第2次 みどりの風吹くまちビジョン 改定アクションプラン【素案】 令和3(2021)年12 月 練馬区 第1章 本計画の位置付け この章では、「第2次みどりの風吹くまちビジョン」(平成31 年3月)に基づく これまでの取組、新型コロナへの対応と、今回の「改定アクションプラン」策定の 経緯について記載しています。 1.第2次ビジョンの目的・位置付け 区は、平成27 年3月、新しい区政運営の方向性を明らかにし、将来を見据えた戦 略を提示するため、「みどりの風吹くまちビジョン」を策定しました。また、政策の 実現に向けた具体的な仕組みや態勢を区民の視点から改めて見直し、平成28 年10 月に区政改革計画を公表しました。平成30 年6月には、区政を更に前に進めるた め、「暮らし」・「都市」・「区民参加と協働」の3つの分野からなるグランドデザイン 構想を策定し、目指す将来像を区民の皆様と共有しました。 グランドデザイン構想の実現を目指して、区政改革計画を取り込み一体化した新 たな総合計画である「第2次みどりの風吹くまちビジョン(以下、「第2次ビジョン」 という。)」を平成31 年3月に策定しました。第2次ビジョンは、グランドデザイン 構想実現への道筋を示す基本計画と、具体的な実行計画であるアクションプランか ら構成されており、基本計画では「3つの基本理念」と「6つの施策の柱」を、アク ションプランでは「21 の戦略計画」や「年度別取組計画」、「財政フレーム」等を示 しています。 2.第2次ビジョンに基づくこれまでの取組 第2次ビジョンに基づき、区はこれまで、様々な「練馬区モデル」を展開し、練馬 区の更なる発展に向け、様々な施策を実現してきました。 これまでの主な取組 〇施策の柱1︓子どもたちの笑顔輝くまち ・練馬こども園の拡大 ・待機児童ゼロの達成 ・都区の協働による児童相談体制の構築 ・ねりっこクラブの拡大、ねりっこプラスの開始 〇施策の柱2︓高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち ・特別養護老人ホーム等の整備充実 ・高齢者みんな健康プロジェクトの開始 ・街かどケアカフェの設置 〇施策の柱3︓安心を支える福祉と医療のまち ・重度障害者グループホームの整備など住まいの確保 ・ひとり親家庭自立応援プロジェクトの展開 ・順天堂練馬病院の増床など病床確保の促進 〇施策の柱4︓安全・快適、みどりあふれるまち ・都市計画道路や生活幹線道路の整備 ・密集住宅市街地整備促進事業、防災まちづくり推進地区での事業の推進 ・緊急輸送道路沿道建築物等の耐震化の促進 ・西武新宿線の連続立体交差事業の推進 ・大泉学園町希望が丘公園など大規模公園の整備 〇施策の柱5︓いきいきと心豊かに暮らせるまち ・世界都市農業サミットの開催 ・真夏の音楽会、練馬薪能など四季を感じられるイベントの開催 〇施策の柱6︓区民とともに区政を進める ・地域おこしプロジェクトの実施 ・待たない、まごつかない、何度も書かない窓口の実現 3.新型コロナへの対応 新型コロナの感染拡大により、区内でも多くの方々が感染し、暮らしや経済に大き な影響が生じました。区は、令和2年度は6度、令和3年度は既に3度の補正予算編 成などを行い、区民の命と健康を守り、区民生活を支えるために必要な施策を、他に 先駆けて実行してきました。国と綿密に協議して構築したワクチン接種体制「練馬区 モデル」は、今では全国自治体の標準となっています。 主な新型コロナ対策 <Ⅰ 感染拡大の防止と医療提供体制の充実> ① 保健所体制の強化 ・保健師など人員の増強、ワクチン接種や自宅療養の担当組織を設置 ② PCR検査体制の構築 ・PCR 検査検体採取センターの設置、診療所でのPCR 検査体制の構築 ③ ワクチン接種体制の強化 ・ワクチン接種体制「練馬区モデル」の構築 ④ 医療提供体制の充実 ・かかりつけ医による自宅療養者への健康観察、電話診療を中心とした在宅 医療支援、練馬区酸素・医療提供ステーションの開設 ・病院への経営支援補助金、医療従事者への特殊勤務手当への補助 <Ⅱ 困窮する区民・事業者への支援> ① 生活困窮者への支援 ・生活相談コールセンターの設置、生活再建支援給付金の支給、 ひとり親家庭への臨時特別給付金の支給 ② 妊婦・新生児等子育て家庭への支援 ・妊婦、新生児へのこども商品券の配布 ③ 中小企業・商店街への支援 ・特別貸付・借換特別貸付の実施、プレミアム付商品券事業の実施 <Ⅲ 社会インフラの堅持と社会経済活動を支える方々への支援> ① 保育環境の確保 ・保育所等の原則開園の堅持、保育士への臨時特別給付金の支給 ② 教育環境の確保 ・児童生徒用タブレットパソコンの全校配備 ③ 高齢者・障害者へのサービスの確保 ・介護従事者等への臨時特別給付金の支給 一方、度重なる緊急事態宣言の発出などに伴う経済状況の悪化や、税制改正の影響 等により、令和3年度の区の一般財源は大幅に減少する見込みとなりました。かつて 経験したことのない財政危機の到来を覚悟せざるを得ない状況の中、令和3年度予 算編成に向けた緊急対応として、全ての事務事業を再点検して経費の縮減に努め、可 能なものは延期・中止するなど見直しを徹底し、持続可能な財政運営の堅持に努めて きました。 緊急対応で見直した主な事業(令和3年度) <アクションプラン・公共施設等総合管理計画の見直し> ・(仮称)農の風景公園︓整備工事の延期 ・美術館︓設計の延期 ・光が丘駅A5出入口付近エスカレーター︓整備延期 ・石神井松の風文化公園(拡張)︓設計延期 ・体育館空調(学校)︓設計 14 校→12 校 工事 15 校→11 校 ・敬老館2館 ︓改修設計・工事の延期 ・小中学校2校︓改築に向けた基本設計の延期 など <イベントの見直し> ・中止︓練馬薪能、練馬まつり、照姫まつり、ユニバーサルスポーツ フェスティバル、こぶしハーフマラソン、 ねりまワールドフェスティバル、 など ・縮小︓練馬こどもまつり、こどもアートアドベンチャー、 映像文化イベント など <補助・給付的事業の見直し> ・指定保養施設利用補助金の廃止 ・高齢者いきいき健康券の見直し ・第3子誕生祝い金の見直し など 4.「改定アクションプラン」の策定 新型コロナの影響により、経済・財政状況など、区政を取り巻く環境は大きく変化 し、非対面・非接触の生活、デジタル化の加速など、区民生活にも大きな影響を及ぼ しています。 コロナ禍においても、第2次ビジョンに定める基本理念や区の目指す姿は大きく 変わるものではありませんが、社会情勢の変化を踏まえた見直しが必要です。引き続 き、区民生活を支える上で必要な施策を充実するとともに、この間に生じた新たな課 題に対応するため、この度、令和4年度から5年度の2か年の取組を定める「改定 アクションプラン」を策定することとしました。 本プランは、第2次ビジョンに掲げた「3つの基本理念」や「6つの施策の柱」な どは継承しつつ、社会情勢の変化に対応するため、「21 の戦略計画」の見直しや追加 を行い、それに基づく「年度別取組計画」を明らかにします。第2次ビジョン基本計 画と併せて区の新たな総合計画(地方版総合戦略)として位置付けます。 第2章 コロナ禍による区を取り巻く状況の変化 この章では、新型コロナが世界や日本に与えた影響等を分析したうえで、区民生 活や区政に生じる影響、今後の課題等をお示しします。 1 新型コロナ感染拡大の経緯 感染拡大の状況 新型コロナは、世界経済のグローバル化と世界全体に広がった交通網の発達等によ り、僅か2か月で5つの大陸に拡散しました。累計感染者数は約2億6,000 万人、死 者は約520 万人となっています。2021 年に入り、全世界でワクチン接種が進んでい ますが、新たな変異株の出現による感染の拡大などもあり、未だに一日50 万人規模 で新規感染者が発生しています。 日本の累計感染者数は約172 万人、死者は約1万8千人となっています。第5波 の感染急拡大により、令和3年8月20 日に一日の新規感染者数が25,975 人と過去 最高を更新しましたが、10 月半ばには500 人未満まで急減しました。ワクチン接種 も急速に進み、2回目のワクチン接種を終えた人の割合は70%を超え、先進国の中 でも高い水準になっています。今後も、第6波の懸念、若年層への接種、3回目の接 種に向けた準備など、感染収束に向けて多くの課題が残されています。 ※新型コロナに関する数字は令和3年11 月末時点のもの 2 世界の状況 経済・財政・産業等への影響 各国でロックダウン等が繰り返され、経済活動が長期間停滞しました。国際的サプ ライチェーンに支えられている世界経済は、工場の生産や物流が滞ることにより連鎖 的に影響が波及し、2020 年の世界のGDP 成長率は、大恐慌以来最悪の景気後退と されるマイナス3.1%となりました。2021 年に入り、ワクチン接種の進展などに伴 い景気回復が進み、アメリカでは6%台、中国では8%台の高い成長率が見込まれて います。これらに牽引され、ユーロ圏やASEAN 諸国も着実に回復しており、世界全 体では5%台の急回復が見込まれています。 一方、この間の巨額な財政出動により、各国の財務状況は急速に悪化しています。 順調に経済成長の続くアメリカにおいても、2021 年の債務残高の対GDP 比は、戦 後最悪の130%台となる見込みです。量的金融緩和策の縮小開始が決定されたこと なども受け、金利上昇やインフレに対する危機感が高まっています。 また、半導体等の製造部品の不足により、様々な産業分野で大幅な減産となりまし た。世界の半導体産業は東アジア地域に集中しており、経済安全保障の観点からサプ ライチェーンを見直す動きなども見られます。世界経済の先行きは今なお不透明な ものとなっています。 社会生活への影響 新型コロナの出現により、ビジネス、教育、医療、消費活動、スポーツ、文化芸術 などあらゆる面で、非対面・非接触の行動様式やオンラインサービスの活用が拡大し ました。一方で、陰性証明やワクチン接種証明などによりコロナ禍前の生活を取り戻 す動きも始まっています。国によってその取組には大きな差異があり、世界中で「ウ ィズコロナ」、「ニューノーマル」への対応を模索しています。 既に世界的に出生数の低下が始まっていましたが、そこをコロナ禍が直撃しまし た。人口増の続くアメリカでも、2020 年の出生数は1979 年以来最少に、出生率は 過去最低の数値となりました。これまでも少子高齢化の問題は先進国における構造 的な課題とされてきましたが、コロナ禍によってその問題がより鮮明となりました。 また、先進諸国ではワクチン接種が進む一方、発展途上国ではワクチン確保が進ま ない国も多く、経済的・社会的格差の更なる拡大も懸念されています。 現代のグローバル化した社会への影響 14 世紀に流行したペストは、欧州人口の1/3 もの死者を出し、封建制度の崩壊を もたらしたとも言われています。スペイン風邪は、欧州やアメリカ大陸を中心に広が り4,000 万人以上の死者を出し、第一次世界大戦の終戦を早める要因ともなりまし た。 新型コロナは、社会経済のグローバル化により瞬く間に拡大した一方、コロナ禍か らの脱却に向け、国際協調による様々な取組も進められています。 今後、新型コロナが現代社会にどのような影響を与え、どのような変化をもたらす のか、注意深く見極める必要があります。 3 日本の状況 人口動態 日本は世界で最も早く少子高齢化が進行し、既に人口減少時代に突入しています。 こうしたなか、令和2年は新型コロナの影響もあって、出生数は約84 万人と過去最 低を更新し、合計特殊出生率は1.34 に低下しました。日本への外国人入国者は約430 万人で、前年度比で約2,700 万人も減少しました。人口減少等に伴う社会全体の活 力の低下、労働力不足などの問題が一層深刻化しており、今後の日本の国力、国際競 争力の低下が懸念されます。 令和2年の東京都の転入超過数は約3.1 万人で、前年度比で約5.2 万人減少しま した。一時は東京圏からの大幅な人口流出も懸念されていましたが、近隣の埼玉県、 千葉県、神奈川県への転入超過数は概ね横ばいか増加しており、東京圏の転入超過は 続いています。 経済・財政 日本はバブル崩壊以来、デジタル化の決定的な立ち遅れなどもあり、永く経済が低 迷しているなか、コロナ禍が直撃しました。5度に渡る緊急事態宣言の発出などによ り、経済は大きな打撃を受け、令和2 年のGDP 成長率は戦後2番目に低いマイナス 4.6%となりました。令和3年に入り、徐々に回復が進むものの、GDP 成長率は世界 平均を下回る2.4%の増加と見込まれています。 この間の国債の増発により、令和3 年度末の債務残高の対GDP比は250%を超 える見込みです。経済成長の続くアメリカと比べ、経済が停滞する日本が2倍近い債 務比率になっています。少子高齢化の進行等に伴う社会保障費の増加も不可避です。 世界各国では、ワクチン開発をはじめ、デジタル、エネルギーなど様々な分野で長期 的展望を持った国際戦略を進めていますが、日本経済の今後の発展の見通しや具体的 な戦略は不透明です。国際社会の中で日本が占めるべき位置、日本経済の今後のあり 方、成長の方法論等について根本的な議論をすることが求められています。 4 今後の区政の課題 区政全体を横断する課題 (1)少子高齢化の更なる進行 令和2年の練馬区の合計特殊出生率は1.09 で低下傾向は変わらず、今後、コ ロナ禍により少子化が加速することが懸念されます。毎年1,000~2,000 人規 模で増加していた外国人人口は一転してマイナスとなり、他県からの転入者も 大幅に減少しました。令和3年1月1日時点の人口は74 万99 人で、前年比 で664 人の増と、僅かながら人口増を維持しましたが、この傾向が続けば、今 後は減少に転じる可能性があります。 令和2 年の高齢化率は21.7%となっており、少子高齢化は着実に進行して います。国や都の動向を注視しながら対応策を検討していく必要があります。 (2)財政の持続可能性の堅持 練馬区の最大の歳入である特別区財政調整交付金は、税制改正の影響も受け、 令和2年度は1年間で86 億円も減少しており、コロナ禍前の水準に戻るには 数年を要すると見込まれています。令和3年度当初予算では、財源不足を補う ため、基金・起債合わせて270 億円を活用しましたが、このままの状況が続け ば、今後数年で基金残高は底をつき、起債残高は大幅に増加することが懸念さ れます。 一方で、少子高齢化の進行に伴う社会保障経費の増、老朽施設の維持更新、 都市インフラの遅れへの対応など、膨大な財政需要に対応していく必要があり ます。将来に渡って持続可能な財政運営を堅持し、区民生活を支えるために必 要な施策の充実を図るためには、施策の優先順位を整理し、限りある財源を効 果的・効率的に活用していく必要があります。 (3)デジタル化の加速、DX(デジタル・トランスフォーメーション)への対応 コロナ禍により、官民含めあらゆる面で日本のデジタル化の遅れが鮮明になり ました。国は、民間企業のDX、行政のデジタル化を推進するため、デジタル改 革関連法を令和3年5月に制定し、9月にはデジタル庁を創設しました。 区においては、オンライン化した行政手続はまだ全体の約15%であり、区民 サービスの向上と業務の効率化に向け、更なる拡充が必要です。併せて、デジタ ル対応が遅れている商店街、中小企業や、町会・自治会など地域団体等への支援、 デジタル機器に不慣れな高齢者などへの支援など、きめ細かな対応が求められま す。 (4)都区の役割分担のあり方 特別区は、住民の生活圏と行政区域が一致せず、区民は区の領域を超えて行動 し生活しています。大都市として一体的な対応が求められる都の広域行政・専門 行政と、住民に寄り添って生活を支える区の身近な行政との境界が曖昧になって いる場合があります。 例えば、医療政策は都が担い、公衆衛生(感染症等)は区保健所が担うという 役割分担は、平時には機能していますが、今回のようなパンデミック時には、医 療と公衆衛生に関する広域的調整が不可欠です。入院調整やPCR検査などにつ いて、区によって混乱が見られたため、都による調整の強化が必要です。 また、現在、各区で児童相談所の設置が進められていますが、専門職員の確保 や、多摩地域や都外に多く設置されている養護施設への処遇調整等を各区が行う ことは容易ではありません。練馬区では、都区の連携による児童相談体制「練馬 モデル」を構築し、成果を上げています。 様々な具体的な問題が顕在化した今こそ、原点に返って大都市行政のあり方を 根本から見直す必要があります。 第3章 施策の体系 「改定アクションプラン」では、今後2年間で区が取り組む施策を取りまとめるに あたり、現在の第2次ビジョン「基本計画」に掲げた「6つの施策の柱」を継承しつ つ、社会情勢の変化等を踏まえ、必要な見直しを行いました。 この章では、施策の柱ごとに「区の基本姿勢」と「施策の方向性」をお示しすると ともに、戦略計画ごとに「令和5 年度末の目標」、「これまでの主な取組」、「新型コロ ナ感染拡大への対応」、「今後の課題」、「令和4・5年度の主な取組」をお示しします。 6つの施策の柱 施策の柱1 子どもたちの笑顔輝くまち 施策の柱2 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち 施策の柱3 安心を支える福祉と医療のまち 施策の柱4 安全・快適、みどりあふれるまち 施策の柱5 いきいきと心豊かに暮らせるまち 施策の柱6 区民とともに区政を進める 改定アクションプランにおける施策の柱と戦略計画 施策の柱1 子どもたちの笑顔輝くまち 戦略計画 1 子育てのかたちを選択できる社会の実現 戦略計画 2 子どもの成長に合わせた切れ目のないサポートの充実 戦略計画 3 すべての小学生を対象に放課後の居場所づくり 戦略計画 4 夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備えた子どもたちの育成 施策の柱2 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち 戦略計画 5 高齢者地域包括ケアシステムの確立 戦略計画 6 元気高齢者の活躍と健康づくり・介護予防の推進【変更】(※1) ※1 第2次ビジョンアクションプラン戦略計画では「元気高齢者の活躍 と介護予防の推進」としていましたが、名称を変更します。 