第6回練馬区障害者計画懇談会 1 日時 令和2年9月3日(木)午後6時30分から午後8時30分 2 場所 区民・産業プラザ 3階 ココネリホール 3 出席者 【委員】 大森委員、小原委員、近藤委員、中村委員、松浦委員、山中委員、萩原委員、藤森委員、加藤委員、田中(康)委員、浦田委員、吉井委員、山岸委員、天沼委員、明石委員、金井委員、栗原委員、永島委員、田中(幸)委員、山岡委員、菊池委員、中島委員、丸山委員 (以上23名) ※欠席 上月委員、冨岡委員、黒澤委員、平峯委員、金野委員、齋藤委員 【区出席者】 福祉部長、健康部長、障害者施策推進課長、障害者サービス調整担当課長、福祉部管理課長、石神井総合福祉事務所長、関保健相談所長 4 公開の可否 公開 5 傍聴者 3名 6 議題 (1)開会 (2)練馬区障害者計画懇談会意見書(案)について (3)第六期障害福祉計画・第二期障害児福祉計画について (4)その他 (5)閉会 ○座長 定刻を過ぎていますので、始めさせていただきます。皆さま、こんばんは。本日は大泉学園駅で人身事故があったようで、普段は西武池袋線で来ているのですが、西武新宿線を使って来ました。席が空いているところもありますが、少しずつお越しいただけるかと思っています。今日は皆さまからいただいたご意見を事務局のほうで意見書としてまとめていただきました。また、具体的な内容はこれからだと思いますが、国の指針に基づいた障害福祉計画・障害児福祉計画のご説明があろうかと思います。改めて今までの皆さまのご発言が意見書にどう反映されているのかご確認いただいて、ご意見を賜れればと思います。本日も多くの方がご発言できるよう進行していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。はじめに、事務局から委員の出席状況、また会議の情報公開についての報告をお願いします。 ○事務局 委員の出席状況についてご報告します。本日26名の委員の出席を予定しております。鉄道事故の関係で若干遅れる方がいるかと思われます。なお、上月委員、金野委員、齋藤委員より欠席の連絡をいただいております。また、区からは五十嵐保健予防課長から欠席の連絡が入っています。 続いて、会議の情報公開と傍聴についてお伝えします。会議は原則公開とし、一般区民の傍聴を可能とします。ただし、傍聴人による発言・録音・撮影は認められません。会議中の発言は録音させていただき、会議録として後日公開いたします。恐れ入りますが、ご発言の際は挙手でお知らせください。事務局よりマイクをお渡ししますので、恐縮ですが発言の前に、お名前をお願いいたします。なお、新型コロナウイルス感染症防止のため、マイクスタンドを付けたまま机にマイクを置かせていただきますので、そのままお話しいただきますようお願いします。活発なご議論をいただくために、公開に際しては発言者個人が特定できないようにいたします。公開前に会議録を各委員の皆様にご確認をいただいた上で、区ホームページに掲載いたします。 ○座長 このような形で議事録が公開されていくということですので、ご了解をお願いします。本日の議題に入る前に配布資料の確認をお願いします。 ○事務局(配布資料の確認) ○座長 今日の議論の柱の一つは、皆さまのご意見をまとめた意見書の案がありますので、そこに意見がきちんと反映されているかどうかをご確認いただきたいというところになります。もう一つが障害福祉計画・障害児福祉計画になります。 では、早速議題に移りたいと思います。次第2、練馬区障害者計画懇談会意見書(案)についてです。第5回までに皆さまからいただいたご意見やその後に各委員から提出されたご意見をもとに、意見書の案として整理したということです。この段階で意見を取りまとめ、区に提出するというものです。それでは、事務局から資料1の説明をお願いします。 ○事務局(資料1の説明) ○座長 このような形で皆さまの意見がまとめられたということになります。皆さまの意見をよく拾ってまとめていると思いますが、「こういったところをもう少し書いてほしい」など、ご意見やご質問など、いかがでしょうか。 ○委員 施策5の主な意見Aにある安全・安心のまちづくりについて、地震を想定した防災対策であるとか、福祉避難所の仕組みを充実していただけるということですが、東京で首都直下型の地震があった場合、なかなか避難所に行くことが難しく、自宅が無事あればそこで避難生活を送るという方も多くいらっしゃると思います。そうなった時に、ひとり暮らしの障害者やご家族が高齢の方などで、「助けを必要としている方がいる」、「災害時に個人の名前を出していいですよ」といったものが、区の方からあったと思います。消防署や警察署に支援が必要な人の名前をお知らせするということを、私どもも提出した記憶がありますが、災害時に役立てていただけるような取組はできているのでしょうか。 ○座長 福祉避難所のことは書いてあるが、実際は自宅で避難生活をされる障害者が非常に多いのではないかということをご心配いただいたのかと思います。 ○福祉部管理課長 避難行動要支援者名簿のことをおっしゃっていただいているかと思います。現在、名簿に登録されている方は約32,000人おり、区では災害があった際、名簿に掲載されている方の安否確認をすることになっています。また、日常生活で福祉サービスを利用されている方、例えば、在宅で介護サービスを利用されている方など様々いらっしゃるかと思いますが、そういったサービス提供についても災害時にどのように継続していくか、具体的に検討を進めているところです。避難所に行って日常生活ができなくなるよりも、在宅で過ごすほうがよいという方もいらっしゃるかと思っています。そういった方々の安否確認も併せて行っていくことを考えていますので、名簿が活用できる仕組みはできています。 ○座長 障害のある方は避難所に行かず、自宅にいる方が多いですよね。このあたりはどう考えていったらよいか、課題であろうと思います。そのようなご心配があってのご質問だったと思います。 ○委員 施策1の主な意見Aのところに「サテライト型や滞在型が増えると、地域移行が加速するのではないか。」と書いてありますが、どうしてこのように考えられるのかお伺いしたいと思います。練馬区にサテライト型がどれくらいあるのか分かりませんが、非常に少ないと思っています。 ○障害者施策推進課長 まず、こちらに記載しているご意見は、私どものご意見ではなく、皆さまからいただいた意見を集約したものになります。