練馬区公共施設等総合管理計画 平成29年(2017年)3月 練馬区   練馬区公共施設等総合管理計画の策定にあたって 私たちは、世界に類をみない「超」超高齢社会に入ろうとしています。これに伴い、福祉・医療を中心に膨大な行政需要が見込まれるなか、老朽化の進む公共施設を適切に維持更新していかなければなりません。区民サービスを充実しながら、これをあわせて実現するのは容易なことではありません。区政改革の最も重要なテーマであり、区民・区議会の皆様と意見交換を重ねながら検討を進め、本計画を取りまとめました。 区立施設や都市インフラは、将来世代のための投資である一方、後世の財政的な負担にもつながるものです。社会状況の変化を見通して知恵と工夫をこらし、新たな更新と維持の仕組みを構想していくことが求められます。それには、区民の皆様の参加と協働が不可欠です。 区民の皆様とともに、従来の発想にとらわれない公共施設マネジメントに取り組み、優れた住民サービスと美しいまちを実現して未来への責務を果たしたい。そう念願しております。         平成29年3月 練馬区長  前川 燿男 はじめに 1策定の目的 区は、区民生活の向上を目指し、学校や庁舎をはじめとする施設の建設、道路や公園など都市インフラの整備を進めてきました。特に、昭和30年代から40年代にかけての高度成長期には、人口の急増に対応するため、多くの小中学校や施設を集中的に建設しました。これらの施設の老朽化が進んでいます。 今、施設を整備した時代とは大きく社会状況が変化しました。少子高齢化が進行し、膨大な医療・介護需要や子育て支援ニーズに対応していかなければなりません。また、都市計画道路の整備の遅れなど、練馬区特有の都市基盤上の課題も解決が迫られています。そうしたなか、施設の維持・更新が大きな課題となっています。 そこで、平成27年度から区政改革の主要な取組の一つとして、区立施設や都市インフラの今後のあり方を、区民の皆さんの意見をお聞きしながら検討してきました。公共施設等総合管理計画は、これまでの検討をもとに、施設の維持・更新、管理の総合的マネジメントを進める方針を明らかにするものです。 2計画の構成 計画は、区立施設編と都市インフラ編により構成します。 区立施設編は、区民サービスを提供する建物・施設を対象とします。「現状と将来見通し」「区立施設マネジメントの方針」「施設種別ごとの方針」を明らかにします。マネジメントの方針は概ね30年先を見通したもの、施設種別ごとの方針は10年後を見据えたものとします。 都市インフラ編は、道路・橋梁・公園・駐車場を対象とします。都市インフラは種別によって性格が大きく異なるため、種別ごとに現状と今後10年間の整備・維持管理の方針を示します。 なお、区立施設の延床面積の約半分を占める小中学校については、この計画に基づく個別施設の計画として、学校施設管理基本計画を策定します。 3計画の位置づけ 平成28年10月に策定した区政改革計画に基づく個別計画です。 平成26年、総務省が全国の自治体に公共施設等総合管理計画の策定を要請しました。その要請の趣旨を考慮しつつ、練馬区の実情に即した計画として策定します。 目次 【区立施設編】1ページ 第一章 区立施設の現状と将来見通し 3ページ 1.1練馬区の特徴 4ページ 1.2区の施設の現況 9ページ 1.3維持・更新に係る経費と財政負担 11ページ 第二章 区立施設マネジメントの方針 17ページ 2.1区立施設マネジメントの目標 18ページ 2.2施設配置の最適化方針 20ページ 2.3維持・更新の方針 24ページ 2.4運営の方針 32ページ 2.5適正負担の方針 38ページ 2.6リーディングプロジェクト 40ページ 第三章 施設種別ごとの方針 47ページ 1庁舎等 49ページ 2区民事務所、出張所 52ページ 3総合福祉事務所 54ページ 4保健相談所 55ページ 5清掃関連施設 56ページ 6土木出張所、公園出張所 57ページ 7文化・生涯学習施設 58ページ 8スポーツ施設 63ページ 9産業振興・勤労者福祉施設、集会施設 65ページ 10子どもと青少年の施設 68ページ 11高齢者福祉施設 75ページ 12障害者福祉施設 79ページ 13地域の施設 84ページ 14リサイクルセンター 90ページ 15区営住宅 91ページ 16教育施設 92ページ 17防災学習センター 96ページ 18男女共同参画センターえーる 96ページ 19厚生文化会館 97ページ 20花とみどりの相談所 97ページ 21区民農園、市民農園 98ページ 第四章 区立施設マネジメントを推進するために 99ページ 4.1安全管理・点検 100ページ 4.2区立施設マネジメントの推進 101ページ 都市インフラ編 103ページ 第一章 道路 105ページ 1.1道路の現状 106ページ 1.2道路整備の方針 110ページ 