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第4編 練馬区の環境保全施策 4-4 重点施策とモデルプラン

ページ番号:979-765-491

更新日:2010年2月1日

 本計画の施策の体系で示した施策分野のうち、特に、次の8つの施策分野を、計画期間内における区の重点施策に位置づけ、重点的にその推進を図ります。
 また、各重点施策において計画する事業・制度のうち、区が中心となって実施することが可能な、代表的な事業・制度について、具体的な計画イメージをモデルプランとして提示します。
 モデルプランは、可能と考えられる事業・制度のイメージ例を示すもので、今後、実際に事業・制度の検討を行う中で、その効果、効率、費用、体制などを精査し、今後、内容などを明らかにしていきます。

《重点施策・モデルプラン一覧》

重点施策1 自動車交通公害対策の推進

 練馬区の大気汚染は、二酸化窒素(NO2)や浮遊粒子状物質の環境基準が依然として達成されていないなど、改善が進んでいません。これらは、自動車交通に伴う排気ガスが大きな原因となっています。また、幹線道路の沿道を中心に騒音問題にも自動車走行による騒音が大きく寄与しています。
 このように、自動車交通公害は、区民の健康と生活環境に大きな影響を与えています。
 自動車公害対策として今までも多くの取り組みが行われてきましたが、今後は、自動車交通総量の削減やディーゼル自動車対策、低公害な自動車の普及など、今まで検討してきた施策を具体化し、環境基準の達成に向けた効果ある施策展開が求められています。
 東京都では、「東京都公害防止条例」の全面改正(環境確保条例)により、自動車交通公害対策を強化しています。区は、こうした東京都の動きと連動して、自動車交通公害対策に重点的に取り組みます。

自動車公害対策の推進

(1)区民に対しては環境学習事業などを通じ、事業者に対しては、東京都が行う自動車環境管理計画書の作成等の指導と連携した取り組みなどを通じ、環境にやさしい自動車使用ルール(※注釈)の徹底を図ります。

環境にやさしい自動車使用ルール

(2)公共交通網(鉄道・バス)の整備を促進します。

(3)東京都が進めるTDM(交通需要マネジメント)やディーゼル自動車対策に、区として連携し、区における自動車交通公害を低減する方向で施策を進めます。

(4)低公害車の開発・普及をさまざまな機会をとらえ国・メーカー等に要望するとともに、区における低公害車の普及のための支援制度を検討します。また国や東京都に対しては、低公害車普及のための支援制度の充実等を要望します。同時に、東京都の進めるディーゼル車対策に連携し、ディーゼル自動車による排出ガス・騒音等の軽減を図ります。

(5)環境に配慮した道路づくりや沿道地区計画等による沿道まちづくりを推進します。

(6)コミュニティ・サイクルシステム(CCS)の導入等による自転車走行環境の整備や、自転車駐車場の整備、放置禁止区域の拡大などを通して、自転車利用環境の整備を行います。

(7)幹線道路沿道地区などにおけるによる大気汚染・騒音等の状況を的確に把握し、対策に役立てるとともに、区民等に的確に情報提供します。

(8)東京都による大気汚染健康被害者救済制度(18歳未満対象)に連携し、大気汚染被害者の支援に努めます。

 これらの対策は、いずれも区単独で大きな効果を挙げることは難しい面があり、国をはじめ、広域自治体である東京都、あるいは近隣の区市と連携し協力することが大切ですが、その前提として、自動車交通公害の被害者でもあり加害者でもある住民の行動が大きな鍵をにぎっていることは言うまでもありません。

 区は、区民に最も密接な自治体であり、また国や都とも当然大きなつながりをもっています。従って、区民の被害や意見を的確に把握して国や東京都の施策を調整する役割を担っています。この意味で、区単独で効果ある施策が困難であるとしても、自動車交通公害対策を推進する核としての役割を果たすよう努めなければなりません。

 このようなことから、自動車交通公害対策を区の重点施策に位置づけ、その推進を図ります。

モデルプラン1 コミュニティ・サイクルシステム(CCS)の整備

 自動車交通公害対策は、高度で、広域的な対策が必要とされることから、区単独で効果ある施策を実施することは困難ですが、そのなかで、「環境にやさしい自動車使用ルールの徹底」や「自転車利用環境の整備」は、さまざまな工夫を加えることにより、ある程度効果的な対策とすることが可能です。特に比較的平坦な地形を有する練馬区では、自転車利用による自動車交通量の抑制等に一定の期待がもたれます。
 自転車利用の適正化促進の一環であるコミュニティ・サイクルシステム(CCS)の整備と自転車走行環境の整備をモデルプランのひとつとして提示します。

(1)コミュニティ・サイクルシステム(CCS)の整備

 練馬区では、バス交通を補完する新たな公共交通機関として、レンタサイクルシステム(RCS)を取り入れた「ねりまタウンサイクル事業」を平成4年度から実施しています。レンタサイクルは、駅と自宅や通勤・通学先とをつなぐ交通として貸自転車を利用する制度で、

(1)1台の自転車を重複利用可能

(2)1台あたりの保管スペースが少なく土地の有効利用が可能

(3)駅への自転車乗り入れおよび放置自転車の台数低減

といった効果が期待できます。

 練馬区では、平成12年5月現在、6駅で6施設2,450台のレンタサイクル施設を整備・運営しています。
 コミュニティ・サイクルシステム(CCS)は、RCSを発展させ、利用者がレンタサイクル施設間で自由に利用・乗り捨てができるように、複数施設の相互利用(ネットワーク化)を図ることにより、自転車の高度利用を実現しようとするものです。これは、自転車の公共交通機関としての位置づけの強化、安定化に資するものです。
 区は、このCCSを次の3期に分けて段階的に整備する計画です。

