資料2 令和5年11月9日 練馬区長 前川 燿男 様 練馬区障害者地域自立支援協議会会長 橋 紘士 練馬区障害者計画(一部改定)・第七期障害福祉計画・第三期障害児福祉計画に対する意見(案) 令和5年5月、国より「障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針の一部改正について(通知)」が示されました。 基本指針の基本的理念にある「障害者等の自己決定の尊重と意思決定の支援」「入所等から地域生活への移行、地域生活の継続支援、就労支援などの課題に対応したサービス提供体制の整備」「地域共生社会の実現に向けた取組」「障害児の健やかな育成のための発達支援」「障害福祉人材の確保・定着」「障害者の社会参加を支える取組」等を実現し、障害者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、基本指針の趣旨や障害者の意見を反映した計画を策定する必要があります。 第6期練馬区障害者地域自立支援協議会では、重点的に検討すべき課題に基づき、4つの専門部会を設置しています。 各専門部会において、練馬区障害者計画(一部改定)・第七期障害福祉計画・第三期障害児福祉計画に関する意見聴取を行い、全体会において議論を深めてまいりました。 障害者総合支援法第88 条および児童福祉法第33 条の20(※)に基づき、全体会および専門部会での意見を踏まえ、練馬区障害者地域自立支援協議会として、練馬区障害者計画(一部改定)・第七期障害福祉計画・第三期障害児福祉計画策定に対する意見として提出いたします。 ※ 障害者総合支援法第88 条第9項市町村は、第89 条の3第1項に規定する協議会を設置したときは、市町村障害福祉計画を定め、又は変更しようとする場合において、あらかじめ、協議会の意見を聴くよう努めなければならない。 ※ 児童福祉法第33 条の20 第9項市町村は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第89条の3第1項に規定する協議会を設置したときは、市町村障害児福祉計画を定め、又は変更しようとする場合において、あらかじめ、当該協議会の意見を聴くよう努めなければならない。 【練馬区障害者地域自立支援協議会意見書の構成について】 ・提言は、各専門部会の意見を集約し、自立支援協議会の総意として計画に反映すべき事項をまとめたものです。 ・提言に続く、○で示した意見は各専門部会で挙がった意見を列記したものです。 同様な意見については一つにまとめています。 提言1 障害福祉サービス基盤の整備 障害者の重度化・高齢化および家族の高齢化が進んでおり、「親亡き後」を見据え、地域で安心して暮らし続けられるサービス基盤の整備が求められている。 医療的ケアが必要な障害者(児)は、訪問診療や訪問看護を受けながら地域で暮らす方も増えている。 地域における居住の場としてのグループホームの充実を図るとともに入所施設等から地域生活への移行を進め、障害者が希望するひとり暮らし等を実現するため、希望する障害者へのひとり暮らし等に向けた支援等の充実を図る必要がある。 介護保険事業者や医療関係者等、幅広く関係機関との連携を強化し、地域生活を支えるための支援体制の充実を図られたい。 〇障害者の重度化・高齢化、「親なき後」をふまえ、親・子の自立に向けたサポート体制が課題。 親・子ともに余力のある年齢のうちに将来をイメージし自立を促す取組み、ピアカウンセリングのような取組を実施してはどうか。 〇子どもから高齢者まで、誰もが生活は連続しており切れ目のない支援が必要とされる。 〇家族支援が必要なケースが多く、対応(受入れ)が難しくなっている。 〇親の高齢化により、家族でひきこもってしまうケースもある。 〇サービス等利用計画を作成する際にはクライシスプランも作成してほしい。 〇何事もないうちから「アウトリーチ」として支援が必要のある人を見守れると良い。 〇地域生活支援拠点の会議に精神障害の関係者や医療機関も入ったほうが良い。 提言2 相談支援体制の充実 相談支援事業所等は、障害者等およびその家族が抱える複合的な課題を把握し、家族への支援も含め、適切な保健、医療、福祉サービスにつなげる等の対応が必要である。 基幹相談支援センターにおいては、地域における相談支援体制の充実・強化を図るとともに主任相談支援専門員を計画的に確保し、その機能を有効に活用することが重要である。 区では、基幹相談支援センターを中心に相談援助技術の向上を図るとともに、高齢化や複合的な課題に対応するため、分野を超えた相談支援機関の連携構築を推進されたい。 ○ニーズに対して不足している民間相談支援事業所を拡充し、基幹相談支援センターが民間相談支援事業所の支援力向上を図るなど、本来の機能を発揮できるよう相談支援体制の強化が必要である。 ○相談支援事業所の運営に対する助成金を含めた支援が必要である。 ○サービス提供事業所と相談支援事業所の顔の見える関係が希薄である。 研修や分科会への参加を促し、計画相談の役割の理解や関係機関の連携が必要である。 ○多様な障害特性や高齢化、複合的な課題に対応するため、相談支援体制の強化を求める。 ○親を中心とした扇型の支援から、障害者本人を中心とした輪型の支援に移行する必要がある。 家族介護から他人介護に慣れていく取組が必要である。 ○本人の意思を確認し、丁寧な計画を立てていただきたい。 ○高齢化の課題では、介護保険に係る地域包括支援センターやケアマネジャー等との相互理解、サービス等利用計画の調整など、密な連携が今後の課題である。 ○保健相談所に配置した地域精神保健相談員の更なる増員が必要である。 ○基幹相談支援センターで活躍されているピアサポーターが、より一層活躍できる取組を望む。 