第2期第5回練馬区障害者差別解消支援地域協議会議事録 1 日時 令和2年11月12日(木)午前11時から正午 2 場所 区役所 地下多目的会議室 3 出席委員 高橋委員、齋藤委員、森山委員、松澤委員、的野委員、市川委員、田中康子委員、松本委員、安部井委員、石野委員、中野委員、新居委員、上原委員、榎本委員、寺尾委員、田中委員、中田委員、下郡山委員、柴宮委員、枝委員、北原委員、清水委員(以上22名) ※欠席委員 千葉委員、北川委員、蔵方委員 4 傍聴者  3人 5 議題    (1) 区における障害を理由とする差別に関する相談について (2) 障害理解に係る障害者団体の訪問授業について (3) 障害者地域生活支援センターにおける障害理解促進の取組について 〇会長 第2期第5回の練馬区障害者差別解消支援地域協議会を開催いたします。 それでは、次第の1、区における障害を利用とする差別に関する相談について、説明をよろしくお願いいたします。 〇事務局 資料1の説明 〇委員 ご説明いただいた事例1について、お聞きしたいです。 練馬区としては当然、共生社会を目指していると私は思っています。 その中で、保育園、幼稚園の受入れについて困難な部分があるといった内容が聞こえてきました。 実際、障害児の受け入れにおいてどのような規則になっているのかを教えてください。 〇学務課長 幼稚園で申しますと、区立幼稚園が区内では3所、私立幼稚園が38所あります。 区立幼稚園の対応といたしましては、障害があるから入園できないという体制は全く取ってございません。 障害のあるなしにかかわらず、お申し込みをいただいた方に、入園いただいているという対応を取っております。  かなり重い障害のある子の入園もございますが、我々としては、どのようにしたらそのお子さんを安心して保育することができるかという観点で検討しています。 その結果、現在、区立幼稚園では、4人に1人が障害のあるお子さんというような状況になっております。  一方で、私立幼稚園については、各園で個別に対応いただいていると認識を持っておりますが、実際障害があるお子さんの割合で申し上げますと、大体1%、100人に1人といった状況がございます。 先ほどの資料にも書かせていただいておりますが、説明会等を通じて、財政支援等を活用していただき、障害児の受け入れも積極的に進めてほしいとお願いをしているところでございます。 〇委員 希望すれば受け入れてくれるということですか。 事情があれば違ってくるのですか。 〇学務課長 私どもが判断する観点としては、その子を安全に預かれるかどうかという観点で検討させていただいております。 重い障害のお子さんが入園をご希望されたケースについては、身の回りのことはご自分ではできないですが、お母さんの支援や私どもの介助員の対応で、安全が確保できると医師の診断等も用いて確認しました。 お受けする際は、基本的に安全に受け入れられると判断できれば受け入れるという対応を取っています。 〇委員 その安全というのは、どのような度合いで安全の線が引かれているのですか。 〇学務課長 ケース・バイ・ケースになりますが、例えば実際の例で申し上げますと一定の体温を超えてしまうと、てんかんを発症する恐れがあるというお子さんがいらっしゃいました。 この場合、看護師を付けることで注意をすれば安全に受け入れが可能との医師の所見がありましたので、受け入れをしました。 医師が、看護師を付けても安全確保が難しいという判断がなされるような場合には、我々としてはお受けができませんが、例としてはほとんどございません。 〇委員 納得は難しいですが、分かりました。 〇会長 こういったことが私立幼稚園で起こったということは、考え込んでしまいます。 このような相談がたくさん寄せられること自体がいいことで、これにより障害理解や差別的な取り扱いの現実が分かるわけです。 一つ一つの事案としてだけではなくて、地区で共有して、差別を解消するための素材にしていただきたいと思います。  それでは、障害理解に関する障害団体の訪問事業について説明をよろしくお願いをいたします。 〇事務局 資料2の説明 〇委員  訪問授業を受け入れているところが限られている現状があります。 担任や校長の思いがあると受け入れられるという状況になっている。 小学生は、一番柔らかい心の時ですので、担任や校長先生の姿勢とかではなく、私たち障害者団体も待ち受けているので、ぜひどの学校にも受け入れをお願いしたいと思っています。 よろしくお願いいたします。 〇委員 聴覚障害団体でも以前から小中学校で、聴覚障害などをテーマに取り上げて、学校長、クラスの担当の先生方の依頼で、障害理解の授業をやっていることはあります。 