第６期第２回練馬区障害者地域自立支援協議会議事録

１　日時　　　令和３年11月10日（水）午前９時30分から11時
２　場所　　　Coconeri（ココネリ）３階　練馬区立区民・産業プラザ研修室２
３　出席委員　森山委員、松澤委員、市川委員、田中委員、山岸委員、中野委員、今井委員、伊東委員、大谷委員、亀田委員、矢野委員、蔵方委員、菊池委員、益子委員、藤巻委員、髙橋委員（以上16名）
※欠席委員　的野委員、笹委員、石野委員、齋藤委員
４　傍聴者　４人
５　議題
(1)	練馬区障害者計画（一部改定）・第五期障害福祉計画・第一期障害児福祉計画の取組状況について
(2)	専門部会からの報告
(3)	（仮称）練馬区障害者の意思疎通に関する条例について

〇会長
第６期第２回練馬区障害者地域自立支援協議会を開催いたします。
コロナは収束していくのか、新しい株が入ってきてまた爆発するのかは、まだ予断を許さないと専門家は言っており、まだまだ安心できない状況が続いています。
その中で、とりわけ若い方たちの自殺の問題はとても深刻になっています。
在宅、施設問わず、障害のある方の孤立化ということはとても深刻なのではないかと思います。
そんなことも、自立支援協議会でも議論を深められればと思っております。
よろしくお願いいたします。
それでは、議題に入ります。
障害者計画、第五期障害福祉計画・第一期障害児福祉計画の取組状況について、事務局からご説明をお願いします。

〇事務局
資料１の説明

〇会長
ありがとうございます。
非常に多岐にわたる障害者に関わる様々な施策を網羅した計画です。
その進捗についてご報告いただきました。
何かご意見、ご質問等があればお願いします。

〇委員
今のご説明で、施策２にあります２－（５）の短期入所事業ですが、これにつきましては、民間事業所１カ所を増設したと書いてございます。
これは特定の障害者向けということはありますか。
精神障害者に関しましては、区内に１部屋しかないのが現状です。
他の障害者向けは多数あると承知していますが、精神障害者には1カ所の施設しかない。
ここでは精神障害者にとっても1つ増設されたと理解してよろしいでしょうか。
今回のコロナ禍において、いろいろな事例もございまして、行くところがないという親および当事者が出てまいりまして、調べたところ、1カ所しかないということが分かりました。
これをお伺いしたいと思います。

〇障害者施策推進課長
お尋ねいただいた4ページ、短期入所事業のところでございます。
民間事業所の開設1カ所ということで、これの対象者はどうかというご質問だったと思います。
障害者総合支援法に基づくサービスについては、身体障害、知的障害、精神障害のうち、事業によってそれぞれの事業者が、主に対象とする障害種別を運営規定の中で示すことができるということになっています。
それぞれの事業者の得意分野があるため、主な対象者を示すことができます。
今回1カ所増設としてここに記載したゆめの園上宿ホームにつきましては、主な対象者は身体障害者と知的障害者としてございますが、精神障害者の方は使えないということではございません。
ゆめの園上宿ホームでは、精神障害の方から利用についてご相談いただき、サービスを提供できる状況の方については、ご利用されていると伺っております。
短期入所事業を使われる方は、ご自宅で介護する方が病気やご用事で不在になったときに困ってしまう方が多いことから、知的障害あるいは身体障害のある方で、日頃、介護を受けられている方の利用ニーズが大変に多い状況があります。

〇委員
ありがとうございました。
今のご回答ですと、身体障害と知的障害を主に対象としているが、精神についても検討したいということだったと思います。
精神障害を主に受けているところが１カ所しかないという現状をどうお考えになっているかについてもお尋ねします。

〇障害者施策推進課長
ゆめの園上宿ホームにつきましては、主な障害については、身体障害と知的障害ですが、精神障害の方もご相談をいただいてご利用することができるということでございます。
それから、今ご紹介いただいた区内で精神障害を主な対象とする事業所が1カ所というところですが、利用状況からは、現状、精神障害のある方が短期入所の数が非常に少なくて困っているという状況ではないのではないかと考えているところでございます。


