続(税)の関係で年々 134ページ 宅地化され、減少しているのが現状です。農地を残していくためには、農家だけでなく、行政や区民のみなさんが共通理解を持つこと、新たに農に取り組む人材(担い手)を育成していくことが必要です。例えば、「農の風景育成地区」制度などの活用を地域のみなさんと一緒になって考えていくことも考えられます。 まちのプロデューサー・コーディネーターが活躍する… 人と空間、人と活動をつなげる役割 ・それぞれのまちづくり活動をさらに連携・発展させていくための存在として、まちのプロデューサー・コーディネーターのような役割を果たす人材が重要になってきそうです。まちのプロデューサー・コーディネーターがいれば、地域活動している人たちに加えて、例えば、商店街と公園といったように、一見直接関係しないような人や空間をつなげていくこともできるからです。 基本は地域単位でのさまざまなまちづくり ・一方で、せっかくまちのプロデューサーがいてもまちづくり活動の担い手がいなければ、その力を発揮することはできません。つまり、地域単位で日常的に様々なテーマのまちづくり活動が行われていて、人と人あるいは人と活動をつなげるネットワークがベースにあってこそプロデューサーの役割も発揮できるということになります。 積極的に他の活動とつながる ・まちのプロデューサー的役割を果たすまちづくりの担い手を支援できるようなしくみをつくることとともに、まちづくり活動をされているみなさんも積極的に他の活動とつながり、お互いにエンパワーメントしながらコラボレーションしていく中でまちづくりの輪が広がっていくのではないでしょうか。 135ページ ねりまちコレカラ集会で出された「住民主体のまちづくりアイディア」 『練馬の資源・文化を見つめ直し、まちづくりに活かす』 1)まちの魅力を再発見する ・路地の“ステキさ”を掘り起こす。 ・歴史資産・観光・景観として、古代からの道を残そう。 ・子ども達が練馬の昔・人・文化に愛着を持って育つように、練馬カルタ「井のカルタ」をつくる。 ・「土蔵」や「納屋」など、歴史的な建物を守りながら、環境教育・アート・芸術の拠点として活用していく。 ・古くても雰囲気のよいお店にちょっと手を加えてつなげればいいものになるし、発信もできる。 ・コブシを活用して商品化することで、コブシが練馬区の木であることを知ってもらう。そのために、コブシを通して様々な活動をコーディネートする。 ・コブシカフェをつくる。コブシ酒を練り込んだマドレーヌなど関係のある食品をおき、周りにコブシの木を植え、花見などをする。 2)江古田×アート ・ギャラリー、ミニシアター、美術館、スタジオなど、点在する店舗・拠点が文化・芸術を通してつながり、まちのにぎわいづくりを創出する。 ・江古田の下北沢化 3)アニメでにぎわいづくり ・行政がアニメによるまちの活性化を掲げているので、レトロで上質なアニメ作品を見せるミニシアターやスタジオをつくる。 ・行政が箱をつくるだけでなく、アニメに関するまちづくり団体を支援したり、コミュニティづくりを進める。 ・水木しげるロードのようなキャラクターを用いた地域活性化。 ・999号を成層圏に飛ばすプロジェクト最終的には有人飛行を目指す。 4)まちなか観光を進める ・練馬のまちの魅力をみんなでグルグル周ったりできる、練馬まちなか博物館(エコミュージアム)。 ・その町の特徴を活かしたオリジナルグッズの作成。 ・アーティスト・商店街の人・子どもが一緒になってまちのフラッグ作りや壁画制作(落書きの壁、シャッター)をする。 ・商店街でまち住民による綱引き! ・景観をテーマにした地域の関係づくりとして、景観手形を発行し、手形を集めると歩いた後は銭湯へ行けるようにする。 ・自転車でできる観光に力を入れる。 ・安心して歩ける道のネットワークをつなぐ。まずは地図づくりから。 ・ねりまポータルサイトをつくって、そこを見ればねりまのイベントがすべて分かるようにする! 