施策の柱3 安心を支える福祉と医療のまち 戦略計画 7 障害者が地域で暮らし続けられる基盤の整備 戦略計画 8 ひとり親家庭や生活困窮世帯等の自立を応援 戦略計画 9 感染症対応力の強化と安心して医療が受けられる体制の整備 【変更】(※2) ※2 第2次ビジョンアクションプラン戦略計画では「住み慣れた地域で 安心して医療が受けられる体制の整備」としていましたが、名称を変更 します。 戦略計画 10 コロナ禍であっても、区民一人ひとりの健康づくりを応援 【変更】(※3) ※3 第2次ビジョンアクションプラン戦略計画では「みどりの風の中で、 自ら健康づくりに取り組めるまちの実現」としていましたが、名称を変 更します。 施策の柱4 安全・快適、みどりあふれるまち 戦略計画 11 地域の災害リスクに応じた「攻めの防災」 戦略計画 12 みどり豊かで快適な空間を創出する交通インフラの整備 戦略計画 13 魅力にあふれ利便性に富んだ駅前と周辺のまちづくり 戦略計画 14 練馬のみどりを未来へつなぐ 戦略計画 15 脱炭素社会の実現に向けた総合的な環境施策の展開【変更】(※4) ※4 第2次ビジョンアクションプラン戦略計画では「住宅都市にふさわ しい自立分散型エネルギー社会へ」としていましたが、名称を変更しま す。 施策の柱5 いきいきと心豊かに暮らせるまち 戦略計画 16 地域特性を活かした企業支援と商店街の魅力づくり 戦略計画 17 生きた農と共存する都市農業のまち練馬 戦略計画 18 練馬ならではの都市文化を楽しめるまち 戦略計画 19 豊かなみどりの中で誰もがスポーツを楽しめるまち 施策の柱6 区民とともに区政を進める 戦略計画 20 区民協働による住民自治の創造 戦略計画 21 窓口から区役所を変える 戦略計画 22 DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進【新設】(※5) ※5 第2次ビジョンアクションプラン戦略計画では掲げていない計画で すが、社会情勢の変化を踏まえ新設します。 施策の柱1 子どもたちの笑顔輝くまち 区の基本姿勢 日本全体で出生数の低下傾向が進む中、コロナ禍の影響もあり令和2年の国の出生 数は約84 万人※と過去最低を更新しました。一方で女性の就業率の向上や、令和元年 度に実施された幼児教育・保育の無償化などの影響により、保育需要は増加しています。 区は令和3年4月に保育所待機児童ゼロを達成しました。引き続き、待機児童ゼロを 継続するために保育所の整備や練馬こども園の拡大を進めます。 少子化、核家族化、コミュニティの希薄化などにより、子育てに不安や負担を感じた り孤立する保護者が増えています。保護者が身近な場所で気軽に相談、交流できる環境 の整備と、よりきめ細やかな支援の充実が必要です。また、子どもや子育て家庭が地域 で安心して暮らし続けられるよう、都区の連携を強化し、児童相談体制をさらに充実す る必要があります。 教育分野においては、令和3年3月に改定した「練馬区教育・子育て大綱」の目標で ある「夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備えた子どもたちの育成」を実現すること が区の責務です。 子育ては誰が担うべきか、様々な考え方や価値観が存在しますが、最も尊重されるべ きことは、それぞれの家族の思いです。家庭で子育てがしたい、子どもを預けて働きた いなど、多様化する子育てサービスのニーズに応える施策を展開することで、子育ての かたちを選択できる社会を実現します。 施策の方向性 ・保育サービスを更に充実させ、引き続き保育所待機児童ゼロを継続する。 ・保護者が子育ての悩みを安心して相談できる体制を充実する。 ・都と区の連携による児童相談体制を充実・強化する。 ・全ての小学生が安心して過ごせる放課後の居場所をつくる。 ・児童生徒一人ひとりに応じた、きめ細かな指導や支援を行う。 ※厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計の年間推計」 戦略計画1 子育てのかたちを選択できる社会の実現 令和5年度末の目標 家庭で子育てがしたい。子どもを預けて働きたい。様々なニーズを持つ保護 者の希望に応じた社会的サービスを提供することで、子育てのかたちを選択で きる社会を実現 これまでの主な取組 1 家庭での子育て支援サービスの充実 民間カフェ等と協働し、保護者同士が交流したり、子どもと一緒にリラッ クスできる「練馬こどもカフェ」を開始しました。また、親子で遊び、保護 者同士が交流できる子育てのひろばや外遊び型子育てのひろば「おひさまぴ よぴよ」の増設、発達に不安のある親子を対象にした「のびのびひろば」の 回数増を行いました。ファミリーサポート事業では、軽度障害児の受け入れ を開始しました。 2 保育所待機児童ゼロを達成 区独自の幼保一元化施設である「練馬こども園」を創設し、認可保育所や 地域型保育事業など、全国トップレベルの新規整備・定員拡大を進め、令和 3年4月に待機児童ゼロを達成しました。 3 ICT を活用した利便性の向上 保護者の負担軽減や利便性の向上を目的として、LINE で保育所の情報収 集等ができるサービスを全国で初めて開始しました。また、乳幼児一時預か り事業のインターネット予約を開始しました。 新型コロナ感染拡大への対応 コロナ禍においても経済社会活動を支えるため、保育所等では、緊急事態宣 言期間中も一貫して原則開園としました。保育施設等の従事者には、二度に渡 り、区独自の特別給付金を支給しました。また、国の子育て家庭への臨時給付 金に加え、区独自に児童扶養手当受給世帯に特別給付金を支給しました。在宅 子育て家庭向けに、オンラインによる「練馬こどもカフェ」と子育てのひろば を開催しています。 今後の課題 コロナ禍における孤立などで高まる子育てへの不安や悩みに対応するため、 感染拡大防止に留意しながら、相談の場や支援サービスを一層充実していく必 要があります。家庭で子育てをしたい保護者を支援するため、親子が交流でき る場や、一時的に子どもを預けられるサービスの充実が必要です。 今後も保育ニーズに対応し、着実に待機児童ゼロを継続していく必要があり ます。家庭的保育や小規模保育事業の利用者が3歳児以降も安心して保育を受 けられる仕組みが求められています。また、令和3 年6月に医療的ケア児支援 法が成立したことを受け、保育所での医療的ケア児の受け入れを更に進める必 要があります。 コロナ禍の中では、これまで以上にICT を活用した保護者の利便性の向上が 求められています。 令和4・5年度の主な取組 1 家庭での子育て支援サービスの充実【充実】 「練馬こどもカフェ」の拡大、子育てのひろばや外遊び型子育てのひろば 「おひさまぴよぴよ」の増設など、引き続き親子で遊び、保護者同士が交流 できる場を充実します。また、一時預かり事業の区西部地域での新たな実施 に向け、場所の確保に取り組みます。 2 保育サービスの充実【新規・充実】 引き続き、待機児童ゼロを継続できるよう、保育所の整備や練馬こども園 の拡大を進めます。 また、医療的ケア児の「優先選考」方式や、2歳児までの保育施設を修了し た3歳児を優先的に認可保育所で受け入れる新たな方式を導入します。 3 入園申込のオンライン化、保育所のICT 化【新規・充実】 マイナポータルを活用し、スマートフォンやパソコンから入園申込ができ るようにします。また、保育所等にICT を導入し、園だよりや連絡帳のやり 取りなど、保護者が園との連絡をスマートフォンで行える取組を進めます。 戦略計画2 子どもの成長に合わせた切れ目のないサポートの充実 令和5年度末の目標 子育てに関する相談体制を強化し、妊娠期から子育て期まで切れ目のないサ ポートを充実 これまでの主な取組 1 母子健康電子システム、電子母子手帳アプリの導入 妊婦健診や乳幼児健診の健診情報等を電子化する「母子健康電子システム (令和4年1月稼働予定)」やスマートフォン等で健診記録を確認できる「電 子母子手帳アプリ(令和4年3月稼働予定)」の稼働に向け準備を進めます。 2 相談サポート体制の充実 子どもの成長、発達に不安を抱える保護者への相談体制を強化するため、 全6 か所の保健相談所に心理相談員を配置しました。 3 練馬区虐待対応拠点の設置 令和2年7月に、都の児童相談センターと区の子ども家庭支援センターの 専門職員が協働で児童虐待などに対応する「練馬区虐待対応拠点」を都内で 初めて設置しました。日常的な情報共有が可能となり、虐待発生時の速やか な合同訪問、一時保護、家庭復帰後の親子支援につなげるとともに、令和3 年度から虐待通告の初期対応の強化に取り組むなど、大きな成果を上げてい ます。また、子ども家庭支援センターに福祉職などの専門職員を増員するな ど体制を強化しました。 新型コロナ感染拡大への対応 希望に応じて電話対応なども行いながら、妊娠届提出後の全ての妊婦との面談 を継続しました。令和2年度の緊急対応として集団で実施している乳児健診を、 地域の医療機関等での個別健診でも対応しました。子育てのひろばでは、臨時休 室期間中にこれまで来所された方に連絡をして、子育ての悩みを伺う電話相談を 行いました。子ども家庭支援センターでは、定期的な生活状況の確認が必要な家 庭に対しては、ビデオ通話の活用により、直接会わずに保護者との面談や児童の 安否確認ができるようにしています。 今後の課題 少子化、核家族化、コミュニティの希薄化などにより、子育てに不安や負担 を感じたり、孤立する保護者が増えています。引き続き、身近な場所で気軽に 相談、交流できる環境の整備と合わせ、特に心身の負担が大きい出産直後の支 援や成長発達に不安を抱える家庭への継続的な支援の充実も必要です。また、 必要とする子育て支援サービスを簡単に選択し、利用できる環境の整備が必要 です。 児童虐待が増加し、複雑化、深刻化している中、虐待が繰り返されるケース も増加しています。子どもや子育て家庭が地域で安心して暮らし続けられるよ う、都区の連携を深め、児童相談体制をさらに充実・強化する必要があります。 令和4・5年度の主な取組 1 乳幼児親子の身近な相談場所の拡充【充実】 子育て中の保護者が身近な場所で気軽に子育てに関する相談ができるよ う、子育てのひろばへの相談員配置を拡大します。 2 成長発達にかかわる相談サポート体制の充実【充実】 産後ケア事業のデイケア・産後ケア訪問での利用可能日数(回数)を拡大 します。また、発達相談フォロー体制の強化として、心理相談員による家庭 訪問等を行います。 3 子育て支援アプリの導入【新規】 希望する子育て支援サービスを“知る・探す・申し込む”が簡単にできる 「(仮称)ねりま子育て支援アプリ」を導入します。また、導入にあたっては 「電子母子手帳アプリ」と連携し、利便性を向上させます。 4 児童相談体制「練馬モデル」の充実【充実】 児童虐待への迅速かつ一貫した対応をさらに強化するため、都区それぞれで 受け付けた虐待通告の初期対応を合同で振り分ける取組を拡大します。 一時保護解除後の家庭復帰ケースなどへの訪問支援は、本庁の子ども家庭 支援センターに加え、地域の子ども家庭支援センターが行います。ケースの 状態やニーズを踏まえた子育てサービスの利用調整等を行うことで、きめ細 かな児童虐待の再発防止等支援を継続的に行います。 戦略計画3 すべての小学生を対象に放課後の居場所づくり 令和5年度末の目標 地域・事業者・区の協働により、すべての小学生が安全かつ充実した放課後を 過ごすことができる環境を整備 これまでの主な取組 1 ねりっこクラブの拡大、ねりっこプラスの開始 学童クラブの校内化を進めるとともに、平成28 年から開始した「ねりっこ クラブ」を令和3年度までに37 校で実施しています。また、令和3年度から、 ねりっこクラブの待機児童を対象に、ひろば事業終了後のひろば室を活用した 「ねりっこプラス」を開始しました。 2 夏休み居場所づくり事業の拡充 夏休み中の小学生の居場所として、ねりっこクラブを実施していない小学校 でひろば事業を実施しています。 3 民間学童保育の拡充 多様な区民ニーズに応えるとともに、ねりっこクラブの担い手を育成するた め、これまでに民間学童保育15 施設を誘致し、運営費の助成を行いました。 新型コロナ感染拡大への対応 学校が一斉臨時休業になった際は、学童クラブでは一日保育を実施し、児童の 居場所を確保しました。学童クラブの従事者には、二度に渡り、区独自の特別給 付金を支給しました。施設にはマスクや消毒液の配布、衛生用品等の購入費補助 を行い、感染拡大防止を徹底しました。 校舎内のひろば室の利用ができない期間も含め、当該校の全ての児童が密を 避けて校庭が利用できるよう工夫し、居場所を確保しました。 学童クラブの入会や小学生の放課後の居場所について紹介する動画をオンラ イン配信しています。 今後の課題 増加する学童クラブの需要に着実に対応するとともに、すべての子どもに、安 全で充実した放課後の居場所を確保する必要があります。 令和3年6月に医療的ケア児支援法が成立したことを受け、学童クラブでの 医療的ケア児の受け入れを更に進める必要があります。 令和4・5年度の主な取組 1 ねりっこクラブの全小学校での実施【充実】 引き続き、「学童クラブ」と「ひろば事業」のそれぞれの機能や特色を維持 しながら事業運営を一体的に行う「ねりっこクラブ」の早期全校実施に取り組 みます。 2 医療的ケアが必要な児童の学童クラブでの受入れを充実【充実】 医療的ケアが必要な児童の学童クラブ入会について、新たに受入枠を設け、 優先選考を実施します。 戦略計画4 夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備えた子どもたちの育成 令和5年度末の目標 児童生徒一人ひとりに応じた、きめ細かな指導や支援により、夢や目標を持 ち、困難を乗り越える力を備えた子どもを育成 これまでの主な取組 1 教育の質の向上 電子黒板や令和2年度に全児童生徒に配備したタブレットパソコン等の ICT 機器を活用した授業が広がっています。令和3年度には助言を行うICT 支援員を大幅に増員したほか、効果的な授業を行えるよう教育ICT 実践事例 集を作成しました。老朽化が進む校舎等の計画的な改築を進めるとともに、 令和元年から概ね7 年間で全区立小中学校体育館に空調設備を設置できるよ う整備を進め、令和3年度までに40 校に設置しました。 2 家庭や地域と連携した教育の推進 全校に学校支援コーディネーターの配置や、地域人材による学習支援を79 校で実施するなど、地域と一体となった学校運営を行っています。 3 支援が必要な子どもたちへの取組の充実 不登校児童生徒を対象にした適応指導教室を新たに上石神井地域に開設し ました。また、生活困窮世帯を対象にした「中3勉強会」を拡充し、利用し た全生徒が進路を決めています。たんの吸引や導尿などの医療的行為が必要 な子どもが学校等に通うことができるよう、国に先行して医療的ケア児の支 援を行ってきました。 新型コロナ感染拡大への対応 一斉臨時休校時は、定期的に家庭へ連絡を行うことで子どもたちの心のケア に努めるとともに、様々な方法で学習の機会を確保しました。学校再開後は感 染防止策を徹底しながら、長期休業日の短縮などを通じて授業時間を確保しま した。また、当初の予定を前倒しして令和2年度中に全児童生徒へタブレット パソコンの配備を完了しました。緊急事態宣言中の令和3年9月には、感染リ スクを軽減するため、授業を午前中のみに短縮し給食後に帰宅としました。登 校できない児童・生徒に対して午後の時間帯にオンライン授業を行いました。 今後の課題 全児童生徒に配備したタブレットパソコンを活用した教育内容の充実や教員 の指導力のさらなる向上が必要です。また今後は、デジタル教科書の導入を見 据えた通信環境の最適化が求められます。 令和2年度から全面実施されている新学習指導要領では、教科指導の充実と ともにグローバル社会を生き抜く語学力の向上や国際理解の促進、体験活動に よる社会性や共に生きる力を育むことを目標としており、取組の強化が必要で す。 依然として増加傾向にある不登校の原因分析や事業効果の検証を行い、より 効果的な事業を行う必要があります。また、令和3年6月に成立した医療的ケ ア児支援法を踏まえ、医療的ケア児に対しての支援を更に充実する必要があり ます。表面化しにくいヤングケアラーの問題に対して、家庭の状況に応じた支 援が求められています。 令和4・5年度の主な取組 1 ICT を活用した教育内容の充実【充実】 教育ICT 実践事例集を活用するほか、実践的な研修の充実を図り、教員全 体のICT 活用能力を高めます。また、通信環境を整備しICT を活用した教育 効果の高い授業を実施していきます。 2 英語教育の充実【充実】 実践的な英語を活用し学習意欲を高める場として、中学1年生を対象とした 宿泊学習を新規実施するなど、各学年における英語教育を充実します。 3 小学校での農業体験学習の充実【充実】 区の特色である都市農業を生かし地域と連携した教育を推進するため、小学 校において農業者と連携した体験学習を充実します。 4 支援が必要な子どもたちへの取組の充実【充実】 中学3年生時に不登校状態であった生徒へのアンケート調査など不登校に 関する実態調査を実施します。調査結果とこれまでの取組について分析・検証 を行い、効果的な取組を検討し不登校対策を見直します。