グループホームというのは共同生活になりますが、サテライト型とは、本体住居となるグループホームで食事や余暇活動などの支援を受けながら、そこから少し離れた場所で一人暮らしに近いような形で生活を送れる住居のことです。通過型に対して滞在型と言いますが、通過型というのは、精神障害者のグループホームで行われ、期間を定めて滞在し、その後一人暮らしなどに移行していきます。一人暮らしに移るので、グループホームに慣れた方については、少しハードルが高いことが想定されます。ですので、みんなと隣同士の部屋ということではなく、少し離れた場所にあり、滞在型ではあるが自立した生活を安心して送ることができるのがサテライト型になります。多様なグループホームを活用して地域移行を進めていこうといった趣旨のご意見ではないかと受け止めています。サテライト型の数については、本日持ち合わせておりません。 ○座長 簡単に言いますと、アパートが6部屋あるとすると、1部屋だけグループホームの扱いになる、それをサテライト型と言います。残りの5部屋は一般のアパートで、1部屋だけ障害者が入居していて、それをグループホームとして扱うということです。 ○委員 追加でお伺いしたいのですが、私たち介助者である親は、災害時に車いすを家の中から担ぎ出すことが難しいです。自宅にずっといることになるだろうから、次の段階の助けを求めたいという意見が多くあります。災害時の名簿には登録していますが、それを町会などにも広げていくという話しが何年も前からあったと思います。そういった地域への取組はどのようになっているのでしょうか。あくまで区が安否確認をするという考え方なのか、それとも町会など地域でそれを利用していくのでしょうか。 ○福祉部管理課長 避難行動要支援者名簿に登録されている方の安否確認については、民生児童委員など地域の方々のお力添えをいただくことも考えています。 ○座長 その他いかがでしょうか。 ○委員 施策3についてですが、働くことは大事だと思います。少し気になるのは、農福連携のところです。よく若い世代の人たちが地方に農業をしに行って、失敗しているケースが見受けられます。主な意見のBに、「障害者施設と農業者等が協働で行う福祉連携農園について、以前農家の方から夢があると聞いており、実現を楽しみにしている。」とありますが、これは農家の人が言っているのでしょうか。ちょっと意味がよく分からなかったです。農家の人から夢がある、後継者として考えているのかよく分からないのですが、私は農業にこだわらなくてもよいと思います。飯能市で障害者がソフトクリームを売っているという記事が新聞で紹介されていました。「障害者スタッフが作るデザートの販売を始めました。一般の利用客に広く障害者雇用の現状を知ってもらう狙いもあります。障害者がレストランで働き、自らソフトクリームを提供する。レストランではこれまでも障害者の人たちが弁当を詰める作業などしていたが、仕事をする様子を来店客に直接見てもらえるようにしました。」とありました。どちらかというと、農業よりもソフトクリームの方が夢があるような気がしますが、いかがでしょうか。 ○座長 ソフトクリームの原材料が農業だったりするんですね。何を農福連携のところで考えていくのか。今回こちらに載っているのは、委員の皆さまからのご意見になりますので、委員の中に練馬の農業を大事にしながら福祉と連携したらどうかというご意見があるということです。今のご発言は、あまり農業を重視しなくてもよいのでは、というご趣旨でよろしいでしょうか。 ○委員 そうですね。もっと他にもいろいろあるのではないかと思います。 ○座長 分かりました。ご意見ということで受け賜ってよろしいでしょうか。ありがとうございました。 ○委員 施策4の主な意見Aの2つ目に「聴覚障害のある児童が普通の学校で学べるよう」とありますが、この「普通」という言葉に引っかかりました。「普通」という言葉の前に「児童」と書いてあったので、小学生を対象に書いていただいていると判断したのですが、その場合、「普通の学校」という表現よりは、「地域の学校」とか「地元の学校」と書いていただいた方がよいのかなと思ったのですが、いかがでしょうか。 ○座長 もう少し違う表現に変えたらどうか、というご意見です。 ○障害者施策推進課長 ご趣旨としては、今委員がおっしゃられたような地域の学校でのインクルーシブも含めたことだと思いますので、座長と相談し、ご意見に沿った形で調整させていただければと思います。 ○座長 ありがとうございました。気になる表現など教えていただき、気付いたところを直していきたいと思います。 ○委員 たくさんのご意見を丁寧にまとめていただきありがとうございます。いくつかお伺いしたいことがあります。 1つは、今回懇談会に参加するにあたって、基礎調査や報告書などについて、知的障害のある当事者と検討会を開催させていただき、当事者の意見を私が代弁させていただく形で意見をお伝えしたところもあります。ぜひ、そのあたりをふまえて、当事者の意見であるということをもう少し明確に記載していただけるとありがたいなと思っています。施策5、11ページのB社会参加のところに「障害があっても、自分の意思のもとに自分なりの生き方を実現しようとするとき」とあり、検討会に参加した知的障害のある当事者がこのとおりに発言したということではありませんが、知的障害のある当事者の意見がもとになっていることが明確になるとよいと思っていて、記載の工夫ができないかなと思っています。 それから、この意見書の案ですが、一番初めにご説明いただいたかと思いますが、自立支援協議会の意見のまとめと障害者基礎調査等を踏まえて、障害者計画検討委員会が開催されるかと思います。これが計画の策定に繋がっていくということですが、ここでの意見がどう反映されたのか、どう計画に活きたのかというところを、これまで一緒に検討会をしてきた当事者に、社会参加という視点からも具体的に伝えていきたいと思っていますので、私たちがどのように知ることができるのか、教えていただけると嬉しいです。 最後に、2ページの施策1の主な意見Aの3つ目の丸のところの表現を工夫できないかなと思います。「将来の自分をイメージすることは難しいため」とか、「サービスを利用して年齢に合った社会経験をできる場」となっているのですが、年齢に合った社会経験というのが、ちょっとイメージしづらいかなと思います。年齢ごとに社会経験が分けられるのかなと。ニーズに合ったというのか、そのあたりの表現をもう少し工夫したほうが伝わりやすいかなと思いましたので、そのあたりをお伺いしたいと思います。 ○座長 当事者の声ということと、私たちの声がどのように計画策定に反映されていくのかということ。