〇会長
私が感じているところとしては、潜在的需要があるだろうと思っています。
現場で相談支援にあたっている障害者地域生活支援センター方も、実感されているところかもしれません。
日本弁護士連合会が精神障害施策について報告書を出しました。
そこでも、潜在的需要が相当あるのではないかという認識があります。
これは政策に関わる方々に、ぜひ目を通していただきたいと思います。
また、これから精神科入院の方の移行の問題についても本格的に取り組まれていくと思います。
これらは、私からの情報提供でございました。

〇障害者施策推進課長
今、会長からいただいたように、潜在的なニーズの把握は、今後やっていかなければならないと考えてございます。
現場からいただく声としましては、ご相談をいただいている中で、精神障害のある方が短期入所を使いたいという場合には、ご家庭の環境でお疲れになったなどで、休息を取りたい状況であると聞いてございます。
そういった場合には、ご本人の病状の把握と医療が必要ということになりますので、短期的な入院、休息的な入院をご利用されているという実態があると思っております。

〇会長
ありがとうございました。
精神障害者への支援ということでは、アウトリーチの相談員を増やしていただいているようでございます。
計画をつくることによって、少しずつ前進しているのは確かですので、努力をいただいていることを今日のご報告でよく分かりました。
他にありますか。

〇委員
施策９、保健・医療体制の充実についてです。
訪問支援について、会長からもご発言がありましたが、訪問支援のアウトリーチ事業は、おかげさまで本当によくやっていただいていると思います。
８名に増員していただいておりますが、時々欠員が出ていると聞いています。
欠員が出るという意味は、やはり待遇面で問題があるのではないかと思い、待遇をよくするようにお願いしたいと考えております。
世田谷区は特に取り組まれていると聞いておりまして、そういう意味では他の区との待遇面での差をなくすような方向でご検討いただきたいと思います。
以上です。

〇関保健相談所長
アウトリーチにつきまして評価のお言葉をいただきました。
ありがとうございます。欠員とご指摘がございました。
基本的には８名体制ですが、７名体制になるなど欠員が出るときがございます。
退職の状況を聞いてみますと、ご家庭の事情など様々な事情があると聞いております。
引き続き、他区の状況などを見ながら、働きやすい職場をつくっていきたいと思っております。
以上でございます。

〇会長
ありがとうございます。
障害の領域に限らず、相談員、コーディネーター、ケアマネジャーや保健師さんも、ある意味ではいわゆるソーシャルワーカーであるわけですが、有能な人材をリクルートするのは、どこの自治体でも共通の課題かと思います。
やはり人材は重要ですので、よろしくお願いをいたします。

〇委員
３点ほどお伺いします。
まず、地域生活支援拠点についてです。
先ほど精神障害のある方のお話もございましたが、緊急時の受け入れの実績はあったのでしょうか。
それと、移動支援のことです。
移動支援や居宅支援については、コロナ禍でサービスを断られたりしたことはなかっただろうか。
この変化についてお尋ねします。
最後に、就労定着支援についてです。
就労移行支援を使わない人、つまり学校から卒業して、すぐに就職する人は、定着支援というものではないけれども、学校が３年間様子を見にいき、そこからレインボーワークが引き継ぐことになっていると思います。
現在学校から卒業する人が50％ほど就労しますので、そこの定着支援がかなり大切かと思います。
定着支援をされないままに、本人は職場を変えていたり、また、生活も破綻していたりするようなこともあると思います。
そういう状況になってから相談ということにならないように、学校を卒業してからの定着支援についてもお伺いしたいと思っております。
以上でございます。

〇障害者施策推進課長
１点目の地域生活支援拠点における短期入所については、本年の２月から開設しておりますが、緊急的な対応の実績は数件ございます。
事例としては、親御さんが急に入院をしなければいけなくなった状況になって、急遽短期入所を使ったという事案などであったと聞いているところでございます。
移動支援につきましては、担当の障害者サービス調整担当課長からお答えいたしますので、就労のお話を先にさせていただきたいと思います。
先ほどお話がありましたとおり、特別支援学校高等部から直接就職するという方が増えております。
そうした方が就職をした後のフォローは、特別支援学校で３年間行い、その後、レインボーワークが引き継ぐということになってございます。
その引き継ぐところですが、急に引き継ぐというとご本人の状況も分かりませんし、学校からのサポート内容の把握も必要ですので、レインボーワークと特別支援学校で連携をしております。
具体的には在学中からレインボーワークが特別支援学校に赴いてお話をするとか、そういった形で少しずつ連携を広げているところでございます。