福祉、医療と連携し て、学校等における医療的ケア児に対する新たな支援方針を策定し、方針に基 づく支援を実施します。ヤングケアラーを支援するため、教育、子育て、福祉 など各部門が連携した取組を行っていきます。 施策の柱2 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち 区の基本姿勢 令和7年に、団塊世代の全ての方が75 歳以上の後期高齢者となります。介護が必要 になっても、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、医療・介護・予防・住ま い・生活支援が一体的・継続的に提供される、地域包括ケアシステムを確立することが 不可欠です。 区内の高齢者の約8 割は要介護認定を受けていない、いわゆる「元気高齢者」であ り、前期高齢者(65~74 歳)に限れば約95%が元気高齢者です。元気で意欲のある高 齢者が働き続けること、積極的に社会参加活動を行うことは、健康増進や介護予防につ ながります。また、福祉分野の労働力不足が叫ばれるなか、元気高齢者を地域の担い手 として期待する声も上がっています。 一方、ひとり暮らし高齢者が増加するなか、コロナ禍の影響などにより外出機会が減 少することで、高齢者が社会から孤立するリスクの高まりや、フレイル※等の問題が深 刻化することが懸念されています。一人ひとりの状態に合わせた支援の充実、見守りの 強化、介護予防へ参加しやすい環境整備が重要です。 介護保険施設等の整備や医療と介護が連携した在宅療養ネットワークの構築に取り 組むとともに、高齢者一人ひとりに合ったサービスを提供することで、住み慣れた地域 での暮らしを支えます。 施策の方向性 ・地域包括支援センターをより身近で利用しやすい窓口にする。 ・オンラインを活用した介護予防・フレイル予防事業を展開する。 ・高齢者一人ひとりの健康課題を解決する「高齢者みんな健康プロジェクト」を充実する。 ・高齢者やご家族が安心して暮らせるよう、高齢者の見守り体制を強化する。 ・介護保険施設等を着実に整備するとともに、在宅サービスを充実する。 ・働く意欲がある高齢者が、元気に働き続けられる機会を増やす。 ・高齢者が長年培ってきた知識・経験等を活かした地域活動を応援する。 施策の柱2 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち 区の基本姿勢 施策の方向性 ※フレイル・・・加齢による心身の活力( 筋力や認知機能など)や、社会的な側面( 人との交流など)の活力が低下し、 生活機能障害、要介護状態に陥りやすくなった状態 戦略計画5 高齢者地域包括ケアシステムの確立 令和5年度末の目標 介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、医療・介 護・予防・住まい・生活支援が一体的・継続的に提供される地域包括ケアシス テムを確立 これまでの主な取組 1 地域包括支援センターの移転 地域包括ケアシステムの中核機関である地域包括支援センターを、区内 25 か所に設置しています。より身近で利用しやすい窓口にするため、令和 元年度以降、3か所を介護施設内から区立施設へ移転しました。 2 特別養護老人ホーム等の施設整備・在宅サービスの充実 令和元年度から3年度までの間に、特別養護老人ホームは7施設(435 床 分)、都市型軽費老人ホームは4施設(80 人分)、看護小規模多機能型居宅 介護は4施設(112 人分)を増設し、施設数はいずれも都内最多です。 3 成年後見制度の利用の促進 認知症高齢者の増加に対応するため、令和2年3月に成年後見制度利用促進 基本計画を策定し、練馬区社会福祉協議会の権利擁護センターを中核機関と位 置付けたほか、新たに練馬区社会福祉協議会による法人後見を開始しました。 新型コロナ感染拡大への対応 特別養護老人ホームなどの施設では、感染症対策を徹底しながらサービスを 継続しました。区は、施設の従事者等に対し、区独自の特別給付金を支給したほ か、感染予防物品購入費用やPCR 検査費用などの補助を行いました。また、「感 染予防アドバイザー」派遣による感染症予防対策の支援や、施設に罹患者が出た 場合の、法人の枠を超えた応援体制構築に取り組みました。更に、高齢者の一時 宿泊先の確保、自宅へのヘルパー派遣事業など、自宅で高齢者を介護している家 族が新型コロナに罹患した場合の体制を整えました。 今後の課題 団塊世代の方が全て後期高齢者になる令和7年度を見据え、身近な地域で医 療や介護の相談ができる体制を充実する必要があります。 ひとり暮らし高齢者や高齢者のみ世帯が増加するなか、コロナ禍で外出機会 が減少することなどにより、認知機能、身体機能の低下が懸念されます。認知 症の方への支援や、高齢者を見守る体制の強化が必要です。 切れ目のない医療・介護サービスを提供していくため、施設整備の促進とと もに、障害のある高齢者が増加するなど、複合化、複雑化した生活上の課題に 対応できる人材の確保・育成が求められています。 令和4・5年度の主な取組 1 地域包括支援センターの増設・移転、医療・介護連携の推進【充実】 地域包括支援センターの増設、区立施設等への移転に向けた準備を進めま す。地域包括支援センターでは、練馬区医師会が運営する医療連携・在宅医 療サポートセンターと連携して、在宅療養ネットワークの強化に取り組みま す。また、高齢者の健康について総合的に支援を行う「高齢者みんな健康プ ロジェクト」を実施します。 2 認知症高齢者や見守りに関する支援の充実【新規】 認知症に早期に気づき適切な支援を受けられるようにするため、練馬区医 師会と連携して「もの忘れ検診」を実施します。また、訪問支援事業や民生 委員等と連携した見守りに加え、高齢者本人や介護するご家族に向けて、見 守りICT 機器の利用促進に取り組みます。 3 特別養護老人ホーム等の整備【充実】 特別養護老人ホームを3施設(276 人分)増設・増床するほか、都市型軽 費老人ホームなどの整備を行います。 4 練馬光が丘病院跡施設における複合施設の整備【充実】 医療・介護の複合施設の整備を進め、令和5年度に着工し、令和7年度中 の開設を目指します。介護分野では、介護医療院、看護小規模多機能型居宅 介護(共生型障害福祉サービス併設)、介護福祉士養成施設等を整備します。 5 練馬福祉人材育成・研修センターの充実【充実】 令和4年4月に、介護・障害分野の研修センターを統合し、介護サービス と障害福祉サービスの共通課題への対応力を強化します。 戦略計画6 元気高齢者の活躍と健康づくり・介護予防の推進 令和5年度末の目標 高齢者が就労・地域活動等で活躍できる仕組みや身近な場所で健康づくり・介 護予防に取り組める環境を整備 これまでの主な取組 1 「シニアセカンドキャリア応援プロジェクト」・「はつらつシニア応援プロジェ クト」の実施 高齢者の起業を促進する「高齢者向け起業・創業セミナー」や、趣味や特技 を活かした地域活動を応援する「はつらつシニア活躍応援塾」を開催しました。 2 高齢者の福祉分野での活躍を促進 元気高齢者が介護保険施設で清掃や洗濯などの軽作業を行う介護施設業務 補助事業は、特別養護老人ホームのほか、認知症対応型グループホームや介護 老人保健施設に業務範囲を広げ、就業を希望する高齢者が地域で活躍していま す。 3 区独自の介護予防事業の拡充 地域住民が気軽に集い、介護予防や健康について学んだり相談できる地域の 拠点「街かどケアカフェ」を、26 か所に拡充しました。また、高齢者と地域 団体をつなぐ「はつらつシニアクラブ」を18 か所で実施し、多くの高齢者が 参加しています。令和3年度から、健康課題を抱える高齢者を支援する「高齢 者みんな健康プロジェクト」を開始しました。 新型コロナ感染拡大への対応 緊急事態宣言下においても、介護予防に取り組めるよう、「街かどケアカフェ」 や「はつらつシニアクラブ」等について、開催規模を縮小するなど感染症対策を 徹底し、順次再開しました。また、リハビリ専門職を活用したオンラインによる 健康教室等を、はつらつセンターで開始しました。 今後の課題 コロナ禍で、高齢者の外出機会が減少し、フレイル※等の問題が見えないとこ ろで深刻化することが懸念されており、身近な場で介護予防に取り組める環境 づくりを進める必要があります。また、健康課題を抱える高齢者を適切な支援に つなげる取組を強化する必要があります。 従来の対面式・集合形式での活動が制限されるなかでも、継続して介護予防に 取り組める環境を整えることが必要です。また、コロナ禍を契機に、様々な手続 きのオンライン化が進んでおり、不慣れな高齢者への支援の充実が必要です。 活力ある地域社会を維持するためには、就労を含め高齢者が積極的に社会活 動に参加するための支援を充実していくことが必要です。 ※フレイル・・・加齢による心身の活力( 筋力や認知機能など)や、社会的な側面( 人との交流など)の 活力が低下し、生活機能障害、要介護状態に陥りやすくなった状態 令和4・5年度の主な取組 1 「高齢者みんな健康プロジェクト」の充実【充実】 区が保有する医療・健診・介護等のデータを活用し、高齢者保健指導専門員 と地域包括支援センターが連携して生活状況等を把握し、個別訪問や、教室事 業の案内などによって、高齢者一人ひとりの状態に応じた支援を充実します。 2 街かどケアカフェの充実【充実】 交流・相談・介護予防の拠点となる「街かどケアカフェ」を、地域サロン等 との協働や敬老館の機能転換により増設します。 3 オンラインによる介護予防事業の充実、スマホ教室の実施【充実】 リハビリ専門職を活用したオンラインによる健康教室等を、敬老館や街かど ケアカフェで展開していきます。また、高齢者がスマートフォンを使って、行 政サービスの手続きや買い物等ができるよう、「スマホ教室」を開催します。 4 シニアセカンドキャリア応援プロジェクトの充実【充実】 起業・創業に関するセミナーといった就労分野に加え、ボランティアなどの 地域活動等に関する情報提供を行うなど、支援内容を充実します。 5 元気高齢者介護施設業務補助事業の拡充【充実】 元気高齢者が軽作業等の就労を行う介護施設等を拡大します。 施策の柱3 安心を支える福祉と医療のまち 区の基本姿勢 障害者の高齢化・重度化、家族の高齢化が進むなか、障害者一人ひとりの自立した地 域生活をどのようにサポートしていくかが、大きな課題となっています。働きたい、日 中活動の場が欲しい、グループホームで生活したいなど障害者のニーズを的確に把握す るとともに、障害特性やライフステージに応じたサービスの提供が必要です。 生活保護受給世帯は増加傾向にあり、生活困窮者を含めた総合的な自立支援が求めら れています。新型コロナの影響で、生活困窮に関する相談が増加しています。なかでも、 非正規就労の割合の高いひとり親家庭は影響を大きく受けています。生活困窮者の早期 自立を支援するため、相談支援体制をこれまで以上に充実していきます。 区民の命と健康を守るため、引き続きPCR 検査体制やワクチン接種体制を維持し、 医療提供体制を確保することが不可欠です。また、今後起こりうる新興感染症や大規模 災害等に適切に対応していくため、医師会、区内病院などの関係機関との情報共有や密 接な連携を一層推進していく必要があります。 区の人口10 万人当たりの一般・療養病床数は、23 区平均の約3分の1と最も少な い状況ですが、これまでの取組により、平成26 年には1,856 床だった病床が令和7年 度には2,805 床にまで増える見込みです。高齢化の進展に伴う医療需要を見据え、引 き続き病床の確保を進めるとともに、在宅医療提供体制を充実します。新興感染症、首 都直下地震等の発生に備え、緊急性の高い重傷者にも対応できる三次救急レベルの医療 機能の整備を促進します。 誰もが安心して暮らせ、未来に希望を持って生活できるまちの実現を目指し、福祉・ 医療サービスを一層充実させます。 施策の方向性 ・障害者の暮らしを支える住まいの場や家族を支援する体制を確保する。 ・障害者が多様で柔軟な働き方ができる環境をつくる。 ・ひとり親家庭や生活困窮世帯等の自立を応援する。 ・新型コロナの対策を継続し、医療機関等との連携を強化する。 ・病床確保と医療機能の拡充に向けた取組を進める。 ・医師会、医療機関等と連携し、在宅医療の提供体制を充実する。 ・コロナ禍であっても区民一人ひとりの健康づくりを応援する。 戦略計画7 障害者が地域で暮らし続けられる基盤の整備 令和5年度末の目標 障害者が住み慣れた地域の中で、自立して暮らし続けることができるよう、 障害特性に応じた住まい・相談・就労・障害福祉サービスの充実など、障害者 のライフステージに応じたサービスを提供 これまでの主な取組 1 重度障害者への支援の充実 令和3年2月、北町2丁目に重度障害者グループホームなど多機能型の地域 生活支援拠点を整備しました。また、令和3年10 月に、大泉つつじ荘を重度 障害者グループホームに転換するなど生活基盤の整備を進めています。 2 就労支援の充実・農福連携の推進 企業や支援機関との連携強化に取り組み、令和2年度は、福祉施設などから 一般就労した障害者は年間187 人でした。また、練馬の農を活かし、障害者 が働ける場の確保に取り組んでいます。 3 障害特性に応じたきめ細やかな対応 精神疾患の未治療者や治療中断者への訪問支援(アウトリーチ事業)を充実 しました。また、こども発達支援センターにおいて、外出困難な重度障害児の 居宅や保育所等への訪問事業を開始しました。 新型コロナ感染拡大への対応 福祉園などの施設では感染症対策を徹底しながらサービスを継続しました。 施設の従事者等に対し、区独自の特別給付金を支給したほか、感染予防物品購 入費用やPCR 検査費用などの補助を行いました。また、「感染予防アドバイザ ー」派遣による感染症予防対策の支援や、施設に罹患者が出た場合の、法人の枠 を超えた応援体制構築に取り組みました。更に、障害者の一時宿泊先の確保、自 宅へのヘルパー派遣事業など、自宅で障害者を介護している家族が新型コロナ に罹患した場合の体制を整えました。 今後の課題 障害者の高齢化・重度化が進むなか、生活介護など必要な機能を有する日中活 動の場所を確保する必要があります。また、障害者を介護する家族の高齢化も進 んでいます。障害児を介護する家族などからも、負担が大きく、家族の休養を目 的とした支援を求める声が多く寄せられており、家族の介護負担を軽減する取 組を充実する必要があります。コロナ禍のなか、対面によらない相談支援の充実 が必要となっています。 コロナ禍で、マスク着用により口の動きが見えないことなど、障害者のコミュ ニケーションに関する課題が明らかになっています。障害者一人ひとりの自立 した地域生活を支えるため、障害特性に応じた情報提供や意思疎通手段の充実 と、区民・事業者等の理解促進などが必要です。 令和4・5年度の主な取組 1 障害者とその家族を支える取組の推進【新規】 旧高野台運動場用地に、民間事業者による福祉園を令和4年度に開設しま す。また、石神井町福祉園用地に多機能型地域生活支援拠点の整備を進めま す。 障害者家族の負担軽減のため、共生型サービス※を活用したショートステイ を区内特別養護老人ホームの空床を利用して開始します。また、練馬光が丘 病院の空床を利用して、医療的ケアに対応したショートステイを新たに開始 します。 2 障害児支援の充実【新規・充実】 障害児を介護する家族の負担を軽減するため、こども発達支援センター で、障害児の一時預かり事業を開始します。また、オンラインによる相談支 援や動画による療育プログラムの配信を実施します。学校・幼稚園・保育園 等における医療的ケア児の受け入れを強化します。 3 (仮称)練馬区障害者の意思疎通に関する条例の制定、関連事業の充実 【新規】 「(仮称)練馬区障害者の意思疎通に関する条例」を制定し、ICT を活用し た遠隔手話通訳や情報支援機器の利用支援、区民・事業者向けのコミュニケ ーションガイドラインの作成等の取組を開始します。 ※共生型サービス・・・高齢者と障害者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため、介護 保険と障害福祉サービスの両方の制度に位置付けられたサービス 戦略計画8 ひとり親家庭や生活困窮世帯等の自立を応援 令和5年度末の目標 誰もが未来に希望を持って生活できるよう、ひとり親家庭や生活困窮世帯等 の自立に向けた支援を充実 これまでの主な取組 1 ひとり親家庭自立応援プロジェクトの展開 平成28 年4月に「ひとり親家庭ニーズ調査」を実施しました。調査で把握 した課題やニーズに対応するため、平成29 年度に「ひとり親家庭自立応援プ ロジェクト」を開始しました。訪問型学習支援事業や自立支援プログラム事業 など23 区で最も多くの事業を実施しています。令和元年度には、離婚前後の 課題解決のための弁護士の配置や、専門相談員による出張相談を開始し、令和 3年4月から、養育費の確保に向けて、公正証書の作成費用等の助成を開始し ました。 2 生活困窮世帯への自立支援の充実 就労、家計、生活一般などの相談に対応する生活サポートセンターの相談 支援員や、求人開拓・事業者とのマッチング・就労定着支援を行う就労サポ ーターを増員するなど、生活保護に至る前の生活困窮者の支援に取り組んで います。 生活保護受給世帯の自立支援を強化するため、ケースワーカー等を増員し、 令和元年度に適正な人員を確保しました。就労サポーター、学習環境等に恵 まれない子どもへ個別訪問する子ども支援員、高齢世帯の定期的な見守りな どを行う高齢者生活支援員を増員しました。 3 子育てや介護など複合的な課題への対応の強化 子育てや介護、生活困窮などの複合的な生活上の課題を抱える世帯に適切 に対応するため、各相談窓口の役割分担や支援内容を調整する担当係を練馬 総合福祉事務所に設置しました。