そして、年齢に合った、発達段階ということかと思いますが、文章の表現について、「年齢」よりも「ニーズ」とかの方がよいのではないかといったご意見かと思います。 ○障害者施策推進課長 1点目の当事者のご意見というところですが、この懇談会にも当事者の方が参加しておりますし、そのことも踏まえて、全体のご意見については懇談会の総意という形でまとめさせていただいています。一つの意見が当事者の意見ということではないと考えています。当事者を含めた方々のご意見がこの中に入っているということですので、表現上何らかの工夫ができればよいとは思いますが、当事者とそれ以外という書き方はなじまないと考えています。ご本人が言っているという、表現の方で工夫できるのであれば、座長とも相談させていただければと思います。 2点目についてです。委員がおっしゃられたように、この懇談会意見書や自立支援協議会からの意見などを踏まえて、最終的に区で成案化しますが、その前に素案という形で皆さまにもお示ししますし、区民の方々へのパブリックコメントなども予定しています。その中で、いただいたご意見がどのように反映しているのかというところを見ていただけますし、次回提出予定の素案の案の中でもご確認いただければと思います。 3点目の「将来の自分をイメージすることは難しい」というのは、表現として馴染まないということでしょうか。「年齢に合った」というのは、確かにそれぞれ個々の状況で変わってくると思いますので、例えば、「ライフステージに応じた」といった記載で修正させていただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○座長 ご意見としては「ニーズ」の方がよいということでしょうか。「年齢に合った」よりも、「ニーズに合った」という。それぞれ意味がありますので、「ライフステージに応じた」ということも大事ですし、「ニーズ」ということもあると思います。このあたりは少し工夫できればということですね。「年齢に合った」よりは違う表現がよいということですか。 ○委員 そうですね。あと、2つ目の質問の回答がよく分からなかったのですが、要は自分たちで確認するということでしょうか。改めてそこの説明をしてもらうというよりは、示されたもので「ここがこのように反映されている」といったように自分たちで調べた方がよいということですか。それとも、素案の案が出てくる段階で反映された部分の説明があるということですか。私たちが話し合ってきた結果が、結局どうなったのかということを知りたいので、どのように反映したのかというのを説明してもらえるのか、それとも、出来上がったものに対して、今までの議事録や意見書などと照らし合わせて、私たちが個々に確認すればよいのか、どうなのでしょうか。 ○座長 先ほどの回答だと、素案でそれが反映されるという理解でよろしいですか。 ○障害者施策推進課長 次回、素案の案をお示ししますので、その中でご質問やご意見をいただき、回答するという形になります。 ○座長 練馬区の仕組みは、懇談会や自立支援協議会の意見などを、計画策定に反映していくというものになるかと思います。他の自治体ですと、答申という形で出したりします。表現は違いますが、意見を出して原案が出てくるという形になり、そこに意見が反映されているということになります。素案が出てきたところで意見交換をするということでよろしいかと思います。 当事者の声というお話しがありました。大事な指摘ではありますが、これを どう表現したらよいか考えながら聞いていました。少し工夫ができたらと思いますが、当事者にも様々な立場の方がいますので、どのように括るのか、なかなか難しいですね。 ○委員 今回、知的障害のある当事者が委員に入っていませんので、その声を反映させるということは意識的にお願いしたいと思います。 ○座長 障害者の権利条約で、意見表明ということも言われていますから、大事な視点ですよね。どういう方法が考えられるか、事務局と一緒に考えてみたいと思います。 ○副座長 意見と言いますか、皆さんのご意見やまとめていただいた提言を見ながらのコメントになります。 今日も意見として出ていた災害時の避難行動要支援者名簿の活用という部分ですが、練馬区に限らず多くの自治体でこの名簿の活用について課題を抱えていると思います。手挙げ方式といって手を挙げて避難行動要支援者名簿に載った方と、サポートをする町会や地域の方とのマッチングによる個別の計画を作っていくというところまでおそらく持っていきたいのだと思いますが、これは障害者計画ではなく、災害を所管する別の部署になってしまうところが課題だろうと思っています。本来であれば、サービス等利用計画を作成する相談支援事業所が、地域で暮らしている当事者のことを一番よく分かっていますし、高齢者でいうとケアマネジャーがよく知っていますし、そういうところのプランに載せていくような施策ができればよいのにと思っています。もちろん、今回の提言とは無関係なのですが、そういうことを独りごとのように呟いている次第です。 また、皆さま方からはあまり意見が出なかったのですが、国の動向の中では、例えば、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」というのがあります。障害者の文化芸術を推進していくという法律ですが、これの地域版というのを「市町村の障害者計画に盛り込みましょう」と国が言っていますので、区の方には検討してほしいと個人的には思っています。 もう一つ、消費者保護の観点があります。悪徳商法に騙されないとか、そういったことも含めた消費者保護の観点から、消費者安全確保地域協議会というものを各自治体で作れることになっています。高齢者、障害者の地域の見守りのネットワークですが、地域で暮らしている障害者、例えば、知的障害や精神障害があって一人で暮らしている人やグループホームで暮らしている人、グループホームにも世話人の方が常駐しているところもあれば一つ一つ扉が違うところもありますので、そういう人たちの消費者保護の観点からの見守りネットワークのようなものも検討できたらなと思います。 施策6、保健・医療体制について、パーキンソン病のところで難病の施策が出てきましたが、難病対策地域協議会という難病専門の協議をする場を自治体で作れることになっています。練馬区にあるかどうか確認できていませんが、専門的な施策としてそういった協議のできる場を作ってもらえれば、精神障害と別の立場から保健・医療体制という部分が進むのかなと思いました。 