1.3区道の維持管理の現状 114ページ 1.4区道の維持管理の方針 115ページ 第二章 橋梁 117ページ 2.1橋梁の現状 118ページ 2.2橋梁整備の現状と方針 118ページ 2.3練馬区の橋梁の維持管理の現状 120ページ 2.4練馬区の橋梁の維持管理の方針 121ページ 第三章 公園 127ページ 3.1公園の現状 128ページ 3.2区立公園の整備の方針 132ページ 3.3区立公園の維持管理の現状 133ページ 3.4区立公園の維持管理の方針 134ページ 第四章 駐車場 135ページ 4.1自転車駐車場の現状 136ページ 4.2自転車駐車場の整備と維持管理の方針 139ページ 4.3自動車駐車場の現状 142ページ 4.4自動車駐車場の整備と維持管理の方針 144ページ 区立施設編 第一章 区立施設の現状と将来見通し 1.1練馬区の特徴 1.1.1練馬区と全国の人口推計 全国的には既に人口減少局面に入っており、今後も一貫して人口は減少し続けると見込まれています。平成29年1月1日の区の総人口(723,711人)を基準人口として行った人口推計では、平成39年にピークを迎え、以降逓減していくものの、減少率は全国に比べて緩やかで、30年後は約72万7千人と推計されます。 1.1.2人口構成の推移 人口構成は、少子高齢化に伴い大きく変化します。特に、人口の多い「団塊の世代」が平成30年代半ばに75歳を迎え、「団塊ジュニアの世代」が平成40年代後半から65歳に到達し始めます。これらの要因により、急速に高齢者人口が増加していきます。 参考 日本全体および東京都の人口推計 国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の将来推計人口(24年1月推計)」(出生中位・死亡中位)によると、平成72(2060)年の総人口は約8,700万人にまで減少すると見通されています。 国は平成26年12月に日本全体の将来展望を示す「長期ビジョン」を公表しました。この中では、目指すべき将来の方向として、若い世代の結婚・子育ての希望を実現し、出生率を回復することで、平成72(2060)年に1億人程度の人口を確保することを掲げています。 また、平成28年12月公表の「都民ファーストでつくる『新しい東京』~2020年に向けた実行プラン~」においては、東京都の人口は、平成37(2025)年の1,398万人をピークに減少に転じ、平成72(2060)年には1,173万人と、ピーク時から約2割減少するとされています。地域別では、区部は平成42(2030)年に、多摩地域・島しょ地域は区部より早く平成32(2020)年にピークを迎える見通しが示されています。 人口の減少は、経済や財政に大きな影響を及ぼします。既に地方では、共同体そのものの維持が難しくなっているところも出てきています。練馬区も、日本や東京都の人口動向の影響を受けることは避けられません。 1.1.3住居系のまちなみ 練馬区は住居系の用途地域が多く、低層住宅の良好な住環境を守っていますが、これらの地域では高層建築に制限があります。 1.2区の施設の現況 1.2.1施設数、延床面積 区には、庁舎や学校、保育園、地区区民館など、様々な種類の施設があります。建物の建て方についても、単独の施設のほか、複数の施設を併設しているもの、都営住宅や民間施設などに併設しているものがあります。また、区が保有している建物を民間に貸し付けている施設もあります。 区立施設および区が保有する施設の総数は約700施設です。総延床面積は約120万㎡であり、その約半分は小中学校が占めています。 1.2.2施設の老朽化の状況 建築後30年以上経過した施設は、353施設あり、その延床面積は約81万㎡です。これは、区立施設の総延床面積の約67%に当たります。 築年数が古いほど小中学校の割合が高くなっています。区立施設の耐震化は完了していますが、老朽化が進行しています。 1.3維持・更新に係る経費と財政負担 1.3.1施設の維持管理に要した経費 施設を維持するには、光熱水費、清掃や簡易な修繕に係る経費、エレベーター等の設備の定期保守点検経費などの維持管理経費が必要です。 平成27年度に施設の維持管理に要した経費は、約86億円でした。 ※複合施設の場合、光熱水費等は原則として、建物を管理している施設(いわゆる大家の施設)に計上している。 1.3.2施設の維持・更新に要した経費 施設は、適切な時期に改修や改築を行う必要があります。 平成18年度から平成27年度までの10年間に実施した改修・改築の工事費は約518億円でした。1年あたり平均で約52億円を支出しています。 