第５期第４回練馬区障害者地域自立支援協議会議事録

１　日時　　　令和２年７月16日（木）午前９時30分から10時50分
２　場所　　　区役所　地下多目的会議室
３　出席委員　森山委員、松澤委員、的野委員、市川委員、田中康子委員
　　　　　　　松本委員、安部井委員、中野委員、伊東委員、榎本委員
　　　　　　　寺尾委員、上原委員、田中幸彦委員、蔵方委員、菊池委員
　　　　　　　石野委員、益子委員、藤巻委員、髙橋委員
　（以上19名）
　※欠席委員　北川委員、渡辺委員、齋藤委員
４　傍聴者　　５名
５　議題　
６　協議および報告事項
　　(1)　練馬区障害者計画（一部改定）・第五期障害福祉計画・第一期障害児福祉計画の取組状況
    (2)　次期障害者計画・障害福祉計画・障害児福祉計画に対する意見について
　　(3)　専門部会からの報告
　　(4)  その他（障害者グループホームの週末等の支援について）

〇会長
　それでは、定刻になりましたので、第５期第４回練馬区障害者地域自立支援協議会を開催いたします。
　それでは、議題に入らせていただきます。協議および報告事項、練馬区障害者計画、第五期障害福祉計画・第一期障害児福祉計画の取組状況の報告をお願いいたします。事務局から説明をお願いいたします。
　
〇事務局
　資料３の説明

〇会長
　ありがとうございました。非常に多岐にわたる資料でございました。ご質問等いかがでございましょうか。

〇委員
　基礎調査報告書の1ページにありますが、調査における精神障害者の対象範囲は、自立支援医療制度の利用者ということで限定しております。これでは、精神障害者の施策を検討するのは、足りないのではないかと考えます。
　未治療の方々に対するアウトリーチ事業がございますが、これはご説明がありましたとおり、非常に力を入れていただいております。これには感謝、評価いたします。この対象は、いわゆる引きこもりの方ですから、基礎調査の対象とは合わないです。この基礎調査の目的はニーズの把握だと思いますので、基礎調査によるニーズの把握、これについてはどうお考えになっているのか、というのが一つ目の質問でございます。
　第二に、精神障害者の中でも、最近注目されています発達障害があります。これにつきましては、発達障害者支援連絡会等で、フォローしていただいておりますが、この方々に対するニーズ把握をどのようにするのか、またどのように対応しようとしているのか。ご説明いただければと思います。

〇障害者施策推進課長
　精神障害者手帳所持あるいは自立支援医療を利用している方だけではなく、様々な方がいらっしゃるというご指摘だと思います。また基礎調査の結果でどのようにニーズを捉えて、どう計画に反映していくかということだと思います。
　今回の基礎調査につきましては、郵送で実施しておりますが、手帳の所持者だけではなく、自立支援医療を受けている方を母数にいたしました。そこからニーズを把握するという形にさせていただきました。
　次期計画の検討につきましては、今委員がおっしゃったように、その方々だけではなくて、さまざまな団体の方のヒアリングもさせていただいておりますし、様々な場面でご意見を頂戴しております。発達障害者に関しましても、日頃からいただいているご意見なども踏まえて、課題を整理して計画のほうに生かしていくということを考えているところでございます。
　今回の計画に係る資料３につきましては、現行計画の施策についての成果目標と取組実績をお示ししたものでございます。それぞれの取組についてご紹介をさせていただいているものとご理解いただければと思います。

〇会長
　今のご質問は、本質的な質問をいただいていた気がいたします。単に計画の検討の話だけではなくて、障害者支援の考え方にも非常に関係いたします。
　とりわけご質問の趣旨で言うと、相談事業はかなり重要だということを含んでおります。今のご質問について地域生活支援のご相談の第一線でお仕事をされているお立場から、何かご意見はございますか。

