第5回練馬区障害者計画懇談会 1 日時 令和2年7月29日(水)午後6時30分から午後8時30分 2 場所 区民・産業プラザ 3階 ココネリホール 3 出席者 【委員】 大森委員、小原委員、近藤委員、中村委員、松浦委員、山中委員、萩原委員、藤森委員、加藤委員、田中(康)委員、浦田委員、黒澤委員、吉井委員、山岸委員、金野委員、栗原委員、永島委員、田中(幸)委員、山岡委員、菊池委員、齋藤委員、中島委員、丸山委員 (以上23名) ※欠席 上月委員、冨岡委員、天沼委員、平峯委員、明石委員、金井委員 【区出席者】 福祉部長、障害者施策推進課長、障害者サービス調整担当課長、福祉部管理課長、石神井総合福祉事務所長、関保健相談所長 4 公開の可否 公開 5 傍聴者 4名 6 議題 (1)開会 (2)次期練馬区障害者計画に係る施策の方向性の検討  @施策4 障害児の健やかな成長を支援  A施策5 安心して暮らせる共生社会の実現と社会参加の促進  B施策6 保健・医療体制の充実 (3)その他 (4)閉会 ○座長 皆さま、こんばんは。定刻になりましたので、第5回練馬区障害者計画懇談会を始めます。開会にあたり、一言ご挨拶させていただきます。 新型コロナウイルス感染症が拡大傾向にある中、お集りいただきありがとうございます。電車に乗っていてもドキドキするような感じが、もしかしたら皆さまにもあるのかなと思います。区民の皆さまにこのようにお集まりいただく、これはオンラインでの開催もなかなか大変なことですので、事務局のご尽力でこのように会議が開催できることを本当にありがたく思います。もしかしたら、次回は書面でということも、このままコロナが拡大すればあり得るかもしれませんので、1回1回の会が貴重になります。進行役として、今日お集りいただいた皆さま全員にご発言いただくというのが私の役割だと思っていますので、皆さまにご協力いただきまして、多くの方がご発言できるように進めさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、早速内容に入っていきたいと思います。事務局から、委員の出席状況、そして、会議の情報公開・傍聴について説明をお願いします。 ○事務局 委員の出席状況について報告します。 本日24名参加の予定で、現在23名の委員に出席いただいております。上月委員、冨岡委員、天沼委員、平峯委員、金井委員から欠席のご連絡をいただいております。また、区では、健康部長、保健予防課長が欠席となります。 続いて、会議の情報公開と傍聴についてです。会議は原則公開とし、一般区民の傍聴を可能といたします。ただし、傍聴人による発言・録音・撮影は認められません。会議中の発言は録音させていただき、会議録として、後日公開いたします。恐れ入りますが、ご発言の際は、挙手でお知らせください。事務局よりマイクをお渡ししますので、恐縮ですが、発言の前にお名前をお願いします。なお、新型コロナウイルス感染防止のため、マイクスタンドを付けて、机に置かせていただきますので、そのままお話しいただくようお願いいたします。 また、活発なご議論をいただくために、公開に際しては発言者個人が特定できないようにいたします。また、公開する前に、会議録を各委員の皆さまにご確認いただいた上で、区ホームページに掲載いたします。 ○座長 ありがとうございました。前回も大変活発なご議論をいただきました。今回もぜひ積極的なご議論をお願いいたします。それでは、本日の議題に入る前に、配付資料の確認をお願いいたします。 ○事務局 (配布資料の確認) なお、事前送付させていただきました資料の参考1に脱字がありましたので、修正したものを机上配付させていただきました。併せて、書面開催で行いました第3回懇談会の意見要旨および回答も机上配付しています。また、只今お配りさせていただきましたが、委員から「障害者の学びについて」の参考資料の提出がありました。本日の資料は以上になります。 ○座長 書面開催で行った第3回懇談会の意見要旨に目を通させていただきましたが、皆さまからたくさんのご意見をいただきました。ありがとうございました。これは、書面での回答ということでご理解いただければと思います。 それでは、早速議題に入ります。前回は、施策1・2・3をご議論いただきました。本日は、施策4・5・6について、皆さまからご意見をいただければと思います。 まず、「施策4 障害児の健やかな成長を支援」について、事務局から説明をお願いいたします。 ○事務局(資料1の説明) ○座長 ありがとうございました。本日も3つのテーマとなりますので、1テーマにつき25分程度の議論になるかと思います。ご意見等がある方は挙手をお願いします。 ○委員 質問になりますが、(1)の丸の二つ目の「専門的な助言を行う保育所等訪問支援事業を拡充し」のところですが、医療的ケア児のコーディネーターの配置について、前に厚生労働省から出されていたと思いますが、練馬区ではコーディネーターは配置されているのでしょうか。保育所等訪問支援事業の中に配置する形になるのでしょうか。 ○障害者サービス調整担当課長 医療的ケア児のコーディネーターですが、現時点で練馬区では配置の検討はしていない状況です。保育所等訪問支援事業に関しては、今年度から事業を開始し、こども発達支援センターの職員が保育園を訪問し、園や児童への助言等を行っています。 ○委員 コーディネーターの配置の予定はないという理解でよろしいでしょうか。 ○座長 練馬区としてはまだ始まったばかりの事業のようです。まずは、障害児支援に詳しい方が適切に保育所に訪問していくことが大事になってくるというところで、この事業を整備したということですが、医療的ケア児のコーディネーターについてはこれからということかと思います。 ○委員 (3)「教育機関と障害児支援機関が連携した協議の場を設置」とありますが、現在、それに近いものが設置されているのかお伺いします。 また、(4)に新規事業が3件ありますが、規模や時期、頻度など、現時点でのアウトラインがあれば教えていただければと思います。 ○障害者サービス調整担当課長 まず、教育機関と連携した協議の場に近いものがあるかというご質問についてですが、現在、練馬区では障害児発達支援連携会議というものを設置しています。対象のケースごとに実務者が集まってケース検討を行うものと、代表者会議という形で年2回行うものとあります。代表者会議は、福祉・保健・教育等の関係者が集まった会議になりますが、学校における障害児への支援に関しては、例えば、こども発達支援センターや保健相談所等に繋がっておらず、学校に通い始めてから課題が出てくる児童もいます。