主な改修・改築の工事費 上石神井出張所の改修(平成25~26年度)  約3億円(248千円/㎡) 上石神井第二保育園の改築(平成23~24年度)約5.5億円(400千円/㎡) 桜台地区区民館の改修(平成26年度)    約6億円(378千円/㎡) 谷原小学校の全面改築(平成23~27年度)  約35億円(405千円/㎡) 豊玉第二中学校の部分改築(平成24~27年度)約25億円(354千円/㎡) 1.3.3今後30年間の維持・更新費用の試算 現在の区立施設の機能・規模をそのまま維持するものとして、費用を試算すると、今後30年間の維持・更新費用は約6,450億円となります。1年あたり平均で約215億円が必要となります。 試算の前提条件 1平成27年度に、現在の区立施設の機能・規模を原則としてそのまま維持するものとして、平成28年度から57年度の30年間の費用を試算しました。                                                                               2試算の対象となる施設は、延床面積100㎡以上の建物(学童クラブは100㎡未満も含む)としました。ただし、倉庫、集積所などの用途に使われている施設は試算の対象外としています。 3鉄筋コンクリート造施設については、築15年、30年、45年時に改修(築30年時は大規模改修)を実施し、築60年で改築することとして試算しました。鉄骨造の建物、単独棟の学童クラブについては、築15年、30年時に改修(築30年時は大規模改修)を実施し、築45年で改築を実施することとして試算しました。 ※平成27年度時点で既に築30年を上回る建物は未改修分として、試算期間の30年間に均等配分しました。                                 4費用は、施設の延床面積に工事単価を乗じて試算しました。 築30年の大規模改修および改築の工事単価は、総務省「公共施設及びインフラ資産の将来の更新費用の比較分析に関する調査結果(平成24年3月)」を参考に、施設の用途等に応じて設定しました (右表参照) 。なお、物価の変動は考慮していません。                              築15年、45年の改修工事単価は施設の用途に関わらず   127,500円/㎡と設定しました。                    1つの建物に2つ以上の施設がある複合施設の場合、建物を管理している施設(いわゆる大家の施設)の工事単価を採用しました。 1.3.4 区の財政状況 平成27年度決算で見てみると、区の支出のうち、容易に減らすことができない義務的経費(扶助費、人件費、公債費)は、歳出全体の56%を占めています。 義務的経費は、年々増加しています。中でも扶助費の増加が著しく、少子高齢化の進行に伴い、今後も増加することが予測されます。 平成27年度歳入決算では、収入全体のうち、特別区財政調整交付金が33%と最も多い割合を占めています。特別区財政調整交付金は、固定資産税・法人住民税・特別土地保有税を東京都が徴収し、都区の共通財源として仕事の分担に応じて都(45%)と区(55%)に分配されるもので、特別区分は各区の財源不足に応じて交付されます。練馬区は23区の中でも特別区財政調整交付金に依存する割合が高くなっています。 特別区財政調整交付金は、原資となる固定資産税、法人住民税が経済情勢によって大きく左右されます。今後、長期的に人口が減少するなかで国全体の経済力が低下すれば、その影響を受けることは避けられません。また、法人住民税の一部が国税化され、今後さらに拡大される動きもあります。特別区財政調整交付金に大きな影響を与えることが見込まれます。 2番目に高い割合を占める特別区税は、今後、生産年齢人口の減少に伴い減収となることが懸念されます。 歳出では高齢者人口の増加に伴う扶助費の増加が不可避であり、歳入面でも減少は避けられません。これから練馬区が人口減少局面を迎えると、ますます厳しい状況になることを覚悟しなければなりません。 第二章区立施設マネジメントの方針 2.1区立施設マネジメントの目標 区立施設は、区民の皆さんの豊かな生活を支えるために必要なサービスを提供することを目的としています。区立施設マネジメントは、単に施設の総量削減、コスト削減のみを目指すものではありません。社会の状況が大きく変化するなか、長期的な視点に立ち、練馬区の実情に即した望ましい施設を実現していくことを目標とします。 目標1 リアルな区民ニーズに応えるサービスを実現します  少子高齢化の進展による人口構成の変化、ライフスタイルの多様化等に伴い、区の施設に求められる機能は変化しています。従来の施設の設備や機能に捉われず、柔軟な発想であり方を見直し、リアルな区民ニーズに応えるサービスを実現します。 施設の運営や整備にあたって、民間の創意工夫によりサービス向上や効率化が図れるものは、民間の力を積極的に活用します。 目標2 持続可能性を確保します  施設の運営や維持・更新は、多額の財政支出を伴います。