 第1期:石神井公園駅~上石神井駅間で事業開始

 第2期:練馬駅~東武練馬駅間で事業開始

 第3期:区全体をネットワークするCCS網の形成を目指す

 事業化に向けては、搬送システムの確立(乗り捨て自転車の搬送)、他の交通機関との連携、周辺自治体との連携、自転車走行環境の整備などの課題がありますが、将来的には、8駅9施設のCCS施設を整備し、ネットワーク化する計画です。(平成17年度までに3施設にCCSを導入する計画です。)

【CCS(コミュニティ・サイクルシステム)整備イメージ】

CCS(コミュニティ・サイクルシステム)整備イメージ

(2)自転車走行環境の整備

 CCSを安全で快適な公共交通としていくためには、駅(CCS施設)間を相互に結ぶ自転車走行環境の整備を図る必要があります。そこで、第1期のCCS施設の整備を行う西武池袋線石神井公園駅と西武新宿線上石神井駅を結ぶ道路をCCS指定路線に指定し、自転車利用環境整備モデル都市の制度を活用して、自転車の走行に適した道路整備を推進しています。
 これは、両駅間の既存道路を再構築し、カラーリング等による分離などを実施して、自転車走行に適した機能を持たせることを軸とする道路整備事業です。

重点施策2 ごみの発生抑制対策の推進/役割分担と協働によるリサイクルの推進

 「大量生産・大量消費・大量廃棄」のシステムを基本として成立している今日の社会は、数億年かけて地球に蓄積された貴重な資源を急速に枯渇させ、地球や地域の環境が許容する容量を超えて負荷を与え、処理容量を超える大量の廃棄物を発生させています。
 このようなわたしたちの社会のあり方は、わたしたち自身の世代ばかりでなく将来の世代に対しても、健康で、安全で、快適な生活をむしばみ、持続的な発展の可能性を奪い去ろうとしています。
 わたしたちの健康で、安全で、快適な生活を守り、そして将来の世代でもそれが持続するようにするため、今、このような社会システムのあり方を根本から問い直し、生産・流通・消費・廃棄のすべての段階を通じて、循環を徹底させ、資源やエネルギーを効率的に、適正に利用し、環境への負荷が少ない社会、すなわち「循環型社会」を実現することが急務となっています。
 しかし循環型社会の実現は、決して一部のひとや、政府や自治体だけが取り組んで達成できるものではありません。上に見たように、この課題は、わたしたちの生活・産業などを取り巻く社会システムのあり方そのものを問うもので、現代の「大量生産・大量消費・大量廃棄」システムの下で生活し、仕事をするわたしたちすべてが取り組むべきものです。そして、その取り組みを進めるためには、わたしたち自身の意識改革とそれを行動に結びつける仕組みとが不可欠です。
 このような観点から、区は、循環型社会の実現に向けて、区民・事業者との協働を基礎に、ごみの発生抑制やリサイクルシステムの構築などの施策を重点的に進めます。

モデルプラン2 生ごみのリサイクルシステムの構築

ごみの発生抑制とリサイクルの推進のモデルプランとして、生ごみリサイクルシステムの検討の進め方を提示します。

(1)学校等の生ごみの資源化

 現在いくつかの区立小中学校で実施している、給食調理に伴い発生する生ごみ(残菜・残飯)の資源化(たい肥化)を、給食調理を行っている全校90校、給食センター2か所に拡大し、さらに区立保育園等、調理を行う区立施設全体に広げていきます。

個別処理方式の流れ(現行方式)
 平成12年8月現在、生ごみの資源化を実施している8校では、各学校に生ごみ処理機を設置して一次処理(=生ごみの減容および微生物発酵によるコンポスト化)し、これを農家で二次処理(=コンポスト熟成・成分調整・安全性確保)したうえで、たい肥化する方法で生ごみの資源化を行っています。
 しかし、生ごみの資源化を他校および他の区立施設に拡大していく場合、この個別処理方式では大きな費用がかかります。もうひとつの方法は、比較的大型の一次処理施設、二次処理施設による一括処理方式です。この方法は費用の面では有利ですが、処理施設の設置場所、事業運営方式などの検討が必要です。

【個別処理方式の流れ(現行方式)】

個別処理方式の流れ(現行方式)

【一括処理方式の流れ(例)】

一括処理方式の流れ(例)

 今後、学校等の施設における生ごみの資源化のあり方について検討を進め、なるべく早期に全施設を対象とする仕組みを構築していきます。

(2)家庭系生ごみのリサイクルシステムの構築

 家庭系生ごみの資源化を、練馬区のような都市部で実施するには、多くの解決すべき課題があります。たとえば、臭気の隣家への影響、分別の徹底、つくられるたい肥の使用先の確保などの問題があります。
 こうした問題を解決し、家庭系生ごみの資源化を円滑に実施するためには、本格的な実施の前に、モデル事業を行い、課題の整理とその解決のための方策を検討する必要があります。これにより、本格的な家庭系生ごみリサイクルシステムとしてどういうものがよいかを探らなければなりません。
 以上のことから、将来の家庭系生ごみリサイクルシステムとして考え得る「地域処理方式」「家庭処理方式」「一括処理方式」のさまざまな面での比較を念頭に置きながら、モデル事業の実施方法を検討、実施し、その結果を検証して、家庭系生ごみ資源化の事業化に向けた検討を行います。

【家庭系生ごみ資源化モデル事業の流れ(検討内容)】

家庭系生ごみ資源化モデル事業の流れ(検討内容)

(3)事業系生ごみの資源化システムの構築支援

 資源ごみの収集開始に伴う可燃ごみ収集回数の減少に伴い、飲食店をはじめ、商店街等の生ごみ処理に対する関心が高まっています。事業系廃棄物の処理はその排出者の責任で行わなければならないものですが、区としても、清掃事業の区移管を契機に、事業系のリサイクルのあり方について検討する必要があります。特に生ごみの資源化については、商店街等に対し自主的な事業運営の構築を促すとともに、区がこれを支援していく必要があります。
 今後、「食品リサイクル法」の動きなどを見た上で、モデル事業を検討、実施し、その成果を検証しながら、事業系生ごみ資源化ルートの確立を支援していきます。

