第６期第７回練馬区障害者地域自立支援協議会議事録

１　日時　　　令和５年７月20日（木）午前９時30分から11時
２　場所　　　区役所 地下多目的会議室
３　出席委員　森山委員、松澤委員、的野委員、市川委員、山岸委員、
今井委員、伊東委員、亀田委員、亀井委員、前田委員、
安藤委員、菊池委員、石野委員、益子委員、德武委員、
髙橋委員、齋藤委員
（以上17名）
※欠席委員　田中康子委員、中野委員、田中聡委員
４　傍聴者　２人
５　議題
(1)	障害者虐待への対応状況について
(2)	練馬区障害者計画の一部改定、障害福祉計画・障害児福祉計画の策定に係る意見の報告
(3)	専門部会からの報告

○会長
重度障害がある方が芥川賞をお取りになりました。
これは大変画期的なことだと思います。このことは、障害者にとって自己表現をすることの大事さを改めて世間にアピールしたと思いました。
これより、第６期の第７回の練馬区障害者地域自立支援協議会を開催いたします。
それでは、議題に入ります。
次第１の(1)障害者虐待への対応状況について、資料２について事務局から説明します。

○事務局
資料２の説明

○会長
ありがとうございました。
ただ今の説明について、皆さまからご意見、ご質問等ございますでしょうか。

〇委員
虐待認定をされたものについて、ある程度評価というか、内容について共有をしておいた方がよいと思いました。
小さな逸脱や不適切行為から本格的な虐待につながっていくと言われていますので、この場で内容やどのように対応していくのかについて共有することで虐待予防につなげていけるのではと思いました。


○障害者施策推進課長
虐待の報告について、数字を中心に記載しており、虐待認定したものについては、概要を記載しています。
理由としましては、個人情報に関わるものであったり、個人が特定される内容もあるので、個人を特定できない形での記載となっています。
ご指摘のありましたように、対応等を評価していくという中で、これで十分かというところはあると思いますので、今後についてはまた検討してまいりたいと思っています。
令和４年度、虐待認定されたのは７件ですが、令和３年度は10件、令和２年度は９件です。
虐待の通告自体は令和３年度が32件で、令和４年度が41件に増えておりますけれども、認定された案件としては少なかったと考えております。
ただ、虐待認定されなかった案件も、非常に大事だと思っております。
私どもは通報を受けると、訪問等行ってお話を伺ったりしながら事実確認をします。
さまざまな事案がありますが、当事者の方が何らかお困りになっているということは事実でございますので、一つ一つ丁寧に対応をしています。

○会長
他に何かございますか。

○委員
今、当事者が一番困っているとおっしゃいました。そのとおりだと思います。
資料にも、養護者と障害のある本人がお互いに暴力を振るう、養護者ご本人の対応に疲れているという記述がございます。
それから、支援力が不足しているという記述もございます。
強度行動障害等があって、その対応にほとほと親も困っている、そしてまた福祉施設の従事者も突然強度行動障害の対応ができるわけではありません。
積もり積もってそういう状況が発出していきます。やはりこういう虐待が起きる前に、家族支援であるとか、従事者への研修だとか、そういったことがとても大事だと思います。
出してくる数字で今回減っているなということはありましたけれども、どういうふうにしてこういうことが起こったかということを、その内容を深めていき、その対策を考えていただくというのが大事だと思っております。

○障害者施策推進課長
ご意見ありがとうございます。
介護の疲れであるとか、支援力の不足という話がありました。
障害者虐待防止法の趣旨としましてもご家族への支援というところが非常に重要だと考えてございます。
施設従事者につきましても、やはりさまざまな行動に対してどのように対応したらいいのか分からないといったお声も伺っております。
研修センターでの研修への参加を呼び掛けているところでございますけれども、やはり予防が第一で、仮に虐待事案が起こったとしても、虐待をしたくてしているのではない、双方にお困りのことがあってということでございます。
私どもは罰するためにやっているものではございませんので、支援するという立場で、丁寧に寄り添いながらやってまいりたいと考えてございます。

○会長
他に何かございますか。

〇委員
練馬区における通報で、精神障害者は17件と、一番件数が多いですが、年度推移はどうなっていますか、また、その対策等は何か打っているのかどうかをお伺いしたいと思います。

〇障害者施策推進課長
精神障害者について、平成30年度が24件、令和元年度が15件、令和２年度が17件、令和３年度が９件、令和４年度が17件となっています。
対策については、利用している施設との間でコミュニケーションがうまくいかなかったりだとか、入院している病院との関係であったりとか、そういったものがもろもろございました。
事前に事業所に対し、どのように対応すべきかというところの啓発を今後も行うとともに、事案が発生した事業所に対しては、再発防止のために丁寧な対応を行っているところでございます。