特に、今後は多くの区立施設の更新が必要な時期を迎えます。改修や改築にあたっては、区の施設としてこれからも必要かどうかを精査し、真に必要な機能や規模とします。 施設の整備は将来への投資となるため、現在の世代だけでなく、未来の世代との負担の均衡に配慮します。 施設の維持・運営にかかるコストについて、税で賄う部分と利用者の負担で賄う部分のバランスを必要に応じて見直します。 目標3 安全で利便性の高い施設にします  区の施設は、通常の機能に加えて、震災時には災害対応の機能を果たさなければなりません。耐震性をはじめ安全性の確保を最優先とし、適切な維持管理を行います。 また、だれもが快適に利用できるユニバーサルデザインの施設にしていきます。 目標4 まちづくりと一体的に取り組みます  練馬区は都心に近い利便性とみどり豊かな環境が両立する良好な住宅都市です。練馬区の特徴を活かし、ポテンシャルをさらに引き出すよう、駅の周辺への施設の集約や、みどりと施設が融合したまちの魅力の向上など、まちづくりと一体的に施設の整備を進めます。 目標5 区民参加と協働によるマネジメントを進めます  施設は、区民全体の貴重な財産です。区民サービスの提供の仕方や施設のあり方は今後どうあったらよいのか、区民の皆さんとともに考えます。区民の自主的活動や交流の場として施設を有効に活用できるよう、施設の運営についても区民の皆さんとの協働をさらに進めます。 目標を実現するために、下記の4つの方針を定め、ハード、ソフトをあわせて総合的なマネジメントに取り組みます。 施設配置の最適化方針 維持・更新の方針 運営の方針 適正負担の方針 2.2施設配置の最適化方針 まず、現在の施設の機能について、「将来にわたって行政が確保すべき機能か」、「費用対効果の面で効率性はどうか」、「対象やサービス内容が他と重複していないか」、「現在の施設でないと提供できないサービスか否か」などの視点から見直します。そのうえで、3つの手法を組み合わせることにより施設配置の最適化を進めます。 2.2.1施設配置最適化の手法 手法1 機能の転換 社会状況の変化に伴う区民ニーズや個々の施設の状況等を考慮し、優先度が高い機能への転換を検討します。相対的に需要が低くなった機能は廃止・縮小し、この結果生じたスペースは、新しい行政需要に応える機能への転換や、老朽化した施設の移転先とするなど有効活用を図ります。 有効活用の可能性が低い場合や、大きな改修を行わないと活用できな  い場合は、貸付や売却を検討します。 また、利用者が限定的となっている施設は、より幅広い活用ができるよ う、機能を転換します。 [具体例1]出張所の廃止と別機能への転換⇒リーディングプロジェクト1参照 区民事務所と出張所の機能別再編を行い、従来の出張所窓口で行っていた証明書発行や税の収納は、コンビニなどでも取り扱うようになりました。 出張所は平成28年度末に廃止し、跡施設については、建物の状況や地域の意見をもとに別機能への転換を図ります。 [具体例2]高野台運動場用地における病院と福祉園の整備⇒リーディングプロジェクト2参照 高齢化の進展に伴う医療ニーズや、重度障害者の日中活動の場の充実など、今後の行政需要に対応するため、高野台運動場を廃止し、「病院誘致」・「石神井町福祉園の移転・定員拡大」の用地として活用します。 手法2 統合・再編 同種あるいは類似の施設が重複している区立施設は、施設の配置バランス・箇所数などを考慮し、公平性や良好なサービス提供の観点から統合・再編を実施します。現在の施設(場所、建物)でなくても提供できるサービスは、移転・集約を検討します。 [具体例] 地域施設(児童館、敬老館、地区区民館、地域集会所)の再編⇒リーディングプロジェクト3参照 練馬区には、子どもや高齢者のための施設、地域住民の自主的活動の場となる施設が各地域にあります。 これらの施設の機能を、改修や改築の機会をとらえて徐々に転換し、長期的に、新たな地域施設として概ね中学校区に1か所程度、再配置します。 学校施設は、子どもたちの良好な教育環境を確保し、充実するため、過小規模校を中心に統合・再編に取り組みます。 [具体例]旭丘小学校、小竹小学校、旭丘中学校の統合・再編⇒リーディングプロジェクト4参照 平成28年度に学校施設管理基本計画を策定します。基本計画に基づき、適正配置基本方針および10か年の実施計画を定め、保護者や地域の区民の方々の理解を得ながら進めます。  手法3 複合化 複数の機能を一つの施設へ集約することで、個別に整備する場合よりも 施設規模の抑制・総床面積の削減を図りつつ、必要な機能を備えることができます。 大規模改修や改築の際には、周辺施設や新たな区民サービスの機能との 複合化を必ず検討します。単独での改修・改築は、あらゆる可能性を検討したうえで複合化ができない場合に限定します。 