第３期第５回練馬区障害者差別解消支援地域協議会議事録

１　日時　　　令和４年11月10日（木）午前11時から正午
２　場所　　　区役所　地下多目的会議室
３　出席委員　森山委員、松澤委員、的野委員、市川委員、山岸委員
矢野委員、千葉委員、石野委員、中野委員、田中聡委員
安藤委員、野田委員、齋藤委員、髙橋委員、吉岡委員
今井委員、遠藤委員、佐藤委員、杉山委員
（以上19名）
※欠席委員　笹委員、亀田委員、田中康子委員
４　傍聴者　３人
５　議題
(1)　区における障害を理由とする差別に関する相談について
(2)　障害者とのコミュニケーションガイドブックについて

〇会長
では、第３期第５回、令和４年では第２回になりますが、練馬区障害者差別解消支援協議会を開催いたします。
障害者差別の問題は、いろんな意味で意識が高まってきていて、そういう意味では、目に見えるようになりつつある、一方でまだ潜在している。
これは虐待の問題と結構裏腹でございますので、継続的に取り組んでいけるのかと、改めて感じております。
それでは、次第２の（1）区における障害を理由とする差別に関する相談について、資料1によって事務局より説明をお願いします。

〇事務局
（資料１の説明）

〇会長
ありがとうございます。
いろいろ考えさせられる、相談件数だったかと思います。
事前対応ができるようになり始めている感じは分かりますが、不当な差別的取扱いの件数が７件というのは、それぞれ考えなければいけない。
居住支援協議会はありましたけれども、居住支援法人は、どのぐらい練馬区内ではありますか。
そういうサポートするところが、不動産屋さんの考え方を少し啓蒙する必要があり、精神障害の方に限らず、障害者の入居の話については今、それぞれ課題になっていると思いますが、いかがでしょうか。

〇福祉部長
居住支援法人につきましては、練馬区では２法人ございます。
練馬区の居住支援協議会については、住宅セーフティネット法によりまして、寄り添い型支援、伴走型支援というのを開始させていただいています。
こういった中で、なかなかご本人では契約が進まない、その後のフォローが大事だというような方については、寄り添い型支援の配慮という形になっております。
住宅課がこちらの事業、高齢者支援課も住まいの確保というところについては、一緒にさせていただいています。
会長がおっしゃっていただいたように、なかなかそのことをご存知ない、情報がきちっと伝わっていないのではないかということもございますので、窓口を置かせていただきながら、ご相談には丁寧に対応していきたいと思っております。
まだまだ貸すオーナーさんの方、アパートを管理している方、管理会社の方々に障害そのものの理解というのが、進んでいないというところもございます。
引き続き、不動産業界にも、差別のこと、障害の特性というところについてもご理解を深めていただけるような取り組みを進めていきたいと思っております。

〇委員
精神障害者の賃貸物件で、病名を言ったら断られたという事例が挙がっておりましたが、私ども家族会では、情報のリストは一応頭に入っている。
断った業者、受け入れる業者があります。受け入れたほうが社会的に得であるということを分かってもらったほうがいい。
これは、交通機関の障害者差別にもつながるのですが、障害者を乗せないとか、あるいは手帳を持っている人しか優遇しないとかっていう話もございますが、むしろ乗せたほうが鉄道会社ないしは交通機関は増収につながっている話があります。
ですから、これは一概に言えませんが、両方でネガティブリスト、ポジティブリストがあるので、必ずしも業者側が有利ということではない。
障害者側にもそれ相応の手段を講じていっているつもりでございます。

〇委員
教えていただきたいんですけれども。
資料1-2の（5）の事例についてです。
お書きいただいた内容からすると、この駐輪場の職員さんは、外見では障害者であることが判断できなかったので障害者用スペースに自転車を止めないようにしてくださいということを言ってらっしゃいます。
外見では障害者として判断できなかったので、こういうふうに止めないようにということをおっしゃること自体はやむを得ないところがあったのだと思います。
なので、実際にこの障害者の方と、その駐輪場の職員さんとの間に、具体的にどういったやりとりがあったのかということを教えていただきたい。それが1点です。
もう1つは、区のほうで適切な指導をしたということなのですが、どのような具体的なやりとりの中で不備があると判断されたので、そのような指導をなされたのか、この２点、ご教示ください。


〇事務局
この事例につきましては、駐車スペースに自転車を止めようとしたところ、この方、歩行ができる方だったため、担当の駐輪場職員が、歩行が可能な方については、このスペースを利用しないでくださいといったようなご案内がございました。
そのため、その駐輪場を利用しようとした方から、歩行が可能であっても障害があるというようなやりとりがございまして、その場で駐輪場の職員と、そういったやりとりがございました。
結果として、その日、その方が駐輪場スペースに自転車を止めて利用することができました。
ただ、その中で、歩行が可能な方については、自転車を障害者スペースに止めないでくださいといったご案内については、不適切なご案内であった部分もありますので、そのことを担当の課のほうにこちらから申し伝えまして、この駐輪場職員、その他の駐輪場の職員に対しても障害者スペースの利用について、再度、合理的配慮の提供を促すような取り組みを進めるため、指導をいたしました。