そういった児童に対しての支援をより重点的にやっていく必要があるというところで、新たに協議の場を設置したいと考えています。 次に、3つ挙げさせていただきました新規事業についてです。障害児一時預かり支援事業に関しては、こども発達支援センターでの実施を考えているところですが、他区の実施状況等も含めて今後検討していく中で、規模感などを考えていきたいと思っています。 障害児の兄弟姉妹を持つ子どもたちの交流の場につきまして、現状としてはこれから具体的なことを検討していくところですが、例えば、通所する児童と一緒に来所した兄弟姉妹の居場所づくりであるとか、障害児の兄弟姉妹同士が集まり、悩み相談や情報交換を行う場の提供などを考えています。 ペアレントメンターにつきましては、東京都発達障害者支援センターで派遣している事業になります。現在は、障害者地域生活支援センターでの相談や講座等にご協力いただいておりますが、これをさらに充実させていくことを考えています。例えば、発達障害児を育てる親を対象にした講演会において、相談の場を設けてそこにお呼びしたり、発達障害のある児童の親同士の相談先としての活用などを考えています。 ○委員 これらの事業に関して、例えば、大学や専門機関、NPOとの連携などについては考えているのでしょうか。 ○座長 障害児発達支援連携会議の中身、メンバーなどを言っていただくと補足にもなりますかね。 ○障害者サービス調整担当課長 障害児発達支援連携会議に関しては、現状は区の職員がメンバーになっていますので、今後、新たに設置する協議の場では、必要に応じて外部の方を呼ぶことも検討していきたいと思います。 ○座長 就学前と就学後で、障害児支援の連続性が切れてしまうことがありますので、教育と福祉の連携が大事になってくるということかと思います。そういった趣旨のご質問かなと思いました。練馬区としても、連携会議を設けて取り組んでいくということのようです。 ○委員 特別支援教室が小・中学校全校で開設されたということは喜ばしいことだと思っています。用語解説のところに、特別な指導を担当する教員が在籍校へ巡回指導に出向いていくと書いてありますが、どのくらいの頻度で出向いているのでしょうか。 また、先生が不在の時の支援についてはどのようにしているのでしょうか。支援員がいたかと思いますが、半年ごとの契約更新であったりすると、そのあたりの継続性についてはどのようにお考えでしょうか。 ○障害者施策推進課長 特別支援教育については、所管が教育委員会になりますが、私の知っている範囲でお答えさせていただきます。 特別支援教室については、いわゆる情緒障害等通級指導学級ではなく、現在は特別支援教室と言われるものになっています。これまでは通級する形で、在籍校から学級が設置されている学校に通っていたものを、各学校の中に特別支援教室を設置することで、通わずに済むことになりました。普段は在籍校の通常の教室にいて、必要な支援を特別支援教室に受けに行くという仕組みになります。なお、巡回指導の頻度まではこちらでは把握していません。また、支援員について、これは学校生活支援員のことかと思いますが、現在は会計年度任用職員に位置付けられていますので、原則1年の任期となり、任期の更新も可能かと思います。 ○委員 先ほどの質問と少し重なってしまいますが、特別支援教室というのは、在籍校に設置して、今までは通級という形だったものを、在籍校でのクラス間の移動だけになったということなのかなと思います。巡回指導に出向く制度というのがよく理解できなかったのですが、特別支援教室には担任がいて、特別支援教室に通う子どもの支援で必要なところについては、巡回指導の先生が見に来るということでしょうか。張り付きではなく、巡回指導で担任の教員を指導するために見に来るというような、保育園の保育士に対する指導のようなイメージでしょうか。 ○障害者施策推進課長 特別支援教室につきましては、実際にどのような形で行われているのか、指導担当教員がどのくらいの頻度で巡回指導に行くのか、それ以外の時にどのようなサポートをしているのかなどについて正確なご説明が今できませんので、それについては改めさせていただきたいと思います。いずれにしても、用語解説につきましては、先ほどのご意見を踏まえ、分かりやすく書き換えさせていただきます。 ○委員 (4)家族への支援について、「障害児一時預かり支援事業」と「障害児の兄弟姉妹をもつ子どもたち同士の交流の場」が新規の事業として挙げられています。先ほどのお答えでは、具体的なことはまだ確立されていないとのことでしたが、実際に取り組むことになれば、障害児の対象年齢であるとか、家庭の事情に応じてであるとか、こども発達支援センターでの相談も約5割増えているということですので、一時預かりの必要性が高いのではないかと思います。こども発達支援センターに通う子どもにとって狭き門になってしまうとあまり意味がないと思いますので、なるべくニーズに応えたものにしていただきたいと思います。また、きょうだい児の交流の場についても、例えば、お兄ちゃんが通っているところに小さいお子さんがいて、連れて来ざるを得ないときの預かりの居場所のようなイメージをおっしゃっていたかと思いますが、もう少し大きい小学生や中学生の、ただの居場所ということだけではなく、心の部分のフォローも含めた交流の場を創出していただきたいと思います。 ○障害者施策推進課長 障害児一時預かり支援やきょうだい児支援につきましては、「今回こういうことをやっていきたい」ということでお示しさせていただいたものです。今いただいたようなご意見を踏まえ、これから制度設計していきます。対象年齢や利用のしやすさなどについて、今後も様々なご意見をいただきながら、あるいは先行事例を調査しながら作り上げていきたいと考えています。 ○委員 方向性と取組内容(1)早期療育のところに、こども発達支援センターの支援体制の充実というのがあります。実際に見ていて、こども発達支援センターでは定員が目一杯で、多分小学校に入ってからは個別指導が少し入ってくるとは思いますが、それまではほとんどできていない状態だと思います。その中で、どこまでが充実していくつもりなのかということと、需要と供給が合っていないのではないかということ。私としては、本当は板橋区のような形で、きちんとした療育センターが必要で、そのレベルだと思っていますが、あくまで支援センターを充実させていくのでしょうか。需要をカバーできるのか、そのあたりはどのように考えているのでしょうか。 ○障害者サービス調整担当課長 練馬区においては、こども発達センターがいわゆる発達に課題のある児童に関するセンター機能を担っており、1か所で発達支援や相談支援などの早期療育を実施しています。