○会長
他に何かございますか。

〇委員
この虐待の問題についても、かなり前から本協議会などで、話をしてきました。
件数が、なぜ減らないのか。私なりに考えますと、やはり障害者に対する差別意識といいますか、社会の大きな課題になっている状況があると思います。
どうして変わってきていないのか、変えられないのか。行政が悪いのか、私たち障害者自身の努力が足りないのか。
もう一つ、教育についてです。
学校の先生方もどういうふうに教育を行っているのか。児童、生徒はどのように受け止めているのか。
実態が分かっているのか。行政としてどのように取り組んでいるのかお聞きしたいです。

〇障害者施策推進課長
件数が増えていくということのお話がございました。
都とか国については年々増えています。これは障害者虐待にかかわらず高齢者虐待であるとか、児童虐待であるとか、全体的に同じような傾向があると思っています。
その要因について、虐待というものに対して、世間の関心が非常に高まってくることで、みんなが意識して見るようになり、通報しやすくなったことが一つあります。
通報が増えること自体は悪いことではないと思います。
大事なのは、それに対してどう対応していくかということになりますので、企業や学校など、さまざまな場で、引き続き現場でどう啓発していくかが重要になると思っています。
　
○会長
虐待については予防が大事です。
虐待防止という視点で、支援する仕組みを地域社会の中にどう作っていくのかを考えることが大事だと思っています。
次の議題に移ります。
次第1(2) 練馬区障害者計画の一部改定、障害福祉計画・障害児福祉計画の策定に係る意見の報告、資料３－１、３－２、３－３について、事務局から説明します。

○事務局
資料３－１、３－２、３－３の説明

○会長
この意見は、まさに練馬区の地域に即した大事な意見だと思います。
ぜひこの意見をこれからの計画づくりに反映させていただきたいなと思います。
この件について、何かご質問等ありますでしょうか。

〇委員
今年の２月、滝山病院という精神科の病院で、看護職員による暴力事件が発生しました。
この病院は非常に使い勝手がよかったようでございまして、入院患者の半数が生活保護を受けていたとのことです。
それに関しまして、練馬区からもこの病院に入院依頼をしていることもあったかどうか、伺いたいと思います。

〇福祉部長
報告の時点では３名と、こちらでは把握しています。

〇委員
行政として、生活保護を受けているにもかかわらず、なぜ病院に持ち込んだのでしょうか。
また、練馬区の精神科病院３つございますが、この病院は関知していたのかどうか、伺いたいと思います。

〇福祉部長
実際この病院に出向きまして、ご本人の状況を確認させていただいたところです。
この病院は、精神科の他に、例えば糖尿、透析といった疾患を総合的に診ていただける病院ということもあって、複合的な疾患をお持ちの方が使われていました。
生活保護だからここに入院したというようなことではなくて、ご本人の疾患と病状を含めて、この病院に入院していただいたということになります。
もちろん区内に３つの大きな病院がございますので、その病院とも連携はさせていただいたところですけれども、最終的にこの方たちについては、この時点では滝山病院にいらしたということになります。
この件が発覚しまして、ご本人たちにしっかり対応させていただきまして、現在、この病院にいらっしゃる方は、どなたもおりません。
その中で、区内にある病院のほうで受け入れをしていただいた方もいらっしゃいます。
今後は、病気が重複していらっしゃるような方々を受けていただけるような精神科ということで、区内の病院の中に３つの大きな病院に対して受入体制を取っていただけないか、今、話し合いを進めています

〇委員
ぜひ練馬区としても、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築を進めていただきたいと思っています。
入院訪問事業という、新しい項目が昨年度末の精神保健福祉法で推奨されておりますので、ぜひこれも考えていただきたいというのが私のご意見です。

○会長
障害を持っている方が自立性を発揮しながら地域で生活できるか、それを支える仕組みを地域でどう作っていったらいいかとても大事だと考えています。
地域特性に合わせて一つ一つの課題について専門部会が設けられて、いろいろ議論をしていただいておりますので、次の議題に移ります。
次第1(3) 専門部会からの報告、資料４について説明をお願いします。

○事務局
資料４の説明(権利擁護部会)

○委員
資料４の説明(地域生活・高齢期支援部会)

○委員
資料４の説明(相談支援部会)

○委員
資料４の説明(地域包括ケアシステム・地域移行部会)