重点施策3 地球環境保全のための足元からの行動

(1)練馬区の温室効果ガスの排出状況

 練馬区では、約66万人の区民と約2万5千の事業所が多くの資源・エネルギーを消費し、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などの「温室効果ガス」を大量に排出しています。
 練馬区における二酸化炭素の排出量を推計してみると、平成2(1990)年に約173万トンだったものが平成9(1997)年には約183万トンへと、5%以上増加していることが分かりました。
 平成7(1995)年における住民一人あたりの排出量を比較すると、全国約9.7トン、東京都約5.1トンに対し、練馬区は約3.0トンとかなり低くなっていますが、家庭部門における住民一人あたりの排出量を比較すると、練馬区約0.97トン、東京都約1.01トンとほぼ同じであることから、区内に化学工業・鉄鋼業等のエネルギー多消費型産業がほとんど立地していないことが大きな要因と考えられます。
 また、平成9年における練馬区の二酸化炭素排出量を部門別に見ると、運輸部門(自動車、電車など)(44%)と家庭部門(32%)が高い割合を占めていることが特徴となっています。
 一方、練馬区における将来の二酸化炭素排出量を予測してみると、エネルギーの使用状況などが現状のまま推移した場合、平成22(2010)年の二酸化炭素排出量は約210万トンとなり、平成2(1990)年と比べて約21%増加するという結果になりました。特に、家庭部門の排出量は、約52万トン(平成2年)から約85万トン(平成22年)へと約6割増になると推計されており、著しい特徴を示しています。同時に運輸部門の二酸化炭素排出量も増加が予想されます。
 このような現状と将来の推計結果から、練馬区が、二酸化炭素の排出を減らし地球温暖化の防止に貢献していくためには、日常の家庭生活におけるエネルギー消費の抑制と、事業活動や日常生活における自動車利用の抑制等が特に重要な鍵となることが分かります。
 また、区民の日常生活や事業活動は、フロン類の排出によるオゾン層破壊、紙や木材の大量使用による熱帯雨林の減少など、その他にも地球環境問題に多くの関わりをもっています。

(2)地球環境保全のための練馬区の主な課題

地球環境保全のための練馬区の主な課題

(3)練馬区の地球環境保全のための主な取り組み

 区は、次のような施策を展開することにより、地域における区民・事業者の省エネルギー・省資源活動をこれまで以上に促進し、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出抑制や、オゾン層破壊物質の排出禁止などの対策を強力に進めます。

(1)さまざまな手段を活用した普及啓発をより強力に進め、さらに、地域において省エネルギー・省資源運動の展開を図って、家庭における省エネルギー・省資源の取り組みを促進します。

  • 「環境カレンダー」や「省エネ・省資源の手引き」の改良と区民への配布
  • 練馬・環境保全推進会議による「ねかほ版環境家計簿」等を基にした、新たな生活点検・見直しのツールの開発と、区民への配布
  • インターネットホームページを利用した省資源・省エネルギーの普及啓発

(2)区民・事業者とともに(仮称)区民環境行動方針(練馬区版ローカル・アジェンダ)を策定するなど、日常生活や事業活動に係る環境配慮指針づくりを進め、これらを広く区民・事業者に普及させるよう努力します。

(3)自動車使用に伴う温室効果ガスの排出を抑制する観点からも、東京都による「自動車使用に関する東京ルール」を受け、自動車使用の抑制や環境にやさしい運転方法の採用など、環境にやさしい自動車使用ルールの徹底を図ります。

(4)町会・自治会、学校区などの地域単位で、地域住民・地元企業などが参加して、環境家計簿や事業活動の点検シートを使いながら、生活・事業活動の点検を行う「地域で進める環境にやさしい暮らしモデル事業」を検討・実施します。

(5)ISO14001の認証取得や東京都の「事業活動エコ・アップ」などによる環境マネジメントシステムの構築を行おうとする事業者を支援します。また、省エネルギー設備や新エネルギー設備を導入しようとする事業者への支援を、公害防止融資制度の見直し等により検討します。一方、エネルギー消費規模の大きい事業所については、東京都の取り組みを見ながら、省エネルギー等の指導を行うことを検討します。

(6)商店や商店街などに対しては、リサイクル推進店(エコストア)制度の拡充などにより、省エネルギー・省資源の取り組みを促進します。

(7)住宅への省エネルギー設備の導入などに取り組もうとする区民への支援策を検討します。

(8)ISO14001による環境マネジメントシステムの構築などにより、区の事務事業の実施にあたり、省資源・省エネルギーを率先して着実に進め、区民・事業者の取り組みの促進に努めます。

モデルプラン3 地域で進める環境にやさしい暮らしモデル事業

 暮らしの点検を目的とした環境家計簿や事業活動の点検を目的とした東京都の「グリーンノート」など、区民・事業者を対象とした、環境にやさしい工夫や足元からの行動を生むための道具(ツール)を組み合わせて、地域単位で省エネルギーや省資源、温室効果ガスの排出抑制に取り組む事業を新たに始めます。

(1)モデル地域を指定し、地域の住民や事業所、学校などで、暮らしの点検に利用されている環境家計簿や東京都の「事業所エコ・アップ」で利用されている「グリーンノート」などの記帳に取り組みます。

(2)区は、記帳者のプライバシーに配慮の上、記帳結果を集計して統計値を算出するとともに、専門家などの意見を聞いて、記帳者の省エネ・省資源の取り組みに対する助言等を作成し、記帳者に提供します。

(3)記帳者は、統計値と自分のデータを比較したり、助言を参考にして、自分の生活様式(ライフスタイル)や事業スタイルを環境にやさしいものにするよう見直しを検討したりして、実践を試みます。