例えば、相談を受けて、実際に療育が必要となった方に対しては療育を実施していくところになります。そういった部分で、現状としては、こども発達支援センター機能をさらに充実していく、保健相談所の健診等での早期発見など、関係機関と連携しながら取り組んでいくことを考えています。板橋区の療育機関のお話しもありましたが、機能面でどこまで充実できるか、さらに検討していかなければならないと思います。ただ、今回の計画につきましては、こども発達支援センターの支援体制の充実にさらに取り組むというところを考えています。 ○委員 需要と供給の関係ではなく、とりあえず供給を増やすということですね。おそらく需要のほうが多くて、供給が足りないと思います。 ○障害者サービス調整担当課長 計画の中に必要なサービス量に関して記載しますが、現状として実際に相談件数が増えており、こども発達支援センターに対する期待も大きくなっていると感じています。まずは相談件数の増加を踏まえながら、こども発達支援センターの機能をどのように充実させていくかというところを綿密に検討していかなければならないと考えています。 ○座長 議論を少し整理しますと、こども発達支援センターへの相談が相当多く、相談を受けるまでにお待ちいただいている方がいる、そこが需要と供給の話しかと思います。相談をお待ちいただいている方もだいぶいるようですが、この点についてはいかがでしょうか。 ○障害者サービス調整担当課長 こども発達支援センターで実施している発達相談についてですが、申込から相談を受けるまでの期間として、現在3か月程度お待ちいただいています。ただ、その間にもセンターには繋がっていますので、相談員との個別面談などは随時実施しております。また、発達相談から医療相談に繋がるまでに、検査のための調整などで1か月くらい間が空き、検査までお待ちいただく期間があります。各年度において相談員を増員したり、今年度も4月から相談員を増員していますが、そういった形で相談に至るまでの時間をなるべく短縮する取組をさせていただいているところです。 ○座長 相談件数が増えていて、大変なご苦労をされているところだと思います。他にいかがでしょうか。 ○委員 難聴児という項目が入っていないので確認します。新生児聴覚スクリーニングというものがあり、ここから早期発見できると思いますが、練馬区ではどのくらい受診されているのか教えていただければと思います。最近は働くお母さんたちが増えていますが、学校のサポートや、幼児教育から小学校への連携はなかなか難しいと思います。練馬区には難聴の通園施設がありますので、比較的連携ができていると思いますが、やはり地元の小学校に通うようになると、難聴学級にも通級ということで通うようになります。そうすると、難聴学級は区内に2か所あり、そこに子どもを連れていくためには親が送迎しなければなりません。発達障害のお子さんに関しては巡回指導という形ができましたが、難聴児に関しては親が地元の学校から難聴学級へ送迎しなければならず、親への負担がかかっているという話しも聞いています。また、この前、学校の授業の様子を見たときに、先生方が普通のマスクをしていて声がこもり、子どもが聞き取れずに周りをきょろきょろ見ていたということがありました。先生方がそのあたりを察してくれると良いのですが、教室には30人前後いますので、目の届かないところもあると思います。補助の先生がついてくれるなど、学校のサポートが足りないと感じています。ハード面を整えることも良いですが、難聴児に関しては、やはりソフト面も必要になってきます。中学校では情報保障がありますが、保護者がどうしても関わらなければならないことがたくさんあり、今回、「教育と福祉の連携強化」が計画に入っているのは大変重要なことだと思います。今お伺いしたいのは、新生児聴覚スクリーニングの現状についてです。 ○座長 送迎の話しもありましたが、働く親からすれば大変深刻になっているテーマですが、いかがでしょうか。 ○障害者サービス調整担当課長 まず、新生児聴覚スクリーニングについてですが、新生児の聴力検査の導入は、昨年4月から開始しましたので、データの集計はこれからになります。また、難聴児に対するサポートですが、福祉分野での施策としては補装具があります。中途の難聴児に関しては、デジタル補聴システムを今回補助の対象としています。これは、東京都の事業になりますが、練馬区としても東京都の動きを踏まえて、4月から対象にしたところです。難聴児学級への送迎のお話しもいただきましたが、それにつきましては、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。 ○委員 今の話しに関連して、私は3・4か月健診に携わっていますが、新生児聴覚スクリーニングは、特別な事情がなければ100%着実にできています。いくつか大学レベルでも、一昨年はやっていないところがありましたが、そこもすべて実施するようになっています。これについては非常に進歩したかなと思っています。 ○座長 補足していただき、ありがとうございました。 ○障害者施策推進課長 先ほど「教育と福祉の連携」について触れておりました。教育と福祉の狭間といいますか、お互いに見合ってしまうような部分、送迎や授業時の情報保障のサポートなど、そういったところの課題かと思います。それにつきましては、所管である教育委員会にお伝えするとともに、連携を強化して課題解決に向けた役割分担を進めていきたいと思います。 ○委員 練馬区には特別支援学校はありますが、ろう学校は、現在はありません。統廃合により、大塚ろう学校、立川ろう学校、中央ろう学校、葛飾ろう学校となってしまいました。先ほどの難聴児のお話しにもありましたが、遠くの学校への送迎は大変です。地域の学校に通う難聴の子どもたちには、コミュニケーションが取れる環境や、学ぶ場において先生が手話で指導するといった支援が必要です。練馬区は情報保障があるとのことですが、地域の学校では情報保障が足りないため、難聴の子どもたちが授業についていけない、周りと上手くコミュニケーションが取れないということがたくさんあります。結果、ろう学校に転校するという状況も実際にあります。地域の学校を希望する難聴児のための情報保障や、ろう学校などについて相談できる場所が練馬区にもあると良いと思います。 ○座長 通常学級に難聴の方がおられるということで、その部分の情報保障が少し足りていないのではないかというご意見だったかと思います。 ○障害者施策推進課長 教育現場では、今お話しいただいた情報保障をはじめ、障害があることで、あるいは、障害ということではないが学びづらいといった課題があると考えています。それをどう解決していくかという点では、教育的なアプローチもあれば、福祉的なアプローチもあると思います。