資料7 (仮称)練馬区障害者の意思疎通に関する条例の検討について  聴覚障害や視覚障害など、個々の特性に応じた多様なコミュニケーション手段を充実することにより、共生社会の実現を目指し、「(仮称)練馬区障害者の意思疎通に関する条例」の制定に向け、練馬区障害者地域自立支援協議会における検討を令和3年3月より開始した。 1 検討方法 〇 練馬区障害者地域自立支援協議会の専門部会として、「(仮称)意思疎通条例検討部会」を設置し、条例に盛り込むべき内容や関連事業について検討を行う。 〇 部会で検討した内容を踏まえ、障害者地域自立支援協議会で意見書をまとめる。 2 今後のスケジュール(予定) <令和3年度> 〇 団体ヒアリングの実施(令和3年4月〜5月実施) 〇 障害者地域自立支援協議会での検討 〇 条例素案の作成 〇 パブリックコメントの実施 <令和4年度> 〇 第二回 練馬区議会 定例会に条例案の提出 3 これまでの主な意見 <第5期第6回練馬区障害者地域自立支援協議会> 〇 障害者の意思疎通に関する条例の検討開始について、聴覚障害者(ろう者)のコミュニケーション手段は手話言語のため、手話言語に関して条例化を検討してほしい。なお、検討に際しては、当事者の意見や考えを入れ意見交換会などを実施してほしい。また検討委員会設置の場合は、当事者を委員に入れてほしい。 〇 障害者の意思疎通に関する条例について、今後、区が実施しているコミュニケーション手段等を周知することや、情報機器を導入することなど、具体的な取り組みも示してほしい。 〇 誰もが住みやすい地域社会を作るためには、意思の疎通や情報を取得することは欠かせない。手話言語を認め普及啓発をすることのみならず、障害者の特性に合った方法で、意思をどう伝えるのか、またどう読み解くかを工夫することが大切だと思う。障害の重い、言葉を発することができない人や経験したことの少ない人のコミュニケーション手段も含め、検討をお願いしたい。 〇 意思疎通は、すべての人が必要としているので、共生社会の実現を目的とした条例としてほしい。手話言語のみならず、様々な障害者を含んだ条例を望む。 〇 重症心身障害も意思疎通困難を伴う。その方法は個別性が高く、一つの方法でコミュニケーションが取れないため、理解していただくことに困難を伴う。一見、意思の表出をしていないとみられがちな重症心身障害児者でも意思を表している。その微弱な意思表出を受け止められる支援者が望まれる。 <条例に係る意見聴取(団体ヒアリング)> (1) 意思疎通において困ること * コロナ禍で店員のマスク着用でのコミュニケーションが困難。ボードでの表示や、マウスシールド着用などの合理的配慮が必要。 ・病院での受付や診療の呼び出しの際に、ボードや電光板で表示がなく困る。 ・電車が止まった時、情報が分かりにくい。もっと親切な情報がほしい。アナウンスが流れているが、聞き取りにくい ・役所などの申請書に自分で記入はできるが、内容を理解することが難しい。 ・教科書が分かりにくい。漫画を使うなど、もっと詳しく書いてほしい。 ・職場において、外見からは分からず怠けているように誤解される。症状や特性についての上司や同僚の事前の理解が必要。 ・避難所等において、状況説明や食料等の配布には、掲示と音声での伝達が必要。 ・補聴器や人工内耳をつけても、全て聞き取れるわけではなく、理解できないこともある。 ・失語症の認知度が低く症状が認識されていないため、配慮を受けづらい。 (2) 意思疎通において必要な取組や手段 ・手話通訳者の設置 ・要約筆記者の配置 ・字幕、音声の文字表示 ・イラストや文字のカード、図、写真、映像など視覚的情報 ・コミュニケーションボードの利用 ・書類の口頭による説明 ・音声読み上げなどのアプリケーション ・スマートフォンで音声を文字に変換するソフトの活用 ・SNSでのコミュニケーション ・飲食店等におけるタッチパネルによる注文システム ・街中などでの積極的な声掛け ・失語症意思疎通支援者など、専門職の養成と派遣 4 条例検討部会での検討 〇 手話言語に関しての条例化についてご意見があった一方で、様々な障害者のコミュニケーションを含んだ条例の検討を望むご意見があった。 〇 手話通訳者の設置、字幕や文字表示、イラストやコミュニケーションボードなどの手段の充実に加え、アプリケーションやスマートフォンなどのICTの活用が必要とのご意見があった。 〇 多くの区では、手話言語および意思疎通を一体的に条例化している。 〇 これらを踏まえ、個々の障害特性に応じた多様なコミュニケーションの充実のために必要な具体的取組や手段について、条例検討部会を設置し、検討を行う。