〇障害者サービス調整担当課長
移動支援については、利用件数としては全体的には減少しているところがございました。
ただ、傾向としましては、年度の前半が特に少なかったのですが、その後、徐々に戻ってきたという状況でございます。
私どもとしましては、利用に関して、お断りをされたということはお聞きしていないのですが、いわゆる外出自粛を求められたという状況がございました。
そちらで利用を控えられている方が多く、利用件数が減少したのではないかと考えてございます。
以上でございます。

〇会長
ありがとうございました。
次の議題にいきたいと思います。
専門部会からの報告について、各専門部会から報告書が出ておりますので、ご説明をよろしくお願いいたします。

〇事務局
資料２の説明（権利擁護部会）

〇委員
資料２の説明（地域生活・高齢期支援部会）

〇事務局
資料２の説明（相談支援部会）

〇委員
資料２の説明（地域包括ケアシステム・地域移行部会）

〇会長
様々な課題を支援機関や当事者団体の皆さんが抱えていて、それを集約し、ここで議論される。
それが施策、計画に反映されていくという流れができるとよいと思って伺っていました。

〇委員
地域包括ケアシステム・地域移行部会についてです。
ここでは「精神障害者に対応した」ということで、精神障害についてと書かれています。
障害者が地域で暮らすために必要な医療、障害福祉、介護、住まいと、こうなっています。
精神障害の人だけではなくて、身体、知的、それぞれの人の地域移行、つまり施設から地域へ、または8050問題もあるように、自宅から地域へというように、少しずつ広げていっていただきたいと希望します。
それから、本人、家族、障害福祉、介護、住まい、社会参加、教育など、基盤整備と書いてございますが、家族が抱えるということが少なくなっていくように、例えば相談支援の方から家族に説明したり支援したりして、家族で抱えられる問題でもないというようなことを伝えていっていただきたいと思います。
そして本人、家族、支援者、地域を耕すというところまで見つめていっていただければなと思っております。

〇会長
ありがとうございます。生活支援の現場から感じたことがあればいただけますか。

〇委員
貴重なご意見、ありがとうございます。
地域包括ケアシステム・地域移行部会は幅広い課題を扱う部会だと改めて感じております。
委員がおっしゃったように、ご家族が抱えてしまう前に、早い段階で支援に入り、相談を受けられる人がつながるということが重要だと思っています。
そうした支援は、基幹相談支援センターや相談支援事業所、通所されている事業所など、それぞれでご家族・ご本人の声をどのように受け止めて、支援していくかということと思います。
それには、地域のネットワークの強化も必要かもしれませんし、こういった場で当事者の方やご家族と顔を合わせる機会や話し合える機会も重要だと考えております。
今後、深めていけたらと思います。

〇会長
ありがとうございました。
施策と、当事者、ご家族、ご本人の希望やニーズ、それをどう折り合わせていくかというのは永遠の課題だと思います。
私として気になっているのは、災害時の体制などはどうなっているかということ。
先ほど避難所の話がありましたが、障害のある方々の災害時対応は、避難所の話だけでは済まない感じがいたしております。
行政として何かお考えがあればと思いますが、何かありますか。

〇福祉部管理課長
さきほどご報告させていただきましたが、練馬区では福祉避難所の設置を進めているところです。
また、安否確認体制の構築が当然必要になってきますので、これに向けては、各避難拠点で災害行動要支援者の方の安否確認を行うことになっております。
その報告訓練を毎年、各避難拠点で実施しております。
それから、町会、自治会で防災会の方と連携しまして、実際に地図を使って訪問する訓練も少しずつですがやっているというというところです。
加えて、区と介護サービス、障害福祉サービスの事業者との間で、災害時の連携についての協定を結んでおりまして、それに基づいて行動のガイドラインを令和3年3月に作成しております。
今後それを使って訓練を行うということで取り組みを進めているところです。

〇会長
ありがとうございます。
ぜひ、いろいろご検討いただけたらというテーマでございます。
それでは、次の議題に進みます。
障害者の意思疎通に関する条例についてのご検討をいただいておりますので、ご説明をお願いいたします。