先ほども申し上げましたが、それらにつきましては、教育の所管と協議の場を設置することによって、課題を整理させていただき、協力して進めていきたいと考えています。 ○座長 それでは、次の方でこのテーマは最後にして、施策5に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。 ○委員 私の息子は47歳で、「児」にはほど遠い年齢になりました。こども発達支援センターを、東京都の中で練馬区は先駆けて作っていただき、本当に助かりました。しかし、予約が満員で相談することが難しいという声は私の方にも聞こえてきます。こども発達支援センターだけではなく、療育も取りいれた形が必要ではないかと、先ほど医療に携わる現場の先生が発言してくださり、私は大変心強く思いました。療育のためのセンターができるできないではなく、医療現場の先生の力を借りながら、新しいこども発達支援センターに少しずつ変わっていくことを望みます。 また、重度障害児を受け入れる放課後等デイサービス事業所の拡充は切にお願いしたいと思います。放課後等デイサービスが増えれば良いと考えるお母さんの率直な意見です。事業所がどこまで出来るのか不安もありますが、ぜひこの拡充をお願いしたいと思います。 ○福祉部長  こども発達支援センターをご評価いただきありがとうございます。23区で唯一、診察・診断ができる診療所の指定を受けており、療育件数も、需要と供給のお話しがありましたが、23区で最も多い状況です。しかしながら、ハード面として新たにセンターを整備していくとなりますと、年数もかかりますし、この厳しい折に費用も相当かかることが想定されますので、私どもとしましては、こども発達支援センターを療育の中核機関として、毎年度、医師や相談員などの増員を図っているところです。また、発達相談前にも、障害福祉サービスの利用計画の作成や事業所との調整を実施し、保護者の皆さまの「発達が心配である」とか、「どう接したら良いのか分からない」といった不安にお応えするように努めています。なかなか至らないところもまだありますが、これからも皆さまのお知恵をお借りしながら、事業の充実を図っていきたいと考えています。 ○座長 期待があるセンターなだけに相談件数も多いということだと思います。障害児の重度化についても配慮された内容になっていると思います。後の施策にも繋がってきますので、またご意見をいただければと思います。では、次に移ります。「施策5 安心して暮らせる共生社会の実現と社会参加の促進」について、事務局から説明をお願いします。 ○事務局(資料2の説明) ○委員 本日、当日資料としてお渡しさせていただきました参考資料をもとに聞いていただければと思います。なお、本日はこちらの配慮ができておらず、点字資料の用意ができませんでした。ワード等の読み上げ機能をご利用いただけるようでしたら、後日事務局を通じて本日の資料を作成し、お送りさせていただきます。また、その他の方法等でもできるだけ内容をお伝えできればと思っておりますので、よろしくお願いします。 今回、新たに障害者の学びというものが計画の施策に明記されたことについて、知的障害のある当事者メンバーと障害者基礎調査の段階から報告書等も含めて検討をしてきており、当事者の声がしっかりと反映していただけたことに嬉しく思っています。今日も知的障害の当事者メンバーが懇談会の傍聴に来ていますが、共生社会を実現していくにあたっては、こういった懇談会等の会議体に当事者が参加するような社会を目指していきたいと考えています。今回、当事者メンバーが参画できなかったということで、私がその声を代弁するという役割を持って参加しています。いきなり会議などから参加することにハードルが高いのであれば、練馬区では様々なイベントが開催されていると思いますので、そうしたイベントを活用して、新たな社会参加の形を模索していけたらどうかと考えています。企画者、運営側、まちの作り手としての参加を実現していくということです。当会では、昨年、協働推進課が主催している「練馬つながるフェスタ」というイベントで、当事者メンバーと一緒に運営側のボランティアをさせていただきました。新たに役割を果たしていく、しかも当事者メンバーが得意なこと、好きなことを活かして役割を果たしていく、こういう視点を持ちながらイベント等を開催していくことが重要ではないかと感じています。 今日お渡しした参考資料の「ILDK」という事業ですが、これは、既に社会に出ている方が日中活動以外の時間を使って、当事者が主体的に活動していく取組です。当事者メンバーの「子どもと遊ぶ」という得意を活かして、例えば、地域で子ども向けのイベントを主催したり、福島から保養に来られたご家族の保育ボランティアをしました。また、昨年は教育委員会の教員向け研修講座に当事者が講師として登壇し、現場の先生たちに、社会に出た当事者の方々の姿、地域で暮らしている姿を見ていただいて、学校現場の指導に活かしていただこうということで、こうした取組をしました。学ぶということが社会にしっかり繋がっている、貢献しているということを示していく姿勢が大切ではないかと思っています。そこについて、ご意見をお伺いしたいと思います。もう一つは、地域社会の一員として暮らしていくためには、もっと重点的に学んでいく主体が必要ではないかと考えています。お渡しした資料に障害福祉サービス事業の自立訓練の中の生活訓練事業の資料があります。こちらの事業所は「あらゆる分からないに、一緒に答えを見つけていく」という学びの場所になっています。何かトラブルがあると、その原因を「知的障害によるもの」とされてしまうことが多いのではないかと思っていますが、知的障害者は理解できない人ということではなく、圧倒的な未学習、あるいは誤学習が起因していると考えています。ですので、それぞれのニーズに合わせて主体的に学んでいくという機会の創出が必須であると考えています。資料にある昨年1年間で実施したプログラムですが、これは「一律にこのプログラムで実施」ということではなく、あくまで当事者たちが「こういうことを知りたい、学びたい、こういう風にするにはどうしたらいいか」という声をプログラムに落としたもので、ここにあるものが、当事者の学びのニーズとも言い換えられると思います。単にイベントを開催する、講座を実施するだけではなく、こういった学びの機会を同時に作っていくということで、より社会参加、共生社会に近づいていくと考えています。ここについてどのようにお考えかお伺いしたいと思います。 ○座長 障害者自身が学ぶ場をどのように作っていくのかというご意見、ご質問だったかと思います。いかがでしょうか。 ○障害者施策推進課長 当事者の方が、ご自身の望むものに参加していくというのが基本の形であると思っています。ただ、障害があることでなかなか参加できなかったりすることがありますので、そこに対してどのように支援していくのかを考える必要があると思います。どのような学びが必要なのか、どのように支援していけるのか、また、支援を支える人たちへのサポートも必要ではないかと考えています。様々なニーズに応じたプログラムをお伝えすると同時に、当事者自身が望むプログラムをどのように充実していくか、エンパワーメントの要素も含め、今後、運営の工夫をしていただけるよう支援したいと考えています。 ○座長 ちなみに、今はどのような学びの場があるのでしょうか。そこで当事者の方が意見を述べたりすることはできるのでしょうか。 ○障害者施策推進課長 例えば、「障害者青年学級」という障害学習の場があり、練馬区では4つの学級があります。それぞれ20〜60人クラスで、延べ400〜500人の参加があります。その他にも、「すまいるねりま遊遊スクール」というもので、小・中学生に工作や音楽、スポーツなどの学びの場を提供しています。知的障害の方になりますが、区立福祉作業所5か所では、それぞれ当事者会という形で、学びの場を月1回、あるいは隔月で行っています。福祉作業所に通っている方が福祉サービスと連動していることが大事ですので、利用者からテーマをいただき、ビジネスマナーやパソコンなどを学んでいます。障害者地域生活支援センター4か所では、就労している方々がたまり場のようなものを作っていたり、センターの運営委員会にも当事者の方が参加するなど、当事者の方からご意見をいただきながら一緒にセンターを作っています。また、センターには社会生活プログラムがありますので、パソコンやスポーツ、料理など様々なプログラムを実施しています。 ○座長 ありがとうございました。ご提案をいただいたということでよろしいでしょうか。 ○委員 私の事業所では、障害者地域生活支援センターや青年学級の方々と関係者ミーティングを実施させていただいています。青年学級も今年は公募されていないくらい定員がいっぱいであるとお聞きしました。障害者の学びの場が少ないという現状が起因する課題はどの分野でも大きく、それがトラブルとして表面化して、就労の継続ができないとか、様々な要因になっているということが、色々な分野から聞かれている大きな課題だと思っていますので、前向きにご検討いただければ良いなと思います。また、紹介が遅れましたが、具体的に障害のある方が学ぶイメージをお持ちでない方のために、動画で視聴いただけるように、お渡しした参考資料にアドレスとコードをつけています。3つの動画でそれぞれ20〜40分になっており、当事者が自分たちの学んだことについて語るパネルディスカッションの様子も記録していますので、ぜひご覧いただければと思います。 ○座長 私も学生時代に、練馬区の青年学級で学ばせていただいたことがあります。当事者の皆さんと一緒になって企画したことが懐かしく思い出されます。学習の場、とても大事なことです。 その他いかがでしょうか。 ○委員 質問と言いますか、困っていることについてお話しさせていただければと思います。まず、災害時の避難についてですが、同行援護で人について移動している私たち視覚障害者にとって、災害が起きた場合にどのように様子が変わっているか分かりませんので、外には出られない状況が予想されます。その場合、どのような形で支援がくるのだろうかという不安があります。また、避難所に行ったとして、周りの様子や掲示されている情報が分からない、トイレに行けないといった不安もありますし、東日本大震災以降の避難所の話しを聞いてもそのあたりが難しいと伺っていますので、そういった部分の配慮も検討していただきたいと思います。 次に、情報発信にも関わりますが、この会議でも事前にメールでテキスト資料をいただいたり、当日点字資料を用意していただいています。何年か前までは会議資料を何もなく、ただ聞いているだけで眠くなってしまうことなどもありましたが、今は点字資料が用意されるようになり、かなり進歩したと思っています。公共機関の会議だけではなく、民間でもこういった取組、点字資料が作れるとか、メールでテキストを送るといった方法があることを周知していただきたいと思います。 また、駅のホームゲートについて書いてありますが、費用もかかるので、区内では練馬駅以外にはつかないだろうと思っています。先日、阿佐ヶ谷駅で視覚障害者が亡くなる事故がありましたが、皆さんの声かけが大事ですので、ハード面と併せて声かけキャンペーンの推進などに取り組んでいただきたいと思います。信号機の音も、朝や夜はうるさくて迷惑かもしれませんが、人の様子や車の通行を耳で聞いて渡っていますので、突然車が来たらどうしようもないですし、赤信号で渡る人につられてしまいクラクションを鳴らされることもあります。夜間等の信号機については、警視庁でもスマートフォンを活用した取組をしているようですが、ハード面についても検討していただければと思います。 ユニバーサルデザインやバリアフリーについては、障害特性があり、一概にどういうものがいいとは言えません。障害には様々な特性があるということを事業者に伝えるなどして充実してほしいと思います。例えば、電気スイッチで、シーソー式ではなく、同じ感触しかないタイプだと、点いているのかどうか分からない時があります。皆さんからすると押せば良いだけなのでユニバーサルデザインやバリアフリーと言われますが、視覚障害者にとっては同じ感触では分かりませんので、そのあたりの周知や研究もしていただければと思います。 ○座長 阿佐ヶ谷駅の事故は大変痛ましいもので、先日のことですからニュースを見てショックを受けた方もおられるかと思います。災害の事やユニバーサルデザインについてご意見いただきました。事務局のほうから何かありますか。 ○福祉部管理課長 私からは、避難所についてお話しさせていただきます。災害が起きた時に、どう避難するかというところで、まずは平時の準備が大事であると、お話しを伺って思いました。また、一般の避難所に行った際、様々な配慮が行き届かないために、避難生活が難しいという方もおられると考えています。そうした場合には、次の避難所として福祉避難所に移動していただき、そこでお過ごしいただくことを考えています。福祉避難所は現在41か所あり、拡充に向けて進めているところです。避難所において、避難生活が過ごしやすいような配慮が必要であると、貴重なご意見をいただいたと思っています。 次に、ホームゲートのお話しです。現在、区では区内21か所の駅のうち、10か所にホームドアが付いています。