ただ、ある1人の先生の意見で、実施するしないにならないで、小学校では、もっと受けていただきたい。 〇会長 学校側の受け入れがとても大事でございます。 特別なものではない普通のこととして障害のある人と一緒に暮らすなり、一緒に学ぶことが必要です。 先ほど幼稚園の話があったかと思いますが、多様性というものに対する感覚を養うには、大人になってから勉強するのでは遅い。 小さな子どものうちから、こういう経験をしてもらうのがいい。 これは高齢者への理解も全く同じことで、今、核家族化が進んで、高齢者を見たことがない子どもたちというのも結構増えてきているという。 日常生活の中で、関わる機会をどのように位置付けてもらうかということがないと、差別解消が進んでいかない。 経験がないために園長が受け入れを断るという話になったのだろうと思うんです。 怒っても仕方がないですが、受け入れの問題等の議論は、とても大事な議論だと思います。 〇委員 障害理解に関わる教育、これは私ども精神障害の団体でも全国的なテーマとして取り上げられております。 かつ、再来年から高校のカリキュラムで精神障害に関する授業が入ってくることになりました。 20年ぶりです。 この障害理解に関する、特に精神障害について、周知という言葉で、遠慮深い言葉を使ってらっしゃいますが、積極的に進めていただきたいです。 私ども精神障害の立場からいうと、世界的にバイタル・フォーティーンといって、中学2年生が精神障害にかかるかかからないかの大きな分かれ目なのです。 ぜひ中学の校長会などを通して積極的に精神障害についての理解を深めていただきたい。 私どもは、精神障害について中学生を対象のパンフレットを作って、去年、一部の学校にお配りしたように覚えています。 そういったことも含めて、積極的な態度を示していただきたいと思います。 〇障害者施策推進課長  この「障害理解」を学校現場、特に小学生、中学生のところからしっかりやっていこうというのは、かねてよりお話をいただいております。 現場では、特に小学校での取組が進んでおりますけれども、福祉についての教育を行っていると承知しています。 その中で、私どもの今取り組んでいる訪問授業以外にも、先ほどお話がありましたように、練馬区視覚障害者協会や聴覚障害者協会の方々をはじめとして、当事者の方が各学校で様々実施していただいていることは承知しておるところでございます。 今、お話しいただきましたように、様々な障害があって、一緒に住んでいるということ、当たり前のことを、当事者の声も聞いていただきながらご理解をいただくという取り組みが大事だろうと思っております。 一方で、学校としてもそれぞれの学年の、発達段階に応じて分かりやすく伝えていくということが大事ということでございますので、教育委員会とも連携しながら、こういったものを広めていきたいと考えておるところでございます。 今回は、そういった周知の一つとしまして、スライドを作成しまして、周知を図ってまいりますということです。 一層努力してまいりたいと考えてございます。 〇会長  引き続き、障害者地域生活支援センターにおける障害理解促進の取り組みということで、よろしくお願いいたします。 〇事務局 資料3の説明 〇会長 現在のコロナ禍において、集まるにあたっての配慮はどうなさっているんでしょうか。 〇事務局 スタッフの研修の場は、非常に広い会場でたくさん席を空けて、定員の半分ぐらいの数で行っています。 実際、お話をするスタッフの方もしっかりとソーシャルディスタンスは理解されて実施されています。 〇会長 逆にこのような集会は制限されているので、機会があると参加していただける方が逆に多くなるのではないか。 このような参加者の意見を拝見して、意義のある催しと改めて思いました。 〇委員 図書館というところは、本当に知的障害の人にとって、通える場というか、土日など、うちの息子もよく行きます。 そういうところの理解、啓発ということも大事だと思います。 一方昨年、区の会議に出たときに、民生委員の方が、知的障害の人は日中どうしているか見たことがないという発言があって、私はとても驚きました。 やはりこういう人たちの生活が知られていないのだなと思ったところです。 共生社会と大きなところではうたっておりますけれども、まだまだこの人たちの生活の場は非常に狭くて、社会の人が理解されるところ、または触れ合うところもないということかなと思います。 こういった活動は非常に大切と思いますし、私たち団体も、「キャラバン隊」という理解啓発活動をしておりますので、それを広げていきたいなと感想を持ちました。 