既存の小規模単独施設は、将来的には改築などにあわせていずれかの施設 と複合化し、単独での整備はしないこととします。 [具体例]北保健相談所の移転と周辺施設の集約⇒リーディングプロジェクト5参照 北保健相談所をより利便性の高い駅近くに移転し、周辺施設と複合化します。複合化にあわせて、区民ニーズに応える機能を持たせることを検討します。 2.2.2留意する事項 ⑴跡地・跡施設の活用 施設配置最適化検討の結果、区立施設としての有効活用が望めないものは、貸付や売却を行い、賃料や売却益を他施設の改修・改築費用、移転先施設(用地)取得費用の財源などとして役立てます。 ⑵民間施設を考慮した配置 区立施設の機能の中には、保育園や介護保険施設など、民間事業者により同種・類似のサービスが提供されているものがあります。区立施設の役割を明確にし、民間施設との配置バランスを考慮します。 ⑶利便性を考慮した移転・集約 区民が相談や届出のために訪れる施設は、まちづくり事業や改築などの  タイミングを捉えて、各鉄道沿線の利便性の高い主要駅周辺へ可能な限り移転・集約し、利便性をより高めます。 大江戸線の延伸時には、(仮称)大泉学園町駅周辺においても区立施設の機能集約を図ります。 ⑷施設規模の縮小 施設配置の最適化のための移転や改築を行う際は、従前と同規模での  施設整備を前提とせず、必要面積を精査し、可能な限り床面積を縮減します。 また、集会室などを多目的に使える仕様とし、時間帯などを分けて別の機能でも活用すること(タイムシェア)を積極的に検討します。 ⑸施設間の機能連携 施設単独の機能だけでなく、関連する施設のネットワーク化やブランチ施設の配置など、施設間の機能連携によるサービスを充実します。 [具体例]図書館資料受取窓口(ブランチ施設設置の例) 図書館について、館数を増やすためには大きな費用が必要ですが、受取窓口を設けることにより、小さな費用で一定の機能確保を図ることができます。  2.3維持・更新の方針 これまで区では、施設の耐用年数を60年、改修周期を15年とする考え方に基づき、平成18年、22年に「区立施設改修改築計画」を策定してきました。しかし、平成20年のリーマンショックにより財政状況が悪化するなか、耐震化を最優先とし改修・改築を進めた結果、平成27年度までに耐震化は完了しましたが、15年周期による改修は時期を先送りせざるを得ませんでした。 今後、学校の改築や大規模な区立施設の改修が必要となります。これまでの改修などの実績、建築物の更新についての技術的知見、他自治体の状況などを考慮しつつ、目標使用年数や改修・改築について新たな方針を定め、これに基づき施設を維持・更新していきます。 2.3.1維持・更新の新たな方針 方針1 施設の目標使用年数を80年とします ・築50年ごろを目途にコンクリートの圧縮強度、中性化状況(※)などに基づき長寿命化の適否を判断します。(耐震診断を実施している場合は、その結果も活用します。) ※中性化状況:コンクリートは本来高いアルカリ性ですが、経年劣化などによりアルカリ性を失い酸性に傾くことを中性化と言います。中性化が進行すると、鉄筋の錆につながるなど建物の劣化原因となります。 ・長寿命化に適するものは築60年を目途に改修を行うことで、目標使用年数を80年(※)とします。 ※(社)日本建築学会編・発行「建築物の耐久計画に関する考え方」によれば、RC造(鉄筋コンクリート造)の望ましい目標耐用年数は、普通品質の建物で50~80年、高品質の場合は80~120年とされています。 また、文部科学省の「学校施設長寿命化計画策定に係る手引」(平成27年4月)では「実際の学校施設の物理的な耐用年数は、適切な維持管理がなされ、コンクリートおよび鉄筋の強度が確保される場合には70~80年程度、さらに、技術的には100年以上持たせるような長寿命化も可能である」とされています。 この計画では、計画的な保全の実施と必要に応じた長寿命化改修を前提に、施設の目標使用年数を80年とします。なお、区営住宅の耐用年数は、公営住宅法に基づき、原則として70年となっています。 方針2 施設の改修メニューを絞り込みます ・改修の際は、施設の備えるべき機能を維持するために必要な項目のみに 絞り込んで工事を行います。ただし、機能の転換を伴う場合は必要な工事を実施します。 方針3 新築・改築時には施設規模を精査します ・施設として担うべき機能を確保するために必要最低限の規模を精査します。改築の際は、原則として現状以下の規模で整備します。 2.3.2改修・改築の具体的な考え方 ⑴区立施設(学校施設を除く)の改修・改築 ①改修 20年目を目途に改修を、40年目を目途に大規模改修を行います。長寿命化に適するものは、60年目を目途に改修を行います。 20年目改修築 20年目を目途に外壁、屋上防水および電気・機械設備などの改修工事を実施します。 実施メニューは項目ごとに劣化状況により判断し、必ずしも同時に実施しない場合もあります。 