担当が中心となって開催するケース検討会 議を通じ、複合的な課題を抱える世帯へ各支援機関の役割を明確にした支援 を行いました。調整困難ケース事例集の作成や福祉・保健関係機関合同研修 会を実施しました。 新型コロナ感染拡大への対応 (1)相談支援体制の強化 他区に先駆け、令和2年4月27 日に生活相談コールセンターを設置し、 給付金や資金貸付、生活保護などの適切な支援につなげました。令和3年度 には、生活サポートセンターの相談支援員を3名増員して12 名体制とし、 各種相談にきめ細やかに対応してきました。 (2)国の特別定額給付金への対応 令和2年5月7日に専用コールセンターを設置し、給付を開始するなど、 早期支給に取り組みました。 (3)生活困窮者への支援 令和3年10 月までに約31,700 件の緊急小口資金等の特例貸付、約6,800 件の住居確保給付金、約900 件の生活困窮者自立支援金を支給しました。 区独自の取組として、令和2年度には、住居確保給付金だけでは家賃を賄 いきれない世帯に対する生活再建支援給付金の支給に加え、就労サポーター を3名増員し、生活保護に至る前の支援を強化しました。令和3年度には、 生活保護の新規受給世帯の増加に対応するため、ケースワーカーを7名、就 労サポーターを更に3名増員しました。就職支援給付金を支給し、生活困窮 から生活保護に至るまで、切れ目のない就労支援を実施しています。 また、コロナ禍において困窮する女性を支援するため、福祉事務所や保健 相談所、男女共同参画センター等の区立施設や社会福祉協議会を通じ、生理 用品を配布しました。 (4)ひとり親家庭への支援 区独自の取組として、令和2年5月からホームヘルプサービスの利用者負 担金を無料化し、令和2年6月に児童扶養手当受給世帯に5万円を支給し ました。令和3年8月から、資格取得を支援するため、高等職業訓練促進等 給付金の対象資格等を拡充しました。 今後の課題 新型コロナの影響で、生活困窮に関する相談が増加しています。なかでも、非 正規就労の割合の高いひとり親家庭は影響を大きく受けており、実態を把握し、 支援を充実することが必要です。 生活困窮者の早期自立を支援するため、相談支援体制をこれまで以上に充実 する必要があります。生活サポートセンターへの相談件数は令和元年度の 11,032 件から、令和2年度は17,460 件と、約60%増加しており、相談体制 の充実が必要です。 表面化しにくいヤングケアラーの問題に対して、家庭の状況に応じた支援が 求められています。 住居確保給付金の支給期間の終了等に伴い、今後、生活保護世帯の増加が見込 まれています。住居確保給付金を受けている方の約8 割が20 代から40 代であ り、早期の自立に向けた就労支援が必要です。 令和4・5年度の主な取組 1 ひとり親家庭自立応援プロジェクトの充実【充実】 新型コロナが生活・就労・子育てに与えた影響など、家庭の状況について調 査を実施し、調査結果を踏まえてニーズを把握し、ひとり親家庭の自立に向け た支援を充実します。 2 生活困窮者への相談支援体制の充実【新規・充実】 増加が見込まれる生活困窮者の生活相談に迅速かつ適切に対応するため、生 活サポートセンターの相談支援員を更に増員します。定期的な出張相談を現在 の石神井庁舎内で開始するとともに、より身近な場所でのアウトリーチ事業を 開始することで、相談体制を充実します。また、石神井再開発ビル内への生活 サポートセンターの設置に向けた調整も進めていきます。 ヤングケアラーを支援するため、教育、子育て、福祉など各部門が連携した 取組を行っていきます。 3 生活保護受給世帯に対する自立支援の実施【継続】 生活保護の新規受給世帯の増加に対応し、きめ細やかなサポートを行うため、 今後も適正なケースワーカーの人員を確保します。「就労自立の促進」「生活自 立の促進」「次世代育成支援」「適正支給の強化」を4つの重点項目として、生 活保護受給世帯の自立支援に取り組みます。特に就労支援については、ケース ワーカーと就労サポーター、ハローワーク等が連携して、生活困窮から生活保 護に至るまで、切れ目のない支援を実施していきます。 戦略計画9 感染症対応力の強化と安心して医療が受けられる体制の整備 令和5年度末の目標 1 新型コロナウイルス感染症対応の経験を活かし、新興・再興感染症の発生に 備えた感染症対応力の強化 2 高齢化の進展に伴う医療需要を見据え、入院から在宅医療に至るまで切れ 目のないバランスのとれた医療提供体制を整備 これまでの主な取組 1 病床の確保 (1)順天堂練馬病院の増床と医療機能の拡充 令和3年4月に、90 床増床に加え、手術室、ICU※1、NICU※2 の増設、 GCU※3 の新設、新たな診療科として心臓血管外科の開設等により、区民の 要望が高い救急医療や小児・周産期医療等の医療機能を拡充しました。 (2)練馬光が丘病院の移転・改築 令和4年度中の開院に向け、令和2年6月に建設工事に着手しました。 (3)慈誠会・練馬高野台病院の整備 令和4年度中の開院に向け、令和3年1月に建設工事に着手しました。 (4)練馬光が丘病院跡施設における複合施設の誘致 令和2年12 月に、練馬光が丘病院跡施設活用基本計画に基づき整備運 営事業者を選定し、医療・介護の複合施設を整備することとしました。 2 在宅医療の提供体制の充実 在宅医療の担い手となる医師や医療機関の支援を行う「医療連携・在宅医 療サポートセンター」を、令和3年4月に練馬区医師会に設置しました。 ※1 ICU ・・・Intensive Care Unit の略。重篤な患者に対し、24 時間体制で高度な医療・ 看護を行う集中治療室 ※2 NICU ・・・Neonatal Intensive Care Unit の略。保育器や人工呼吸器、こども用点滴器 具等を備え、早産児や先天性疾患等を患った重症新生児を集中的に治療・ケ アする治療室(新生児集中治療室) ※3 GCU ・・・Growing Care Unit の略。NICU で治療を受け、低出生体重から脱した新生 児や状態が安定してきた新生児などが、引き続きケアを受ける施設 新型コロナ感染拡大への対応 (1)コールセンターの設置 新型コロナウイルス感染症練馬区コールセンターを令和2年2月に開設 し、これまでに5万件を超える区民からの相談を受けました。 (2)保健所の人員体制の強化 保健所の人員体制を、令和元年度末の20 人体制から、令和3年9月に は121 人体制まで増強しました。 (3)病院や医療従事者への支援 新型コロナ感染患者の入院受入れやコロナ外来設置病院に対して、医療 従事者の宿泊先の確保や特殊勤務手当の補助のほか、陽性患者の受入れ実 績等に応じた支援を行いました。 (4)PCR 検査体制の整備 区内5か所のコロナ外来設置病院、練馬区医師会の協力による130 か所 を超える診療所でのPCR 検査実施体制を整えたほか、令和2年9月に、石 神井公園駅西側高架下に「PCR 検査検体採取センター」を設置しました。 (5)ワクチン接種体制の整備 身近な診療所での個別接種と集団接種をベストミックスした、ワクチン 接種体制「練馬区モデル」を構築し、練馬区医師会、練馬区薬剤師会と協 力して「早くて 近くて 安心」な接種の実現に取り組みました。国が先 進事例として全国に紹介して以来、多くの自治体で採用されています。令 和3年11 月15 日時点で、区全体の接種率は81.5%、高齢者の接種率は 93.1%となっています。 円滑な接種に向け、区独自に各診療所のワクチン管理経費を支援しまし た。車いすを利用する高齢者や障害者の方などの接種会場への移動を支援 するため、リフト付きタクシーによる送迎費用助成も実施しました。 (6)自宅療養者への支援 生活支援用品の支給やパルスオキシメーターの貸与等を行いました。 自宅療養者への医療体制を強化するため、令和3年9月から、練馬区医 師会、薬剤師会、訪問看護事業所と連携した「かかりつけ医等による健康 観察」および「電話診療を中心とした在宅における医療支援」を開始しま した。軽症等の方を受け入れ、酸素投与や抗体カクテル療法等を行う「練 馬区酸素・医療提供ステーション」を光が丘第七小学校跡施設に設置しま した。 今後の課題 区民の命と健康を守るため、引き続きPCR 検査体制やワクチン接種体制を 維持し、医療提供体制を確保することが不可欠です。また、新興感染症※の拡 大や大規模災害等に適切に対応していくため、医師会、区内病院などの関係機 関との情報共有や密接な連携を一層推進していく必要があります。 新型コロナの感染拡大により、感染者対応に関する国・都・区の役割分担の問 題点が浮き彫りとなりました。広域的対応が必要なものについては、国・都が責 任をもってその役割を果たすよう、役割分担等のあり方について検討する必要 があります。 練馬区は73 万人以上の人口を抱えながらも、重篤な救急患者に対して高度な 医療を総合的に提供する三次救急医療機関がありません。新興感染症の拡大時 や、災害時に備えた医療提供体制を確保するためにも三次救急レベルの医療機 能を整備することが求められています。 練馬区の人口10 万人当たりの一般・療養病床数は、23 区で最も少なく、入 院を必要とする区民の約7割が区外の病院に入院しています。今後の高齢化の 進展に伴う医療需要を見据え、引き続き、必要な機能を備えた病床の確保を進 めていく必要があります。 高齢者人口の増加に伴う要介護高齢者の増加により、今後は在宅医療へのニ ーズが高まることが予測されています。在宅医療を担う人材を増やすととも に、在宅医療体制を充実させる取組が必要です。 ※新興感染症・・・最近になって新しく出現した感染症の総称 令和4・5年度の主な取組 1 新型コロナ対策の継続と感染症発生時の連携体制の強化【新規】 引き続きPCR検査体制やワクチン接種体制の維持など、新型コロナ対策 を継続します。また、区と、医療機関や福祉施設、保育園・学校等関係機関と のネットワークを強化するとともに、感染症発生時の情報共有や、相互支援の あり方を検討していきます。さらに、感染症対応に関する役割分担の見直しに 向け、国や都に働きかけます。 2 新興感染症の拡大時や災害時に備えた医療体制の整備【充実】 順天堂練馬病院において、新興感染症等拡大時の医療体制や三次救急レベル の医療機能の整備、災害時の応急処置等の対応スペース、備蓄物資等の保管場 所の確保を促進します。 3 病床の確保【充実】 (1)練馬光が丘病院の移転・改築 高度急性期・急性期機能を充実するとともに、光が丘地域で初となる回復 期機能の病床を有する457 床の病院の整備を進め、令和4年度中の開院を 目指します。また、感染症に対応できる陰圧病床等を整備します。 (2)慈誠会・練馬高野台病院の整備 回復期・慢性期機能を有する218 床の病院の整備を進め、令和4年度中 の開院を目指します。 (3)練馬光が丘病院跡施設における複合施設の整備 医療・介護の複合施設の整備を進め、令和5年度に着工し、令和7年度中 の開設を目指します。医療分野では、区内初となる緩和ケア病床や地域包括 ケア病床および療養病床を有する157 床の病院を整備します。 (4)新たな病院整備の検討 練馬区医療施策検討委員会からの提言を踏まえ、区内の病院配置状況を 考慮しながら、今後の医療需要等を見据えた医療機能を有する新たな病院 の誘致を目指します。 4 在宅医療提供体制の充実【充実】 「医療連携・在宅医療サポートセンター」と連携しながら、在宅医療への新 規参入の動機づけとなる研修の実施や他科連携支援体制構築の検討、グループ 診療体制構築の検討を通じて在宅医療提供体制を充実します。また、新型コロ ナに係る自宅療養者への支援を継続します。 戦略計画10 コロナ禍であっても、区民一人ひとりの健康づくりを応援 令和5年度末の目標 新型コロナウイルス感染症による健康リスクを低減し、区民や地域団体、事 業者との協働により区民一人ひとりの健康づくりを応援 これまでの主な取組 1 みどり健康プロジェクトの実施 練馬区健康管理アプリ「ねりまちてくてくサプリ」は、ウォーキングコー スの拡充や、上田市・東京あおば農業協同組合・食育応援店等とのコラボに よるキャンペーンを行い、登録者数が16,400 人を超えました。 2 子どもの頃からの健康教育 順天堂練馬病院等と連携し、小・中学生向けがん予防啓発用のDVDを作 成し、保健師による出張講座を実施しました。家族全体の健康づくりにつな げるため、子どもを通じて家庭に健康情報を発信しています。 3 こころの健康を支える地域づくり ゲートキーパー養成講座を開催し、令和元年度から令和3年度の間に796 名の方が受講しました。また、相談窓口案内パンフレットや、支援者向け 「練馬区自殺予防対策の手引き」を作成し、広く区民に周知しました。 4 健診(検診)環境の充実 子育て中の方が健康診査を受診しやすくなるよう、保育サービスを実施し ました。また、胃内視鏡検査受診機関を平成30 年度1か所から令和2年度 には47 か所に増加しました。 新型コロナ感染拡大への対応 コロナ禍での区民の健康を支えるため、これまで対面で実施してきた運動や 食など健康に関する各種講座等やゲートキーパー養成講座を、Web 会議システ ム「Zoom」を活用して動画で配信しました。 また、健診(検診)会場の感染予防策を徹底して、安心して受診できるよう ご案内しました。 今後の課題 新型コロナの影響により、自宅で過ごす時間が増え、こころと身体の健康リ スクが高まっています。運動不足や食の改善など、楽しみながら行う区民の健 康づくりを推進する必要があります。また、区では女性や若者の自殺が増加傾 向にあることを踏まえ、対応を強化する必要があります。 コロナ禍で、健診(検診)受診率の更なる低下が懸念されています。疾病や生 活習慣病の早期発見・早期治療のために、引き続き、受診率の向上に取り組む 必要があります。 50 歳以下のがん患者の約7 割が仕事を辞めずに治療を続けていると言われ ています。検診の受診率を向上させるとともに、がん患者が住み慣れた地域で 自分らしく療養生活を続けるための支援を充実する必要があります。 令和4・5年度の主な取組 1 みどり健康プロジェクトの充実【充実】 区内スポーツ関連事業者等と連携し、特典が得られる健康インセンティブ事 業を実施するなど、ねりまちてくてくサプリを充実します。 民間企業・健康関連団体と連携し、動画プラットフォーム「YouTube」を活 用して禁煙、がん、糖尿病、女性の健康等様々なテーマでオンラインによる健 康イベントを開催し、楽しく気軽に健康について学ぶ機会を提供します。 2 こころの健康づくり対策の拡充【充実】 自殺対策を支える人材(ゲートキーパー)の役割を学ぶための動画を配信 するほか、区の自殺の傾向を踏まえ、理美容業界や飲食店等、女性や若者が 利用する業種を対象に研修を実施します。また、こころの健康に関するホー ムページの内容を充実し、情報にアクセスしやすい環境を整備します。 3 健診(検診)受診環境の充実【新規・充実】 受診日を指定できるインターネット予約システムを導入します。また、会 場での保育サービスを拡充し、骨粗しょう症の検診および予防教室を開始し ます。 4 がんを早期に見つけ、がんと共に生きる区民を支える【新規】 自分が受けられるがん検診が一目でわかるよう受診券のチケット化を進 めます。区、順天堂練馬病院のがん相談支援センター、患者団体、支援者な どで構成するがん患者支援連絡会を設置し、ニーズ調査の結果を踏まえ、患 者のQOL向上に向けた取組を検討します。 施策の柱4 安全・快適、みどりあふれるまち 区の基本姿勢 練馬区は、都市化が急激に進んだため、道路・鉄道などのインフラ整備が著しく遅れ ています。直近の区民意識意向調査でも、最も力を入れて欲しい施策として、「都市イ ンフラの整備」が1位に選ばれています。都市計画道路の整備等は、完了まで年月を要 する事業であり、計画的に進めていく必要があります。コロナ禍により、住民の皆様と の協議に際し工夫が必要ですが、事業進捗に応じて丁寧に説明し、理解に努めながら、 着実に進めていきます。あわせて、地震や豪雨災害による被害を最小限に抑えるため、 地域ごとのリスクに応じた防災力を向上させる取組を進めます。 区内の民有地のみどりは、一貫して減少を続けており、既存のみどりを守るだけでな く、新たなみどりを増やす取組が求められます。行政の取組だけで、みどりを守り、増 やすことは不可能です。区民とともに、みどりに恵まれた環境を未来へつなぐ取組を進 めます。 国は、2050 年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「脱炭素社会」の実現を 目指すことを表明しました。区は目標達成に向けて環境施策を総合的に展開するととも に、区民・事業者との協働をさらに推進していきます。 安全で快適な、みどりあふれるまちの実現を目指し、区民と手を携えながら積極的に 取り組んでいきます。 施策の方向性 ・建物の耐震化・不燃化や狭あい道路の拡幅等、災害に強いまちづくりを進める。 ・流域対策を進めるとともに、河川や下水道の整備を東京都に要請する。 ・都市計画道路の整備、西武新宿線の連続立体交差化を着実に進める。 ・大江戸線の延伸の早期実現に向けて取組を進める。 ・公園や都市計画道路の整備により、みどりのネットワークを形成する。 ・区民とともにみどりを守り育てるムーブメントの輪を広げる。 ・区民・事業者との協働により脱炭素の取組を推進する。 戦略計画11 地域の災害リスクに応じた「攻めの防災」 令和5年度末の目標 地域ごとに異なる災害リスクに応じた「攻めの防災」を進め、地震や水害によ る被害を軽減し、「災害に強く、逃げないですむまち」の整備を推進 これまでの主な取組 1 地震・火災に対する防災まちづくりの推進 老朽木造住宅が密集し、地震発生時の建物倒壊や延焼の危険性が高い地域 で密集住宅市街地整備促進事業に取り組んでいます。令和元年度までに江古 田北部地区、北町地区の事業が完了しました。