最後に、参考資料1の自立支援協議会からの意見について、自立支援協議会は主に事業者や相談支援の方々が多く参加されて、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの推進に関する協議を行う機関ですが、こちらの意見と非常に重複していることが多いと思いました。これは当然だと思いますが、とはいえ自立支援協議会が障害福祉サービスのメインであるならば、懇談会の障害者計画の方はもっと幅広いものです。提言や意見を聞いていて、とても幅広いものが入っていますが、障害福祉サービス以外の部分で、もっと皆さんが日常生活で気になっていることなどがあれば追加で出していただいて、この障害者計画に反映できればよりよいと思ったところです。コメントですが、長くなりました。 ○座長 今いただいたのは、施策5のA安全・安心のまちづくりについての災害のところですね。避難行動要支援者名簿がありますが、更に個別避難プランを作ることになっていますので、一人ひとりの障害者をどのように支援していくのかということが大事になってきます。このように個別の案件になってくるとなかなか難しいですね。障害者への支援にはまだまだ課題があると感じます。例えば、誰が車いすを押すとか、民生委員がやるのかとか、民生委員ではとてもじゃないができないということになりますので、このように個別の案件になると色々課題があるということをご指摘いただいたと思います。 消費者被害の観点からも、権利擁護にも繋がってきますが、見守りという部分で課題があるのではないかというご指摘かと思います。保健・医療体制についても言及いただき、最後は自立支援協議会との繋がりに触れていただきました。事業所の方々がご指摘いただいている内容と、この懇談会で皆さまがご指摘している内容に共通点があるというお話しをいただいたのかなと思います。他にはいかがでしょうか。 ○委員 11ページ、施策5の主な意見のB社会参加についてです。重症心身障害児者の生涯学習のところですが、私が発言したものだと思いますが、少しだけ直していただければと思います。まず、「ベッドで学習」ではなく、「ベッドで生活」することが多いため、外出しての学習が困難であるということ。それと、「児」のほうまでは学校があるので学習はでき、家庭に来てくださる先生もいます。私が言いたいのは、「者」のほうで、学校を卒業してからも学校で培われた能力を伸ばし、また、これから新たに獲得する学習もしたいということで、アウトリーチ型、家庭訪問型の学習の機会があったらよいという意味の発言だったのですが、端折られてしまっているので追加を希望します。 ○座長 11ページのところの障害者の学習の部分かと思いますが、もう少し丁寧に書いてほしいということです。今、ハードということをご指摘になりましたが、そういったものももっと書き込んでほしいということでしょうか。 ○委員 ハードとは言っていなくて、家庭訪問型、アウトリーチ型の学習です。家庭教師のようなイメージになると思いますが、NPO法人で、家庭に来て子どもに勉強を教えてくれる訪問カレッジという事業を実施しているところがあります。 ○座長 失礼いたしました。訪問型で自宅に来ていただいて、そういった学習機会を増やしてほしいということですね。 ○委員 そういう支援を増やしていただきたいということです。 ○座長 そのあたりを追加してほしいということですが、いかがでしょうか。 ○障害者施策推進課長 委員のお話しとしては、特別支援学校卒業後の学習の機会をどのようにいていくか、外出が困難な方に学習の機会を提供してほしいというご趣旨かと思います。そのことが分かるような表現に改めさせていただきたいと思います。 ○座長 その他いかがでしょうか。 ○委員 今は個人情報がかなり厳しくなりましたので、一人暮らしの高齢者や病気のある方、引きこもりの方など、あまり立ち入ったことは近所の方でも分かりません。救急車とかパトカーが来て、初めて家の中で倒れていたことが分かったりします。今の社会はあまり個人に立ち入ったことができませんので、区ではそのあたりの情報をどのように確認しているのかと思いました。 ○座長 個人情報保護の関係でなかなか難しい状況になっている中、情報をどのように把握しているのか。例えば、名簿を作る場合は手挙げ方式があったりしますが、これはとても難しい問題ですよね。 10年くらい前に、札幌市で姉が病死し、その後、知的障害のある妹が凍死する事件があったことを皆さまご存じでしょうか。あのあと、札幌市は知的障害者のいる世帯の全数調査を行いました。全ての世帯を調査したのです。そうしたら、7割以上の方が「民生委員などの支援は必要ない」と答えました。つまり、援助の手は必要ないということです。それくらい情報の共有化と支援が入っていくことが難しい状況があります。例えば、先ほどのお話しにもありましたが、「災害が起きた時に、自分は自宅避難をするので避難所には行きません。だから、自宅での避難生活を支援してください。」という方が多いように、支援が届くということはなかなか難しいのです。個人情報との関係で言えば、自分の情報を外に出したくないという方もいます。民生委員が訪ねると、「どうして私が障害者であると知っているのか」というようなことを言われたりします。ですが、支援の手が届かないと、札幌市のように姉妹で暮らしていても亡くなってしまう事件が発生してしまう、そういった難しさがあるということです。 ○障害者施策推進課長 個人情報のことで言いますと、まず本人の同意を得ていることが最も基本的なことになります。そのほかに、法律上必要なものとして把握することがあります。例えば、住民票上の情報などは法律上定められていますので、法律に基づいて把握しているということになります。それを定められていること以外で活用するときに、個人情報の問題が生じてしまうのだと思います。今、座長がお話しされましたように、例えば、練馬区でも一人暮らしの高齢者のご自宅に訪問し、関係性を築いて、困りごとなどを丁寧に伺うという事業を実施しています。今回の新型コロナウイルスの関係でも、在宅生活をしている障害者に困っている方がいないかということで、相談支援専門員が自分の担当する方のお宅へお邪魔して、色々とお話しを聞くということもありました。所在を知っているからといって、支援や援助に繋がるかというとなかなか難しい問題ですが、いずれにしても、何ができるか丁寧に伺いながら必要な支援に繋げていくことを考えています。 ○座長 このあたりは、相談機関の皆さまが大変ご苦労されながら取り組まれていると思います。「助けてください」と手を挙げてくれる方がいれば支援しやすいが、アルコール依存症の方などには拒否されてしまいますよね。