『まちにある農地に着目する』 1)農地の防災拠点としての活用 2)農近生活(畑の周りの空き地等を活用して、農家と住民をつなぐ、農地・農家・アパートなどのちょっとした空地を使ってご近所の方が緑を楽しむ。)のすすめ ・農地と関係性の深いまちづくり活動を応援していく。 ・近隣住民と一緒に花を管理 ・野菜の売買 ・近所にMY農家をつくろう! ・地域住民と農家の定期的交流会の実施 ・農を活かしたコミュニティ・ハウスをつくって、畑と隣り合わせでワークショップを行 136ページ う。援農・後継対策にもつながる。 ・農地を残すために、農家だけでなく、新たに農に取り組む人材(担い手)を育成していくための仕組みをつくる。 ・農もカフェも原点は人・自然であり、農家の知恵を引き継いでいくことが大切である。自然や先人の知恵を学んで、ぜひ生き抜く力を持ってほしい。 3)「農」からのリサイクル ・農家とレストランとねりま・ごみフォーラムの循環をつくる。 農家→(野菜)→レストラン→(生ごみ)→ねりま・ごみフォーラム→(有機肥料)→農家 4)「農の風景」の保全 ・「農の風景育成地区」制度などを活用する。 『まちのプロデューサー・コーディネーターが活躍する』 1)まちと人をつなげる人材の育成 ・地域を動かす力は、プロデューサー・コーディネーターがいること、まちおこしのベースにプラットホームがあること。 ・地域をコーディネートする人材を育成していくための支援体制(制度)を整える。 ・コーディネーター、プレイヤー、指示する人、それぞれが役割を意識しながら活動することが大切。 ・外部コーディネーターが必ずしもに必要ということではなく、まちづくり活動のプレイヤー自らが自分たちでコーディネーションできることもある。 ・インキュベーション・起業支援施設の整備。 137ページ 3.『公共的な空間』をまちづくり的に使いこなそう 公共的な空間をまちづくりの拠点にすえる… 小学校・中学校を拠点にすえる ・地区あるいは地域単位のまちづくりを進めていく上で、その中心となる公共施設を拠点にしながら取り組んでいくということが考えられます。 例えば、「小学校・中学校」。これからさらに少子高齢化が進んでいくと、小学校・中学校がこれまで以上に開放され、機能の複合化が進んでいくということも考えられます。これから小学校の空き教室が増えてくることに対して、まちづくり・地域づくりの担い手がいまから地域の中でうまく活用するようなことを考えておくと地区・地域のまちづくりの拠点になり得るかもしれません。 指定管理制度をきっかけにする ・また、最近では、図書館や公園などの公共施設を「指定管理者制度」に基づいて民間事業者が管理しているケースが多くなっています。これもひとつの協働管理のあり方としてとらえ、指定管理者と区民のみなさんがつながっていくきっかけとしていくことが考えられそうです。 今ある公共空間の使い方を工夫する… 道路の使い方に目を向ける ・これからの自分たちの生活を豊かにしていくために、これまでに整備された公共空間をどのように有効活用していくべきかを考えることができるような時代になり、国の制度も整ってきています。 例えば「道路」。まちの維持管理コストを考えると、これからは道路の「整備」だけでなく「使い方」にも目を向けていかなければいけないのではないでしょうか?例えば、「自転車がもっと走りやすいような道路にする」「昔のように子どもが遊べるようにする」「シェアド・スペース化して、車と人と自転車が共存する道路空間をつくる」といったようなことが考えられます。 バリアフリーのまちづくりを住民の工夫で ・また、公共空間の使い方を考えていく上で、「バリアフリーのまちづくり」は、これからも引き続き進めていかなければならない大切なテーマです。