現在は貫井・富士見台地区で 道路拡幅等を進め、桜台東部地区で事業着手にむけた住民協議に取り組んで います。これらに次ぐ危険性が懸念される田柄、富士見台駅南側、下石神井 の3地区を、区独自に「防災まちづくり推進地区」に位置づけ、狭あい道路 の拡幅、危険なブロック塀等の撤去促進などに集中して取り組んでいます。 災害時の特定緊急輸送道路に指定されている道路の沿道建築物の耐震化 は、令和3年度には96%まで進みました。 2 水害への対策(河川、下水道の早期整備および流域対策の強化) 石神井川、白子川、旧田柄川沿いの3地区に雨水貯留浸透施設を設置しま した。令和2年度に「練馬区総合治水計画」を改定し、時間75 ミリまでの 降雨に対応することとしました。また、東京都が整備を進めている第二田柄 川幹線は、令和3年度に完成する予定です。 3 地域危険度の啓発とリスクに即した訓練 水害リスクの高い3地区をモデルとして選定し、地域住民と協働で「地域別 防災マップ」を作成し、マップを活用した訓練に取り組んでいます。また、 「防災の手引」と「練馬区水害ハザードマップ」を全面改定し、令和元年度に 全戸配付しました。 新型コロナ感染拡大への対応 避難所の感染症対策を強化するため、非接触型体温計やフェイスシールド等 を新たに備蓄し、マスクや消毒液等を増量しました。また、避難拠点運営マニ ュアルを改訂し、感染症対策を新たに盛り込み、訓練を実施しました。 今後の課題 首都直下地震や火災等による被害を軽減するため、引き続き、密集住宅市街 地整備促進事業等を着実に進めていく必要があります。また、特定緊急輸送道 路沿道建築物の耐震化は96%まで進みましたが、一般緊急輸送道路沿道建築 物の耐震化は80%にとどまっており、重点的に取り組んでいく必要がありま す。 近年多発する局地的な集中豪雨に備えるため、雨水浸透施設の設置などの雨 水流出抑制対策を着実に進める必要があります。また、災害時に自ら避難する ことが困難な高齢者や障害者等の方々が、円滑に避難できるよう支援する必要 があります。 令和4・5年度の主な取組 1 地震・火災に対する防災まちづくりの推進【継続】 密集住宅市街地整備促進事業に取り組んでいる貫井・富士見台地区、桜台東 部地区、および防災まちづくり推進地区に指定した3地区において、地域住民 への丁寧な周知啓発等に取り組み、道路の拡幅、建築物の不燃化、危険なブロ ック塀等の撤去など、災害に強いまちづくりを推進します。 一般緊急輸送道路沿道建築物の所有者を個別訪問し、建築物の倒壊による道 路閉塞の危険性について、図面や写真等を用いて丁寧に説明を行い、耐震改修 の重要性・緊急性への理解を得ながら、耐震化を促進します。 2 水害への対策(河川、下水道の早期整備および流域対策の強化)【継続】 公園などの公共施設を活用し、雨水浸透施設を設置します。雨水貯留浸透施 設の機能維持と長寿命化を図るため、適切な維持管理を推進します。また、河 川や下水道の整備を引き続き東京都に対し要請していきます。 3 要配慮者利用施設および避難行動要支援者への支援【新規】 石神井川流域の洪水浸水想定区域内にある社会福祉施設、医療施設等の要配 慮者利用施設のうち、特に水害リスクの高い地域にある施設には、避難確保計 画の作成段階から区が積極的に関わり訓練の実施などを支援します。また、避 難行動要支援者名簿に登録されている方の個別避難計画の作成を検討します。 4 地域別防災マップの作成・訓練の実施【充実】 地域の災害リスクや防災情報をまとめた地域別防災マップを、引き続き水害 リスクの高い地区から地域住民と協働で作成します。マップを活用した訓練を 実施し、地域の防災力を強化します。 戦略計画12 みどり豊かで快適な空間を創出する交通インフラの整備 令和5年度末の目標 1 質の高い都市空間の創出や交通の円滑化、防災機能の向上を実現する都市 計画道路の整備、西武新宿線の立体化の促進 2 大江戸線延伸の事業化、みどりバスの再編による公共交通の充実 これまでの主な取組 1 都市計画道路の整備 「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において、 優先整備路線に位置付けられた路線の事業化を進めています。区内の優先整備 路線※18.5km のうち、令和3年度までに5路線7区間の約3.9km を新たに 事業着手しました。 2 西武新宿線(井荻駅~西武柳沢駅間)の立体化 東京都や鉄道事業者、沿線区市と連携し、連続立体交差化計画と関連する側 道や交通広場などの計画について、令和3年11 月に都市計画決定しました。 3 大江戸線の延伸 国の交通政策審議会答申および都の広域交通ネットワーク計画を受けて、東 京都が令和3年3月に公表した「『未来の東京』戦略」において、大江戸線の 延伸は事業着手に向けた位置付けが明記されました。 東京都との実務的協議を実施し、延伸の意義や必要性、混雑対策および必要 な施設など事業化に向けた検討を行っています。 大江戸線延伸推進基金は、令和元年度までに目標額50 億円の積み立てを完 了しました。 4 みどりバス再編等による公共交通空白地域改善の推進 令和3年度までにみどりバスのバス停を3箇所増設しました。また、道路整 備にあわせて、一部ルートの切り替えを行いました。 新型コロナ感染拡大への対応 事業計画等の説明会は、定員制限や回数を多くするなど、対策を講じて実施し ました。また、バス事業者に感染予防物品購入費等の助成を行いました。 ※優先整備路線…都市計画道路のうち令和7年度までに優先的に整備すべき路線 今後の課題 災害に強く、安全・安心な暮らしを支える都市インフラの整備には長い年月が 必要であり、計画的に進めていくことが必要です。 新型コロナの感染拡大防止に配慮しつつ、事業の進捗に合わせて丁寧な説明 を行いながら、都市計画道路の整備や西武新宿線の立体化、大江戸線の延伸など の各事業を着実に進めていく必要があります。 都市インフラの整備状況等にあわせて、みどりバスルートの再編等を行い、公 共交通空白地域の改善に取り組んでいく必要があります。 令和4・5年度の主な取組 1 都市計画道路の整備【継続】 優先整備路線について、新たに約3.5km の事業着手に向けて取り組みます。 引き続き、東京都施行路線については早期整備を働きかけ、区施行路線につ いては着実に整備を進めます。 2 西武新宿線の立体化【継続】 東京都や鉄道事業者、沿線区市と連携し、連続立体交差事業および鉄道付属 街路等の事業に着手します。 駅周辺のまちづくりや交差する都市計画道路の整備を進めます。 3 大江戸線の延伸【継続】 引き続き、駅・トンネル構造、車両の留置施設等延伸に必要な施設や収支採 算性の確保など、事業化に向けて東京都と実務的協議を進めます。あわせて、 新駅予定地周辺など沿線のまちづくりを進めます。 4 みどりバス再編等による公共交通空白地域改善の推進【充実】 道路整備にあわせた保谷ルートの再編や、練馬光が丘新病院の移転に伴う ルートの延伸を行います。また、みどりバスの増便やバス停の新設等について、 バス事業者と協議を行い、公共交通空白地域の改善を進めます。 戦略計画13 魅力にあふれ利便性に富んだ駅前と周辺のまちづくり 令和5年度末の目標 連続立体交差事業、鉄道の延伸などにあわせ、多くの人々でにぎわう駅前空間 の創出や快適に安心して買い物ができる商業空間の整備 これまでの主な取組 1 西武新宿線沿線のまちづくり 上石神井駅周辺では、交通広場を含む外環の2の用地取得を進めるととも に、地区計画の策定や建築物の共同化について、地域の方々と検討しています。 武蔵関駅周辺では、交通広場の都市計画を決定するとともに、補助230 号 線の事業認可取得に向けた測量に着手しました。 上井草駅周辺(下石神井四丁目地区)では、商店街通りの整備等のまちづく りについて、地域の方々と協議を進めています。 2 大江戸線新駅予定地周辺のまちづくり 大江戸線延伸地域の4地区(約90.1ha)で地区計画を決定しました。 (仮称)大泉学園町駅予定地周辺では、駅前広場の整備と商業施設等の充実を 目指した建築物の共同化など、権利者等と検討しています。 3 地域の拠点である駅周辺のまちづくり 石神井公園駅周辺では、令和2 年12 月に駅南口西地区市街地再開発事業お よび駅南地区地区計画変更について都市計画決定しました。平和台駅周辺では、 放射35 号線の整備事業の進捗にあわせて地区計画を決定しました。 4 鉄道駅や周辺のバリアフリーの充実 2ルート目のエレベーターやホームドアの設置、エスカレーター整備など更 なるバリアフリー化を目指し、鉄道事業者と協議を進めています。また、駅と 主要な公共施設を結ぶ経路のバリアフリー整備を進めています。 新型コロナ感染拡大への対応 まちづくり協議会等は、資料の事前配布や動画配信の活用による書面開催、開 催時間の短縮、Web 会議方式など、工夫を講じて実施しました。 今後の課題 多くの人々で賑わう駅前空間の創出や、快適で暮らしやすい住環境の実現の ため、道路や鉄道などの整備にあわせ、まちづくりを着実に進めていくことが必 要です。 新型コロナの感染拡大防止に配慮しつつ、まちづくり協議会や説明会の開催 方法を工夫し、地域の方々とともに取り組むことが必要です。 様々な人が利用する駅や公共施設等は、誰もが安全で使いやすくなるよう、よ り一層のバリアフリー化が必要です。また、駅とこれら施設を結ぶ経路の整備も 必要です。 令和4・5年度の主な取組 1 西武新宿線沿線のまちづくり【継続】 上石神井駅周辺では、地区計画を都市計画決定します。また、外環の2の用 地取得や建築物の共同化についての検討を進めます。 武蔵関駅周辺では、交通広場と補助230 号線の事業認可を取得します。ま た、地区計画の策定、建築物の共同化について検討を進めます。 上井草駅周辺(下石神井四丁目地区)では、引き続き、商店街通りの整備等 のまちづくりについて協議を進めます。 2 大江戸線新駅予定地周辺のまちづくり【継続】 大泉町二丁目、補助233 号線沿道では地区計画を活用したまちづくりを進 めます。(仮称)大泉学園町駅予定地周辺では駅前広場の計画や建築物の共同 化などについて、検討を進めます。 3 地域の拠点である駅周辺のまちづくり【継続】 石神井公園駅周辺では、駅南口西地区市街地再開発事業が円滑に進むよう、 引き続き、準備組合の取組を支援します。また、南口商店街においては、変更 決定した地区計画に基づいた街並み整備に向けて協議を進めます。 氷川台駅周辺など放射36 号線沿道では、幹線道路沿道にふさわしい土地利 用を促し、周辺環境と調和したまちづくりについて協議を進めます。 4 鉄道駅や周辺のバリアフリーの充実【継続】 区内各駅へのホームドアや光が丘駅と小竹向原駅の2ルート目のエレベー ター設置について、鉄道事業者等の動向を踏まえ働きかけていきます。光が丘 駅周辺ではエスカレーター等の設置工事や、駅と移転後の練馬光が丘病院を結 ぶ経路のバリアフリー整備を行います。 戦略計画14 練馬のみどりを未来へつなぐ 令和5年度末の目標 練馬のみどりに満足している区民の割合80%を目指し、みどりのネットワー ク形成と区民とともにみどりを守り育てる仕組みづくりを推進 これまでの主な取組 1 みどりのネットワークの形成 みどりの拠点となる公園づくりを進めるため、令和3年度に四季の香ローズ ガーデンを大幅にリニューアルし、大泉学園町希望が丘公園を全面開園しまし た。また、長期プロジェクトである稲荷山公園の基本計画素案を策定しました。 身近な公園として、子どもたちによるワークショップや地域の方々からの提 案をもとに整備に取り組んできた上石神井こもれび公園を開園しました。 東京都が整備する練馬城址公園は、都、区、民間事業者で締結した覚書に基 づき、区の求める「緑と水」、「広域防災拠点」、「にぎわい」の機能を備えた公 園の実現に向け設計等が進められています。 練馬の原風景と言える屋敷林等の重要な樹林地を保全するため、所有者と 合意形成を図り、新たに3か所を都市計画緑地として決定しました。 2 みどりを育むムーブメントの輪を広げる 令和3年度から地域住民による落ち葉清掃の試行を一部の保護樹林で開始 したほか、公園や憩いの森の区民管理を拡充しました。 つながるカレッジねりまに、草花の基礎知識・植栽デザイン・グループ活動 のコツなどを学べる「コミュニティ・ガーデナーコース」を令和2年度に開設 しました。 練馬区みどりを育む基金は、複数の事業から応援したいメニューを選択でき るようリニューアルしたことで、寄付件数が約4 倍に増加しました。寄付の 一部は、四季の香ローズガーデンの整備等に活用しました。 新型コロナ感染拡大への対応 公園整備に向けたオープンハウスや都市計画の説明会の開催にあたり、定員 の設定や、来場の事前予約制、回数増など、対策を講じて実施しました。 今後の課題 みどりのネットワークの拠点となる公園や、みどり豊かな幹線道路の整備に より、公共のみどりは増えていますが、区のみどりの約75%を占める民有地の みどりは、相続時の税が負担となることから生産緑地や樹林地が宅地化される など、減少傾向にあります。 引き続き、公園の整備や幹線道路の整備にあわせたみどりのネットワークの 形成を進めるとともに、民有地のみどりを維持し続けられる方策を考える必要 があります。 練馬の特色であるみどりを地域の財産として育むために、所有者だけではな く、区民がみどりに関する活動に関わりやすい仕組みづくりを進め、地域全体で みどりを育むムーブメントの輪を広げていく必要があります。 令和4・5年度の主な取組 1 みどりのネットワークの形成【継続】 長期プロジェクトである稲荷山公園、大泉井頭公園の整備に向けた検討を進 めます。石神井松の風文化公園の拡張に着手し、スポーツ施設を整備します。 練馬城址公園は、区の求める機能を備えた公園の実現に向け、引き続き東京 都や関係者と調整していきます。 みどりの実態調査の結果をふまえ、特に希少な樹林地については所有者との 合意形成を進め、都市計画緑地として確保します。 2 みどりを育むムーブメントの輪を広げる【充実】 みどりの活動のすそ野を広げるために、つながるカレッジねりま卒業生など 意欲のある区民に向けて、みどりに関する活動や求人情報を発信し、活動に結 び付ける仕組みづくりを進めます。 つながるカレッジねりまに、憩いの森の管理に必要な知識や技術を学べるコ ースを開講し、憩いの森の区民管理の拡充を進めます。 保護樹林などの民有樹林地の落ち葉清掃に地域住民が積極的に取り組む活 動を広げます。 練馬区みどりを育む基金に憩いの森の区民管理や保護樹林の清掃活動など、 区民協働事業を寄付先とするメニューを新設し、練馬の樹林地の保全につなげ ます。 戦略計画15 脱炭素社会の実現に向けた総合的な環境施策の展開 令和5年度末の目標 2050 年までの脱炭素社会の実現に向け、区民・事業者と協働して、総合的な 環境施策を展開 これまでの主な取組 1 避難拠点のエネルギーセキュリティの確保 避難拠点(区立小・中学校)の緊急電源として活用するため、公用車にEV (電気自動車)10 台とFCV(燃料電池自動車)2台を導入しました。また、 自動車メーカーおよび販売事業者2社と、災害時における電気自動車等の提 供について協定を締結するとともに、区民が所有するEV 等を活用する「災害 時協力登録車制度」を創設しました。 5校の避難拠点に太陽光発電設備と蓄電池を設置しました。 2 自立分散型エネルギー社会への取組の推進 これまでに、家庭や事業所が設置した太陽光発電設備等9,625 件に補助を 行い、13,007t-CO2 の温室効果ガスを削減しました。 また、順天堂練馬病院で発電した電力の一部を災害時に隣接する医療救護所 (石神井東中学校)へ供給できるよう「地域コジェネレーションシステム」を 令和2年度に整備しました。 北保健相談所に太陽光発電設備と蓄電池を設置しました。光が丘区民センタ ーは、分散型・再生可能エネルギー設備の普及実証モデル事業として位置付け、 設置の準備を進めています。 3 省エネルギーへの取組 区立施設23 か所で使用する電力を、清掃工場の再生可能エネルギーを活用 した電力に切り替えました。 環境イベントや講演会、エコライフチェックなどを通じ、省エネ機器や省エ ネ型ライフスタイルの普及啓発を行いました。 新型コロナ感染拡大への対応 環境講演会のWeb 配信やe ラーニング形式の学習コンテンツの活用、SNS に よる情報発信などにより、環境教育・啓発の場を継続的に確保しました。 今後の課題 国は、2050 年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「脱炭素社会」の 実現を目指し、2030 年度までに温室効果ガスを2013 年度の値から46%削減 する目標を表明しました。目標達成に向けて環境施策を総合的に展開し、区民・ 事業者との協働をさらに推進する必要があります。 令和3年6月のプラスチック資源循環促進法の制定を受けて、プラスチック 廃棄物の排出抑制、再資源化等の取組の強化が求められています。 令和4・5年度の主な取組 1 脱炭素社会の実現に向けた環境基本計画の策定【新規】 2050 年までの脱炭素社会の実現に向け、「環境基本計画2020」に「エネル ギービジョン」などの既存計画も組み入れ、新たな計画を策定します。 2 区民や事業者との協働による脱炭素の取組の推進【充実】 家庭・業務部門の温室効果ガスの排出削減を加速するため、再生可能エネル ギー等の導入にかかる補助制度をより効果が高まるように見直します。 区民、地域、学校、事業者、民間団体等、あらゆる主体との協働により環境 教育・啓発を推進し、脱炭素の行動につなげます。 3 先進技術の導入・運用【充実】 順天堂練馬病院に続き、移転・改築後の練馬光が丘病院と光が丘秋の陽小学 校との間に「地域コジェネレーションシステム」を整備します。 