資料1 施策4 障害児の健やかな成長を支援 現状と課題 〇発達障害への社会的認知度も高まり、こども発達支援センターに寄せられる相談件数は、平成30年度までの5か年で約5割増加しています。障害児支援においては、ライフステージに応じた切れ目のない支援を実現するため、保健、医療、福祉、保育、教育等が連携した支援が重要であり、早期に適切な支援につなげる相談支援体制、早期療育体制の充実が必要です。 〇平成30年11月に、医療的ケア児の早期療育を実施し、就労を希望する医療的ケア児を持つ保護者への支援が行えるよう障害児保育園ヘレン中村橋を開設しました。障害が重くとも、地域で安心して暮らし続けるために、外出が困難な重度障害児の療育や医療的ケアへの対応が求められています。 〇教育現場では、区立小・中学校全校での特別支援教室の開設やスクールカウンセラーの配置など、支援体制の整備を進めています。成長段階に合わせて、ニーズに合った適切な支援を切れ目なく提供できるよう、教育と福祉の連携強化が必要です。 〇障害者基礎調査によると、介助・援助するにあたって困っていることでは、「精神的な負担が大きい」が34.6%と、最も多くなっています。また、家族等の休養を目的とした支援を望む声も多くあります。家族が抱える悩みや不安を受け止め、心身の負担軽減を図るため、保護者や兄弟姉妹に寄り添った支援が求められています。(表1) 表1 家族等支援として区に充実してほしい施策(複数回答) 出典:令和元年度障害者基礎調査報告書 回答者 児童発達支援事業利用者(n=127) 区からの情報提供を増やす 58.3%(1位) 家族等の休養目的のショートステイや一時保護を充実させる 40.9%(2位) 家族等に対する相談体制を充実させる 30.7% 障害特性の理解や、適切な対応をするための知識・方法を学ぶ家族向けプログラムを実施する 40.2%(3位) 家族同士の交流や情報交換の場・機会をつくる 26.0% 用語解説 ・「特別支援教室」…在籍校に特別な指導のための教室を設置し、特別な指導を担当する教員が在籍校へ巡回指導に出向く制度 施策の方向性と取組内容 (1)早期発見・早期療育の充実 〇こども発達支援センターの支援体制を充実し、受付から相談までの待機期間を短縮するとともに、保健相談所等と連携し、きめ細やかな相談支援や通所訓練などの取組を推進します。 〇障害児が、通所する保育所等で適切な生活が送れるよう、専門的な助言を行う保育所等訪問支援事業を拡充し、障害児の早期療育体制を充実します。 (2)重度障害児への支援の充実 〇医療的ケアを要する重度障害児を受け入れる放課後等デイサービス事業所を拡充します。 〇外出が困難な重度障害児の家庭でのサポートを強化するため、居宅訪問型児童発達支援事業を充実します。 (3)教育と福祉の連携 〇関係機関の役割分担や課題の整理を行うため、教育機関と障害児支援機関が連携した協議の場を設置し、障害児の状況や発達段階に応じた専門的なサポートを充実します。 (4)家族への支援 〇家族の負担軽減を図るため、こども発達支援センターにおいて、障害児一時預かり支援事業を創設します。【新規】 〇障害児の兄弟姉妹をもつ子どもたち同士の交流の場を創設し、不安解消や障害への理解に取り組みます。【新規】 〇保護者の障害理解の促進や情報提供の充実を図るため、区民向け講演会や学習会などを充実します。 〇発達障害児(者)を育てた経験のある、同じ親の立場から支援を行っているペアレントメンターを活用し、学校等で障害理解の促進に取り組みます。【新規】 用語解説 ・「保育所等訪問支援」…児童福祉法に規定する、保育所等を訪問し障害児やスタッフに対して障害児が集団生活に適応するための専門的な支援を行うサービス ・「居宅訪問型児童発達支援」…児童福祉法に規定する、重度の障害等により障害児通所支援を利用するために外出することが著しく困難な障害児に対して日常生活における基本的な動作の指導等を行うサービス ・「ペアレントメンター」…発達障害やその可能性のある子どもの子育て等に悩む親に対し、発達障害児(者)の養育経験がある同じ立場の親が、相談にのったり情報提供を行うなどの活動の中で親たちの助けとなったり適切な機関へつなぐ「同じ立場の親による親支援」