ホームドアのない駅については、内方線付きの点字ブロックを付けています。西武鉄道のホームドア整備促進については、区も目標を掲げており、西武鉄道にはご配慮いただけるようお願いしているところです。お話しでいただいたとおり、ハード面だけでなく、声かけをすることはとても大切だと思いますので、我々もそうした働きかけをしていきたいと思います。 最後に、ユニバーサルデザインについてですが、勉強になるお話しをいただいたと思います。障害特性を踏まえた配慮について、皆さまからご意見をいただき、充実に努めていきたいと考えています。 ○座長 ありがとうございました。我々も学ばせていただきたいと思います。他にはいかがでしょうか。 ○委員 福祉避難所の充実について記載されていますが、障害があるからといって、全員を福祉避難所で受け止められる人数ではないですし、振り分けられると思います。そうなった時には、一般の避難所で生活することになると思います。福祉避難所の部分は、介護施設や生活介護を実施している施設が中心となっていて、より充実するということで良いと思いますが、状況によっては小・中学校など一般の避難所で生活することになると思いますので、町会や民生委員などの地域に対して、理解啓発や知識を付けてもらうことをしていただきたいと思います。 ○福祉部管理課長 一般の避難所についても、例えば、今回の感染症のこともそうですが、様々な配慮をして充実するというところでは検討しておりますが、危機管理課にもお話しを伝えていきたいと思います。 ○座長 一般の避難所に行って、そこで「この方は福祉避難所に移動してもらう」といったスクリーニングをしますので、まずは一般の避難所の対応ということかと思います。 ○委員 合理的配慮についてですが、障害者側としては、区から説明をいただき、内容を理解し、素晴らしいと思っています。ただ、日ごろ感じていることですが、当事者たちは合理的配慮を知っていても、社会が知らないことがあります。企業やお店などに対して、区から合理的配慮を説明するといった取組はしているのでしょうか。やはり、まだ不便に感じることがあります。例えば、字は書けるが軽い知的障害のある方が、一人で郵便局に口座を作りに行ったら、「誰か同伴者と一緒に来てください。」と帰されてしまったことがありました。この方は、「ここに名前と住所を書いてください。」と言われれば書ける方です。口座を作ってお金を預けようと思っているにも関わらず、門前払いをされてしまったと、泣きながら私に言ってきました。再度、今度は私も一緒に郵便局に行き、一人だと口座を作れない理由を聞いても、窓口の方の説明はよく分からないものでした。公共の場でも、バスや電車にしても、少し配慮してくれれば一人で生きていける方たちがたくさんいます。区として、社会に対して合理的配慮を推進するといった取組はないのでしょうか。 ○障害者施策推進課長 合理的配慮の提供について、まだまだ浸透していないというお話しかと思います。平成28年に障害者差別解消法が施行され、区では、当事者にご協力いただきながら作成したリーフレットを配布するなど、啓発に取り組んできました。バスやタクシーといった公共交通機関、商工会議所や不動産団体などにも出向き、合理的配慮や障害者差別解消の周知・啓発に努めているところです。まだ浸透していない部分もあるかと思いますので、障害特性や接し方などの事例も含め、引き続き、合理的配慮の周知に努めていきます。 ○座長 このテーマについては、あと一つか二つといったところです。いかがでしょうか。 ○委員 3ページ目にあります、「個々の障害状況に応じた学びの機会の充実」についてです。私どもの会の子どもたちは、普段は呼吸器を使っていて、ベッドから動くことのできない方が多いため、外出しての学習の機会が限られてしまいます。特別支援学校の元校長先生で、今は秋津療育園の理事長をしている飯野順子先生という方がいらっしゃるのですが、その方が、定年退職された教員の方々と一緒に「NPO法人地域ケアさぽーと研究所」を設立し、「訪問カレッジ」を一つの事業として立ち上げています。アウトリーチ型の家庭教師のような学習の場で、学校を卒業した障害者向けのカレッジになっています。こういった取組が充実すれば、いくつになっても成長し、また、その姿を見て支援者や家族も喜びが得られますので、そういった機会を作っていただきたいと思います。また、呼吸器を付けている方でも知的にしっかりしている方は多く、私どもも研修会などをしています。先ほどの委員のお話しで、プログラムのメニューが多くて感激しましたが、講師の探し方などを教えていただけたらと思いました。そういう方も家庭教師的な形でお願いできるのかなとか、期待も込めてお話しさせていただきました。 ○座長 一生涯学び続けるという、生涯学習のご意見だったと思います。 ○障害者施策推進課長 なかなか外に出られない、在宅生活をされている方の学びの機会の提供も考えていただきたいというお話しかと思います。今、ご紹介いただいた活動も承知していますし、資料にも記載させていただきましたが、個々の障害に対してどのように取り組んでいくかというところを今後検討していきたいと考えています。 ○座長 講師の探し方や紹介などは、あとで個別にやり取りしていただければと思います。 それでは、3つ目の施策に移りたいと思います。「施策6 保健・医療体制の充実」について、事務局から説明をお願いします。 ○事務局(資料3の説明) ○委員 (6)医療的ケアを必要とする方への支援についてですが、前回の懇談会で病院併設型という説明があったと思いますが、具体的に何床くらい予定しているのか、オンラインで空き状況がわかるシステムを構築できないかなど、アウトラインが見えていれば教えていただきたいと思います。 ○障害者施策推進課長 医療的ケアに対応したショートステイについては、医療型ということで、受けていただく機関との調整もありますので、どういう形になるかも含め、具体的なところについては今後協議させていただきたいと考えています。 ○委員 お受けいただける医療機関等は決まっていないのでしょうか。 ○障害者施策推進課長 この場でお話しできる段階ではないということで、ご理解いただければと思います。 ○委員 先ほど少しお話させていただいた手続きや空き状況についてですが、できるだけ分かりやすいものですと、使い勝手がよいと思います。世田谷区の国立成育医療研究センターの中にある「もみじの家」も、病院併設型の医療型ショートステイで、日本でも非常に少ない施設です。皆さまもご存じのように、日本では、1,000人の新生児が生まれ、1人亡くなるか亡くならないかくらい、新生児の救命救急医療が高水準です。