「空間的なバリアフリー」を実現するためにはお金と時間がかかることも事実ですが、「お金がかかるから進まない」とするのではなく、区民主 138ページ 体のまちづくりの視点から工夫できることを考え、「なるべくバリアをとっていこう」や「ノーマライゼーションしていこう」という活動を広げていくことも大切です。心理的・身体的バリアを取り除いていく社会をつくるために、地域のつながり・目に見えない心のつながりを大事にしながら、地域に根ざした活動を行なうということです。 公共空間の維持・管理ルールに地域ならではの自主的なルールを加える ・最近の公共的空間は、管理されすぎの面があり、子どもたちが自由に遊ぶことができる公園や遊び場が少なくなっているという声を耳にします。確かに事件・事故が発生したことを考えるとそうならざるを得ないことも理解できます。その一方で、まちづくり活動を通して公園や児童館などについての地域ならではの使い方を見出している団体もいます。それを地域の人たちと一緒に議論していくことによって自主的な管理ルールへと高めていくことができれば、もっと子どもたちが楽しめる空間ができるようになるかもしれません。 ねりまの自然を楽しみながら協働で管理する… 住民・事業者・行政の協働で管理する ・区民のみなさんが主体となった活動の特徴に「自然などの資源を楽しむ」「人や他の活動とつながる」ことが得意であるということが挙げられます。例えば、「公園で防災キャンプを開催する。」「憩いの森で竹テント・ベンチづくりをワークショップで行い、併せてカフェやフェスティバルを開催する。」といった活動を進めながら、これらの公共的空間を住民・事業者・行政の三者の協働で管理していくしくみをつくっていくということも考えられます。 139ページ そこにある自然を介して活動がつながる ・さらに、協働管理に向けては、自然や環境をテーマに活動をしている多くの団体・グループが交流ネットワークをつくって、区のみどり施策をバックアップすることも大切です。次世代を担う子どもたちに受け継いでいくために、テーマを共有する団体やグループが連携し、公共空間にある自然(生きもの・植物・川)を守り、活かし、共存できるようにする活動を広げていきましょう。 「ハードのまちづくり」と「ソフトのまちづくり」を組みあわせる… 住民主体のまちづくり活動から公共施設整備へとつなげる ・公共施設整備などの「ハードのまちづくり」が先行して、その完了を待って「ソフトのまちづくり」を進めようとすると、その時点ではすでに利用に際しての規制が多くなってしまっているという場面を多く見受けます。しかし、住民主体のまちづくりには、「ソフトのまちづくり」を先行させながら、地域のみなさんの思いを集め、計画段階から関係機関と調整していくことにより、それを「ハードのまちづくり」が受け止められるようにするという考えもあります。ソフト先行型のまちづくりを進めていくためにも、まちづくり活動を進めていく過程においては、地域をコーディネートしていくという意識をもってヒト・モノを発掘し、つなぎあわせていきましょう。 ねりまちコレカラ集会で出された「住民主体のまちづくりアイディア」 『公共空間をまちづくりの拠点にすえる』 1)みどりと水にふれる環境を小学校などの公共施設の近場に ・小学校の周りの農地を優先的に保全する活動を進める。 ・学校農園の取り組みを広げる。 ・小学校・中学校・地区区民館などの公共施設の敷地を使って、屋敷林を再生する。 ・公共施設の外周を食える景観にして子どもに収穫体験。 『今ある公共空間の使い方を工夫する』 1)新たな発想のみちづくり ・車の入らない草道をつくろう!袋小路の舗装をはがして草地にすることによって子ども達が遊べる場をつくる。 ・公園(あるいは避難拠点)へたどり着く道は、みどりがつながっていてほしい。 ・都市計画道路の計画をなくすためのシステムをつくる。 ・練馬は都市化が進み、農地の保全がむずかしくなってきた。今こそ道幅を広くした都市計画を立てるべき。 