〇会長
ありがとうございました。
これは、最近ちょっと話題になっている、ヘルプマークの話とも関係がある。
ヘルプマークをすることがいいかどうかっていう話は、いろいろご意見がある話ですが、障害といえば精神の方、内部障害の方、いろいろな意味で障害の概念がものすごく狭かった時代に、障害とはこういうものだと思っておられる方と、障害って本当に多様なんだなと思っておられる方がいる。
ヘルプマークは、おなかの中に赤ちゃんがいるお母さんも対象であるということも含めて、啓蒙の問題として、一つのいいケースです。
たまたま区立の駐輪場だったということもあって、民営の場合にどうなっているのとか、いろんなことがこの機会に皆さんと協議できることがとても大事だと思った次第です。
ご質問ありがとうございました。

〇委員
先ほどの事例なのですが、この障害者の方は東京都のヘルプマークはその時、つけていたのですか。付けていなかったのですか。どっちですか。

〇事務局
その方は、ヘルプマークは付けていませんでした。

〇委員
東京都としてこういうマークを付けることで、外見上は障害者としてなかなか分からないけど、実際は障害をお持ちの方のために作られたマークとして一つの有用なアイディアになっていると思います。
ヘルプマークの趣旨を説明して、外見から分からないような障害者の方にも、障害者としての権利が周りの方が理解できるような場面を一つの意見として、周知徹底させる必要があったのではないかというのが私の今の感想です。
以上です。状況はよく分かりました。ありがとうございました。

〇障害者施策推進課長
ご意見、ありがとうございます。まさにヘルプマークを付けることで分かるということもありますので、当事者の方々にも普及、周知ということも併せて進めてまいりたいと考えています。ありがとうございます。

〇会長
他にご発言がなければ、次の、もう一つテーマがございます。
障害者とのコミュニケーションガイドブックについて、よろしくお願いいたします。

〇事務局
（資料２の説明）
 
〇会長
ありがとうございます。そうすると、11月中は内容調整の時期なので、内容についていろいろご意見をいただきたいのですが、その前に、体裁はどんな感じになりますか。
冊子になるのか。冊子になると、どこかにしまわれてしまう可能性があるので、大事なところだけカードみたいなものにして、その上で、別にサンプルがあるようなものが良いと思う。

〇事務局
体裁は、全12ページで構成を考えておりまして、冊子形式になります。

〇障害者施策推進課長
併せて、ホームページとかにも掲載させていただき、会長からいただいた、埋もれないようにという形にさせていただきます。
できましたら、皆さんに周知しますが、1回だけではなくて、いろいろなところに配布するなど、そのときそのときにさまざま活用してもらいたいと思っております。

〇委員
２つ意見と要望がございます。1つ目は、区内の事業者は５社参加しておりますね。
西武鉄道以下、セブン-イレブンとタリーズコーヒーが入っておりますが、他の業者には声を掛ける検討はしていますか。
もう一つ、大泉スワロー体育クラブとある。これは非常に有力な助っ人になると思うのですが、ボッチャという障害者向けのスポーツがあります。
ボッチャは面白い。正式なコートが必要ではなく、どこでも、ちょっとしたスペースがあればできるのです。
ですから、大泉スワロー体育クラブでボッチャの指導をやっていただけないかというのをご提案いただけますか。

〇障害者施策推進課長
まず、今、２点お話がございました。まず、セブン-イレブンとタリーズコーヒーでよいのか、他にもお声掛けしたほうがよいのではないかというお話、ごもっともかと思います。
今回、この２社にお声掛けさせていただいたのは、条例の検討過程の中で、障害をお持ちの方々が多く利用するところで、特に困る場面が多いというところが、コンビニであるとか、カフェで注文するときに、サイズとかを言われても分からないといったお話をいただいたということも踏まえ、２社にお声掛けをさせていただいた次第です。
いろいろな方に入っていただきたいということは、我々も思っていたのですが、多くの方に入っていただいても、十分にお話を伺えないところがあったので、今回は２社にお話を伺ったというところです。
コンビニとは見守りの協定とかも進んでいるというところがございますので、そういった点もございます。
２点目、大泉スワロー体育クラブのボッチャというお話がございました。今、区のほうでボッチャを進めているところもあり、何かできるかどうかというところは、このスワロー体育クラブ、他のところも含めて、所管にも伝えて考えていきたいと思います。ありがとうございます。

〇委員
このハンドブックの話は、別のところでも聞いたような気がするのですが、ハンドブックの内容は、障害者を支援ということについての知識としては素晴らしいものがあるのだろうなと思っています。
今、国にしろ、自治体にしろ、共生社会づくりとか、地域福祉社会づくりとか、そういうテーマを持ち上げているはずです。
できればどこかの一角に、こういう知識を得るということの中で、どういうことが目的となって、根差すことになっているのかというところをはっきりと書いていただくと良いのではと思っているのですが、もう間に合わないですかね。