これだけ医療が発達し、これまでなら失われてきた命が医療によって救われ、その後の人生がスタートするというところでは、病院から出た後の暮らしがとても大切です。もちろん、病院との連携も大切なことですが、退院したあと家庭にすべてがのしかかってくるといったところの保護者の負担も、このような施設があることで軽減できるのではないかと思いますので、ぜひ柔軟な施設が出来ることを希望します。 ○座長 区内に整備するということですので、楽しみに情報を待ちたいと思います。 ○委員 現状と課題の2つ目のところで、精神疾患の方の退院促進、地域での安心した生活ということで、「精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築が求められている」とありますが、本当に私自身も実感しています。方向性と取組内容の(2)、(3)の両方に関係すると思いますが、精神疾患の方が退院して地域で暮らすといったときに、例えば福祉作業所に通所するなど福祉サービスに繋がっていれば、相談支援のところで、本人だけではなく家族を含めてカンファレンスといったフォローが可能だと思いますが、福祉サービスに繋がっていない精神障害の方は孤立しがちではないかと思います。生活保護であれば、ソーシャルワーカーや生活保護の担当の方がいると思いますが、相談支援のようにどこまで生活に寄り添ってもらえるのか、地域移行の促進に取り組むというところでは、そのあたりも丁寧にできたらよいと思います。精神障害の方は、作業所に通っていても辞めてしまったり、相談支援と繋がっていても連絡が取れなかったり、主治医がいても連絡がないといったこともあると思いますので、そのあたりの支援はどのように考えていただけるのでしょうか。 ○関保健相談所長 精神障害のある長期入院患者の地域移行をどのように進めていくか、福祉に結びつかないとなかなか地域での生活が難しいというお話しかと思います。まさにそのとおりですが、一方で、長期入院されていた方がすぐに作業所に通うというのは難しい場合もあります。そのような方については、地域で安心した生活を送っていただくために、保健相談所のアウトリーチ支援を頻繁に行ったり、病院と連携してその方の個々に合った支援を行うなどしています。その後、生活が安定してきたら作業所などに通っていただき、地域での活動につながっていくのかと思います。まずは、地域で安定して生活を送るための支援をしていきたいと考えています。 ○座長 障害者地域生活支援センターも関わりますかね。センター長、ご意見などありますでしょうか。 ○委員 練馬区の良いところは、保健師が充実しているところかなと感じています。精神科病院から退院するといったときには必ず保健師さんに、それから、作業所等へ行くにはまだハードルが高いというところでは障害者地域生活支援センターに繋ぎながら、また、電話相談などを通じて細く長く支援が続いている方もいます。孤立しないということは本当に大切だと思いますので、孤立しないために私たちに何ができるか、どうしたら繋がっていられるかを絶えず模索していかなければならないと思っています。地域移行に関しても、病院訪問しながら長期入院患者に寄り添い、どうしたら地域で生活できるようになるのか一緒に考え、進めていく体制を取っていますので、ご理解をいただきながら取り組んでいきたいと思います。 ○委員 先ほど障害児の施策のところで、学校に赴いて障害理解を深める取組をするとありましたが、精神障害についても取り組んでいただきたいと思います。ここ5年間で精神疾患のある方、うつ病の方なども含めて大変増えています。権利擁護に関して、数字にも出ていますが、障害者差別を受けていると感じている方がおり、また、成年後見制度を知らないという方も半数近くいます。これは重く受け止めなければいけないことだと思います。ですから、小・中学校の段階で、「権利擁護とはこういうものなんだよ。」とか「人は一人ひとり違うけど、差別的なことを考えてはいけないよ。」とか、分かりやすく説明することが大事だと思います。大人になってからでは、相模原での事件のようなことにもなりかねませんので、小・中学校の段階で精神疾患への理解の取組をしていただけたらと望んでいます。 もう一つは、成人の精神疾患のある方の中には、暴力を振るわれる方も多くいます。ご家族から、私どもの団体の事務所でかくまってもらえないかという問い合わせもいただいています。練馬区ですと、もしかしたらDVに関するシェルター的なものがあるのかもしれませんが、家族が当事者からの暴力を受けていることも知っていただき、レスパイトとは意味合いが違いますが、シェルターのような一時的に避難ができる場所を切望します。もし、そういった計画があるようでしたら、教えていただけたらと思います。 ○座長 メンタルヘルスの問題は、精神疾患に対する抵抗感などから、精神科への受診が遅れてしまうこともあります。子どもの頃から、そういうことが日常的に起こりうるということかと思いますが、何かコメントはありますか。 ○障害者施策推進課長 1点目ですが、施策5でも触れさせていただきましたが、障害者差別につきましては、権利擁護も含め、障害理解がとても大事だと考えています。民間事業者への出張講座であるとか、ユニバーサルデザイン体験教室の中学校への拡大についてお話しさせていただきました。ユニバーサルデザインについては、先ほど委員のお話しにもありましたが、どのようなことで困っているのか、あるいは、障害特性とはどういったものなのか、それらを含めての学びです。体験教室だけではなく、様々なところで理解啓発に取り組んでいますので、それらを活用しながらさらに障害理解を深めていきたいと考えています。 2点目について、非常に重い課題でありますが、DVのシェルターや高齢者虐待のシェルターなどがあり、そういったものの活用であるとか、あるいは、暴力であれば警察に相談することもあります。いずれにしても障害特性に応じた問題につきましては、病院をはじめ様々な関係機関と連携し、丁寧に対応していくことが必要であると考えています。 ○委員 先ほど質問ができず順番がずれてしまいますが、非常時の避難所の対応についてお伺いします。阪神淡路大震災の時に、心の傷を負った大人が避難所での集団生活に馴染めず、そこで生活できなかったという話しを聞いたのですが、練馬区では、そういった対応はどうなっているのでしょうか。 ○障害者施策推進課長 大地震が起きたとき、まずは避難拠点として地域の小・中学校が避難所となり、ご自宅で生活できない方は、そこで生活していただくことになります。学校が避難拠点になるということで、体育館での避難生活が考えられるわけですが、今委員がお話しされたような方、また、障害のある方でも一般の避難所で生活ができる方につきましては、例えば個室で対応するなど、それぞれの避難拠点の中で考えて、運営することとなっています。