2)自転車のまちづくり ・既存交通ネットワークに自転車の活用を取り入れることで、環境(省エネ、LED、リサイクル)にも健康にも効果のあるまちづくりを進める。 ・歩道を気にせず置けて、カフェやお店に行けるように、商店街の真ん中にママチャリ専用駐車場を。 3)公共空間の活用の幅を広げるための新たなルールづくり ・公園や児童館などの公共的空間の管理について、先行事例を参考にしながら、それを次のステップにつなげていく仕組みをつくっていくことが大切。 ・練馬区は、みどりの空間は多いにも関わらず、禁止事項だらけで子どもの遊び場がない。本当の意味でのみどりを活かしたまちづくりを進めてほしい。 140ページ ・自由にが少なくなっているが、地域の人たちが自主管理ルールをつくれば、子どもたちがもっと自由に遊ぶことができる公園や遊び場をつくれる可能性もある。 ・機能性重視になりがちな空間を、もう少し工夫して空間を広い概念で活かせるようにできないか。 『ねりまの自然を楽しみながら協働で管理する』 1)公園や憩いの森を活用しよう ・公園での防災キャンプ ・憩いの森で竹テント・ベンチづくりを行う。→フェスやカフェを開催。(資源を楽しむ、人がつながる) 2)河川空間を活用しよう(水とみどりにあふれた練馬の原風景を大切にする) ・昔、川辺や川であった場所の公共化 ・河川敷を公共のものに住民がつくり続ける空間に。(田んぼ、畑、スポーツなど) ・各河川に「親水用プール」をつくる。 ・埋められてしまった小川空間をせめて緑の通りにする。 ・石神井川で小水力発電! 3)いきもののまちづくり ・練馬の魅力は、石神井公園や清水山憩いの森などの貴重な動植物が生息している場所があることなので、まちづくりという概念の中に「いきもの」も対象にすべき。 ・練馬区の緑地・公園がそれぞれ生きものたちにとって安心できる豊かなオアシスになってほしい。将来、豊島園がそのための拠点になってほしい。 ・湧水池の保護・再生 ・練馬のヤブを守ろう! 4)区の助成が必要? ・「屋敷林」や民家の「生垣」などは手入れが大変なことから年々減少している。みどりの保全・育成を行政として取り組んでほしい。 ・“草地”“原っぱ”に税の優遇を! 『ソフトとハードを組み合わせる』 1)ソフトからはじまるまちづくり ・まちづくりはハードとソフトの組み合わせによって成り立つ。 ・ソフトのまちづくりが先行して、それをハードのまちづくりが受け止めていく流れをつくる。 ・ソフト先行型のまちづくりを進めていくためにも、地域をコーディネートしてヒト・モノを発掘し、つなぎあわせ、形成する役割を担うNPOの存在が大切。 141ページ 4.まちに開かれた『居場所』をつくろう 外出できる社会・環境づくり… それぞれの居場所づくり ・練馬というまちを、子どももお年寄りも障害のある人もお互いに支え合ってやさしく住みやすいまちにしていくためには、それぞれの「居場所をつくる」ということが1つのキーワードになってきています。 高齢者の居場所づくり ・例えば、「高齢者の居場所づくり」。アクティブシニアと呼ばれる元気な高齢者がどんどん地域で活躍できるような環境をつくっていけば、高齢者の健康維持につながるだけでなく、地域にとっても、さらには社会保障などの国レベルの問題解決にもつながっていきそうです。 乳幼児とママの居場所づくり ・あるいは、「乳幼児とママの居場所づくり」。孤立しがちな若いママが乳幼児と一緒に参加できる講座・イベントなどが定常的に開催される場や子連れOKのママ向けコワーキング広場など、親子で一緒に楽しめ、ふれあえ、後々まで楽しさを共有できる環境をつくっていくことができれば、若い世代の社会参加にもつながっていきそうです。 テーマに関心を持つ人同士の居場所づくり ・高齢者に限らず、子育て、農やアートといったテーマも考えられますが、大切なことは、いずれも「居場所=みんなが楽しめる場」をつくるということです。