第２期第２回練馬区障害者差別解消支援地域協議会議事録

１　日時　　　令和元年11月27日（水）午前11時から正午
２　場所　　　区役所　地下多目的会議室
３　出席委員　松澤委員、的野委員、市川委員、田中康子委員、北川委員、松本委員、安部井委員、上原委員、千葉委員
　　　　　　　石野委員、中野委員、榎本委員、寺尾委員、蔵方委員、新居委員、齋藤委員、髙橋委員、田中幸彦委員、中田委員
　　　　　　　下郡山委員、柴宮委員、稲永委員、北原委員、清水委員（以上24名）
              ※欠席委員　森山委員
４　傍聴者　　３名
５　議題　
　 (1)  区における障害を理由とする差別に関する相談事例の報告
   (2)  区における障害を理由とする差別の解消の推進に関する取組について
   
〇会長
　定刻になりましたので、第２期第２回練馬区障害者差別解消支援協議会を開催いたします。まず、区における障害を理由とする差別に関する相談事例の報告について、事務局から説明をよろしくお願いをいたします。

〇事務局
　資料１の説明

〇会長
　ご質問などございましょうか。
　教えていただきたいことがあります。セミナー、講演会、観劇など記載がありますが、これは区が関係しているものと、いわゆる民間のものと、色々あろうと思います。区だと早く対応ができていて、民間だとどうだという比較も必要かと思います。次回からお示しいただければと思います。

〇事務局
　失礼いたしました。今回の事例につきましては、基本的には各区立施設での事例でございます。例えば観劇の事例ですと、こちらは青少年館での事例です。体育館との記載は、区立体育館、講演会は区が主催する講演会での配慮です。
　
〇会長
　ありがとうございました。それなりのコストがかかる場合は、区は予算措置があるが、民間では難しいなど、そういうことが現実としてあり得ます。そのことが気になりました。
　何かございますか。

〇委員
　盲導犬を連れてくる人というのは、車椅子同様、一定のところに決められて座らされるという状況があると思います。区としての考えは、どうなっているのですか。

〇会長
　区の考え方、指導方針みたいなものが何かありますか。

〇事務局
　盲導犬に限らずですが、個別の配慮という中で、どういった席がよいのかということをご相談させていただきながら対応することになると思います。例えば、出入り口に近いところがいいという方もいらっしゃるでしょうし、また、聴覚障害の方ですと手話通訳が見やすい席がよいというような方もいます。必要な配慮を個別に対応させていただければと考えています。

〇会長
　まさに、これは合理的配慮かと思います。

〇委員
　合理的配慮の提供に関する相談事例で、区立施設の和室を車椅子で利用したいという事例において、和室に毛布を敷き、車椅子のまま入れるように配慮したというのがあります。私、光が丘の福祉集会室の運営委員会委員をやっていますが、和室があります。和室にも車椅子が入ってくるということを想定した改装をしたほうがいいのか、あるいは毛布の方式でいいのか、ご見解を伺いたいです。
　
〇委員
　車椅子使用の団体として、お話したいと思います。この方法はよくやります。ただ、毛布ということはありません。ブルーシートか何かを自分で持参して敷くということを、許可を取ってやります。すべてではなくても、和室はできればなくしたほうがいいと思っています。和室には段差がありますから、それだけでも車椅子はすごく大変です。工夫次第で、和室も利用できるのですが、うちの会は、和室をなるべく使用しないように考えています。

〇障害者施策推進課長
　今回の事例につきましては、和室でのお茶会のイベントにご参加されたいという、車椅子を使用している方からお申し出があったものです。毛布というのが本当に正しいのかどうか分かりませんが、主催者側ができることを考えて、毛布を敷いてご参加をいただいた。ご参加できるような形での配慮を行ったという例です。
　和室でなければいけないイベントもあるかと思います。われわれ、イベントを行う際には、作成したイベントマニュアルをご案内しまして、より多くの方が利用できるようなイベントを考えていただけるよう主催者側にお伝えをし、区が主催する場合も、そういった観点から考えるということです。
　改修の件ですが、改修はお金がかかって、負担がかかる。和室でないとできないという催しもあるというところを考えますと、すべて和室をなくすという話には、ならないかと思います。利用の状況なども踏まえながら、運営委員会等でご議論をいただければと思います。

〇委員
　この会議でもUDトークを利用して、文字を映し出しています。あれも合理的配慮だと思います。しかし、よく見たら誤字が多い。UDトークだけでは合理的配慮にならないから、検討していただきたいと思っています。