(4)記帳データの統計値や取り組みの状況・事例などは区のインターネットホームページ等で公表します。

※注釈:モデル地域の指定を増やしていくことによって、地球環境保全のための足元からの行動を地域に定着させ、区全体に広げていくことができます。

【地域で進める環境にやさしい暮らしモデル事業イメージ例】

地域で進める環境にやさしい暮らしモデル事業イメージ例

重点施策4 みどりと水のまちづくり

 都市において、みどりと水などの身近な自然は、暮らしにやすらぎと憩いをもたらす空間であると同時に、生物の生息空間であり、またヒートアイランド現象や大気汚染などを緩和する機能もあわせ持ち、大きな役割を果たしています。さらには環境学習の実践の場として、区民の環境にやさしいこころを育む大切なツールともなっています。
 練馬区では、農地の宅地化などに伴ってみどりの減少が続き、緑被率は東京23区内では最も高い水準ですが、平成8年には22.6%にまで低下しています。また公共のみどりとして区民の憩いの場となる公園については、一人あたりの公園面積が「都市公園法」に定める目標5平方メートルの半分強である2.70平方メートルにとどまります(平成12年4月1日現在)。
 一方、区内の水辺の状況をみると、石神井川や白子川は、大部分の区間が直立護岸・コンクリート張りの構造であるため、区民が水辺に近づきにくくなっており、生きものの生息や移動にも都合の悪い構造になっています。また水質は大幅に改善したものの、都市化の進行に伴う不浸透域の増大などによって、河川の平常水量や湧水量が減少し、水循環システムのうえでも問題が生じています。
 このような課題を踏まえ、区は、“みどりと水のまちづくり”をまちづくりの大きな柱と位置づけ、「みどりの基本計画」(平成10年度策定)、本計画の分野別計画である「水辺ふれあい計画」(平成12年度改定)を策定して、その推進を図っているところです。本計画においても“みどりと水のまちづくり”を重点施策と位置づけ、次のような方向で、施策を推進していきます。

みどりと水のまちづくり 施策

 また、みどりと水のまちづくりの重点的な推進にあたり、モデルプランとして、「みどりと水の拠点の整備」と「学校等を利用した水辺のビオトープの整備」を次のように提示します。

モデルプラン4 みどりと水の拠点の整備

 みどりと水は、区民生活にうるおいとゆとりをもたらすばかりでなく、自然の生態系を維持し、微気象を調節し、区の環境を守る拠りどころとなる大切な環境要素です。したがって、身近なみどりを増やすとともに、みどりや水がまとまった場所(みどりと水の拠点)、たとえば、練馬の郷土景観を形成している農地・屋敷林・雑木林、大規模公園、河川や池などを、区・区民の貴重な財産として守り、また創造していかなければなりません。さらに、小規模なビオトープや河川管理用通路、散歩道などを利用して、これらのみどりと水の拠点を互いにつなげ、みどりと水のネットワークを形成していくことも、生きものを育み、区民のみどりや水とのふれあいを確保する視点で重要な意義を有します。
 区は、保護樹木・保護樹林制度や郷土景観保全地区の指定などにより屋敷林などの保全を図るとともに、東京都とも協力して、大規模公園・緑道や河川などをみどりと水のネットワークをつくる「みどりと水の拠点」として整備していきます。

みどりと水の拠点の整備計画

 計画期間内に,次の大規模公園、緑道、河川などについて、みどりの拠点やみどりと水の拠点として整備し、または整備を検討します。

(1)整備予定拠点
(長期総合計画に位置づけ整備を図る拠点)

  • (仮称)多目的運動公園
  • 「練馬総合運動場」公園
  • 平成つつじ公園(第2期)
  • (仮称)大泉町公園(比丘尼橋下流調節池付近=東京都への要請=を含む)
  • (仮称)北大泉公園
  • (仮称)稲荷山・清水山公園
  • 田柄川緑道
  • 武蔵関公園
  • 高稲荷公園

(2)整備候補拠点
(区で整備を検討する拠点・東京都に整備を要請する拠点)

  • 石神井川都営上石神井アパート付近
  • 石神井川石神井台緑地~早稲田高等学院付近
  • 石神井川石神井公園団地~石神井小学校付近
  • 石神井川根ヶ原橋~茜歩道橋付近
  • 都立城北中央公園
  • 石神井川山下橋付近
  • 白子川東大泉弁天池~都営東大泉アパート~東大泉公園付近
  • 白子川散策路
  • 千川上水緑道および千川通り
  • 中新井川緑道

モデルプラン5 学校等を利用した水辺のビオトープの整備

 水辺は、多様な生物を育むに好適な場所(ビオトープ)ですが、生物は移動しながら生活し繁殖していくため、水辺のビオトープが面的に、ネットワーク化されていることが望まれます。しかし、練馬区では河川や池といった天然の水辺のみではこのようなネットワークは形成できません。
 しかし、区内には公園や学校などの公共施設が数多くあり、これらを利用して水辺を中心とするビオトープを設置すれば、生きものが自由に移動できる環境をつくることができます。中でも、区立小中学校への設置は、平成14年度から本格導入される「総合的な学習の時間」などにおける環境教育への活用も期待できることから、非常に有用です。学校におけるビオトープの造成・維持は、区の担当部局が単独で行うより、学校の児童・生徒が積極的に立案や作業に参加して行う方が、親しみが持て、環境教育としても有効です。場合によっては周辺の住民の参加を仰ぐことも考えられます。
 区は、このような考えから、平成22年度までに、水辺のビオトープを、小中学校を含む公共施設22か所に整備することを目標としてかかげます(うち既整備2か所)。また、これらのほかにも、ビオトープとなる公園・緑地等の整備を進め、ビオトープネットワークの形成を図っていきます。