令和3年度から田柄特別養護老人ホームで実施している「超高効率燃料電池 システム」のモデル事業で、省エネルギー効果を検証します。 区内に水素ステーションが立地していることを活かし、水素エネルギーの活 用を検討します。 4 区の率先した取組【充実】 公用車は計画的にEV 等の電動車※に切り替えます。 区立施設への再生可能エネルギー設備の導入を加速するとともに、使用する 電力について、環境に配慮した調達を拡大します。 5 ごみの減量・資源化の推進【新規】 不燃ごみに含まれる金属類等を選別・資源化する不燃ごみ資源化事業を開 始します。 プラスチックの資源循環を一層促進するため、今後国から示される手引きに 基づき排出抑制や再資源化の取組を進めます。 ※電動車…電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、 ハイブリッド車(HV) 施策の柱5 いきいきと心豊かに暮らせるまち 区の基本姿勢 コロナ禍により、事業環境が大きく変化し、事業活動におけるデジタル化の必要性が 高まっています。商店街は、区民の身近にあるからこそ持っている魅力を発揮し、賑わ いを創出する必要があります。 身近に農業を体感できる、農の魅力があふれる暮らしも幸せを感じることの一つです。 練馬区は、東京という大都市の都心近くに立地しながら、生活と融合した生きた農業が 営まれている、世界でも稀な都市です。令和元年に開催した世界都市農業サミットで得 られた知見を活かし、練馬の都市農業の魅力を発信するとともに、農地の保全や区民が 農に親しむ取組の充実が欠かせません。 練馬区は、みどり豊かな住宅都市だからこそ、豊かな文化芸術が花開く可能性があり ます。都心に行かずとも身近に楽しめる文化芸術が、まちづくりと一体で展開されるこ とで、練馬ならではの都市文化が花開きます。区立美術館を文化芸術の拠点にふさわし い施設に全面リニューアルするとともに、令和5 年の「ワーナー ブラザース スタジオ ツアー東京-メイキング・オブ ハリー・ポッター」開設にあわせワーナー ブラザース とも連携し、練馬ならではの映像文化をテーマとしたまちづくりに取り組みます。 中小企業支援、商店街振興、都市農業振興、文化芸術・スポーツ振興など、区民が暮 らしに潤いや幸せを感じる、魅力あふれるまちを目指して取組を進めます。 施策の方向性 ・事業活動のデジタル化・商店街の賑わい創出に取り組む。 ・都市農業が持つ魅力と可能性をさらに発信する。 ・農地の保全や区民が農に親しむ取組を充実する。 ・みどり豊かなまちと一体となった練馬独自の新しい美術館を創造する。 ・優れた文化芸術を楽しめる魅力的なイベントを展開する。 ・練馬ならではの映像文化をテーマとしたまちづくりに取り組む。 ・スポーツ施設の整備を進め、多くの人がスポーツに参加できる機会を充実する。 戦略計画16 地域特性を活かした企業支援と商店街の魅力づくり 令和5年度末の目標 74万人の人口を擁する住宅都市としての特性を活かした、中小企業の事業活 動の活性化と商店街の魅力づくり これまでの主な取組 1 創業への総合的な支援の充実 練馬ビジネスサポートセンターを拠点に、創業セミナー、創業支援融資、商 店街空き店舗入居促進事業などの創業支援策を実施してきました。令和2年度 からは創業を目指す新たな人材を育成するため、若者を対象としたセミナーを 開始するなど支援策を充実しました。 令和元年度以降、練馬ビジネスサポートセンターを利用した創業者数は100 名を超えています。 2 販路拡大など企業活動の活性化 区内産業の魅力を区民に周知する「産業見本市」および事業者間の商取引チ ャンスの拡大につなげる「商談交流会」を実施するほか、「事業承継」をテー マとしたセミナーを実施するなど、企業活動の活性化に向けた支援を行いまし た。 3 商店街や個店の魅力づくり 商店主等が講師になり、プロならではの知識や情報を伝える「まちゼミ」や、 パン屋や和菓子屋などの個店が連携して行う商品開発・イベントなどの取組を 支援しました。 新型コロナ感染拡大への対応 (1)資金繰りへの支援 令和2年3月から、売上が減少した事業者に対して、低利で信用保証料を 全額補助する区独自の「新型コロナウイルス感染症対応特別貸付」を開始し、 4,000件を超える融資が実行されています。 令和3年5月からは、新たな資金需要や返済計画の組み直しに対応する 「借換特別貸付」を開始しました。既に170件を超える融資が実行されてい ます。 (2)経営相談体制の強化 事業者からの様々な経営に関する相談に応えるため、令和2年度は、練馬 ビジネスサポートセンターの相談員を増員し、休日相談やオンライン相談な どを実施しました。 また、令和2年度に、感染症対策と事業活動の両立に課題を抱える区内事 業者を支援するため、「ウィズコロナサポート事業」を実施し、中小企業診 断士による事業所への出張相談と出張相談において必要とされた感染症対 策などの経費の一部を補助しました。延べ427件の出張相談、112件の補助 を行いました。 (3)商店街への支援 令和2・3年度に、練馬区商店街連合会が実施するプレミアム付商品券事 業を支援しました。令和2年度はプレミアム率を過去最高となる30%とし、 発行総額8億4,500万円の商品券は完売となりました。令和3年度の実施に あたっても、プレミアム率を30%としています。 また、商店街が実施する感染拡大防止のための物品購入費用やイベント等 に係る経費の補助を拡充しました。 令和3年12月には、商店街をはじめとする区内対象店舗でキャッシュレ ス決済サービスを利用した際に20%のポイントを還元する事業を実施しま す。 今後の課題 コロナ禍により、非接触・非対面を前提とした取引が急速に浸透するなど事 業活動をめぐる環境は大きく変化しています。区内事業者からは、「営業活動や 会議をオンラインで行いたい」、「新たにECサイトを構築したい」といった声 が増える一方、デジタル化のノウハウや人材の不足がみられます。経営の効率 化や生産性の向上につながる事業活動のデジタル化を支援する必要があります。 また、経済への影響の長期化が見込まれるなか、事業者の売り上げにつなげる ため、販路拡大に向けた支援の充実が求められています。 コロナ禍で商店街の利用者が減少しています。商店会からは、「ホームページ やSNS を活用して情報発信に力を入れたい」、「キャッシュレス決済に取り組み たい」といった声があります。新たな顧客を獲得しようとする商店会や個店の 意欲的な取組を支援し、商店街の魅力を高めていくことが重要です。 また、店主の高齢化などを背景とした店舗の閉店が課題となっています。こ れまでのイベント実施や空き店舗対策への支援に加え、商店街の活性化や賑わ いを創出するための新たな取組への支援が求められています。 令和4・5年度の主な取組 1 事業活動のデジタル化への総合的な支援【新規】 練馬ビジネスサポートセンターへの専門相談員の配置、融資制度の新設など により、受発注・会計・顧客情報などを一括管理するシステムの導入や、EC サイトの構築、ホームページやSNSを活用した販路拡大などのデジタル化の 取組に対する総合的な支援を行います。 2 オンライン商談交流会などによる販路拡大への支援【充実】 商談交流会の実施回数を増やし、農商連携をはじめとしたテーマ設定、オン ラインによる実施など内容を充実することで、事業者の販路拡大を支援します。 3 (仮称)スマート商店街プロジェクトの展開【新規】 練馬区商店街連合会・練馬区産業振興公社と連携し、動画やSNS 等の活用 により商店街や個店の魅力を発信し、新たな顧客獲得につながる取組を支援し ます。商店街のキャッシュレス化など、消費行動の変化への取組を支援します。 4 空き店舗を活用した商店街の賑わい創出をサポート【新規】 商店街の複数の空き店舗を活用して新たに出店しようとする事業者を、商店 会がサポートする取組を支援します。事業者の商店会への加入を促進し、賑わ い創出と活性化につなげます。 戦略計画17 生きた農と共存する都市農業のまち練馬 令和5年度末の目標 練馬の魅力である都市農業を振興し、多面的な機能を持つ都市農地を保全する これまでの主な取組 1 世界都市農業サミットの開催 都市農業の魅力と可能性を世界に発信するため、令和元年度に世界都市農業 サミットを開催しました。ニューヨーク、ロンドン、ジャカルタ、ソウル、ト ロントの海外5都市から招いた農業者や研究者等と都市農業の意義を共有し、 「サミット宣言」を発表しました。サミット開催にあわせ、ねりマルシェやね りまワールドフェスティバルなど多彩なイベントを開催しました。 2 都市農地の保全に向けた取組の推進・都市農業経営の支援 特定生産緑地制度※の周知を積極的に進め、令和4・5年に指定から30 年 を迎える生産緑地について、対象の9割を超える指定を行いました。 東京あおば農業協同組合と連携し、生産緑地貸借制度の周知やマッチングを 進め、これまでに16 件の貸借が成立しました。 3 区民が農に親しむ取組の充実 高松一・二・三丁目地区と南大泉三・四丁目地区の2地区が指定されている 「農の風景育成地区」において、地域住民による農の魅力をPR する事業や収 穫体験などの活動を支援してきました。高松地区では令和2年度に(仮称)農 の風景公園の整備に着手しました。 庭先直売所、区内産農産物を使用している飲食店、マルシェ等の情報を発信 するアプリ「とれたてねりま」を令和3年11 月にリリースしました。 農産物の収穫や加工・販売作業に携わる障害者施設を拡充するため、練馬区 障害者就労支援センター(レインボーワーク)と連携し、マッチング等の支援 をしてきました。 新型コロナ感染拡大への対応 コロナ禍で、身近な農を体験できるイベントは中止や規模の縮小を余儀なく されました。その中でも、区民が新鮮な農産物を購入できる機会となるよう、区 役所アトリウムで区内農業者によるマルシェを14 回開催しました。 ※特定生産緑地制度・・・生産緑地は指定後30 年が経過すると区への買取申出ができるようになります。 生産緑地法の改正により、この買取申出開始時期を10 年間延長する制度が 創設されました。 今後の課題 コロナ禍で、都市の中で身近に農を感じられ、新鮮な農作物を購入できる都市 農業の評価が高まっています。世界都市農業サミットに参加した国内外の都市 との連携を強め、都市農業の魅力を更に発信していくことが必要です。 都市農地を保全するには、農業者の営農を支援するとともに、地域住民の理解 を深めていく必要があります。生産緑地の貸借制度等の更なる活用と、区民が農 に親しむ取組の拡充が求められています。 高松地区と南大泉地区の2 地区が指定されている「農の風景育成地区」の魅 力の向上・発信に努めるとともに、今後の地区の保全・育成のあり方につい て、地域の農業者や住民の皆様とともに検討していく必要があります。 令和4・5年度の主な取組 1 (仮称)全国都市農業フェスティバルの開催【新規】 世界都市農業サミットに参加した国内都市との連携を強化し、都市農業の魅 力を更に発信するため、(仮称)全国都市農業フェスティバルを開催します。 2 生産緑地の貸借制度を活用した農地保全の推進等【充実】 生産緑地の貸借制度を活用し、営農の継続に課題を抱える農業者と、経営規 模を拡大したい農業者のマッチングを進め、農地保全を推進します。 都市農地を保全する新たな仕組みづくりについて、引き続き検討します。 3 農の風景育成地区における取組の推進【充実】 農の風景育成地区に指定されている高松地区および南大泉地区において、地 域住民による農地保全活動を引き続き支援します。高松地区では、(仮称)農 の風景公園を令和4年度に開設します。 4 野菜の収穫体験事業のブランド化【新規】 区内で野菜の収穫体験を実施している農園に対し、統一したネーミングに よるブランド化を行い、PR します。区民が収穫体験をより身近に感じられる よう、情報発信には「とれたてねりま」アプリも活用します。 5 地域住民と農とのつながりを深める取組の推進【充実】 農産物の収穫や加工・販売作業に携わる障害者施設を更に拡大していき、農 福連携の取組を推進します。 子どもたちの都市農業に係る理解を深めるため、小学校において農業者と 連携した体験学習を充実します。 戦略計画18 練馬ならではの都市文化を楽しめるまち 令和5年度末の目標 みどり豊かなまちの中で、都心に行かずとも身近に楽しめる文化芸術活動が、 ハードのまちづくりと一体となって展開される。こうした74 万人の住宅都市に ふさわしい、練馬ならではの都市文化を花開かせる これまでの主な取組 1 練馬独自の新しい美術館の創造に向けた検討 令和元年度に、金沢21 世紀美術館長等を歴任した秋元雄史氏を美術館長に 迎えました。館長、地元町会・商店会、学識経験者などで構成される検討委員 会からの提言を基に、令和3年度中に美術館再整備基本構想を策定します。 2 地域における情報拠点としての図書館のあり方の検討 学識経験者、関係団体委員、区民公募委員などで構成される「(仮称)これ からの図書館構想策定検討委員会」からの報告を受け、図書館構想の策定に着 手しました。 3 四季を感じ、誰もが楽しめる年中行事を開催 「みどりの風 練馬薪能」では、人間国宝である狂言師の野村万作氏のほか、 区ゆかりの多数の能楽師による格調高い公演を実現しました。「真夏の音楽会」 では、世界的なヴァイオリニストである大谷康子氏と日本最高峰のフルオーケ ストラとの共演を実現しました。 4 ねりまの歴史を活かした映像文化のまちづくり 練馬の映像文化の歴史や映画の魅力を伝えるため、区ゆかりの映画俳優によ る対談をオンラインで配信する「ねりま映画サロン」等を実施しました。また、 映像∞文化のまち構想を策定しました。 5 練馬の魅力を効果的に発信 農産物の収穫や食を楽しめる体験型ツアーの実施、練馬の地域資源をテーマ ごとに発信する観光ガイド「練馬カプセル」の発行、区ゆかりのアニメキャラ クターを活用したデザインマンホール蓋の設置など、練馬ならではの魅力を発 信しました。 新型コロナ感染拡大への対応 コロナ禍により、多くの文化イベントも中止や延期となりました。その中でも、 人数制限など感染症対策を行いながらイベントを開催し、可能な限り区民が文 化芸術に触れる機会を提供してきました。また、参加型イベントの「こどもアー トアドベンチャー」を自宅で楽しめるよう工夫して実施しました。 今後の課題 コロナ禍による社会生活の変化に柔軟に対応しながら、身近なところで質の 高い文化芸術に触れられる機会を継続して提供していくことが求められていま す。 区立美術館は、7,000 点を超える収蔵品の活用や大規模企画展の開催にはス ペースが不足しています。中村橋駅周辺施設の統合・再編にあわせて、再整備基 本構想に基づき、新たな美術館の整備を進める必要があります。 区立図書館は、社会状況の変化や多様化する区民ニーズを踏まえて、今後のあ り方を引き続き検討する必要があります。 令和5年には、「ハリー・ポッター」シリーズの世界観と映画製作の醍醐味が 楽しめる「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京-メイキング・オブ ハリ ー・ポッター」がとしまえん跡地に開設されます。区の新たな映像文化の拠点と なるスタジオツアー施設と連携し、練馬の魅力発信や地域活性化の取組を進め る必要があります。 令和4・5年度の主な取組 1 美術館の全面リニューアルに着手【充実】 基本構想(素案)で掲げる「まちと一体となった美術館」、「本物のアートに 出会える美術館」、「併設の図書館と融合する美術館」の3つのコンセプトの実 現に向け、サンライフ練馬の敷地とあわせて全面改築します。 2 「(仮称)これからの図書館構想」の策定【新規】 構想を策定し、地域における情報拠点としての図書館のあり方を示します。 3 身近な場所で文化芸術に触れられる機会の創出【充実】 日本最高峰の奏者によるクラシックコンサート「真夏の音楽会」や、石神井 の森を借景とした「みどりの風 練馬薪能」など、身近な場所で優れた文化を 体験できるイベントを引き続き実施していきます。 4 練馬ならではの映像文化プロジェクトの実施【新規】 令和5年のスタジオツアー施設開設にあわせ、練馬ならではの地域資源を活 かした映像文化事業を実施します。また、周辺の商店会や町会などを含めた多 様な主体と連携しながら、地域の活性化に取り組みます。 映像文化に関する特設ホームページ「映像∞文化のまち ねりま」を本格稼 働し、映像文化に関わる発見と創造を幅広く発信します。 5 練馬の魅力を効果的に発信【充実】 地域ごと、目的別に合わせた見どころを巡るコンセプトツアーや観光ガイド 「練馬カプセル」の内容を充実し、農産物の収穫、公園や庭園などの区内の地 域資源にスポットをあて、練馬ならではの魅力を発信します。 戦略計画19 豊かなみどりの中で誰もがスポーツを楽しめるまち 令和5年度末の目標 スポーツ施設の整備を進め、多くの人が参加できる機会を提供し、誰もが身 近な場所でスポーツを楽しめるまちを実現 これまでの主な取組 1 練馬区初 公認陸上競技場「練馬総合運動場公園」 平成31 年4月に、練馬区初となる公認陸上競技場「練馬総合運動場公 園」をリニューアルオープンし、中高生の公認記録会を開催しました。 2 区民ニーズを踏まえたスポーツ施設の整備 大泉さくら運動公園に車椅子テニスに対応した庭球場を新設しました。大 泉学園町希望が丘公園多目的運動場を拡張、人工芝化し、夜間照明を設置す るなどのリニューアルを行いました。光が丘体育館のアリーナを車椅子バス ケットボールなどの障害者スポーツにも対応できる床に改修しました。 3 ユニバーサルスポーツフェスティバルの充実 障害の有無に関わらず、誰もが身近にボッチャなどのスポーツを「見る・ 知る・体験できる」ユニバーサルスポーツフェスティバルを、令和元年度に は光が丘体育館と上石神井体育館で開催しました。 