「全く関わりたくない、なぜ来るのか。」みたいなこともあるかと思います。ただ、見守っていないと心配で仕方がないという方がおられます。その他、関係することでもそれ以外のことでも、いかがでしょうか。 ○委員 コロナ関係の話しで、どこかに反映できたり、議事録に載ることで少しでも知っていただけたらと思い、せっかくなので発言させていただきます。コロナもだいぶ様相が変わってきていますが、私たち視覚障害者のことで言うと、このコロナ禍で他の方との外出がしにくくなった時がありました。感染リスクとかソーシャルディスタンスのことを考えると、良い悪いは別として、車いすは後ろから押すとかですが、私たちの場合は隣あるいは半歩後ろにくっついて誘導していただきます。これはガイドであろうと店員さんであろうとどなたでも同じです。最近は声をかけていただけるようになりましたが、距離を取らなければならない、あるいは距離を取った方がよいということで、一時期はガイドにも一緒に外出をしないようにといった通達が出るなど、外に出にくくなってしまったことがあります。買い物なども、1対1とか対面での対応はよいですが、スーパーなど一緒に回って商品を教えてもらうなど色々してもらわなければならない時は、店員さんはやってくれますし嫌がりはしませんが、私たちの側からするとやはり頼みにくいということがあります。本当はガイドにお願いしたいところですが、必要なことなのでダメとまでは言われないにせよ、「なるべく控えてほしい」と言われてしまうと、私たちとしては頼みにくい状況でした。今はだいぶ良くなりましたが、4月〜6月ぐらいまではそのような感じでした。私たちは一緒に行っていただくことが前提なので、そういう意味では気になりません。ですが、手を貸してくれる一般の方々の中には、本当に触れていいのか、近くで声をかけてよいのか、何かあった時に手を出してよいのかなど、ソーシャルディスタンスを考えると迂闊に近づいてはいけないのではないかと思われる方もいると聞いています。私たちとしては、課題は確かにありますが、折り合いをつけながら、できるだけ支援をしていただきたいと思っています。このことを皆さんに知っていただいて、困っている時は声をかけてもらいたいですし、こちらも不必要に近づいたりはしないよう気を付けていますので、以前と変わらずに接していただけるとありがたいと思います。 ○座長 今のは新型コロナウイルスの話しでしたが、いつの間にか支援が途絶えてしまうとか、困っている状態を伝えることができなかったりとか、「助けてください」と言えなかったりとか、恥ずかしくて隠したくて相談窓口に行けないとか、そういうことをどのように支えていくのか。今のご発言は、新型コロナウイルスでいつの間にか支援が少なくなったり、しにくくなったりしているということですので、これは大事に捉えていかなければいけないと思います。施策2なのか、コロナがあるので施策6になるのか分かりませんが、正直、行政はこういう話しには弱いと思います。行政は窓口で責任をもって取り組んでいかなければなりませんが、地域に埋もれているニーズを行政が全部拾えるかというと、それはどんなに優秀な練馬区でも難しいと思います。そういう意味で、地域の支えが必要であるとか、いろいろな人たちの目が必要になろうかと思います。そういった内容が、私も読んでいて少ないかなと思いました。今、東京都引きこもり支援協議会で議論していますが、「助けてもらいたいのに助けてもらっていない」という意見が当事者から聞こえてきますから、そういったことがもう少し書かれていてもよいかなと、私の個人的な思いとしてはあります。今の委員のご発言にはそういうことも入っていたように私は解釈します。高齢者の社会的孤立の問題も、色々な新聞で言われていますが、障害者の問題も大きいことだと思います。私からも発言させていただきました。先ほどの個人情報の話しから、なかなかSOSを出せない人の話しに戻しますと、委員にご発言をお願いしてもよいでしょうか。なかなかSOSが出せない方がおられて、個人情報の話しもありましたけど、これはなかなか難しいですよね。公的な窓口には「助けて」と言ってきていないわけですから、なかなか入りにくかったりしますので。 ○委員 そうですね。どこに相談したらよいか分からないというご意見がありましたが、基本は、精神障害の場合は保健師さんだったり、知的障害であれば福祉事務所だったり、それぞれ担当の方たちがいて、練馬区のどこかに相談すればそこを紹介してもらえるはずだと思っています。その中で、保健師さんとお話しするのは、親が高齢で80歳くらいになって、その子どもが50〜60歳になっている、「8050問題」と言われていますが、これは10年、20年前から実際にあります。自らSOSは出せないけれど、ご近所の方から相談があって、「困っているようだから何か手助けができないか」ということで保健師さんに連絡があり、保健師さんからアプローチしても「困っていない」と言われてしまう。障害があって社会に出ていない人でも「全然困っていない」とおっしゃる方が非常に多く、保健師さんも悩まれているようです。ただ、やはりずっと家にいることが精神的にも辛く、自分たち自身も非常に困っているが言えない。でも、人との関わりを少しずつ作っていこうと投げかけてくださり、「食事だけでも一緒に食べよう」とか「誰かとちょっと話しをするだけでもいいから」ということで私どもの作業所に繋げてくださって、段々とコミュニケーションが取れるようになり、レクリエーションを一緒にやったりして、何年もかかって接客の仕事ができるようになるケースも実際にあります。ですので、私たちは、保健師さんとの連携で見えてこない問題と向き合っていかないといけないんだなと、日々感じています。 ○座長 言葉で「支援は必要ありません」と言ったからといって、本当に支援が必要ないのか。それは、本人が支援を必要なことが分かっていないのか、分かっていて断っているのか、色々なことがあります。今、対面の支援がコロナで出来なくなって、電話口で「必要ありません」と言っているけど、顔は全然そうではないということが見えないわけですよね。そういうことを皆さまは色々と感じていると思いますが、これを意見書にどう反映させていくか、私としてはもう少しそのあたりがあってもよいかなという気はしています。なかなか書きぶりは難しいですが、皆さんの個人情報の話しとか、支援の希望などを少しずつ拾っていくとそういうところが見えてくるのかな、と私は感じました。そろそろ次の議題に移っていきたいところですが、最後いかがでしょうか。 ○委員 ちょっと確認させていただきます。