【ビオトープネットワーク整備イメージ】

ビオトープネットワーク整備イメージ

重点施策5 環境美化の推進

(1)環境美化の現状

 駅前、道路、公園等の公共の場所や空き地にポイ捨てされた空き缶や吸い殻、橋脚や塀などに書かれた落書き、駅前などに放置された自転車、そして道路上におかれた屋外広告物。これらはまちの美観を損ね、区民の快適な生活を阻害するとともに、練馬区のイメージを損ねるものにもなっています。
 区内20駅周辺で平成12年に調査した結果では、多数の吸殻と一日平均空き缶約200本、空きびん約60本、ペットボトル約30本が捨てられていました。
 一方落書きは、「練馬区ポイ捨ておよび落書行為の防止に関する条例」の施行(平成9年7月)以前には300件を超えていた落書き箇所が、平成10年242か所、平成11年192か所、平成12年151か所(各3月末)と少しずつ減ってきています。しかし、区が行っている落書き消しが毎年120件程度あることからみて、年間70件程度は、新たな落書きが発生しているものと推定されます。
 駅周辺の路上放置自転車は平成7年の約1万3千台をピークに漸減してはいますが、平成12年5月の調査でも、23か所の駅等でまだ9,500万台を超える放置自転車がありました。
 屋外の違法広告物については、平成11年度の立て看板、はり札、はり紙、金属板の撤去数は5万件近くにのぼり、ここ数年は増加傾向にあります。

(2)環境美化の取り組み

 こうした美化の問題に対して、区では、平成9年に「練馬区ポイ捨ておよび落書行為の防止に関する条例」を制定し、環境美化推進地区の指定(平成12年8月現在22地区)と連絡協議会の設置、環境美化活動団体の登録などによる地域住民の美化活動の支援、環境美化推進委員連絡協議会の設置、各種美化キャンペーンの実施などに取り組んできました。また、地域ボランティアによる落書き消し活動も行われ、区はその支援を行っています。
 また放置自転車については、「練馬区自転車の適正利用に関する条例」に基づき、撤去等に取り組んでおり、屋外広告物についても道路管理等の観点から撤去を行っています。

(3)環境美化推進の仕組み

 ポイ捨てや落書きを防止し、放置自転車や屋外の違法広告物を減らすには、まだまだ多くの課題があります。特に大きな課題は、ポイ捨て、落書き、放置自転車、屋外広告物などのさまざまな問題を「地域」という視点から総合的にとらえ、その地域にいろいろな意味で関係する区民・事業者・NPO・区がそれぞれの役割や連携のあり方を明確にしながら一体となって、景観などのまちづくりの視点をも含めて、まちの美化に取り組む仕組みを構築していくことです。そのためには、従来のようにポイ捨てや放置自転車という個々の問題の解決を目指すだけでなく、自らのまち(地域)をより暮らしやすく、魅力あるまちにしていくための、地域におけるまちづくりとの連携を含んだ、区民・事業者・区が協働で進める、“より総合的で、より積極的な環境美化”という考え方に転換することが必要です。
 これを区行政の立場からとらえると、次のような課題として整理できます。

区行政の立場からとらえた課題

 今後、こうした課題に対応した環境美化の取り組みを進めるため、まず、区民・事業者・区のそれぞれの役割と連携のあり方を明確にした上で、各主体の具体的な行動を示して、多様な環境美化活動をコーディネートしていくための計画として「(仮称)環境美化行動計画」を策定します。
 また駅前や幹線道路など、自己責任が希薄になりがちな場所における環境美化を進めるため、区と地域の住民や事業者が合意に基づいて、一定区画の美化をその住民等が行い、一方、区が安全指導、用具等の提供、住民等が回収したごみの収集、その成果の公表といった支援を行う、いわゆる「アダプト・プログラム」の採用について研究します。

モデルプラン6 環境美化行動計画の策定

 区民、事業者、区が協働して環境美化を推進する仕組みを構築するための計画として、「(仮称)環境美化行動計画」を策定します。その策定の流れをモデルプランとして提示します。

(1)区の環境美化を各主体が協力して進めるための協議機関である「環境美化推進委員連絡会」を策定主体と位置づけし、区民組織、企業、教育機関、各公共機関(警察署等)、区が協力して計画を策定する体制をつくります。

(2)環境美化に対する検討主体構成組織の考えをアンケートなどによりまとめながら、策定の方針を明確にします。

(3)モデル地区を選定し、地域住民、地元企業、区の各担当組織などからなる検討組織をつくり、その地区における課題、各主体の取り組みと役割分担、推進方策などを具体的に検討し、地区の環境美化行動モデルプランをつくります。

(4)策定組織において、モデル地区の環境美化行動モデルプランを参考に、練馬区全域における環境美化のあり方について検討します。

(5)「(仮称)環境美化行動計画」を策定します。

【(仮称)環境美化行動計画策定の流れのイメージ】

(仮称)環境美化行動計画策定の流れのイメージ

重点施策6 まちづくりにおける環境配慮の仕組みづくり

(1)まちづくりにおける環境配慮の現状と今後の動向

 練馬区では、宅地開発等における緑化指導や雨水浸透施設の設置指導などを進めてきましたが、これらは、地域の環境保全に一定の役割を果たしてきました。
 平成12年度からは、条例に基づき、一定規模以上の事業用大規模建築物や集合住宅の建設に際し、廃棄物保管場所や再利用対象物の保管場所の設置を義務づけたり、誘導したりする制度を導入しました。
 一方、国や東京都では、大規模なまちづくり事業については、「環境影響評価法」や「東京都環境影響評価条例」に基づく環境アセスメント制度により、事業の実施前にその環境影響について検討を行う仕組みがつくられています。さらに東京都では、事業の計画段階から環境影響を評価する「総合環境アセスメント制度」の試行が始まっています。商業施設の立地における生活環境の保全を誘導する改正「大規模小売店舗立地法」も平成12年度から施行されました。
 まちづくりにおける環境配慮をさらに積極的に進めるため、東京都では東京都環境確保条例で「建築にあたっての環境配慮制度」を新設しました。一定規模以上の大規模な建築物を新築する建設主に対して、省エネ・省資源設計や太陽光発電等の新エネルギーの導入、緑化等を内容とする「建築物環境計画書」の作成と提出を義務づけるものとなる予定です。