4 東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組 練馬総合運動場公園で、「聖火リレー点火セレモニー」を行いました。オリ ンピックではデンマークの、パラリンピックではエクアドルのホストタウンと なり、区民と選手団とのオンラインによる交流や選手団に対する練習会場の提 供などを行いました。 新型コロナ感染拡大への対応 コロナ禍により、練馬こぶしハーフマラソンや区民体育大会を始めとしたイベ ントも中止、延期や縮小となりました。その中でも、人数制限など感染症対策を 行いながら体育館や運動場を安心して利用いただけるようにするなど、区民がス ポーツに親しむ機会を可能な限り提供しました。 今後の課題 コロナ禍においても、誰もがスポーツを身近に楽しめる環境を充実するため に、区民ニーズを踏まえたスポーツ施設の整備を進める必要があります。 また、感染症対策を講じながら、より多くの人がスポーツを楽しめるよう に、中止、延期や縮小となったイベントを再開していくことが求められていま す。 東京2020 オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、パラス ポーツが注目されており、障害のある方もない方もスポーツを楽しめる機会の 充実が求められています。 令和4・5年度の主な取組 1 区民ニーズを踏まえたスポーツ施設の整備【充実】 石神井松の風文化公園の拡張工事にあわせて、スポーツ施設の設計に着手し ます。みどり豊かな環境の中で文化やスポーツを楽しめる公園となるよう、フ ットサル・テニス兼用コートの他、スケートボード等ができる広場を整備しま す。 2 誰もがスポーツに参加できる機会の充実【継続】 地域体育館でのパラスポーツ教室の開催など、障害の有無にかかわらず身 近な場所でスポーツを楽しめるよう、体験会や教室のイベントの実施に取り 組みます。 障害のある方がスポーツを楽しめる環境を充実するため、パラスポーツに かかる指導員の育成に取り組みます。また、指導員の資質を向上するため、 上級・中級の指導員資格の取得を進めます。 3 練馬こぶしハーフマラソンの開催【継続】 日本陸上競技連盟の定めるガイドライン等に基づいて事業内容や規模を検 討し、感染症対策を講じて、練馬こぶしハーフマラソンを開催します。 施策の柱6 区民とともに区政を進める 区の基本姿勢 地域社会のあり様や住民意識の変化とともに、地域の現場が抱える課題は多様化・複 雑化しており、様々なニーズが生まれています。新たなニーズは、行政だけで対応でき るものではありません。区と区民や団体などが適切な役割分担の下で協働することが重 要です。 地域の現場では、町会・自治会をはじめ、NPO・ボランティア団体などが地域の課題 をわが事として考え、自発的に活動する動きが広がりつつあります。こうした取組を、 区政の広範な分野に拡げ、区政を「参加と協働」から「参加から協働へ」と深化させ、 練馬ならではの住民自治を創造していきます。コロナ禍で多くの活動に制約が出ていま すが、様々な工夫により町会・自治会をはじめ多くの地域活動団体の活動が進むよう支 援し、協働の取組を推進します。 区はこれまで、「またない」「まごつかない」「何度も書かない」窓口の実現に向け、 目に見える形で窓口改革を進めてきました。 新型コロナの感染拡大防止と区民の更なる利便性向上のため、非接触・非対面ででき る手続きを拡大します。対面での対応が求められる場面では、一人ひとりのニーズに応 じたきめ細やかな窓口サービスを提供します。 コロナ禍において、テレワークやWeb 会議など、デジタル技術の活用が急速に広が り、区民生活に不可欠となっています。こうした中、行政のデジタル化は民間に比べて 大きく遅れています。 多様化する区民のニーズにこたえ、必要な行政サービスを確保するため、区のDX(デ ジタル・トランスフォーメーション)を推進し、区民サービスの質の向上と更なる業務 効率化を実現します。 施策の方向性 ・町会・自治会のデジタル活用を支援する。 ・区民協働の取組を推進する。 ・来庁しなくても手続ができるサービスを拡大する。 ・区への支払いにおけるキャッシュレス決済を拡大する。 ・(仮称)お悔やみ窓口を設置する。 ・区のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する。 戦略計画20 区民協働による住民自治の創造 令和5年度末の目標 地域に根差した区民の自発的な活動が、区内の至るところで活発に行われる よう、協働の取組を推進 これまでの主な取組 1 町会・自治会の活性化 区民事務所や協定を締結した不動産事業者の窓口で、転入者へ町会・自治 会への加入案内のリーフレットを配布しています。町会・自治会の運営方法 や日々の活動に役立つ実践例などをまとめた「町会・自治会運営ハンドブッ ク」を令和2年3月に作成しました。 2 区民や団体の皆様と区が一体となって課題を解決 (1)「つながるカレッジねりま」の開講 地域活動に参加したい区民の背中を後押しするため「つながるカレッジ ねりま」を令和2年9月に開講し、福祉・防災・農・みどり・環境の5つ の学習コースを設けました。区民協働交流センターに「つながる窓口」を 設置し、カレッジ修了生を町会・自治会を始めとした団体とマッチング し、地域で活動する人材を輩出しています。 (2)地域おこしプロジェクトの充実 区民の自由な発想から生まれたアイデアの具現化を支援する「地域おこ しプロジェクト」は現在までに7つのプロジェクトを実施してきました。 区の若手職員を現場に派遣してプロジェクトの目標達成を支援し、3年間 の支援が終了した後も、「ねりまワインプロジェクト」や地域情報誌「しも ねり・かわら版」など地域における継続的な活動に発展しています。 (3)「練馬つながるフェスタ」の実施 対面で開催していた「練馬つながるフェスタ」はオンラインで開催し、 地域活動団体の活動を区民に周知し、団体同士が交流できる場を確保しま した。 新型コロナ感染拡大への対応 町会・自治会や地域活動団体に対しては、オンラインツールを活用した事例 の紹介など、活動の継続支援を行ってきました。 今後の課題 コロナ禍により、町会・自治会をはじめ多くの地域活動団体は集客型のイベ ントなどを見直しています。「対面の機会が減り、情報発信に苦慮している」 といった声も寄せられ、SNS等を活用した活動の広報やオンラインツールを 活用したイベント開催などへの支援が求められています。地域活動団体の活動 が継続・発展できるような支援が必要です。 一方で、地域活動はオンライン上だけで完結するものではなく、対面による交 流も欠かせない要素です。対面での活動の場を広げていけるように団体を支え ていく必要があります。 イベント開催等が中止になる中、事業継続の鍵となる資金面、人材確保等で 課題を抱える団体が増えており、支援の強化が求められています。 令和4・5年度の主な取組 1 町会・自治会のデジタル活用支援【新規】 先進的にSNS等の活用に取り組んでいる町会・自治会の活動をまとめた事 例集を作成し、他の町会・自治会の情報発信に活用できるよう、情報提供しま す。 SNS等を活用した町会・自治会活動を支援するため、町会・自治会を対象 としてデジタル活用について学べる講習会を実施します。また、継続的な活用 を支援するために、専門知識をもったアドバイザーを派遣します。 2 「練馬つながるフェスタ」の地域開催【新規】 地域で活動する団体をその地域の区民が知ることができるよう、また、地域 の団体同士がつながることができるよう、これまで区民・産業プラザで開催し ていた「練馬つながるフェスタ」を、区立図書館などを会場として、6か所の 地域で開催します。 3 地域活動団体の事業基盤を強化【充実】 コロナ禍で収入が減り、経済的打撃を受けている団体の資金面における基盤 強化に向けて、クラウドファンディングの活用や物販の販路拡大など資金調達 に関するセミナーを実施します。また、練馬ビジネスサポートセンターが行う 中小企業診断士による経営相談へつなぐなど、団体の事業継続への支援を充実 させます。 4 「つながるカレッジねりま」の充実【充実】 コロナ禍においても修了生が各分野で活躍できるよう、町会・自治会等の地 域団体に働きかけ、活動体験の場を確保していきます。また、みどり分野では 憩いの森の管理に必要な知識や技術を学べるコースを開講し、憩いの森の区民 管理の拡充を進めます。 戦略計画21 窓口から区役所を変える 令和5年度末の目標 区民視点での窓口改革を推進し、窓口サービスへの区民満足度を向上 これまでの主な取組 「またない」「まごつかない」「何度も書かない」窓口の実現への取組 1 「窓口情報提供システム」の導入 窓口の混雑情報をインターネットで確認できる「窓口情報提供システム」 を、区民事務所、税務課、国保年金課、保育課などで令和2年1月から稼働 させ、現在18 か所で運用しています。 2 区民事務所のフロアマネージャー増員・練馬区民事務所レイアウト変更 手続きをスムーズにご案内するため、令和2年4月にフロアマネージャー を練馬・石神井・光が丘・大泉区民事務所で増員しました。 令和2年9月に練馬区民事務所のレイアウトを改善するとともにゲート サインを設置し、来所者に分かりやすくご利用いただけるようにしました。 3 区民事務所に申請書一括作成システムを導入 転入や転出等の手続きの際、氏名などが印字された複数の申請書を一括で 作成する「申請書一括作成システム」を令和3年1月に導入しました。 4 住民税・国民健康保険料等の納付にキャッシュレス決済を導入 いつでも支払いができるよう、住民税や国民健康保険料等の納付にモバイ ルレジクレジット、LINE Pay 等のキャッシュレス決済を順次導入しました。 5 マイナンバーカード交付体制の強化 令和2年度にマイナンバーカードの交付枚数が急増したため、交付ブース を増設し体制を強化しました。 新型コロナ感染拡大への対応 混雑を防ぐため、保育園の入園相談やマイナンバーカード交付を区ホームペ ージから予約ができるようにしました。 手続きのオンライン化を推進するため、その妨げとなる押印の見直しに取り 組み1,483 件廃止し、全手続き(2,800 件)の85%(2,391 件)で押印を不要 としました。 今後の課題 区では住民税や国民健康保険料等の支払いにキャッシュレス決済を導入して きましたが、証明書発行手数料等の窓口での支払いでは導入が進んでいません。 また、書面や対面でのやりとりを前提としている手続きが多く、オンライン申請 が可能な手続きは、15%程度にとどまっています。新型コロナの感染拡大防止 と区民の利便性向上を目指し、今後さらに非接触・非対面でできる手続き等を拡 大する必要があります。 一方で説明を受けながら手続きをしたい、必要な手続きがわからないといっ た対面での対応が求められる場合があります。区民の皆様に直接対応する窓口 では、一人ひとりのニーズに応じたきめ細かなサービスの提供が求められます。 令和4・5年度の主な取組 1 各種証明書の発行手数料等のキャッシュレス化【新規】 住民票や印鑑証明書など各種証明書の発行手数料や、乳幼児一時預かり事業 の利用料の支払いにキャッシュレス決済を導入します。QR コード決済や、交 通系IC カード決済等、利用者の多いキャッシュレス決済を中心に検討を進め ます。 2 オンライン申請の推進【充実】 窓口に行くことが難しい子育てや介護に携わる方々、働く世代などが、時間 や場所を選ばずに必要な手続き等ができるようオンライン申請を推進します。 推進にあたっては、都下の自治体が共同で運営する「東京共同電子申請・届出 サービス」や、国が運営する「マイナポータル」等を積極的に活用します。 3 (仮称)お悔やみ窓口の設置【新規】 多岐にわたるお悔やみに関する手続きについて、専用の案内窓口を設置しま す。窓口では、必要な手続きを特定し、それに伴う申請書・案内書を提供する とともに、必要に応じて関係機関へ繋げるなど、ご遺族の手続きを支援してい きます。 戦略計画22 DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進 令和5年度末の目標 区民サービスの向上と業務の効率化を実現するデジタル・トランスフォーメ ーションの推進 これまでの主な取組 令和2年3月に情報化基本計画を策定し、「デジタル化による区民サービスの 向上と効率的な区政運営の推進」を基本理念に掲げ、下記の4つの目標のもと、 取組を進めてきました。 1 いつでも、どこでも、簡単・便利な窓口サービスの実現 窓口の混雑状況をインターネットで確認できる「窓口情報提供システム」を 区民事務所や税・国保・保育の窓口などで令和2年1月から稼働させ、現在18 か所で運用しています。転入等の手続きの際に氏名や住所などが印字された 複数の申請書を一括して発行する「申請書一括作成システム」を令和3年1月 から各区民事務所に導入しました。 住民税や国民健康保険料等の納付にモバイルレジクレジット、LINE Pay 等 のキャッシュレス決済を順次導入しました。 2 ICT を活用した安心して心豊かに暮らせるまちの実現 スマホ等で健診記録を確認できる「電子母子手帳アプリ(令和4年3月稼働 予定)」の準備を進めています。 令和2年10 月から練馬区LINE 公式アカウントを開設し、保育施設の検索 やAI チャットボットによる問合せ対応、保育指数シミュレーションなどがで きる保活支援サービスを順次開始しました。 令和2年12 月から、防災無線の放送内容の「ねりま情報メール」への自動 配信と区公式ホームページへの自動掲載を開始しました。 3 業務改革の徹底 内部事務のデジタル化を進めるため、文書管理、庶務事務、財務会計を取り 扱う総合システムを令和2年度に導入しました。電子決裁率が1%から85% に向上し、紙の使用量削減、文書保管場所の省スペース化等、事務の効率化が 進みました。 税業務の入力作業や特定健診結果の確認作業等24 業務にRPA※を導入し、 作業時間を855 時間(削減率▲70%)削減しました。 ※RPA…Robotic Process Automation の略。人間が手作業で行っているパソコン操作を、 ソフトウェアロボットを使って自動化する仕組み 4 デジタル社会に向けた基盤整備 マイナンバーカードの普及を促進するため、令和2年度に交付ブースの増 設など交付体制を強化し、オンライン申請補助サービスの拡大やマイナポイ ントの予約・申込支援窓口を開設しました。交付率は44.3%(令和3年11 月 1日現在)に向上しました。 令和元年度から住民税業務へのAI 導入に向けた実証実験を実施し、税額計 算の確認作業にかかる時間を約1,450 時間から約680 時間(53.1%減)まで 短縮しました。 新型コロナ感染拡大への対応 (1)押印の見直し 手続きのオンライン化を推進するため、その妨げとなる押印の見直しに取 り組み、1,483 件を廃止して全手続き(2,800 件)のうち85%(2,391 件) で押印を不要としました。 (2)AI チャットボットを活用した情報提供 令和2年5月に新型コロナに係る生活支援や特別定額給付金の問合せ対 応、情報提供を行う「練馬区生活相談チャット」を導入しました。また、令 和3年3月に新型コロナウイルスワクチン接種の問合せ対応を行う「相談 チャット」を導入しました。 (3)講座や相談等におけるオンライン化の推進 タブレット端末200 台とWeb 会議システムを導入し、オンラインによ る講座・説明会、相談・交流事業を「練馬こどもカフェ」、「つながるカレッ ジねりま」など71 事業(令和2 年度)で実施するとともに、審査会・研修 会等をWeb で開催しました。 (4)全児童生徒へのタブレットパソコンの配備 当初の予定を前倒しして、令和3年2月に区立小・中学校の全児童生徒へ タブレットパソコンを配備しました。 (5)テレワーク環境の整備 100 台分のテレワークシステムを構築し、令和3年2月から、主に内部 事務を取り扱う部署で試行運用を開始しました。 今後の課題 新型コロナの対応において、特別定額給付金の申請システム不備など、行政 のデジタル化の遅れが顕在化しました。国は、「デジタルの活用により、一人 ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる 社会」を目指して、デジタル庁を設置し、デジタル・ガバメントの取組を加速 しています。地方自治体も、限られた財源、職員で多様化する区民ニーズにこ たえ、必要な行政サービスを確保するために、制度やサービス、業務、組織の 在り方等をデジタル化に合わせて変革していく「DX(デジタル・トランスフ ォーメーション)」が求められています。 1 区民サービスの向上に向けて ① テレワークやWeb 会議、オンライン手続き、キャッシュレス決済など、 非対面・非接触のデジタル技術の活用が社会全体で急速に広がり、区民生活 に不可欠となっています。 しかし、区の手続きのオンライン化は全体の15%程度に留まっています。 書面・対面を前提とした本人確認や申請者等への説明など、従来の業務プロ セスを見直す必要があります。 これまで税や国民健康保険料の支払いにキャッシュレス決済を導入して きましたが、今後、各種証明書の発行手数料など、多くの区民が利用する窓 口等でのキャッシュレス化を進める必要があります。 また、地域社会の活性化に向けて、事業活動や地域活動などのデジタル化 の促進も必要です。 ② デジタル化を進めるうえでは、デジタル技術を十分に活用できる人とで きない人との間で格差が生じないよう、誰もがデジタルサービスを利用でき るようにすることが重要です。 2 業務の効率化に向けて ① 国は、住民基本台帳、個人住民税など、区が行う18 事務について、令和 7年度末までに、国が作成する標準仕様書に適合した標準システムに移行す ることを求めています。