〇会長
　UDトークは、よくここまでできたと思っています。日進月歩で、今、技術が上がっています。私、字幕放送のガイドラインを作った総務省のプロジェクトの委員で、座長をここ何年かやっていています。文字を映し出すということを導入できるようになっただけでも意味があると思います。
　正確に認識するようになるには、まだ時間がかかるので、手話通訳のお２人にお越しいただいていますが、そういう形で対応していただいているということです。UDトークだけに頼って運営ができるわけではないことをご理解いただきたいと思います。
　
〇障害者施策推進課長
　UDトークについて、誤字があったり、うまく音を認識されていないということで、これだけだと誤解につながるのではないかということもあろうと思います。日進月歩の技術ということで、使うことによって学習していって、精度が上がっていくと聞いておりますので、使わせていただいて、精度が上がっていけばと思います。加えて、手話通訳の方にお願いをしたり、あるいは要約筆記の方をお願いしたりということで、合理的配慮をさせていただきたいと思っています。

〇委員
　UDトークに関しては、誤変換をしているので、何とかならないですかというふうにお話をしたこともあります。文章の構成以前に、マイクの聞き取りの精度の問題のほうが大きいと思っていますが、進歩していってほしいと思っています。
　話を戻らせてもらいますが、和室の件、私も光が丘の福祉集会所の運営委員をやっています。６階に和室がありますが、和室を車椅子で利用したいという声がありまして、それを運営委員会で検討しました。和室、畳を傷つけないような形はできないかということで、厚いブルーシートを用意して、それを重ねて使えば大丈夫だということを検証しました。光が丘では和室に倉庫もありますので、そこに用意しておいて、それをご利用くださいという形をとっています。移動はブルーシートの上ならばOKとは言っても、動き回って競争するようなこと、そういう利用の仕方はご遠慮くださいとお願いしています。情報としてお伝えします。
　それから、私どもの会は車椅子利用者も多く、その人たちは和室を必要としています。活動は車椅子から降りて活動は床で、というのが基本です。ずっと車椅子に乗っていると限られたことしかできないですし、何よりも体の負担になります。車椅子から降りてゆっくりすることが健康上も必要です。このように和室を必要としている車椅子利用者もいることをお伝えしておきます。

〇会長
　ありがとうございました。

〇障害者施策推進課長
　利用の仕方と関わってくると思います。アクティビティをするというよりは休憩として使いたいというニーズもあったり、あるいはお茶会で使ったりという、さまざまなニーズがあります。そういったニーズの中で、より多くの方がご利用できるような対応をしていきたいと思っております。
　大規模改修等に関しては、バリアフリー化して皆さんが使いやすいようにするのが基本だと思います。今後、さらにさまざまなご意見をいただいて整備していきたい、このように考えています。

〇会長
　ありがとうございます。こういう場で議論をしながら、いい知恵を出し合えたらいいと思います。課長がおっしゃったように、伝統的な芸能の場合、和室は必須でございますので、それを単純に洋室化するわけにもいかない部分はあるかもしれない。合理的配慮というのは、方法などを考え直そうという趣旨、そこから始まっています。どう折り合いをつけていくかという話と思いますので、こういう事例をまた繰り返し積み上げながら議論をしていただけたらと思います。
　それでは、その次の議題でございます。区における障害を理由とする差別の解消の推進に関する取組について、事務局より説明をよろしくお願いいたします。

〇事務局
　資料２の説明
　
〇会長
　ありがとうございました。ご提案も含めまして、委員の皆さまから発言をお願いしたいと思います。
　まず私からお願いですが、これは次回で結構ですが、実績をお示しいただきたい。例えば、小学校での取組、何人ぐらいの生徒たちがこの話を聞いたのか。ワークショップも、どのぐらいの人たちが参加していただいたのか。おおむねの数で構いませんので、実績を教えてください。