(2)10年後の練馬区の環境像とその課題

 本計画の目標年度となる平成22(2010)年ごろの練馬区のまちは、「住宅都市」としての基本性格は継続していますが、人口が約67万2千人、世帯数が約29万世帯に増加し、また農地の宅地化や市街地の再整備などにより、建築物の建設・更新が継続して進むと想定されます。同時に、幹線道路(都市計画道路)や鉄道の整備による都市骨格の形成が進むと想定されます。
 こうした人口増加や都市開発の進展により、資源やエネルギーの消費の増大やごみの増加、大気汚染物質等の排出増加など、環境への負荷が増大するとともに、みどりなどの自然が減少するおそれがあります。これらが環境面での大きな課題であることは言うまでもありません。
 一方、法律や東京都条例に基づく環境アセスメント制度は、対象が相当大規模なまちづくり事業であるため、練馬区内でこれまでに対象とされた事業は東京都条例施行の昭和55年以来6件にとどまります。「大規模小売店舗立地法」や東京都で新たにはじめる予定の「建築にあたっての環境配慮制度」などを併せても、平成22年ごろの練馬区における環境負荷を適切にコントロールするには必ずしも十分とは言えません。また、現行の区のまちづくり指導制度も、いくつかの環境負荷項目に対応しているにとどまります。
 以上から、計画目標の達成のために、今後、まちづくり事業の実施に伴う環境負荷の抑制を図る仕組みを検討する必要があると考えられます。

(3)まちづくりに伴う環境負荷の抑制のための施策

 区は、法律や東京都条例に基づく環境アセスメントの施行において、区の立場から適切に対応するとともに、今後は、まちづくり事業における環境配慮を総合的に促進するための制度の創設を検討し、美しい、環境負荷の少ない「住宅都市・練馬」の実現を目指していきます。
 また、練馬区で多い集合住宅等の建設に対し環境面での指導を行う制度の創設など、さらにきめ細かい施策の検討を進めていきます。

モデルプラン7 まちづくり事業環境配慮制度の創設

 区は、区内で環境に大きな影響を及ぼすおそれのある事業を実施する事業者に対し、事業の実施前に、環境配慮の方策を示した「環境配慮計画書」の作成とその区への提出、関係区民等への説明などを求める制度を検討し、創設します。

制度の具体的内容は、今後種々の条件を考慮して検討します。

新制度の対象(例)

 大規模建築物の建設や大規模な土地の開発行為、幹線道路建設などのまちづくり事業のうち、法律や東京都条例に基づく環境アセスメント制度や東京都で新たにはじめる「建築にあたっての環境配慮制度」の対象事業や対象項目を勘案し、また事業者の負担なども考慮して検討します。

境配慮計画書の内容(例)

(1)事業実施者、内容など

(2)公害の防止、みどりと水、エネルギーの有効活用などから、対象事業で予想される環境影響の種類や大きさなどを考慮して選定した環境配慮事項について、事業の実施に伴う環境影響の大きさなどを予測したもの

(3)必要な環境保全対策など

【まちづくり事業環境配慮制度 概略イメージ(例)】

まちづくり事業環境配慮制度 概略イメージ(例)

重点施策7 環境学習の体系的促進/環境情報の的確な提供

 21世紀の練馬区を“環境へのやさしさが育む循環・共生のまち”として他に誇れる都市にしていくために、何よりも大切なことは、区民・事業者・区がそれぞれ自主的な環境保全活動を進めるとともに、お互いの立場や限界を認識しつつ連携していくことです。
 そのためには、さまざまな仕組みを整えていくことが必要とされていますが、どの仕組みを創り上げるときにも、環境の現状や環境保全のための取り組みに関する、的確で分かりやすい情報が、利用しやすい形で存在することと、環境の現状や環境保全のための取り組みに関する学習・教育が、家庭、学校、地域、事業所など、さまざまなところで盛んに行われていることが基本となります。
 環境情報や環境学習は、区民の間で、事業所で、グループで、いろいろな展開がなされることが望ましいことは言うまでもありませんが、特に区は、区内の状況から国際的な状況まで、環境に関する幅広い、詳細な情報を有しており、また小中学校をはじめ、環境学習・教育の手段や場を多数保有していますので、環境学習や環境情報に関して、システム整備や場づくりなどに中心的な役割を果たすことが求められます。また、先進的な環境保全の取り組みを行っている区民や事業者、特に環境保全に係るNPOや環境マネジメントシステムを構築した企業などには、その経験を生かし、区民・事業者に対する環境学習を行ったり、情報を提供したりすることが期待されています。

 しかし、従来、こうした環境分野に関する情報の提供や学習機会の提供は、個々に見れば、参加区民に満足してもらえる充実した環境学習プログラムがあり、魅力ある、有益な情報が提供されてきたにしても、総合化、体系化が十分ではなかったため、区民・事業者が自らの生活や事業活動に合わせて適切な環境保全活動を選択する際のメニューとして利用しやすいものとは必ずしもなっていませんでしたし、区民・事業者の行動に結びつく具体的効果も必ずしも明確にされていませんでした。
 今後、区は、環境情報や環境学習を区民・事業者が利用しやすく、効果的なものとするよう、あらためて、その総合化、体系化に取り組むとともに、先進的な区民・事業者との連携の仕組みを築いていかなければなりません。

【環境学習・環境情報の仕組み模式図】

環境学習・環境情報の仕組み模式図

以上の考えに基づき、次のような方向で施策を検討し推進していきます。

(1)環境学習実施主体間の情報交換・連携の強化

 環境に係る学習を担当する区の各部署の連絡組織を設け、環境学習推進のための連絡調整やシステムづくりを行います。さらに先進的な環境保全の取り組みを行っているNPOや企業が区民・事業者に対する環境学習に取り組む際の連携などについて検討します。
 また、こうした情報交換や連携を通じ、環境学習に関する事業、人材、フィールドなどの情報を集約し、インターネットホームページの利用も含め、各種環境学習・環境教育のプログラムづくりに活用できる情報を総合的に提供できる環境学習推進のためのシステムの整備を段階的に進めていきます。