ただ、たくさん要望がある地域もあり、このキャラバン隊を学校でするところもあるのですが、私は学校に行くのにためらいを持っています。 というのは、やはり小学生となると、「ああ、あの子かな」「あの子が当てはまるな」などの意識も逆にあると思うのです。 そこを恐れて、学校で「キャラバン隊」をすることがないのです。 サービス事業者などでは広げております。知的障害の人は昼間どうしているんだという民生委員からの発言には衝撃を受けたので、こういう活動を広げていただきたいし、私たちも頑張ってまいります。 〇事務局 今回、図書館に期待することとしてお話ししたのは、図書館の中で障害者の方と一般区民の方のトラブルがあるそうです。 その際に、図書館の人がその障害特性を理解して、地域住民に対して、このような障害なので、こういった配慮をしてくださいねと、図書館の人が障害者を代弁するような立場でお話をしていただきたいというお話をしました。 スタッフの理解だけでなく、スタッフを仲介とした地域住民の理解という形を進めたいと強く感じました。 〇会長 非常に戦略的な試みかと思いますので、図書館から始まって、いろいろなところに広がっていけるような、そんな試みだと思います。 どんなところで実施したらよいなど提案もぜひ、これを機会にいただきたい。地域生活支援センターの周知度という意味でも、これは大事です。 図書館の司書の皆さんが地域生活支援センターを知っているということが、社会教育や民間の事業所もそうですが、こういう試みを実施しているというのは心強く思いました。  いろんな形で議論が広がっていく、大変大事な試みかと思って伺わせていただきました。 〇委員 この場を借りて、お聞きしたいことが一つあります。 コロナ対応でございますが、区立の施設、区民センターというのは、区役所よりも人の出入りが多い場所で、今まで1件もまだコロナ感染者が出ていないという非常に立派な運営です。 極めて丁寧な対応や細かいことに議論していて、私ども委員としましても、時々、こんなことまでと思うほどの慎重さでやっています。 今お話のあった図書館、これも区立の施設でございますが、この辺のコロナ対応につきまして、練馬区の成績は全体として、感染者の数を見たら決して良いものではないと思います。 ぜひ区立の施設でコロナが起きないようにやっていただきたいと思いますので、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。 〇会長 練馬区はコロナの感染者は、どういう状況でらっしゃるんですか。 〇委員 区の順位では10番目ぐらいですね。 〇委員 絶対数ではそうですけど、10万人当たりの数にすると少ないです。 練馬区の対策として、頑張っている。 ただ、今も第3波ということになっていますし、徹底的な対策はすべきですが、100%予防できることはないと思うので、必ずどこかで発症します。 発症したときに、周りにいかに広げないかやなるべく高齢者が発症しないようにするなど、万が一発症しても被害が拡大しない工夫がすごく大事だろうなと思います。 練馬区は頑張っていると思います。 〇障害者施策推進課長 全体としては、今、委員からご発言いただきましたが、障害者施策推進課ですので、障害者施設を中心にお話ししますと、厚生労働省などからも予防対策として、手洗いやマスクの着用などが示されています。 それにつきましては感染拡大の当初の頃から各施設のほうでも徹底をしております。 残念ながら、障害者施設で数回感染者が発生するということがありましたけれども、そのたびにあらためて状況を確認しまして、感染予防対策、防止対策をやっているところでございます。 この間、感染状況の拡大に伴いまして、感染予防に向かってどのように施設の中でやっていけばいいのかというところに対して、例えば特別養護老人ホームであるとか、障害者支援施設、そちらに感染予防の専門家であるアドバイザーを派遣しまして、見ていただいているという状況でございます。 そういった対策を行いながら、100%は無理だろうというお話がございましたけれども、感染拡大をしないように、クラスターが起きると非常に大変なことになりますので、そういったところを意識しながら対策を行っているという状況でございます。 〇会長 ありがとうございました。 これで議題は終わりました。 何かご発言、重ねてということがあればお受けいたしますが、なければこれで議題終了ということで、よろしゅうございましょうか。 それでは、第2期第5回、令和2年度第2回の障害者差別解消支援地域協議会、終了でございます。 ――了――