〇障害者施策推進課長
ただ今、委員からいただきました、地域共生社会というのは、このガイドブックをつくるきっかけとなった条例で、まさに目指しているところです。
そういったエッセンスというのは、こちらのガイドブックでも含めながら検討しているところでございます。いただいたご意見を参考に仕上げていきたいと考えています。ありがとうございます。

〇委員
できるだけ区民にも分かりやすく伝えていければと日頃思っているので、その辺をよろしくお願いします。

〇委員
先ほど、ボッチャの話があったのですが、本校の学校の生徒の多くがボッチャを楽しんでおります。
少し宣伝になってしまうのですが、生徒に分かりやすいボッチャを楽しんでもらいたいということで、オリンピック競技ではありますけれども、学校独自のルールを作り、楽しんでいます。
実際のところは正式なものはあるにしても、それぞれに合わせたルールで楽しんでいるというのが実際かなと思っております。

〇委員
昨日、スーパーでレジに並んでおりました。前に車いすの人がいらっしゃいました。
通路は1つなのですが、レジは右と左に２つございます。その方が左側のレジを使い、私は通れない。前のレジが空いても通れなかった。
車いすの人を待って、車いすの人が会計をお済ませになるところを待って行った。
そうすると、今度はレジの人も出てきて、購入したものを車いすの後ろに詰めてくださった。
その間、ずっとみんなが待っていたのですね。
私も、「ここに並んでいらっしゃるのですか」と言ったら、「うん」という感じだったので、私も並んでいました。
こういうコミュニケーションは、お互いがありがとうのまちというか、福祉団体の私として言うことってどうなのかなと疑問には思うのですが、やっぱり双方に感謝だったり、支援ありがとう、またはこういうことで気付き、健常の人も気付いてするという、そういうコミュニケーション、心のコミュニケーションがあると思います。
だから、既得権のようにやってもらって当然だのような雰囲気でいると、こういうことが進まない。
理解されないのではないか、区民の人に理解されないのではないかという思いがあります。
障害当事者の人も、心遣いありがとうとか、簡単にありがとうと言うだけでも良いのです。
そうすると、お互いがすごく気持ち良く、ああ、良かったねっていう状態になると思うので。そういうニュアンスを、難しいですけど、こちら側も持っているのだというようなところを少し出していただくと、双方に理解し合えるのではないかなと思いました。
抽象的でございますが、よろしくお願いします。

〇障害者施策推進課長
資料の３番のガイドブックの内容のところの、うれしかったエピソードというところで書きましたけれども、こういったところでも、そういった双方の理解というところはあると思います。
今、委員からお話しいただいたお話は、本当に当事者の方々がそれぞれご意見がある部分はあるかと思うのですが、やはりお互いの対話というところで意思疎通があるところだと思います。
このガイドブックの中でどのように表現できるか考えてみなくてはいけないところだと思いますけれども、そういった点も大事にしながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。ありがとうございます。

〇会長
ありがとうございます。コミュニケーションとは何かという話にも関わりますが、このガイドブックのユーザー、使っていただく方をどういうふうに想定するのか。
一つは、具体的接客、まずは接客の可能性がある人に、振る舞い方、気遣いの仕方から始まって、そういう商売をやっている。
商売が円滑にいくというのは、マネジメント、管理する方々に、配慮する環境をつくるためにはどうしたらいいかという中にある。
もう一つは、今の話と関係しますが、一緒に並ぶ人にとって、そんなに急がなくてもいいじゃないというような、これは、この目的というよりは、もう少し広い範囲の啓蒙の話もある。
最近は、優先席で若者がスマホをいじっていることが普通になっていると、ある有名な人が嘆いていました。
それから、もう一つは、ベビーカーを押していたバレーボールの選手が、バスに断られた話が最近話題になっています。
あれは東京都の対応もあったが、そういうレベルで、日々の話と、公共交通での買い物であったり、事業者の考え方であったり、店の話と現場であるタリーズやセブン-イレブンの話、そういう話がすごくあるので、今回はどういう層を想定して、このガイドブックを活用していただけるのかということが重要です。
この間も役所から書類が来て、僕でさえ解読できなかった。公共衛生をやっている人間でも、何が何だか分からなかった。
ワクチンなんかもそうでしたね。そういうことを含めて、分かりやすい表現。
分かりやすい表現にすると、今度は曖昧になるということで、編集作業は苦慮されるかと思いますが、修正が利く時点で、ワークショップ等にお出ましいただいた当事者の皆さんや、いろいろな方々に意見を聞いていただくのも良いと思う。
白紙のときの意見と、具体的に初校みたいなものができたときの意見は、またステップがあると思います。
そこら辺を含めて、作業をお願いするという、そういうまとめでよいでしょうか。
それでは、コミュニケーションガイドブックについて、終わらせていただきます。

それでは、第３期第５回障害者差別解消支援地域協議会をこれで終了いたします。

――了――