区は、システムを円滑に移行しつつ、区民サービス の向上と業務の効率化に取り組む必要があります。 ② これまでのAI やRPA の導入効果や課題を踏まえ、今後、他の業務への拡 大に向けて、より効果的な運用方法を検討する必要があります。テレワーク の拡大に向けて、試行の効果等を検証しながら、環境整備を進める必要があ ります。 3 DX を推進する体制の整備に向けて ① DX を加速するためには、専門的な知見を持つ外部人材の登用など、体制 を強化する必要があります。また、職員一人ひとりがデジタル技術やデータ を活用できる知識・能力を身に着ける必要があります。 令和4・5年度の主な取組 1 区民の視点に立ったサービスの展開【新規・充実】 デジタル技術を活用し、区民の視点に立って、サービスの利便性や質の向上 に取り組みます。 【各戦略計画における取組(再掲)】 ① 手続きのオンライン化の推進 窓口に行くことが難しい子育てや介護に携わる方々、働く世代などが、 時間や場所を選ばずに必要な手続き等ができるようにしていきます。 ○保育園入園申請のオンライン化(戦略1) ○健診(検診)のインターネット予約システムの導入(戦略10) ○自転車駐車場の定期利用のWeb 申請導入(戦略12・年度別取組計画) ○申請・届出の全庁的なオンライン化の推進(戦略21) ② キャッシュレス化の推進 利便性の向上と感染リスクの低減を図るため、多くの方が利用する窓口で の支払い等で、順次キャッシュレス化を拡大します。 ○各種証明書の発行手数料等のキャッシュレス化(戦略21) ③ オンライン事業・相談の充実 働く世代や外出しにくい方も、非対面・非接触で実技指導が受けられ、相 談、交流などができるよう、講座・説明会等のオンライン配信・相談などを 拡充します。 ○リハビリ専門職を活用したオンラインによる介護予防事業の充実(戦略6) ○オンライン相談などによる障害児支援の充実(戦略7) ○ICT を活用した障害者の意思疎通に関する支援の充実(戦略7) ○オンラインによる健康イベントの開催(戦略10) ④ ICT を活用した教育内容の充実 教育効果の高い授業を実施できるよう、ICT 教育の充実に向けた環境整 備に取り組みます。 ○教員全体のICT 活用能力の向上(戦略4) ○教育ネットワーク回線の充実(戦略4) ○教員用タブレットパソコンの配備(戦略4・年度別取組計画) ○デジタル教科書の導入に向けた検討(戦略4・年度別取組計画) ⑤ 情報発信手段の充実 新たなアプリやWeb サイトを活用し、区民一人ひとりに合ったきめ細か い情報提供や効果的な情報発信を進めます。 ○保育所等の利用における保護者との連絡手段のICT 化(戦略1) ○(仮称)ねりま子育て支援アプリの導入(戦略2) ○ゲートキーパーの役割を学ぶための動画配信(戦略10) ○「とれたてねりま」アプリを活用した農の情報発信(戦略17) ○映像文化に関する特設ホームページ「映像∞文化のまち ねりま」の 本格稼働(戦略18) ⑥ 地域社会のデジタル化支援 区内事業者、商店街、町会・自治会などのデジタル化を支援します。 ○事業活動のデジタル化への総合的な支援(戦略16) ○オンライン商談交流会などによる販路拡大への支援(戦略16) ○(仮称)スマート商店街プロジェクトの展開(戦略16) ○町会・自治会のデジタル活用支援(戦略20) ⑦ データの利活用によるきめ細かい支援 医療、健診、介護など、区が保有する様々なデータを活用し、一人ひとり の状況に合わせたプッシュ型の支援を行います。 ○「高齢者みんな健康プロジェクト」の充実(戦略6) ⑧ 高齢者等のデジタル利活用の支援 高齢者などデジタル機器に不慣れな方もデジタルサービスを十分に活用 できるよう、スマホ教室や相談会等を充実するとともに、高齢者本人や介護 するご家族に向けて利用できる民間サービスの情報を提供します。 ○見守りICT機器の利用の促進(戦略5) ○高齢者を対象としたスマホ教室の実施(戦略6) 2 業務の改革【新規・充実】 紙や対面を前提とした業務のあり方の見直しを行い、デジタル化による業 務の改革を推進します。 ○自治体システムの標準化 国の標準仕様に適合したシステムの構築と並行して、申請手続きのオ ンライン化の拡大など区民サービスの向上と、業務プロセスの見直しを進 めます。 ○AI・RPA・BPR の活用による業務効率化 AI やRPA などの優良な導入事例の共有や、研修の充実等により、全庁 での活用を促進します。BPR※の手法を活用して、ミスが発生しやすい作 業手順の改善や業務フローの効率化を進めます。 ○テレワーク環境の整備・LAN 環境整備方針の策定 テレワークの試行状況を踏まえ、効果や課題等を整理し、本格実施に向 けた検討を進めます。モバイルワークやペーパーレス会議等の実施に向け た無線LAN の構築など、LAN 環境の整備方針を策定します。 ※BPR…Business Process Re-engineering の略。業務手順の可視化、分析、課題抽出を行 い、業務プロセスを抜本的に見直し、結合・最適化する業務改革の手法 3 DX を推進する体制の整備【新規・充実】 区のDX 推進方針を策定するとともに、日々進歩するデジタル技術を存分 に活用できる人材の確保、職員の育成に取り組みます。 ○DX 推進方針の策定 DX の取組を総合的かつ効果的に、全庁をあげて推進していくための方 針を策定します。 ○専門人材の活用 国の施策や先進自治体の事例などに詳しい外部人材の登用に向けた検 討や、デジタル技術の知見を有する専門技術員の増員など、体制の充実を 図ります。 ○人材の育成 職員の意識を改革し、DX の実現に必要な能力を習得するため、デジタ ルリテラシーの向上に向けた体系的な研修体制を構築します。 巻末資料 1 人口動向 1 練馬区の人口動向 (1) 人口の推移(平成23 年~令和3年) ①区の総人口の推移 総人口は一貫して増加しています。令和元年は7,000 人を超える増となり、令和2年4月に 74 万人を突破しました。しかし、コロナ禍の令和2 年は664 人の増に留まるなど、増加傾向 が鈍化しています。 ②年齢構成で見てみると・・・・・ 総人口を4つの年齢区分別の構成比で見てみると、後期高齢者人口比率が上昇している一 方、年少人口比率は一貫して低下しています。少子高齢化が確実に進んでいます。 (2) 人口増加の要因 人口が増減する要因には、「①自然動態(出生・死亡)によるもの」と「②社会動態(転入・転 出)によるもの」の二つがあります。 ①自然動態の状況 出生数は6,000 人前後で推移してきましたが、平成28 年ごろから減少傾向にあります。一 方、死亡数は年々増加しています。平成29 年に初めて自然減に転じ、その後減少幅が拡大し ています。 区の合計特殊出生率※は、平成28 年に都を下回り、その後下落傾向が続いています。 ※合計特殊出生率…15~49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの ②社会動態の状況 平成23 年以降転入超過が続いていますが、新型コロナ感染拡大の影響を受け、令和2年は 令和元年より転入者数が減少し、転出者数が増加しています。 ③直近の人口増加の特徴 外国人人口は、東日本大震災の影響により一時的に減少しましたが、その後増加傾向が続 き、平成27 年以降は1,000 人を超える増加が続いてきました。しかし、令和2年には外国人 が1,362 人減少するなど、新型コロナ感染拡大の影響を大きく受けています。 2 練馬区の人口の特徴 (1) 周辺自治体との比較 ~年齢構成比でみてみると~ 練馬区と周辺自治体の人口を年齢三区分別の構成比率で比較しています。区部平均と比較する と、年少人口比率が高い一方で、高齢者人口比率は若干高くなっています。 (2) 周辺自治体との比較 ~「子育て世帯」が多い~ 総世帯に占める「 15 歳未満世帯員のいる世帯」の比率でみると、16.5%と比較的高い値となっ ています。練馬区は子育て世帯の多い自治体と言えます。 3 直近の人口動向 区の人口は、例年3・4月に進学・就職に伴う転入により人口が大きく増加する傾向にありま す。令和元年は3・4月に人口が大きく増加し、それ以外の月も全て人口増でした。一方、令和 3年は3・4月に人口が増加しましたが例年よりも少なく、7月以降は人口減が続いています。 新型コロナの影響により、区の人口増を支えてきた区外からの転入超過と外国人人口のいずれ もが減少しています。令和3年11 月1日時点の区の人口は、令和3年1月1日時点の人口より 984 人減少しており、この傾向が続けば令和3 年は人口減に転じる可能性もあります。 コロナ禍による人口動向の変化が一時的なものなのか、長期的なものなのか、今後の動向を注 視していく必要があります。 巻末資料 2 財政状況 1 日本経済の情勢 (1) 経済 新型コロナの急速な感染拡大により、令和2年度の国内総生産(GDP)の対前年度成長率は、 戦後2番目の落ち込みとなるマイナス4.6%、令和3年度は3.7%が見込まれます。 (2) 国の財政状況 国の普通国債残高は累増し、債務残高の対GDP 比は先進諸国で最悪の水準が見込まれます。 (3) 人口動向 世界で最も早く少子高齢化が進行しており、労働力の不足や、経済的な競争力の低下などの 諸問題の深刻化が懸念されています。 2 区財政の状況 (1) 歳入の状況 ① 歳入構造 区の歳入の約5割は景気動向の影響を受けやすい特別区交付金と特別区税が占めていま す。 ② 不合理な税制改正の影響 令和2年度決算では、特別区交付金は、地方法人税の一部国税化の影響により、交付額が 前年度から86 億円減少しました。特別区税は、ふるさと納税の影響により、24 億円の減収 となりました。 (2) 歳出の状況 ① 歳出構造 区の裁量で削減が困難な義務的経費が約6割であり、このうち大半を扶助費が占めていま す。 ② 社会保障関係経費の増加 保育関係経費を中心とする、主な社会保障関係費は10 年間余で倍増しています。今後も 少子高齢化の進展により、増加が続く見込みです。 ③ 老朽化が進む公共施設への対応経費の増加 高度経済成長期に建設した区立施設が更新時期を迎えており、これらの施設すべての改 修・改築経費は3,800 億円以上要する見込です。 (3) 起債と基金の状況 令和3年度当初予算編成では、新型コロナの感染拡大による経済の落ち込みが想定される なか、基金・起債を合わせて270 億円を活用しました。 令和3年度は既に3度の補正予算を編成しており、これらへの基金の活用と合わせると、 令和3年度末の基金現在高は858 億円に減少し、起債残高は611 億円に増加する見込みで す。 この先、コロナ禍からの経済回復が遅れ、同じペースで基金・起債の活用を続けざるを得 なくなった場合、数年で基金は底をつき、起債残高が膨大な金額となることが懸念されます。 参考 第2次みどりの風吹くまちビジョンとSDGs SDGsとは、平成27年(2015年)9月の国連サミットで採択された 「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略であり、令 和12(2030)年を年限とする国際目標です。SDGsは、持続可能な世界を 実現するための17 のゴールから構成され、先進国を含む全ての国々の共通目 標となっています。 国は、地方自治体に対し、SDGsを原動力とした地方創生の推進を求め ており、区としては、第2次みどりの風吹くまちビジョンを中心にあらゆる 施策を通して取り組んでいます。 SDGsに掲げる17のゴール 1 貧困をなくそう あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。 2 飢餓をゼロに 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持 続可能な農業を促進する。 3 すべての人に健康と福祉を あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福 祉を促進する。 4 質の高い教育をみんなに すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生 涯学習の機会を促進する。 5 ジェンダー平等を実現しよう ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強 化を行う。 6 安全な水とトイレを世界中に すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を 確保する。 7 エネルギーをみんなにそしてクリーンに すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エ ネルギーへのアクセスを確保する。 8 働きがいも経済成長も 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全か つ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセ ント・ワーク)を促進する。 9 産業と技術革新の基盤をつくろう 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可 能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。 10 人や国の不平等をなくそう 各国内及び各国間の不平等を是正する。 11 住み続けられるまちづくりを 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及 び人間居住を実現する。 12 つくる責任つかう責任 持続可能な生産消費形態を確保する。 13 気候変動に具体的な対策を 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。 14 海の豊かさを守ろう 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能 な形で利用する。 15 陸の豊かさも守ろう 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能 な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・ 回復及び生物多様性の損失を阻止する。 16 平和と公正をすべての人に 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべ ての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおい て効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。 17 パートナーシップで目標を達成しよう 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・ パートナーシップを活性化する。 第2次みどりの風吹くまちビジョン改定アクションプランにおける戦略計画とSDGsのゴール 施策の柱1 子どもたちの笑顔輝くまち 戦略計画1 子育てのかたちを選択できる社会の実現 3,4,5 戦略計画2 子どもの成長に合わせた切れ目のないサポートの充実 1,3,5 戦略計画3 すべての小学生を対象に放課後の居場所づくり 3,5 戦略計画4 夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備えた子どもたちの育成 1,3,4 施策の柱2 高齢者が住みなれた地域で暮らせるまち 戦略計画5 高齢者地域包括ケアシステムの確立 3 戦略計画6 元気高齢者の活躍と健康づくり・介護予防の推進 3,8 施策の柱3 安心を支える福祉と医療のまち 戦略計画7 障害者が地域で暮らし続けられる基盤の整備 3,8 戦略計画8 ひとり親家庭や生活困窮世帯等の自立を応援 1,3,4 戦略計画9 感染症対応力の強化と安心して医療が受けられる体制の整備 3 戦略計画10 コロナ禍であっても、区民一人ひとりの健康づくりを応援 3 施策の柱4 安全・快適、みどりあふれるまち 戦略計画11 地域の災害リスクに応じた「攻めの防災」 9,11,13 戦略計画12 みどり豊かで快適な空間を創出する交通インフラの整備 9,11 戦略計画13 魅力にあふれ利便性に富んだ駅前と周辺のまちづくり 9,11 戦略計画14 練馬のみどりを未来へつなぐ 11,13,15 戦略計画15 脱炭素社会の実現に向けた総合的な環境施策の展開 7,12,13 施策の柱5 いきいきと心豊かに暮らせるまち 戦略計画16 地域特性を活かした企業支援と商店街の魅力づくり 8,9 戦略計画17 生きた農と共存する都市農業のまち練馬 11,13,15 戦略計画18 練馬ならではの都市文化を楽しめるまち 4 戦略計画19 豊かなみどりの中で誰もがスポーツを楽しめるまち 3 施策の柱6 区民とともに区政を進める 戦略計画20 区民協働による住民自治の創造 17 戦略計画21 窓口から区役所を変える 17 戦略計画22 DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進 9,17 ―――――――――――――――――――――――――― 第2次みどりの風吹くまちビジョン 改定アクションプラン 【素案】 令和3年(2021 年)12 月 発行 練馬区 企画部 企画課 所在地 〒176-8501 東京都練馬区豊玉北6-12-1 練馬区役所 本庁舎6階 電話 03-3993-1111(代表) FAX 03-3993-1195 練馬区ホームページ https://www.city.nerima.tokyo.jp/ ――――――――――――――――――――――――――