今までのやり取りで大体流れが分かってきたのですが、懇談会としては意見書を作ることが使命ですよね。これを次の資料2などに反映していくものと理解しましたが、そのときに、参考1や他の意見も取り込んだ上で、区として計画をまとめていくという理解でよろしいでしょうか。 ○障害者施策推進課長 今いただいたお話しですが、懇談会で今回意見書の案を出していただきました。この意見書を区に提出していただきます。そのほか、自立支援協議会からの意見なども踏まえて、区の方で計画として成案化していくことになります。成案化するまでに、次回になりますが、素案の案という形でお示しし、そこでもご意見をいただき素案としてまとめていきます。 資料2は障害福祉計画・障害児福祉計画になっており、もう一つ障害者計画というものがあります。そちらはもう少し範囲の広い計画になっており、前回、前々回の懇談会で施策についてご議論いただいた内容は、障害者計画のほうに入ってくるような中身になります。3つの計画を一体化して作っているので分かりにくいかと思いますが、全体の流れとしては今おっしゃられたような形になります。 ○座長 資料1に私たちが話してきた意見が反映されているかどうか。冒頭にお話ししたように、皆さまが話したり、書面開催で出していただいた内容がきちんと反映されているかどうかというところを見ていただいて、分かりにくかったり、足りない部分について、ご意見を出していただきたいということでご議論いただきました。次の議題に行く前に、最終確認でそういう視点で見ていただければと思います。大体反映されているということでよろしいでしょうか。後から意見を思いついたという方は、個別に事務局へお伝えいただければと思います。それでは、本日ご議論いただいたということで、それを踏まえて、私と副座長とで最終的に意見書の取りまとめをお任せいただければと思いますが、いかがでしょうか。 (承認) ありがとうございます。では、私たちのほうで整理し、意見書としてまとめさせていただきます。 では、次の議題に移りたいと思います。障害者計画というのは障害者が暮らしていくための全体の計画で、資料2は障害者総合支援法と児童福祉法におけるサービスの話しになってきます。分かりにくい部分もあるかと思いますが、事務局からご説明いただきたいと思います。 ○事務局(資料2、参考2の説明) ○座長 専門的なサービス名が並んでいますが、こういったサービスをどう実施していくか。国の考え方が出ていますので、練馬区の数字はこれからになると思います。この内容については、事業者の方々からご発言いただいた方がよい気がします。今まであまり発言がなかったので、順番に振っていきましょうか。まだ、具体的な数字は入っていませんので、枠組みを見ていただき、「こういうところが重要ではないか」、「こういうところが課題ではないか」などを話していただくと、他の委員の皆さまにも具体的な課題などにお気づきいただけるかと思います。一言でも構いませんので、お願いします。 ○委員 成果目標の設定は、大変難しいだろうと推察しています。成果目標(1)ですが、地域移行者数というと、福祉施設に入所している方々が地域に移行した数ということで出される数値になります。きららでは、精神科病院に入院をしている方々の所へ訪問し、入院している間に変わってしまった地域の現状を一緒に見たり考えたりしながら地域生活をイメージし、地域で生活できる基礎を作って退院を促すという地域移行に取り組んでいます。福祉サービスを利用すれば退院できる方もかなりいらっしゃいますが、そのあたりの数字がここには反映してきません。でも、実際にはそういう方もいらっしゃるので、そこを反映していければよいのにといつも思っています。地域移行支援を利用しない方でも、色々と一緒に考えて退院し、地域生活をしている方はたくさんいますので、このあたりの数値をうまく絡められる方法はないのかと思っています。 ○座長 精神疾患の方の退院の数字はかなり厳しいですよね。必ずしも数字に反映できるものばかりではないという課題があるというご発言でした。 ○委員 私たちは、障害のある方たちが一般就労するときの支援をさせていただいています。成果目標でいうと(4)と関わりが深いと思います。就労定着支援事業、働いてからも安心して働き続けるための事業が福祉サービスの一つになって3年目になり、今までの議論の中でも就労定着率が注目されています。この事業の場合は3年間で定着をしていくところではありますが、本人が働き続けられるようなリズムをつくっていくと同時に、働いている企業も受け入れていく環境づくりが大切ではないかと思います。就労定着率8割以上というところ、3年が一つの目安になるかとは思いますが、どういう数字が定着率の年数として正しいのか、支援する中では非常に悩ましいところがありましたので、こういうサービスが普及していく中で障害のある方たちを受け入れる職場環境が整っていくとよいと思います。 ○座長 自立支援協議会のほうでも企業の方がいると思いますが、連携はとても大事なところですね。 ○委員 (4)福祉施設から一般就労への移行等の部分が関わってくるところかと思います。年間の就業者、事業所による法定雇用率は例年から増加傾向にありましたが、今年度は、コロナの影響もあり大きく様変わりをしています。求人情報は昨年に比べると5割ほど減っており、求職者は昨年に比べると2割〜3割くらい減少しています。仕事探しをする方々の希望は様々あります。一方で、事業主側から仕事をしていただきたいというものは今回のコロナの影響により大きく変わってきていて、エッセンシャルワーカーと言われているところでは求人の手は挙がっているが、応募する方が少ない状況です。数値的な面で言えば、令和5年度末の数値目標を設定することになっていますが、今のような状況が来年度以降もさらに続くと、どれだけ数値目標に近づけていけるのか、なかなか難しいのではないかなと思います。その意味では、就労定着率の目標についても、仕事をする方々の環境と、事業主様のニーズ、「どういう方だったら自分の会社で力を発揮できるのか」、「どこまで配慮をすれば力を発揮してもらえるのか」といった課題は、障害が重くなればなるほど難しくなってきていると思います。雇用率というものが法定で決められており、本年度引き上げという話しになっていますが、事業主や働く方々の課題は山積しています。目標値を設定する際には、課題をひとつずつクリアできるような工夫がなされ、地域の事業主や就労される方、支援事業所と協力していかなければならないのではないかと思います。協力体制の工夫について、アイデアを出しながらやっていただければと思っています。 ○座長 私は、埼玉県ふじみ野市で自立支援協議会の会長をしていますが、障害福祉計画を作るときには、今までは国の方針に従って、3年に一度数字を入れていけばよかったのです。しかし、コロナでこんなに状況が変わってしまうと、本当にその通りにできるのかとも思います。今、お話しをいただいているのは、現場感覚として「このような状況になってしまい、目標設定をどうするのか」という話しです。 ○委員 学齢期の子どもたちに関する体制の整備についていくつか書かれていますが、医療的ケア児支援のコーディネーターの配置については、できるだけ計画的に、また早い時期に複数名配置していただけるのが望ましいと思います。これはもちろん医療的ケアの支援を必要とする子どもたちが増加しているということもありますが、複数のコーディネーターがしっかり連携を取っていただいて、練馬区の子どもたちを支えていただくという形が望ましいかと思いますので、この3年間で複数の方が配置されることを望んでおります。 ○座長 医療的ケア児のコーディネーターの配置について触れていただきました。 ○委員 (2)精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築ですが、当法人でも就労継続支援B型を行っており、利用者数は知的障害、精神障害ともに増えています。そういう方たちが少しでも地域で生活できるような支援というところで、これを計画的に実践していただけることを望むとともに、(6)に相談支援体制の充実・強化等とありますが、サポートしていただく方たちあっての数値目標になると思いますので、連携やバックアップについても明確に示していただければと思いました。また、(4)福祉施設から一般就労への移行等ですが、一般就労を目指すというところの目標設定は非常に難しいと思います。コロナということで、達成できそうなところで計画を立ててクリアするというのもありますが、期待値の数字を恐れずに設定し、そこを目指すという形でやっていただけるとよいと思います。 障害児に関しても、少子化ではありますが、発達障害であるとか、実際に問い合わせが増えているようなので、ニーズがあるという部分を踏まえて目標設定をしていただけるとよいと思いました。 ○委員 私なりの感想として、最近のグループホームの状況ですが、非常に数が増えていて、地方では家賃の値下げ競争や利用者の獲得競争といったような雰囲気を感じます。都内でも、不動産関係ですが、家賃が高く厳しいです。今までは施設側が利用者を選べるといったような感じでしたが、今は逆で、利用者側が施設を選べる状況になっている印象があります。一方で、障害福祉計画にある施設入所者数の削減1.6%以上という目標ですが、これはすごく低い目標に見えますが、十数年前からこういった流れができていて、そろそろ限界に来ているのかなという印象を持っています。地域で生活することが難しい人がいて、「この人は施設入所がふさわしいかな」という方もいますが、こういう目標設定があって、地域移行の流れみたいなものがあるので、私たちからは言いづらい、そういうような印象を受けています。 ○座長 地域移行の流れが起きた時は一定の数字が出せていたが、段々と障害の重たい方が残ったりと、難しくなってきたということでしょうか。 ○委員 私たちの施設は、主に精神障害の方たちが通所する作業所です。精神の病気といっても、うつ病、統合失調症、双極性障害、発達障害など、様々な疾患による生きづらさを抱えた方たちが多くいらっしゃいます。その中で、先ほど農福連携に関しての質問がありましたが、その部分は私が発言させていただいたものです。先ほど法定雇用率の話しが出ましたが、企業が障害のある方を一定数雇わないと納付金を払わないといけないという中で、今は就労の枠が広がってきたという事実があり、実際に私どもの施設からも年間1人ないし2人ほど就職しています。私たちは地域の中で色々な人たちと触れ合っているようなお店を持ち、障害のある方たちと直接触れ合っていただきたい、理解していただきたいと思いながら活動しています。メンバーには、仕事はよくできて人柄もよいが、なかなか企業での就職が難しい方もたくさんいらっしゃいます。その中で、大泉学園には畑がたくさんあり、区が都市農業を推進し、後押しをしてくださっていて、今私たちは6か所くらいの農家とお付き合いがあります。皆さん30〜40代の若くて元気な農家の方たちで、「今まで祖父母たちが守ってきた畑を自分たちの代でどうにか盛り上げられないか」ということで、必死に区と協働しながら取り組んでいます。農福連携がどういうことかというと、なかなか一般の企業には就職できないタイプの人でも、地道に働く、人と人との関係を大事にしながら土と向き合っていく仕事である農業が、メンバーにとっていかに大事かということです。若い農家さんとつながりを持ちながら、施設外就労と言って、スタッフと一緒に農家に行って作業を手伝い、そこでの体験を積み重ねる、それにより自分に自信がついてきた方も何人かいらっしゃいます。後継者がいないとか、畑をどうにかできないかとか、色々なことを若い人たちが考え、私たち障害者施設の職員やメンバーと一緒に何か新しい農業ができるのだということを夢として語らせていただいたという経緯があります。私たちが今できることは、そうやって一緒に農業の仕事をさせていただくことと、地域の中に点在しているお店で農家から直接買ったものを地域の方たちに売ることです。コロナでお店をなかなか開けない状況の中、農家の卸し先がなくなってしまい、逆に私たちは野菜を仕入れたく、ありがたいことに農家の皆さんからたくさん野菜を卸していただき、安い値段で売ることができ、地域の方たちもすごく喜んでくださって、メンバーもスタッフをすごい充実感を得ました。コロナの時に、こんなに地域の方に喜んでもらえるんだという自信が持てましたし、畑で仕事ができたことをありがたく思っています。練馬区が農福連携に力を入れていただけるというのは、新たな展開に通じるのではないかと思っています。 それと、ご存じかもしれませんが、不揃いや余った野菜、新鮮でおいしい野菜なのですが、それを他の作業所ではピクルスに加工していて、それもすごく美味しいです。なかなか仕入れられないくらい人気が出ていて、そういった感じでお仕事につながっているということをぜひお伝えしたいと思いました。少し問題と離れてしまい申し訳ありません。 ○座長 多様な働き方とか、色々な社会とのつながりの可能性が農福連携にはあるのかなと感じました。 ○委員 発達障害の親を支援する会から参加させていただいています。