テーマに関心を持つ活動団体やまちの人が集まれば、それぞれのスキルアップや新しいアイディアの発掘にもつながります。 居場所としてのコミュニティカフェ ・最近、地域に開かれた居場所としてコミュニティカフェを始めたいと願うまちづくり活動団体の声を耳にしますが、一方で思いだけが先行し、経営のノウハウを知らずに開業してしまうケースも見受けられます。コミュニティカフェを始めるに当たっては、団体内で思い(目的)を共有し、必要に応じて専門家のアドバイスを得ながら事業計画を立てておくということも大切です。 まちの空きスペース(空き家・空き部屋・空き地など)を活かした居場所づくり… 空きスペースをまちづくり活動の場に ・少子高齢化に伴って空き家・空き店舗・空き部屋・空き地がどんどん増えつつあります。この空き家などをその一部でも活用することによって働く場や地域交流の場を創出したり、いろんな活動ができそうです。例えば、空き家・空き地をアートセンターや美術活動の拠点にしたり、公共的な利用をする場所として地域活動団体に開放するなど、うまく活用できないでしょうか?そのためにもまずは、多様な主体の方々が一緒になって考える場づくりから始めることが大切です。 142ページ 借りたい人と貸したい人を仲介する仕組みづくり ・図書館や公園・憩いの森といった公共空間に加え、空き家・空き地や自宅開放なども含めて、どのようにして居場所をつくったり、みんなでシェアしたりするかといったしくみを考える必要があります。長期的には、「家賃補助」や「固定資産税の減免」といった空き家活用に対する行政のインセンティブ制度が必要になってくるかもしれませんが、まずは、借りたい人と貸したい人を仲介するしくみ、その役割を担う組織づくりについて考えることが大切そうです。空き家を活用して活動団体の拠点を用意してあげるということ自体がNPOやまちづくりセンターのミッションになりえるかもしれません。 ねりまちコレカラ集会で出された「住民主体のまちづくりアイディア」 『外出できる社会・環境づくり』 1)親子・子ども・親が安心して社会参加できる場づくり ・親子が一緒に楽しめ、ふれあえ、後々まで楽しさを共有できる場をつくる。 ・年齢が違うと競争なく安心して話せるので、子どもだけでなく若いママも世代の違うママとの異年齢交流を促進したい! ・若いママが様々な講座やイベントに参加できるよう保育は0歳からOKに! ・1口1,000円の募金を募り、4歳になった区民(子ども)が全員お芝居を見られる “Happy4”プレゼントをやりたい!子どもの文化花開け! ・子どもが自由につくれるアニメスタジオをつくる。 ・ケンカしたいワルたちを闘わせるダンス・バトルのスタジオをつくる。 ・腹が減った子ども達用のシェア・キッチンをつくる。 ・すみびらき形式で、子連れOK!ママ向けコワーキング広場をつくる。 2)多世代でだれもが交流できる居場所づくり ・多世代交流障害のあるなし関係なしに交流する居場所をつくる。 ・「障害を持つ母親の働く場」と「地域住民と交流できる場」の両方を兼ねた場がほしい。(例:練馬の農業を生かしたやさいカフェなど) ・認知症カフェ ・回想法で区民を元気に! ・外国人による講演会と地域住民との交流。 ・商店街に365日やっている何でも誰でもOKのサードプレイスをつくる。 ・女性が一人で気軽に入ることが出来、食事等が出来る店をつくる。 3)居場所としてのコミュニティカフェ ・コミュニティカフェが、もう少し地域に開かれた場になればよい。 ・例えば週末店長を募集するなどの人とのつながりを大切にしながらコミュニティカフェを経営していく。 143ページ ・コミュニティカフェを始めたい団体はいる。そのような団体に相乗りしていきたい人もいるはず。例えば、まち歩きをした後、コミュニティカフェに立ち寄ってコブシで作ったお菓子を食べるといったようなことが考えられる。 ・居場所づくりとしてのカフェを継続していくためには経営コンサルタント的な視点が必要。 ・家びらきやコミュニティカフェの可能性を大学のゼミでできないだろうか? ・コミュニティカフェは、イベントだけではなく建造物の活用と一体となって取り組んでいくことが望ましいが、多くは経営のノウハウを知らずに開業してしまうケースも多く、専門家のサポートが必要である。大学には専門家がいっぱいいる。『空き家を活かした居場所づくり』 1)空き家の活用 ・働く場・地域交流の場の創出…場所があればいろんな活動ができる。 ・オリンピックに向けて空き家を外国人向けのホテルにする。 ・空き家の持ち主とのやりとりが難しい。中間支援組織・NPOなどの協力が必要 2)区の助成が必要? ・家賃を行政が支援してほしい。 ・1階を介護ハウス、2階を自分の家にする整備に区の助成を。 ・今後、人口が減少して住宅が空いてくるので、住みかえのしくみを! 『その他のまちづくりアイディア』 [居場所]×[住環境・交流] ・他の団体とコラボしてスキルの向上、新しいアイディア発掘! おわりに(「ねりまちコレカラ集会」と都市計画マスタープラン) 「ねりまちコレカラ集会」では、これからの10年間の練馬における住民主体のまちづくりの方向性を明らかにするように努めました。 「ねりまにふさわしい『まち暮らし』」、「まちの魅力を『プロデュース』」といった内容と、都市計画マスタープランは、接点があまりないように見えます。 しかし、都市計画マスタープランは、区をはじめとする行政が進める都市計画についての基本的な方針であるとともに、住民等が主体となって行うまちづくりの指針という両方の性格を併せもっています。 今回の「ねりまちコレカラ集会」で出されたキーワード(視点)を、どのように練馬区のまちづくりに活かしていくかが、今後の課題ではないでしょうか。 145ページ 各提案の作成経過 147ページ 第1部区主催による意見交換会等で出された提案等 T練馬区都市計画マスタープラン区民意見交換会 第1回 平成25年5月15日(水曜)18時30分から20時30分 参加者数 45名 第2回 平成25年6月12日(水曜)18時30分から20時15分 参加者数 41名 第3回 平成25年7月10日(水曜)18時30分から20時15分 参加者数 35名 第1回から第3回のテーマ 土地利用、防災・防犯、福祉のまちづくり、住まいと暮らし、コミュニティ 第4回 平成25年7月31日(水曜)18時30分から20時15分 参加者数 36名 第5回 平成25年8月28日(水曜)18時30分から20人15分 参加者数 31名 第6回 平成25年9月18日(水曜)18時30分から20時15分 参加者数 36名 第4回から第6回のテーマ 交通、産業・観光、みどりと水、農、景観、エコ・環境、実現方策 第7回 平成25年10月9日(水曜)18時30分から20時15分 参加者数 37名 第8回 平成25年10月30日(水曜)18時30分から20時30分 参加者数 40名 第9回 平成25年11月20日(水曜)18時30分から20時30分 参加者数 36名 第7回から第9回のテーマ 都市計画マスタープランの7つの地域について(第1〜第7地域) 第10回まとめの会 平成26年2月19日(水曜)18時30分から20時30分 参加者数 29名 ※参加者延べ366名 U区政モニター懇談会 第1回 平成25年9月12日(木曜)19時から20時30分 開催場所 練馬区役所 テーマ 練馬の魅力を活かしたまちづくりについて 参加者数 12名 第2回 平成25年9月13日(金曜)19時から20時30分 開催場所 石神井公園区民交流センター 参加者数 8名 Vまちづくり学生ワークショップ 平成25年10月29日(火曜)14時40分から16時10分 開催場所 武蔵大学 テーマ 