○会長
ご質問、ご意見等ありますでしょうか。

〇委員
災害対策基本法が改正になりまして、高齢者や障害者等の避難行動要支援者について、個別避難計画を作成することが市町村の努力義務となっていますが、こちらは練馬区としての状況を教えていただければと思います。

〇福祉部長
基本法の改正に伴いまして、個別避難計画については進めております。
今年度は、自分たちでは逃げることが困難な方々に対しての調査をさせていただきます。その中で、順序を付けながら、個別避難計画については作成していきたいと思っております。
ただ、なかなか個別避難計画は自分で作るのが難しいということもありますし、また避難方法について、かなり苦慮されていると聞いておりますので、そこについては相談支援事業所と一緒になって、具体的になるものを作っていきたいと考えております。
これにつきましては、福祉部だけではなくて、危機管理室と連携を取りながらと思っております。
引き続き、皆さまの安心と安全を守れるように、平常時から準備することが大事だとなっておりますので、この計画が計画だけで終わらず、この計画をもとにした、例えば避難訓練等を含めてやっていきたいと考えております。

〇委員
地域生活支援拠点は、５つの機能がございますが、地域の実情に応じた創意工夫がされていると思います。
ですが、全くこの地域生活支援拠点、早く整備していただきましたが、なかなかその機能が見えてこないというのが実情です。
基幹相談支援センターも練馬区は早々に作り、また、面的整備も行っているという実情があるんですが、本当に緊急時のところの拠点機能が見えてこないというところがございます。
運用状況の検証とか検討がなされているのかお聞かせください。

〇障害者施策推進課長
まず、その多機能型に関して言えば、相談実績であるとか、どのような方が利用したかであるとか、そういったデータというのはもちろん集めております。
実際、まだまだ緊急時の利用というところが、多くはないですけれども、例えばご家族が急に病気で入院しなければいけなくなったとかで利用して、一定期間入院した後、その後、ご家族が退院したけれども、介護が難しい状況になったのでグループホームへのつなぎの支援を行ったとか、そういうような事例があります。
もう一つ、面的整備についてですが、複数の施設が連携して、地域生活支援拠点をやっていくというところで、事例というのがわれわれは把握しづらいところもございますので、そこの会議等を通してお話を伺いながら把握しようと努めているところでございます。
ご協力いただく相談支援事業所についても、現時点ではあまり多くはないというところがございますので、意味合い、効果、そういったものをしっかりと周知していくということと、効果の検証というところの仕組みを作りながらやっていく必要があるのかなと考えているところでございます。

○会長
地域生活支援拠点については、どういった練馬モデルをつくるかということを考えないといけないと思っています。
また、地域包括支援センターと地域生活支援センターの連携について、本気で考えていく必要があると思います。
親なき後問題や親の介護期と子どものケアの時期が重なりつつあるとか、練馬区ではいろんなところで起こっている、それが実は先ほどの虐待の話と決して無縁では無く、相互に連関していると思います。
他に何かございますか。

〇委員
私は今のところに引っ越ししてきて５年になるんですけれども、その時に地域のいろいろな事業所の集まりの中で、僕をモデルにして地域でどう障害者が生きていくのをサポートするかという話があって、具体的にいろいろ挙がったんです。
例えば、郵便を来たら、どこの誰が読むかということとか、買い物は誰と一緒に行くかとか、具体的なことをその時に話したんです。
こういう感じの地域づくりというのが、やっぱり必要だろうなというのは私は思っていましたけれども、５年たって、全くそこのところは生きていません。
結局、同行援護のガイドさんにお世話になるということが普通になってしまっています。
確かに皆さんの声掛けや、それから手助けに関しては、以前より相当増えてはいるんですけれども、同様に差別も同じようにあるし、当然先ほどの虐待の問題もそこには延長してあるだろうと思います。
そういう中で、私たちは相変わらず孤独で、誰とでも接せられない、隣に誰がいるかまだ分からない状況があります。
視覚障害者だけで集まっています。
そういうようなことも含めて、私たち自身が今、地域福祉社会をどうつくろうかというところに立っている。
今がチャンスだと私も思っていますので、心して一緒にやっていただけないでしょうかというのが私のお願いです

○会長
まさに今がチャンスだと思います。
チャンスというのは、やっぱりさまざまな困難をどう乗り越えるかということです。
そういうテーマを、これから計画づくりの中に入れていただき、練馬オリジナルというのをぜひ追求していただきたいなと思います。
それでは以上で、第６期第７回第３回練馬区障害者地域自立支援協議会を閉会いたします。