まず、自分の家の子どもの話しをしますと、特例子会社に入って10年になります。レインボーワークにお礼を申し上げたいのですが、年に2回会社に行き、子どもの様子を私に伝えてくれます。会社の方の話しだと、そういったことをしているのは練馬区だけで、他区からも働きにきているが、子どもの様子を伝えてくれるのはレインボーワークだけだということで、大変ありがたく思っています。親としては、やはり会社に遠慮もありますし、27歳にもなる娘の様子を聞くのもどうかなと思ってしまいます。また、会社には、「一人前の大人として扱って下さい」ということですので、こちらからは様子を聞きにくいところもあり、レインボーワークが年2回様子を聞いてくれるのは、大変ありがたいことです。当会には、どこに相談したらよいか分からないという親や、保健相談所から紹介されて来る方などがいらっしゃいます。中にはグレーなお子さんの親、グレーというのは本当に障害があるのかどうか分からない、どちらかと言えば障害があることを認めたくないという親もたくさんいらっしゃいます。親がそこをどう認めて療育に繋げていくか、とても難しいことですけれども、経験のある当会の親が相談を受け、説得するといったこともあります。また、当会では子どもの療育事業もしていますが、小さいお子さんは、参加して色々な遊びの中で勉強することができますが、中学生や高校生のお子さんは出てこなくなります。行ける場所がないんですね。子どもが小さいうちは「ちょっとどうなんだろう」と気付かなくて、中学生や高校生になってから「ちょっと変ではないか」と思って相談に来ます。親の相談はできますが、お子さんが出てこられないと難しいので、そういうことがないように、小さいうちから療育に繋がるよう取組を強化していただけたらと思います。 たまたまですが、昨日来た保険外交員のお子さんが発達障害で、練馬区に住んでいると言うので、「ちゃんと相談しましたか」と聞いたら「相談したけれども療育の場がいっぱいで断られた」と話していました。リストを渡され自分で選んで通ってくださいということで、探したところに通っているということです。保健所からは電話がかかってくるがうっとうしいと言っていて、おそらくやってくださっていると思いますが、彼女にはまだ通じていないようで、やはり事務的ではない丁寧な対応が必要なのだと思いました。 ○座長 そのあたりの行き違いとか難しいですよね。それに、子どもの障害を認めたくないとか、グレーのところでの悩みとか、なかなか難しい問題です。障害の重度化ということも大事なテーマでやってきていますが、グレーのところの相談の難しさというお話しもいただきました。まだずっと聞いて回りたいのですが、時間がありますので、このあたりですみません。今、事業所の方などを中心にお話しをいただきましたが、色々な課題や思いをもって仕事をされている中で、今回福祉計画の枠組みが区から説明があったわけですが、いかがでしょうか。今区内で取り組まれている皆さまのお話しを伺いながら、改めてご意見やご質問があればお願いします。 ○委員 ちょっと教えていただきたいのですが、参考資料2の国の基本指針のところに「都道府県・市町村は」と書いてありますが、これは練馬区と読み替えればよいですか。 ○障害者施策推進課長 障害福祉計画ならびに障害児福祉計画は、都道府県と市町村それぞれで計画を策定することになっています。都道府県は広域行政としての立場での指針が定められ、市町村は身近な自治体として定められます。練馬区は市町村の方の指針に従い目標値を定めます。 ○委員 そうしますと、国の指針に基づいて計画を策定する場合、この計画について都が介在するのですか。 ○障害者施策推進課長 計画については、東京都と練馬区がそれぞれ国の指針に基づいて策定します。都は東京都全体として数値目標を定めるといった形になります。 ○委員 分かりました。今回、コロナの関係で、都の方針がありながら区によって具体的なやり方が違うという話しを聞いているので、そういうイメージですかね。必ずしも各区が同じようなものを作るわけではなく、練馬区独自の計画を作るということですね。 ○障害者施策推進課長 障害者計画については各区の独自性が出ますし、障害福祉計画・障害児福祉計画については区それぞれの数値目標が変わってきますので、国の指針に基づいて各区で作ることになります。 ○座長 資料2については、まだ区の目標値が入っていない枠組みの段階での説明でしたので、これまで事業者の方々にご発言いただく機会をつくれなかったものですから、今日はそちらに時間を割かせていただきました。もう時間が来ているのですが、これだけは確認しておきたいというところはありますか。いずれ数値が入ったもので議論できると思いますが、現状としては国が示しているもので「こういう枠組みで考えています」ということです。進め方が上手でなく、できるだけ多くの方にご発言をと思いながらやっていますが時間が来てしまったようです。障害福祉計画と障害児福祉計画は進展がありましたら、事務局からまた報告があろうかと思います。そこでまた引き続きご議論いただければと思います。最後に全体を通していかがでしょうか。今日は実際に練馬区でお仕事をされている皆さまのお話しを伺う形で、計画の中身を考えるきっかけにしていただければということで進めてきました。福祉部長に今日も最後まで聞いていただきましたので、ご発言をいただければと思います。 ○福祉部長 本日もそれぞれのお立場から貴重なご意見を多数頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。障害者施策は、障害特性に応じた支援、また、ライフステージに応じた支援と非常に幅広いものです。そして、その共通課題への対応も考えなくてはならないという難しい分野です。座長を中心に今回意見書として計画策定に向けて取りまとめを行っていただきましたこと、感謝申し上げます。意見書については区長に報告し、この意見書を踏まえて次期障害者計画の策定を進めてまいります。今後、計画素案の案についても、皆さまから改めてご意見を頂戴する機会を設けさせていただきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ○座長 では、最後に事務局から事務連絡をお願いします。 ○事務局 次回の懇談会は、令和2年11月9日月曜日、場所はココネリホールでの開催を予定しております。開催通知は別途各委員へお知らせいたします。 ○座長 定刻を少し過ぎてしまいましたが、以上で第6回障害者計画懇談会を終了させていただきます。本日はありがとうございました。 ― 了 ―