(2)小中学校における環境教育推進の仕組みづくりとその応用

 学校教育における児童・生徒に対する環境教育としては、特に、平成14年度から本格導入される小中学校の「総合的な学習の時間」において、環境教育が円滑に実施できるよう支援する「環境学習情報システム」の構築を進めます。また、教員向けの講座の開設も検討します。
 将来的には,環境学習情報システムを拡張し、多くの区民に利用できる環境学習情報システムとするよう、さらに検討を進めていきます。

(3)環境学習のリーダー「エコ・アドバイザー」の育成

 「ねりま環境カレッジ」をより充実させて再開し、地域における環境学習促進の核となる人材として区民の中から「ねりまエコ・アドバイザー」を育成します。また、「ねりまエコ・アドバイザー」やNPOなどによる環境学習事業を、情報提供などにより支援します。

(4)こどもエコクラブ等の団体活動への支援

子どものときから環境を大切にするこころを育むため、児童・生徒などを対象とする「こどもエコクラブ」登録の促進やその活動の支援を強化します。また区民団体の環境学習活動を支援します。

(5)環境白書の作成

 区内の環境の状況、東京都・国・国際的な取り組みの動向、区の環境保全施策の進捗状況と今後の方向、区民・事業者の環境保全活動の状況などを総合的にまとめた「練馬区環境白書」を作成し、区民に公表します。白書のインターネット版も検討します。

(6)環境情報システムの整備

 地図情報と環境情報を結びつけた環境公害マップ情報システムなど、「環境情報システム」の整備を段階的に進めます。これらは、区の環境保全施策の推進に活用するとともに、その情報の一部をインターネットホームページづくりなど、区民等への的確で、分かりやすい情報提供に利用していきます。

(7)多様な情報手段による環境情報の共有化の促進

 パンフレット等の従来の情報手段による環境情報の提供をより効果的にするよう努めるとともに、コンピュータとインターネットを活用した環境情報の流通の仕組みづくりを進めます。
 当初は、区の環境情報インターネットホームページの充実を図り、区の保有する環境情報を分かりやすく、迅速に提供するとともに、区民等の意見や要望を聞く手段としてより広く活用していきます。
 さらに、将来は、こうしたインターネット活用環境情報システムを、個人情報の保護の仕組みとの整合を図りながら、区民・事業者・NPO・他自治体等との情報の相互交換、情報共有化の仕組みとして拡張していくことを研究します。

(8)環境学習・環境情報の拠点の整備

 「区民等の環境学習・リサイクル学習のための情報発信拠点、環境保全活動・リサイクル活動の支援拠点」を整備し、環境情報の的確な提供と環境学習の総合化、体系化を推進します。

モデルプラン8 総合的な学習の時間における環境教育の円滑な推進の仕組みづくり

 地域環境を保全する行動や、循環型社会づくりや地球環境保全に貢献する行動を推進するために、環境学習や環境情報は重要な役割を担っています。特に、循環型社会づくりや地球環境保全のような次世代に向けた長期の取り組みを必要とする課題に対応するためには、次世代を担う児童・生徒に対する環境教育は、極めて大きな意味を持っています。
 学校においては、従来からも、社会科等の教科の中で、公害問題やごみ・リサイクル問題などの環境に関する学習が行われていますが、平成14年度からは「総合的な学習の時間」が本格導入されます。
 「総合的な学習の時間」とは、国際理解、情報、環境、福祉・健康など従来の教科をまたがるような課題に関して、地域や学校、児童・生徒の実態に応じ、学校が創意工夫して特色ある教育活動を行うものです。学校単位で内容を決め、児童・生徒が自ら課題を設けて、体験的・問題解決的な学習に取り組むものであることから、「環境」がテーマとして取り上げられれば、環境学習として大きな効果が期待されます。
 しかしながら、「総合的な学習の時間」のための環境教育プログラムを作成するには、区などで実施している環境学習事業、環境に係る人材や活用できるフィールド・ツールなどに関する情報が総合的に利用できる環境が必要とされます。また過去積み重ねられた各種環境学習事業の成果を、学校で体験的・問題解決型の環境学習の手法として活用できるようにすることも、円滑な環境教育プログラム作成のために有効です。
 「総合的な学習の時間」の本格導入に向けて、環境学習に関係する各区長部局、教育委員会、教員が協力して、環境学習に関する総合的な情報システムの整備や、環境学習事業のノウハウを活用した講習会の実施などを中心に、たとえば、以下のような「総合的な学習の時間」における環境教育の円滑な実施のための仕組みづくりを進めます。

総合的な学習の時間における環境教育の円滑な実施のための仕組み(例)

(1)「(仮称)環境学習推進連絡会」の設置と体制の整備
 庁内の環境学習関連部局と区立小中学校教員などからなる「(仮称)環境学習推進連絡会」を設置し、「総合的な学習の時間」における環境教育の円滑な実施のための仕組みづくりを含め、区の環境学習の推進に関する各部局間の連携と仕組みづくりを推進します。
 また、関連部局の環境学習情報を集約し、学校や教員、児童・生徒の相談を一次的に受ける窓口の設置や、環境教育プログラム作成支援システムの整備や実践講座の企画を担当する体制の整備を図っていきます。

(2)環境教育プログラム作成支援システムの整備
 「(仮称)環境学習推進連絡会」が中心となって検討し、各学校において「総合的な学習の時間」における環境教育プログラムづくりを行う際に、それを支援するための情報提供の仕組みづくりを進めます。

《情報提供の仕組みのイメージ》

区の一定の部署に、

(1)区の実施する環境学習事業

(2)環境学習のためのまたは環境学習に活用できる施設等(環境学習のためのフィールド)