〇委員
　障害者として認定された方についての実態把握や支援は当然あります。一方、精神障害が疑われる方、また、自身がそういう精神障害があるという認識をされていない方などもいます。また、新しくカテゴリーに含まれてきた発達障害や高次脳機能障害の方、今、そういった支援が必要だけれども、支援につながっていないという方がたくさんいらっしゃるというのは、現場としても感じるところです。
　まず相談に来てくださいといってもなかなかつながりません。ご家族から相談があることもありますが、本人から相談につながるというケースは本当にまれだと思います。実態として表面化している人たちに対する支援だけではなくて、掘り起こすための支援というのは確実に必要だと思います。潜在化している方たちというのは、やはりなかなか自分から表に出てきてくれない。基本的に障害福祉は申請主義ですから、自分から手を挙げてくれないと支援に繋がらない。支援を受けさせるための支援や、手を挙げていない人を見える化するための支援というのは、やはり必要だろうと感じています。

〇会長
　ありがとうございました。日本の障害者政策というのは、障害者手帳の交付を受けた人に、給付、何らかの支援を提供するという、そういう体系がありました。しかしながら、境界領域、特に精神障害の場合は、非常に多様な姿があり一つの認定をして、どこかで区切りをつけるというわけにいかない。それから、精神障害の場合、医療との関係が非常に密接で、福祉の支援と、医療の支援をどういうふうに組み合わせるか。そこで、地域生活支援センターができて、そういう調整をするということになっていきます。
　計画検討の手法として、なかなか数量的に表すというのは、難しいところがあります。仕組みや体制について、受け入れ先をどう広げていくかという話と、給付の対象としてサービスを提供するという話があるかと思います。これは引き続きの課題としていただければと思います。
　何か他にございますか。時間の関係もありますので、他になければ、今日の大事な課題が次のテーマでございます。まさに今のご指摘にございましたが、次期障害者計画、それから次期の障害福祉計画、障害児福祉計画の検討作業が始まっています。
　それでは、事務局から資料４－１と４－２が出ておりますので、説明をお願いいたします。

〇障害者施策推進課長
　資料４－１、資料４－２の説明

〇会長
　ありがとうございました。それぞれ、データとご意見の要点整理、それをまとめた提言の案についてご説明をいただきました。
　なお、この場でご意見をいただいた上で、見直しをして、最終的な提言にまとめていくという作業をこれから事務局のほうでやっていただけるということです。それぞれのお立場からご意見をお願いいたします。

〇委員
　すごくよくまとめておられるなと思いました。先ほど、計画の取組状況のところでお尋ねしたかったのですが、この大きな柱の一つである、福祉施設入所者の地域生活への移行というところです。これは、国も目標値を９％から６％に下げました。つまり、なかなか地域への移行は難しいということだと思います。初めは９％と言っていたのが、なかなか達成できないということで６％ということになった。練馬区もそのような方針にされているのだと思います。
　練馬区の実績では、14人の方が地域移行されています。その方々はどこへ地域移行されたのでしょうか。この14人の人がどういったところで安心して生活されてるのかというのが知りたく、お尋ねします。

〇障害者施策推進課長
　委員からおっしゃっていただいたように、国のほうも地域移行は進めているのですが、目標に達するのが厳しいということが現実にございます。入所者の方々の高齢化が進んでいるといったところも非常に大きな背景にあるということが示されていると思います。
　私どもも同様の課題を抱えている中ですが、把握しているところでは、自宅にお戻りになられている方がいらっしゃるということと、グループホームが大きな受け入れ先となっているという状況でございます。