各避難拠点では様々なケースを想定しながら運営方法を検討し、取り組んでいるところです。なお、避難拠点での生活が難しい方については、福祉避難所に移動していただき、対応することになります。 ○福祉部管理課長 災害時には、時間が経ってからにはなりますが、保健相談所の保健師が巡回相談という形で避難拠点を巡ることになっています。その時に、身体的なことはもちろんですが、メンタル的に具合が悪いといった相談もできますので、そういったものをご活用いただくようになると考えています。 ○座長 時間もなくなってまいりましたので、まだご発言のない方にもお聞きしたいと思います。公募委員でこれまでの懇談会でご発言のない方などいかがでしょうか。 ○委員 精神科病院に入院している方について、例えば「入院患者の退院を促進し」という表現が気になります。1年以上の長期入院や再入院とかありますが、「退院を促進し」という言葉が引っかかっています。もう少しゆとりを持って入院するとか、そういう選択肢はないのかなと思いました。 ○座長 精神障害者の地域移行のお話しです。もう一人、聞いてもよろしいですか。感想でも結構ですが、いかがでしょうか ○委員 経験のないことで、各論的な話しになかなかついていけないのですが、一つ教えていただきたいことがあります。こども発達支援センターについてですが、練馬区以外から来た者にしてみると色々な制度がかなり進んでいると思っています。こども発達支援センターについて、いつ頃できたのか、スタッフの人数やどういう事業を行っているのかなどについて教えてほしいと思います。 ○座長 全体の3つの施策に共通で、公募委員の方からご質問、ご意見をお願いしました。2つありましたが、事務局いかがでしょうか。 ○関保健相談所長 精神障害者の退院促進の部分ですが、文言につきましては、ご意見もありましたので、今後調整させていただきます。「退院を促進する」という言葉ですが、実は精神科病院に入院している方は、地域での支援があれば退院できる方もいらっしゃいます。ただ、地域での支援が追いつかない、基盤がないということで退院できない方がいらっしゃいます。そういう意味で、「退院を促進する」という言葉を使わせていただきました。そのような方もいますので、今後、保健相談所として、関係機関と連携して、地域に戻って生活ができるよう支援を行っていきたいと思います。 ○障害者サービス調整担当課長 こども発達支援センターは、平成25年1月に開設しました。事業としては発達相談や医療相談の相談事業、児童発達支援や放課後等デイサービスの通所訓練事業、また、地域やご家族に対して講演会等を開き、発達障害に対する理解を深める取組も行っています。スタッフとしては、医師や相談員、通所訓練事業に携わる保育士や理学療法士などがいます。 ○座長 最後に、全体を通していかがでしょうか。 ○委員 精神障害のある耳の聞こえない人とコミュニケーションがスムーズに出来ているのかお聞きしたいのです。精神疾患のある方で、入退院を繰り返している方の中に耳の聞こえない人がいるのかは分かりませんが、配慮といいますか、どういう状況にいるのかを知りたいです。参考までにお話しさせていただきます。数十年前に、耳の聞こえない人が精神科病院に入院していたそうです。しかし、非常に長い間、意思疎通が全くないまま、閉鎖病棟のようなところにいたそうです。たまたま訪れた手話ができる人のおかげで意思疎通が取れて、その結果退院できたという話しを聞きました。ろう者や難聴者で、精神疾患のある人に対して、どのように対応しているのかご存じであればお聞きしたいです。 ○座長 聴覚障害の方で精神疾患の方のお話しです。どなたでも鬱になる可能性はありますので、障害のある方の中にも当然いらっしゃるのではないかと思います。 ○関保健相談所長 根拠となる正確な数字はありませんが、先ほど長期入院患者の退院促進についてお話しをさせていただきました。練馬区には3つの精神科病院があり、そこで調査をさせていただき、調査に際しては精神疾患の病気のみならず、身体などの合併症についても調査を行っています。まだ調査の途中ではありますが、現時点で聴覚障害の方がいることは把握していません。ただ、高血圧や生活習慣病など、身体の合併症を発症されている方はいます。 ○障害者施策推進課長 重複障害の方について、障害者基礎調査の結果では、精神障害をベースとして身体障害と重複している方が3.1%、身体障害をベースとして精神障害と重複している方が4.2%となっています。また、精神障害の方で、聴覚障害のため身体障害者手帳を持っていると回答した方は5.3%でしたので、一定数いるかと思います。聴覚障害があることで、コミュニケーションの面から精神疾患を併発されている方も一定程度いるのではないかと考えています。 ○座長 最近は重複障害の方も増えているということですので、大事なテーマだと思います。大変活発なご議論をいただき、ありがとうございました。3つの施策についてご意見をいただきました。それでは、最後に福祉部長から一言いただきたいと思います。 ○福祉部長 コロナで大変な折にお集りいただき、障害者計画の策定に向けて、それぞれの立場から様々なご意見を頂戴し、ありがとうございました。前回、今回と施策ごとに現状と課題を整理し、施策の方向性についてご議論いただきました。計画ということで、記載内容は一定程度大括りなものになりますが、皆さまの実感に基づいたご発言については、懇談会の意見のまとめとして精査させていただき、計画に反映させるもの、また、事業実施の際に改めて検討させていただくものとして活かしていきたいと思います。本懇談会も残り3回あります。ご意見のまとめ、計画素案の作成などを予定しておりますので、引き続き、障害者福祉の向上に向けて、お知恵をお借りしながら進めていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。 ○座長 最後に、事務局から連絡事項をお願いします。 ○事務局 次回の懇談会は令和2年9月3日木曜、場所はココネリホールです。開催の案内は別途各委員へお知らせさせていただきます。 案件としましては、皆さまからのご意見をもとに、本懇談会の意見書のまとめをお示しする予定です。意見のまとめにあたり、追加でご意見がある方は、8月7日までに、事務局まで提出をお願いします。提出にあたっては、任意の様式でかまいません。不明な点などありましたら事務局までお尋ねください。 ○座長 以上をもちまして、第5回障害者計画懇談会を終了します。本日は、どうもありがとうございました。 ― 了 ―