資料5 施策3 障害者の就労を促進 現状と課題 〇障害者基礎調査によると、18〜64歳の非就労者で就労意向のある方(「働きたい」「働きたいが、働けないと思う」と回答)は約4割から6割となっています。一般就労や福祉的就労において求められるニーズも多様化しており、個々の障害特性や健康状態に応じた働き方が求められています。 〇一般就労では、区内障害者の就労支援機関からの新規就職者数が、平成29年度から令和元年度まで200人を超えており、特に精神障害者の就職者数は半数以上を占めています。能力や適性に応じた専門的な就労支援とともに、就労に伴う生活面の課題への対応など、障害者が安定して働き続けるための支援が必要です。また、区内の多数を占める中小企業では、障害者雇用の経験やノウハウが少ないことから、雇い入れに不安を抱えている場合があります。 〇福祉的就労では、区内の「就労継続支援B型」事業所における工賃の平均月額が国や東京都に比べ低い状況にあります(表1)。適性に応じて能力を発揮し、働いた対価を実感できるよう、工賃の向上を引き続き図っていくことが必要です。また、高齢化する通所者の「働き続けたい」という思いに応えることも福祉作業所には求められています。 〇練馬区では大都市東京の都心近くに立地しながら、生活と融合した生きた農業が営まれており、練馬ならではの農を活かした取組が求められています。 表1 就労継続支援B型事業所 平均工賃(平成30年度実績) 国 月額16,118 円 東京都 月額16,078円 練馬区 月額11,795円 施策の方向性と取組内容 (1)一般就労の促進  〇福祉施設や障害者就労支援センター(レインボーワーク)等の就労支援機関から、今後も年間200人程度が就職できるよう支援します。 〇レインボーワーク作成の就労支援マニュアルを充実し、就労支援機関ネットワークにおいてマニュアルの積極的な活用を図り、障害者の多様なニーズに応える就労支援を実施します。 〇就労を希望する方に行っている職業相談や職業能力評価を活用し、適性や能力、就労生活上の課題などを明らかにするなど、個別支援の充実を図ります。 〇ハローワーク等の関係機関との連携を強化し、区内企業に対し、障害理解と雇用促進の強化を図ります。また、作業適性に合わせた仕事の切り出しや簡易作業の提供、短時間就労など、障害特性や個々の能力に応じた多様な働き方の創出に取り組みます。 (2)職場定着支援の充実 〇障害者が安心して働き続けられるよう、就労と生活の一体的な支援を行う「就労定着支援」事業を実施するとともに、レインボーワーク等の関係機関のネットワーク強化を図り、職場定着支援を充実します。 (3)福祉的就労の充実  〇福祉作業所(「就労継続支援B型」事業所)の販路拡大や商品開発力等を強化するため、経営コンサルタントの派遣事業を実施し、工賃の向上を図ります。【新規】 〇請負業務を共同で受注する体制を引き続き実施し、受注を増やすことで、工賃の向上と就労意欲の喚起を図ります。 〇障害者の高齢化や重度化に対応するため、区立福祉作業所の機能を拡充し、生活介護事業を開始します。(再掲)【新規】 (4) 農福連携の推進 〇 練馬ならではの農を活かし、障害者の方々による農作物の収穫や加工・販売作業 を拡充することで、障害者が働ける場の確保を図ります。また、障害者施設と農業者等が協働で行う福祉連携農園を始めます。 用語解説 ・「農福連携」…障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組のこと。