〇障害者施策推進課長
資料３、４、５、６の説明

〇会長
ありがとうございました。
検討部会での検討内容のご報告と条例のイメージ案ということで、具体的なものもご説明いただきました。
感想を申し上げさせていただきます。
意思疎通に関する条例ということですが、内容として意思疎通手段の充実の条例になっていていると感じます。
今後は、その手段だけでなく内容をきちんと分かりやすくするということも必要かと思いました。
行政からの書類は、専門用語で難しいと感じられるかたも多いかと思います。
これは相談支援に当たっている方も実感されていることかと思いますが、制度の説明はすごく苦労なさっているのではないかという気がします。

〇障害者施策推進課長
ありがとうございます。
技術的に手段を充実させるということもありますが、具体的には、関連事業をいくつか位置付けていこうと思っております。
その中で、この文言だと読み解けないかもしれませんが、多様な意思疎通手段があることや、障害特性の理解を広めるというのを載せております。
ここでは、知的障害の方であるとか、あるいは聴覚障害の方であるとか、それぞれの障害特性があって理解をする仕方も様々ございますので、そこを踏まえてコミュニケーションをちゃんと取っていこうという、理解を促進するような何か事業をつくっていきたいなと考えているところでございます。

〇会長
ありがとうございました。
これは条例で表現することは、難しい話であることは承知で申し上げたところがございます。
やはり理解がないと手段のための条例になってしまう。
これは本来の趣旨ではないのではないか。
よいコミュニケーションを図りながら、地域で生活を継続できるための条例かと理解しております。
ぜひ、今後もご理解を積み上げていただけたらいいと思った次第でございます。

〇委員
今回、このような意思疎通に関わる条例について、検討部会を開いてご検討いただいたわけですが、私たちは、以前から手話言語条例を早く実現してほしいという願いがありました。
今回それをくんでご検討をいただいたと私は受け止めています。
それについて感謝したいと思っております。
今回まとめていただいたものを見ると、やはりいろいろな意思疎通の手段があります。
この中において、聴覚障害者にとっては、手話言語が主体となっている。
他の障害者もそれぞれ、意思疎通が難しい状況があると思いますが、聴覚障害者にとっては、手話が主な言語であるという思いがあります。
それを理解していただいた条例案みたいなものを考えていただいたように思っております。
ここにある手話言語の普及とか、理解促進ですが、社会の中で手話が広がって、一刻も早く皆さんが手話を自由にできる環境づくり、これは非常に大切だと思っています。
そのために、私たち聴覚障害者としても手話言語を広める努力はやらなきゃいけないと私は思っています。
手話講習会もございますが、これをさらに広めていく、これは一つの手段だと思っております。
今回まとめていただくことに当たり、私たちもさらに広めていかなきゃいけないなと私はそのように感想を持ちました。
よろしくお願いします。

〇会長
ありがとうございました。
いかがでございましょうか。
それでは、もしよろしければ、この「（仮称）練馬区障害者の意思疎通に関する条例に対する意見（案）」に（案）と付いているものを、ここの協議会の場で（案）を取って、意見とさせていただきたいと思います。
よろしゅうございましょうか。
これからもまだ条例化に当たって、いろいろ意思表明をする機会もあろうかと思いますので、引き続きこの検討をお願いします。
区民の役割とありますが、区民にも責任があります。
やはり障害のある方は、多様な意思疎通手段を必要としているということ。
そういう意味では、役割だけではなくて、責務というニュアンスもあるかと思います。
それから、障害のある方自身が積極的にコミュニケーションを取りながら地域に生きていくという、そういうこともとても大事なことで、これは条例に書くべきことではないと思います。
事務局から今後の条例制定の手続きを教えてください。

〇障害者施策推進課長
失礼いたしました。
今後のスケジュールですが、２月に素案の公表とパブリックコメントを実施する予定でございます。
そして３月の障害者地域自立支援協議会でも報告をさせていただく予定にしてございます。

〇会長
それでは、よろしくお願いします。
皆さんにとって、この条例は大事な条例でございますので、パブコメ等でぜひご意見をいただけたらと思います。
引き続きよろしくお願いをいたします。
それでは、何か前の議題にもさかのぼって結構ですが、ご意見、ご発言はございますか。
なければこれで、第６期第２回の練馬区障害者地域自立支援協議会を終わります。
ありがとうございました。

――了――