劣化状況は日常点検・法定点検により把握し、計画的に対応します。 40年目改修(大規模改修) これまでの大規模改修では、建物を一度スケルトン(躯体:壁・柱・床のみ)の状態にし、間取りの変更や新機能の追加も含めた工事を行うことがありました。 今後は、施設の備えるべき機能を維持するための実施項目に絞り込み、機能の転換を伴う場合を除き、原則として間取りの変更や新機能の追加は行いません。 築40年目を目途に電気配線、空調、給排水の配管を含めた施設全体の改修工事を実施します。 旧耐震基準の建物で、不特定多数の方が利用するIs値0.75(※)未満の施設は、機能保持や耐用年数を考慮しつつ、可能な限りIs値0.75以上への耐震化を図ります。 ※Is値:構造耐震指標。旧耐震基準に基づき建てられた建物について、0.6以上であれば通常の耐震性を有するものとされています。 <留意事項> バリアフリー…原則として500㎡以上の不特定多数の方が利用する施設は、エレベーターの設置、だれでもトイレの整備など、施設の機能に支障がない範囲でバリアフリー化を進めます。 太陽光発電…新耐震基準の建物で、屋根・屋上の形状や構造上の観点などから設置が可能な場合、3000㎡を超える建物に10kw以上、3000㎡以下の建物に5kw以上のものを設置します。  省エネルギー…照明設備のLED化など、省エネルギー型設備を可能な限り導入します。 緑化…施設利用に支障がない場合、敷地の緑化や屋上緑化、壁面緑化など、可能な限り緑化を進めます。 60年目改修 改修の考え方は基本的に20年目改修と同様とし、目標使用年数(築80年)までの間必要な機能を維持するための工事を行います。 長寿命化に適さないものは、改修を実施せず、改築または廃止します。 庁舎、文化施設、区営住宅等については規模や設備の特殊性などを考慮し、独自の改修計画により対応します。 また、建築基準法施行令に定める「特定天井」(※)については、「練馬区耐震改修促進計画」(平成28~32年度)に基づき、落下防止のための改修を計画的に行っていきます。 ※特定天井:6m超の高さがあり、かつ面積が200㎡を超え、質量2kg/㎡超の吊天井で、人が日常利用する場所に設置されているもの。学校施設については、平成24年9月文部科学省通知に基づき天井等落下防止対策完了済。 ②改築 特定の施設にしか使えない仕様とせず、将来の人口構成や区民ニー  ズの変化などに伴う利用形態の変更に柔軟に対応できる仕様とします。 新耐震基準に基づいた耐震性の確保を基本とし、防災上重要な庁舎は1.5倍、区民が利用する施設などは1.25倍の耐震性を確保します。 <留意事項> バリアフリー…スロープや手すり、だれでもトイレ、エレベーターの設置など、施設の特性にあわせて利用者がより使いやすい施設とします。 太陽光発電…屋上などの利用に支障がない場合に、5000㎡を超える建物は30kw以上、5000㎡以下の建物は20kw以上、3000㎡以下の建物は10kw以上のものを設置することを基準とします。 省エネルギー…LED照明や雨水を利用したトイレなど省エネルギー型設備を可能な限り導入します。 緑化…施設利用に支障がない場合、敷地の緑化や屋上緑化、壁面緑化など、可能な限り緑化を進めます。 雨水流出の抑制…建物や棟間、駐車場などに雨水貯留浸透施設を設置し、雨水の流出を抑制します。 ⑵学校施設の改修・改築 ①改修 20年ごとを目途に、外壁、屋上防水および電気・機械設備などの改修工事を実施します。また、40年目にはこの改修に加えて、電気配線、空調の配管、給排水の配管等の改修を行います。長寿命化に適するものは、60年目を目途に20年目と同等の改修を行います。 学校施設はその特性上、工事のために長期間休校にすることができないため、改修工事は夏季休業期間などを利用して行うことになります。限られた期間の中ですべての改修項目を実施することができない場合、改修工事が複数年にまたがることがあります。 劣化状況については、日常点検・法定点検により不具合の兆候を確実に把握します。 照明設備のLED化など、省エネルギー型設備を可能な限り導入します。 ②改築 学校施設の約4割は築50年を経過しており、今後、多くの学校の改築が必要となります。学校施設は規模が大きく、1校あたりの改築費用が多額となるため、短期間に集中して改築を行うことは困難です。財政負担を平準化するため、以下の点を総合的に考慮して改築に着手する学校の順位付けを行い、概ね1年に2校ずつ計画的に改築を行います。 ○学校施設の適正配置 ○小中一貫教育校の設置 ○建築年数 ○施設の老朽化の程度 ○近隣校の改築時期 ○体育館が2階以上にある等、避難拠点を運営する上での課題の有無 ○複合化の対象区立施設の有無 ○その他特に配慮を要する事項 教室の数・種類等の標準化や、ルームシェアなど多用途での使用が可 能となる汎用性の高い仕様により、必要な機能を確保しつつ可能な限り床面積を縮減し、改築費用を抑制します。 