〇委員
　資料４－１について質問等をさせていただきます。
　まず、このまとめについては、区民の方の目に触れると思うので、法律用語ではなくて、例えばグループホームですとか、ショートステイとか、理解されやすい用語を使っていくとは思いますが、計画のほうに書くときには、法律用語を示す等もしていただいたほうがいいかと思いました。
　また、提言1のところ、丸の８つ目、放課後等デイサービスの項目ですが、家族からは卒後も夕方から夜間の支援となっていますが、夜間というと、宿泊もあるように読み取れてしまうので、夕方から夜間にかけてのという意味ではないかなと思いました。
　それから、アクションプランの中では医療的ケアを必要とする障害者へ短期入所のことも記載されておりますので、そのこともここに書き加えていただきたいと思います。
　それから、提言４でございます。今、難聴児支援に関しては、国のほうでも新たな施策が進んでくるという状況にあります。練馬区としてもここに難聴児支援のことも書き加えていただきたいと思いました。
　それから、提言４でもう1点。医療的ケア児等の支援、連絡会議、協議の場が設置されておりますが、国の次期計画では、医療的ケア児等のコーディネーターの設置、配置ということも言われておりますので、そのこともここにぜひ書き加えていただきたいと思います。
　それから、次に提言５。障害の重い方にも生涯学習やスポーツの機会というところです。社会参加促進のためとなっていますが、社会参加促進や自己実現ということにしていただきたいです。要するに生涯学習をすることで自己実現につながるということですので、自己実現という文言を加えていただきたいと思います。
　それから、福祉人材の育成だけ記載されておりますが、育成だけではなくて、その場がなければ生涯学習はできないという障害者もおりますので、福祉人材の育成や場の創設を望むとしていただきたいと思いました。

〇障害者施策推進課長
　こちらに記載したご意見は、専門部会からいただいたご意見をまとめさせていただきました。本日いただいたご意見についても追加して記載させていただこうと思います。
　それから、計画としてお示しするときには、なるべく用語解説を入れながら、正確な用語を使うことというようなことを考えてございますので、ご理解を頂戴できればということでございます。

〇委員
　先ほどの課長からお話がございました第６期障害福祉計画につきまして、二、三質問させていただきます。
　ご存じのとおり、第６期障害福祉計画の最大のポイントは、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築であります。これに関連して、今回のコロナウイルス感染症の件でございますが、これに対する対応というものを、ぜひ検討会を早急に開いていただきまして、検討していただきたいと思います。というのは、精神障害者に対する医療体制でございますが、精神科病床は精神科特例ということで、医者の数、看護師の数は一般の疾病と比べて２分の１ないしは３分の２に抑えられております。こういう条件下において、さらにコロナという感染症が入ってきますと、どういうふうに対応するのか。これにつきましては、厚労省のほうから適切に対応するようにという指示が特別区を含めまして、各都道府県から流れているわけでございます。練馬区におかれましては、このコロナ対応について、厚労省の指示がどのように生かされるのか、それが第一点でございます。
　もうひとつ。今、国の医療計画は、今、第７次でございますが、その見直しをするようにということで進められております。精神疾患は、ご存じのとおり５大疾患の一つでございまして、非常に重要な位置付けになっているはずでございます。障害者施策推進課だけが行うということではないと思いますが、どう進められていくのか、コロナ対応に関連して少し、心配をしております。受診する病院を探すことすら困るという状態が発生しております。練馬区では、どういうふうになさろうとしているのか。全般的な施策も含めて、分かりやすく説明していただければありがたいと思います。

〇会長
　今のご発言は、計画に記載すると同時に、やっぱり非常に緊急性のある対応が必要だということで言えば、私が申し上げるのは筋違いかもしれませんが、区が方針として出すべきテーマでもあるように思います。
　要するに、コロナウイルス感染症への対応として、東京都、練馬区、とりわけ保健所が中心になりますが、特別のニーズを持った方、しかも排除されやすいような立場でおられる方たちを、どういう形で支えるのかというのは、重要な論点だと思います。クラスターの可能性はいつもあります。リスクが大きい方々への緊急の対策をぜひご検討いただいたほうがいいと、私からも申し上げます。
　要するに保健、衛生、行政の話と、福祉行政として受け止めなければいけない話と、両方あると思います。何か事務局からお聞かせいただけたらありがたいです。