〇障害者施策推進課長
　数値につきましては、可能な範囲で対応させていただきたいと思います。

〇会長
　どうぞ、委員の皆さん、何かアイデアをぜひ。

〇委員
　管理課で、好事例を集めるようなアンケートを障害者団体のほうに頂戴いたしまして、答えました。その結果について、冊子やリーフレットとかを作るというお話があったのですが、その進捗状況はどうなっているのでしょうか。
　
〇障害者施策推進課長
　申し訳ありません。管理課のから詳しい情報はいただいていないですが、今、成果物作成に取り組んでいます。何らかの形で、それをご紹介させていただければと思っております。
　
〇会長
　ありがとうございます。高齢者のほうで語られることがある、金融ジェロントロジーという言葉があります。認知症の方々にとってATMというのは、ものすごくバリアーですし、暗証番号を忘れてしまうというのは認知症の初期症状でよくある。障害をお持ちの方々にとっても当然、ATMでお金を下ろすというのは、日常生活でとても大事な活動です。そういうことも含めた取組というのが話題になっています。
　障害の分野でも、事業者のご理解を高める活動を積極的にやっていただきたい。商工会議所の練馬支部からもお越しいただいていますが、商工会議所の事業者の皆さんのご理解をいただきながら、啓蒙活動は引き続き続けていただく必要があると思っています。単なる啓蒙でなく、取り組めば取り組むほど、店舗や金融機関、色々なところでの契約行為などが円滑に進むような、そういう環境をつくっていくという工夫をしていただきたいです。
　それから、一方で当事者の皆さんにも、ぜひ啓蒙をしていただきたい。特別支援学級でも、知的障害の方たちが、銀行をどう使うのかなど教えていくことがあると思う。自力でできるような環境を、どう整備したらいいかというのを考えていく必要がある。これは区の努力だけでは難しいし、練馬区内の事業者の努力だけでは進まないと思う。
　クリニックの事例でも、障害のある方がクリニックで受診する場合に、差別解消法の話まで出てくる前に、どうしたらいいか。ドクターの障害のある方への接し方がとても大事なので、工夫をする必要があると伺いながら思いました。ぜひご検討をいただくとありがたいと思います。
　例えば、精神障害の方が一般の内科や外科を受診する機会、もちろん増えているわけです。当たり前です。ところが、必ずしも専門のドクターがご理解があるとは限らない。こ開業のドクターや専門職への啓発も、これから積み重ねていただいたらいいと思います。

〇委員
　クリニックの話が出ました。色々な問題はあると思います。精神疾患があるだけで、ペースメーカーはやらないというのは、20年ほど前は、当たり前のようにあったんです。今は、そういうことはもちろんないです。ただ、精神の問題もそうですし、あと肢体不自由の問題で、スペースの問題があります。車椅子が入れないとか、ベッドに移乗できないとか。あとは、発達の問題について対応が難しいというようなことなどがあります。
　学校での理解啓発のことですが、この子どもの障害理解に二つ意義があると思います。子どもの障害を理解するのと、子どもが障害を理解する、二つあると思うんです。今回、子どもが障害を理解するという取り組みだと思います。子どもの障害を理解するというところは、まだ医療機関は不十分ではあると思っています。これについては、これからもっと努力していかなければいけないと思っております
　先ほどの銀行の問題ですが、恐らく、キャッシュレス化ということになっていくと思います。そのことによって、現金そのものは少なくなると思います。ただ、その場合にやっぱり暗証番号の管理が問題になるので、キャッシュレスになると障害のある方もお金の使い方は楽になると思いますが、そのセキュリティーをどう考えていくかということと思います。

〇障害者施策推進課長
　会長がおっしゃられたように認知症の方や、さまざまな範囲に広がるところだと思いますが、権利擁護という視点が必要と思います。例えば、社会福祉協議会が運営している権利擁護センターの地域福祉権利擁護事業というのがございます。こういったものも活用して、もっと活性化をして、さまざまなサポートに取り組んでいかなければいけないということで、今、区としては考えています。合理的配慮でやれる部分と、権利を守っていかなければいけないというところ、両面だと思います。

〇会長
　ありがとうございました。他に何かございますか。

〇委員
　うちの会の取組ですが、音楽を通して共生社会へ向かっていこうということで、今年度、幼稚園児と小学校１年生ぐらいのお子さんたちを対象に、一緒に楽器演奏をしています。幼稚園児は初め、やっぱりお母さんにしがみつくんです。それで、次は車椅子の近くに行く、そして、次は車椅子に乗る練習してみようかって言ったら、すごく喜ぶ。そのお子さんたちが、これから障害のある方と交流をしたときに、ああ、あのときもこうやったなという、それが残っていってくれたらいいなという、それぐらいのことですけど。うちの会としては期待している事業の一つです。

〇会長
　ありがとうございました。何かご発言がございましょうか。相談事例で必要なものについては、練馬区民と共有していただくような工夫は必要かもしれません。差別解消の取組が区内で広がっているということ、大変心強いことですが、これが一層区民の皆さんや事業者の皆さんに共有されるような努力を継続してお願いしたいと思います。
　それでは、第２回障害者差別解消支援地域協議会を終了させていただきます。

― 了 ―