(3)環境学習に係る知識、ノウハウの提供などで協力できる人材

(4)環境学習において利用できる用具類

などの情報を集約し、可能であれば環境教育モデルプランを加え環境学習支援情報一覧を作成します。

 各学校は、この情報一覧を参照し、必要な項目を組み合わせて「総合的な学習の時間」における環境教育プログラムづくりを行います。その際、この情報を提供した区の各部署では、学校からの要請に応じ、環境教育プログラムづくりのために、さらに詳細な資料を提供したり、相談に応じたり、あるいは人材の派遣や用具類の貸出などの支援を行います。
 こうした情報提供の仕組みが有効に機能するようにするためには、情報システムの活用が不可欠です。インターネットホームページを利用した環境教育プログラム作成支援システムの例を示します。

【環境教育プログラム作成支援システムの骨子部分のイメージ】

環境教育プログラム作成支援システムの骨子部分のイメージ

 この情報システムに、さらに、学校が環境教育プログラムの実施結果を情報として掲載して双方向利用するようにすれば、他校の環境教育プログラムづくりの参考としたり、環境学習関連部署の事業やフィールドの充実に役立てたりすることも期待でき、より有益なシステムとなると考えられます。
 また、この「総合的な学習の時間」における環境教育プログラム作成支援のための情報システムは、その情報内容の変更などにより、一般区民や事業者向けの環境活動支援情報システムに拡張していくことも可能であると考えられます。

(3)環境教育プログラム作成実践講座の開催

 区の環境学習事業の経験を生かし、「総合的な学習の時間」における環境教育プログラムづくりを行う教員などを対象とした実践講座の開設を検討します。

モデルプラン9 環境情報・環境学習の拠点の整備

 地域環境を保全する行動や、循環型社会づくりや地球環境保全に貢献する行動を推進するために、環境学習や環境情報は重要な役割を担っています。
 このうち、区民等が環境やリサイクルについて学習したり、活動したりしようとする際に不可欠な環境・リサイクル情報は、区の各関係部局、東京都、国、研究機関、民間団体など、さまざまなところにばらばらに存在しているのが現状です。環境保全活動やリサイクル活動を行おうとする区民や事業者にとって、少なくとも一次的に、総合的な相談や情報収集ができる場所、担当組織があることが極めて有用であり、区民・事業者の環境保全活動を広げていくことに大きな役割を果たすものと考えます。
 また区民・事業者の環境保全活動の支援についても、なるべく多くの事業等を集中して実施することが、区民・事業者の活動の促進に有効であることは言うまでもありません。
 区は、こうした環境・リサイクル情報をできるだけ集約化して区民・事業者・学校などに提供し、また区民・事業者の環境保全活動や学校教育における環境教育への取り組みが円滑に行えるよう、「区民等の環境学習・リサイクル学習のための情報発信拠点、環境保全活動・リサイクル活動の支援拠点」の整備を検討します。またこの拠点の整備に伴って、環境情報や環境学習を担当する組織の強化を図ります。
 この拠点施設には、この施設を利用する区民等に、施設の意義や環境・リサイクル活動の重要性を理解してもらうため、区民等に分かりやすい環境配慮設備などを可能な限り導入します。

【環境・リサイクル情報拠点のイメージ例】

環境・リサイクル情報拠点のイメージ例

重点施策8 環境保全推進の枠組みの確立/区民・事業者・区の協働による環境保全の仕組みづくり

 練馬区の環境を保全し、また循環型社会づくりや地球環境保全に貢献するためには、区民・事業者・民間団体(環境NPO等)および区が、各々の役割を果たしつつ連携して、日常生活や事業活動における環境保全の取り組みを進めることが必要です。この場合、役割分担と連携の方針や具体的行動のあり方などが明確になっていることが必要であり、しかも、それらの方針やあり方は、各主体が主体的に参加し協力して創り上げるものでなければなりません。こうして築き上げた方針・あり方は、練馬区全体の環境保全を進めるうえでの大きな枠組みとなります。
 区は、練馬区の環境保全を進めるうえでの枠組みとして、3つの柱(基本枠組み)があると考えます。
 第一の柱は「環境基本条例」です。これは、区民・事業者・民間団体・区行政が結集して環境保全を進める基本姿勢、各主体の役割と主体間の連携の方針、区の施策の基本的あり方などを定め、区をあげた環境保全の取り組みを内外に明らかにするものです。
 第二の柱は、区民・事業者・民間団体・区が共同して、それぞれの役割と連携のあり方や、各主体の取り組むべき具体的行動などを定める「区民環境行動方針」です。これは、各主体が環境保全のための行動を起こす際の指針となるもので、区行政だけでなく、区民・事業者・民間団体・区が共有する行動計画という性格をもつ計画です。いわば“練馬区版ローカル・アジェンダ(地域における環境行動計画)”といえます。
 第三の柱は、区行政の環境保全施策の方針を定める「環境基本計画」(本計画)です。
 「環境基本条例」「区民環境行動方針」「環境基本計画」は、練馬区全体で環境保全を推進する三本の柱と位置づけられます。

【練馬区の環境保全を推進する3つの基本枠組み】

練馬区の環境保全を推進する3つの基本枠組み

モデルプラン10 区民環境行動方針の策定と環境基本条例の制定

(1)環境基本計画において、環境保全推進の基本的枠組みとして、環境基本計画自身のほか、「(仮称)区民環境行動方針の策定」および「(仮称)環境基本条例の制定」を位置づけ、計画化します。

(2)区民・事業者・民間団体・区が共同して「(仮称)区民環境行動方針」を策定するための体制づくりを進めます。

(3)区民・事業者・民間団体・区の各主体の役割と連携に関する方針や、各主体の行動目標や具体的行動、行動の点検のための指標などについて検討し、「(仮称)区民環境行動方針」を策定します。

(4)「(仮称)区民環境行動方針」づくりの過程において、区民・事業者・区の環境保全の取り組みについて基本的事項を定める「(仮称)環境基本条例」のあり方を含め検討します。

(5)区民環境行動方針づくりにおける検討を踏まえ、「(仮称)環境基本条例」案をつくり、その制定を目指します。

【環境保全推進のための基本枠組みづくりのイメージ】

環境保全推進のための基本枠組みづくりのイメージ

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電話:03-3993-1111(代表)
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