練馬の「魅力をアップする方法」「キャッチフレーズ」を考える等 参加者数 17名 第2部住民グループによる提案等〜行政と住民との協働によるまちづくりの事例集〜 第1回 平成25年7月17日(水曜) 都市計画マスタープラン自主懇談会の位置づけ・役割について進め方について 第2回 平成25年8月7日(水曜) 「まちづくりカルテ」について 第3回 平成25年9月4日(水曜) 「まちづくりカルテ」に対する具体的提案について 第4回 平成25年9月25日(水曜) 「まちづくりカルテ」に対する具体的提案について 第5回 平成25年10月16日(水曜) 「『まちづくりカルテ』に反映したい具体的提案」の論点整理について 第6回 平成25年11月6日(水曜) これまでに住民参加・主体で進めてきたまちづくり実績について 自主懇談会からの提案のとりまとめについて 第7回 平成25年11月27日(水曜) これまでに住民参加・主体で進めてきたまちづくり実績について 自主懇談会からの提案のとりまとめについて 第8回 平成25年12月18日(水曜) これまでに住民参加・主体で進めてきたまちづくり実績について 自主懇談会からの提案のとりまとめについて 第9回 平成26年1月15日(水曜) これまでに住民参加・主体で進めてきたまちづくり実績について 自主懇談会からの提案のとりまとめについて 第10回 平成26年2月12日(水曜) 「行政と住民との協働によるまちづくり事例集」のとりまとめについて 148ページ 第3部まちづくりセンター主催によるねりまちコレカラ集会で出された 提案等 (1)ねりまちコレカラ集会 第1回 平成25年3月20日(水曜) 「これから10年間の住民主体のまちづくりを考える上でのキーワード(視点)」についての話し合いと共有 第2回 平成25年11月23日(土曜) 「これから10年で住民主体のまちづくりを進めていく上でのコツ」についての話し合いと共有 第3回 平成26年3月21日(金曜) 「これから10年で住民主体のまちづくりを進めていく上でのコツ」についての掘り下げとまとめ (2)まちづくり講座 第1回 平成25年9月28日(土曜) 「わたしのまちづくり」3人の方法 第2回 平成26年3月8日(土曜) 私たちの居場所づくり〜まちとのつながりを創る〜 (3)まちづくりカフェ 第1回 平成25年1月25日(金曜) 元まちセンスタッフが語るまちセンのできるまで・できたあと 第2回 平成25年2月12日(火曜) U35まちづくりワカモノ会議 第3回 平成25年5月19日(日曜) まちの風土と暮らしを心地よくつなぐ『いち』 第4回 平成25年6月21日(金曜) 子育てサロンで地域デビュー 第5回 平成25年7月19日(金曜) 図書館、まちづくり的大活用! 第6回 平成25年9月20日(金曜) 町会座談会心地よく安心して暮らせる地域づくりを語りあう 第7回10月18日(金曜) 活動拠点を開くってどういうこと?〜暮らしとまちがつながるまちなかスペース活用法〜 ※ねりまちコレカラ集会は、都市計画マスタープランの改定に連動して、これからの10年間のまちづくりの方向性を確認するために開催されました。 ※まちづくり講座・まちづくりカフェは、都市計画マスタープランの改定内容や区民意見交換会の参考となるテーマを取り上げ開催されました。 練馬区都市計画マスタープラン まちづくりカルテ 〜区民意見交換会等で寄せられた意見および提案のまとめ〜 平成27年(2015年)12月 編集発行 練馬区都市整備部都市計画課 〒176-8501練馬区豊玉北6−12−1 電話 03−5984−1534(直通) FAX 03−5984−1226 電子メール toshikeikaku@city.nerima.tokyo.jp 編集協力 株式会社計画技術研究所 〒153-0063目黒区目黒3−9−3パークスクエア205 電話 03−5773−1025 (裏表紙)