提言3 障害者の就労促進 今後ますます進む高齢化を見据え、就労に関する多様なニーズに対応するため適切なサービスや事業につなぐことができる体制の構築を進めることが望ましい。 一般就労や福祉的就労において、希望する働き方は多様化しており、個々の障害特性や健康状態に応じた働く環境を求める声は多い。 また、福祉的就労においては、引き続き工賃向上に努め、働く喜びを実感する取組が必要である。 一方、高齢化する通所者の希望に応える取組や練馬ならではの地域性を活かした働き方を実現されたい。 〇就労定着支援について、雇用している事業者も様々頑張っているが実際なかなか定着しないことが課題と感じている。 就労支援をしている部門のノウハウを共有する必要がある。 〇障害者が就労を継続していく中で、障害ゆえに職場では次々に問題が発生し、当事者はその対応を求められる。 仕事以外の様々な問題につぶされないように、本人を孤立させずに解決する支援の充実を望む。 〇通所施設は高齢化で事業所の危機がある。B型はどこも定員を切っている状況。 〇就労選択支援があると良い。 提言4 障害児支援の推進 児童発達支援センターを中核とした重層的な地域支援体制の構築により障害児の地域社会への参加等を推進する体制が必要である。 また、障害児支援においては、早期発見・早期療育からライフステージに応じた切れ目のない支援が必要である。 また、医療的ケアへの対応や発達に課題のある児童の家族支援、障害児のきょうだい支援、教育現場での取組の充実を、こども発達支援センターを中心とした関係機関の連携構築にて実現されたい。 〇特別支援学校において軽度の障害者の保護者の中には福祉サービスについて充分な情報もなく生活されている。 児童から成人へステージが変わる際に切れ目ないサポート体制の構築が必要。 〇障害児支援では親への関わりやアプローチが大切となってくる。 〇発達障害の人が増えている。放課後等デイサービスや学校との連携が大事。 〇地域の相談支援事業所や他事業所でも特別支援学校が作成する移行支援のプロフィールを知ることで活用にもつながりやすくなるので、その仕組みを考えていけるとよい。 提言5 共生社会の実現と社会参加の促進 障害者の地域における社会参加を促進するためには、文化・芸術活動や健康づくり、スポーツ等の分野を含め、地域でいきいきと安心して健康的に暮らすことができる社会を目指すことが重要である。 障害福祉分野でこれまで進めてきた、差別解消や虐待防止の取組、権利擁護の取組をはじめ、災害時の要支援者対策、障害理解の取組、ユニバーサルデザインの推進等は、誰もが安全・安心に暮らし続けるうえで重要な取組であり一層の普及を求める。 また、障害特性に応じた意思疎通支援や支援者の養成、障害者の学びの機会の提供やスポーツ、芸術の分野での参加・活躍の機会の拡充を図り、更なる社会参加の促進に取り組まれたい。 ○合理的配慮の提供では、障害当事者の意思、人格、個性等が尊重されるよう、すべての区民の理解と協力が進む施策が必要である。 ○訴える力の弱い障害者への差別や虐待に対し、丁寧かつ具体的な対策がほしい。 ○成年後見制度や権利擁護における社会福祉協議会の役割は大きく、体制を強化し、周知・普及に取り組むとともに、分野を超えた権利擁護支援の体制構築(地域連携ネットワークの構築)を望む。 ○障害に関する理解を深め、障害者や家族に寄り添い、様々な人々が自然に生活できることが大切。 学校での障害理解の普及や区民との協働に努めてほしい。 ○障害者と地域住民との合同避難訓練や福祉避難所の周知、障害特性に応じた避難所運営や必要備品の確保、感染症対策等、近隣の方と相互協力できる防災体制を検討してほしい。 ○障害の重い方にも、生涯学習やスポーツの機会の提供がほしい。社会参加の促進や自己実現のために、福祉人材の育成や場の創設を望む。 ○地域生活支援センターにおいて多様な障害に対応するプログラムを用意し、社会参加を進めてほしい。 ○移動支援の利用範囲拡大や区の日常生活支援施策の対象者拡大をお願いしたい。 ○多様な区民からの意見聴取により、誰もが安全かつ円滑に利用できる建物、公共施設、交通機関などのバリアフリー化、ユニバーサルデザインを進めてほしい。 ○区報やSNSの更なる活用など、情報提供の活性化や、ICT等の活用を含め視覚障害者や聴覚障害者、知的障害者、難病患者等への情報保障の充実を望む。 提言6 保健・医療体制の充実 障害が原因で、受診の際に負担を感じている障害者やご家族は多い。 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築により、保健・医療・福祉関係者が連携して精神保健医療福祉体制の基盤の整備等を積極的に推進することが必要である。 また、難病の方などが身近な地域で安心して医療が受けられるよう地域医療体制の充実や情報提供に努めていただきたい。 精神障害者の安定した生活の継続や地域に生活の場を移行する方の生活支援に医療、福祉、介護等関係者が連携して取り組むとともに、医療や相談につながっていない方や治療を中断した方などを早期に適切な治療や支援につなげる取組の充実を望む。 〇昨年末にあった法改正で入院者訪問事業を立ち上げるようにと出てきた。 練馬区の3病院と板橋区の病院を含めた事業を立ち上げてほしい。 〇グループホームでの看取りは1時間以内に医師の診断が必要。 そういう体制が取れるか。 〇国は長期入院を解消しなければいけないという認識。 練馬区としてどう考えていくのか。 〇今ある機能の強化・連携でもにも包括の推進につながることもある。 【その他 計画全体に係る意見】 〇障害分野、高齢分野の垣根を超え従事者の相互理解を得られるような機会が必要。 サービスを障害分野、高齢分野と分けずに弾力的に利用できるとさらに良い。 〇相談支援部会で検討している地域や世代をつなぐ情報共有ツール、障害者の地域生活を多様な社会資源とつなぐ包括的な支援の仕組みづくりについて施策に反映してほしい。