〇保健予防課長
　新型コロナウイルス感染症への対応ということですが、精神障害者の方に対して特別に何かをやるということは、今のところ考えてございません。特に精神障害者の方だから何かをしなければいけないということよりも、どの方もリスクはございますので、その方たちに対して、精神障害者の方であろうがなかろうが、体調が悪いということであれば、検査をさせていただく。そういう形にしておりますし、入院が必要であれば、入院の病院を探させていただいております。

〇障害者施策推進課課長
　今、保健予防課長からは、保健行政の観点から、コロナウイルス感染症に関して区民全体に対して、どのように対応していくかというところは、障害の有無にかかわらず適正に対応していきたいというご発言をさせていただきました。
　障害者施策推進課としては、それぞれの障害のある方々にあるリスク、あるいは障害特性によって、どのようなことが起きやすいのか。例えば医療的ケアのある方は、非常にリスクが高く重症化しやすい。今お話のあった精神障害の方であれば、どのように対応していけばいいのか分からなくなって不安になってしまう。あるいは、今、委員がおっしゃられたように、病院を選ぶ困難といったことがございますので、そういったことについては福祉事務所、保健相談所、それから障害者地域生活支援センター等の窓口を含めまして、丁寧にお話を伺いながら、保健所と連携して対応していくということを、これまでも心掛けておりましたし、今後も強化していかなければいけないと考えてございます。
　それを次期計画の中でどのように位置付けるかということに関しましては、今回保健医療体制の充実に関するご意見の中で、今後の感染症との共存を見据える支援についてご意見がございましたので、そういった形で入れさせていただいたということでございます。

〇会長
　よろしゅうございますか。また追加があれば、ご意見をお寄せいただいて、その取りまとめを、私の責任でということで調整させていただいてもよいでしょうか。ここでそれについて合意いただいたということでよろしいでしょうか。
　それでは、引き続き、報告事項です。専門部会からの報告事項がございますので、ご説明よろしくお願いいたします。

〇事務局（事業計画担当係長）
　資料５－１の説明（権利擁護部会）

〇委員
　資料５-１の説明（地域生活・高齢期支援部会）

〇委員
　資料５－１の説明（相談支援部会）

〇委員
　資料５－１の説明（地域包括ケアシステム・地域移行部会）
　
〇会長
　ありがとうございました。それぞれの部会、非常に充実した協議をしていただいたことがよく分かります。ぜひ計画等にもこの議論が反映されることを願っておりますので、よろしくお願いをいたします。
　それでは、協議事項は終わりましたが、その他として、障害者グループホームの週末等の支援について、参考資料が出ております。ご説明をよろしくお願いいたします。

〇障害者施策推進課長
　参考の説明

〇会長
　この件について質問はございますか。区として丁寧に対応していただいている報告でございました。ありがとうございました。
　それでは、もう一つ、参考資料が出ております。何か補足がございますか

〇委員
　参考の説明

〇会長
　ありがとうございました。新型コロナウイルスで自宅に閉じこもっているいろんな方たちが1年たったらどうなるのか。これは、感染はしないが、別の問題が起きてくる。それから、高齢者の場合は特に寝たきりになってしまうとか、認知症が進行するということが想像されますし、障害のある方は不安が強くなるということもあると思います。それらについて、どうやって対応するか、これは大変知恵の出しどころです。それから、感染症が発生したひとつの事業所での対応を超えた話になります。地域の方を含めた協力の体制をどう作っていくか。また、職員は感染の恐れの中で、支援をされています。そういうことへの対応を含めて、区として格段の努力をしていただきたいと思います。
　それから、最後に資料を付け加えさせていただきました。こちらも参考となっておりますが、地域共生社会の議論に関しての資料です。障害分野だけではなく、高齢や児童分野との連携、加えて地域との連携が強く言われています。今回かなり大きな法律改正がありましたが、総合的な相談支援体制を作るという、分野横断で断らない支援を地域でつくっていくということの通知が出てきます。区の仕組み、対応の在り方というのを、抜本的に考えていただく必要があるかと思います。その情報提供をさせていただきました。
　それではお時間がきましたので、第５期第４回の障害者地域自立支援協議会を終了いたします。
　　
　―了―