避難拠点としての防災上の重要度を考慮し、新耐震基準に基づく耐震性の1.25倍の耐震性を確保します。また、災害時におけるエネルギーセキュリティをさらに高めることを目指し、緊急電源となる外部電力確保設備や蓄電池と組み合わせた太陽光発電の設置を進めます。 小学校では、「ねりっこクラブ」のためのスペースを確保します。 学校における教育活動に配慮したうえで、周辺区立施設の複合化などにより地域コミュニティの拠点としての機能を充実します。 統廃合の結果空き施設となった校舎を工事期間中の仮校舎として活用し、仮設校舎を使用しない改築手法を検討します。 <留意事項> バリアフリー…練馬区福祉のまちづくり推進条例に基づき、スロープや手すり、だれでもトイレ、エレベーターなどを設置します。 省エネルギー…LED照明や雨水を利用したトイレなど省エネルギー型設備を可能な限り導入します。 緑化…施設利用に支障がない場合、敷地の緑化や屋上緑化、壁面緑化など、可能な限り緑化を進めます。 雨水流出の抑制…建物や棟間、駐車場やグラウンド地下等に雨水貯留浸透施設   を設置し、雨水の流出を抑制します。 ③学校施設管理基本計画・実施計画の策定 平成28年度に、改修・改築等の考え方の具体的内容を明らかにする学校施設管理基本計画を策定します。平成29年度には、基本計画に基づく実施計画の検討に着手します。実施計画では、10年間に改築する学校や改築の時期、方法を示します。 2.3.3留意する事項 ⑴仮設施設を設けない改修・改築 長期間閉館することができない施設は、大規模改修や改築の際、仮設の用地や施設を確保する必要があります。経費削減や工期短縮等の観点から、仮設施設を利用し現在地での改修・改築を行う方法だけでなく、適地への移転についても検討します。 ⑵財源の確保 施設整備基金について目標額を定め着実に積み立てることや、跡地・跡施設の売却、区有財産の貸付などにより、施設改修・改築の財源を計画的に確保します。 また、特別区財政調整交付金について、特別区の改修・改築費用の実態を反映した財政調整がなされるよう、東京都に要望していきます。 ⑶民間活力の活用 平成27年12月、内閣府と総務省は、人口20万人以上の地方公共団体に対し、公共施設の建設や運営についてPPP/PFI(※)手法導入を優先的に検討するための規程(以下「優先的検討規程」という。)を、平成28年度末までに策定するよう要請しました。 内閣府が作成した「優先的検討規程策定の手引き」では、PPP/PFI手法導入の検討対象とする事業、導入の適否を評価する客観的基準、評価結果の公表等について優先的検討規程に明記することとされています。 ※PPP…Public Private Partnershipの略で、公共施設等の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことにより、民間の創意工夫等を活用し、財政資金の効率的使用や行政の効率化を図る手法です。  PFI…Private Financial Initiativeの略で、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法です。 国の要請内容を踏まえ、区におけるPPP/PFI手法の活用を検討する際の方針を、つぎのとおり定めます。なお、区立施設の運営等における活用については、「2.4 運営の方針」に基づき進めます。 ①基本的な方針 区立施設の整備等にあたって、区民サービスの向上と持続可能性の確保の観点から、民間の資金・ノウハウを活用するPPP/PFI手法の導入が効果的な場合は、最適な手法を選択し積極的に導入することとします。 ②検討の対象とする事業 大規模な施設の整備・改築などで、民間事業者の資金、経営能力、技術的能力を活用する効果が見込まれる事業を検討の対象とします。 【考えられる事業の例】 ・不特定多数の区民が利用する、全区的な施設の新築・改築 ・区有地等の有効活用  ただし、民間事業者の実施が法的に制限されている場合、災害復旧など緊急に実施する必要がある場合、施設の特性によりスケジュール管理や区民等との調整を区が行う必要がある場合などは除くものとします。 ③検討の視点 つぎに掲げる事項などを含めて、総合的に検討します。 ・区民サービスの向上が図られるか ・施設の整備や維持・運営のコスト削減や効率化が図られるか ・担い手となる民間事業者があるか ・区内事業者の活用が可能か ④検討の進め方 大規模な施設の整備・改築や、区有地の有効活用等を検討する際は、当初の段階からPPP/PFI手法の活用を含めて検討します。 基本構想や基本計画を策定する際には、検討の結果を盛り込み、公表します。 ①民間事業者が公共施設等の設計、建設又は製造及び運営等を担う手法 ・民間事業者が自ら資金調達を行い、施設を建設したのち、施設の所有権を公共に譲渡したうえで、民間事業者がその施設の維持管理・運営を行う方式(BTO方式:建設 Build - 移転 Transfer - 運営等 Operate ) ・民間事業者が自ら資金調達を行い、施設を建設したのち契約期間中の維持管理・運営を行い、事業期間終了後に、公共にその施設を譲渡する方式(BOT方式:建設Build - 運営等 Operate -移転 Transfer ) など ②民間事業者が公共施設等の設計及び建設又は製造を担う手法 ・民間建設買取方式(BT方式:建設 Build - 移転Transfer)など 2.3.4 外郭団体や民間事業者へ貸し付けている施設について ⑴特別養護老人ホーム、デイサービスセンター 特別養護老人ホーム4施設(デイサービスセンター併設、下表参照)は区立施設として指定管理者制度により運営していましたが、練馬区社会福祉事業団に運営を移管し、民営化しました。現在、土地・建物とも無償貸付としています。 これまで大規模改修は区の負担で行うこととしていました。今後、練馬区社会福祉事業団が主体的に施設維持を行い、それを区が支援する方式へ移行することを検討し、そのスキーム等について協議します。 ⑵作業所・生活介護事業所 区の施設としては使わなくなった建物等を民間の障害者施設に無償で貸し付けています。施設の老朽化時には、区は原則として改修・改築をせず、順次、移転・家賃補助等への移行を検討します。事業者や利用者の状況を踏まえ、協議しながら検討を進めます。 跡地は、他用途への転用または売却・貸付等により有効活用を図ります。 2.4運営の方針 2.4.1基本的考え方 施設で提供するサービスの質を上げ、量を充実するうえで、行政が直接担うより民間の力を活かしたほうが良い分野が拡大しています。こうした分野では民間と力を合わせ、民間ならではの創意工夫を発揮できるようにする必要があります。 練馬区ではかつて、急激な都市化と人口の急増に対応して各種の施設の拡充が迫られました。その当時は民間に担い手が確保できず、必要に応じて区が直接担ってきました。 しかし、社会の状況は大きく変化し、行政や社会福祉法人だけでなく、株式会社やNPO法人など多様な担い手が、その柔軟性を活かして質の高い施設サービスを提供できるようになっています。区民ニーズに応えてサービスを向上させるために、新しい時代にふさわしい仕組みに変えていきます。 一方、児童虐待への対応や生活困窮者の支援、防災対策、まちのインフラ整備といった、行政が最終的な責任を持つべき分野は、区民や民間事業者と協働しながら、行政でなければ担えない役割を徹底して果たしていきます。 2.4.2最適な手法の選択 施設の特性に応じて、適切な手法を選択する必要があります。区が直接担うべき業務は引き続き直営とし、民間の知恵と経験を活用したほうが効果的な業務は民間が担うことを基本とします。これまでの委託や民営化の実績を検証し、下記の点に留意しながら今後さらに委託や民営化を進め、サービスの向上を図るとともに、行財政運営の効率化に取り組みます。 ⑴業務委託と指定管理者制度 民間事業者に委託する手法には、つぎの2つがあります。 ①業務委託 運営・管理の権限等を区が留保しつつ、民間事業者が効率的・効果  的に実施できる業務を民間事業者に委ねる。 ②指定管理者制度(「公の施設(※)」に限る) 地方自治体に「指定管理者」として指定を受けた民間事業者が「公  の施設」の管理を包括的に行う。 ここでは、業務委託と指定管理者制度をあわせて「委託」といいます。 ※「公の施設」とは、地方自治法において「住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設」と定められている施設で、図書館、美術館、体育館、福祉園などがあります。 区役所庁舎や区民事務所など、行政の事務所は「公の施設」にはあたりません。 委託を開始する際には、施設や業務の特性等によって、どのような業務 を委託するのか、どの手法が最もふさわしいかを検討し、最適な手法を選択します。既に委託している施設・業務も、これまでの実績に照らして、委託の範囲や手法等について改めて検討します。 ⑵民営化 事業者が自らの創意工夫によりサービスの向上を行うためには、民営化 が必要です。業務委託や指定管理者制度適用により、一定期間安定的・継続的に良好な運営が行われている施設について、民営化を目指します。 民営化にあたっては、施設の土地・建物などを民間事業者に譲渡するの か貸与するのか、有償か無償かなど、区有資産の取扱いを整理します。  ⑶事業者の確保と適切な指導・監督 委託事業者の選定にあたっては、施設や業務に応じて、適正な履行が確保できる事業者を、公平公正な手続きにより選定します。区の公共サービスをできるだけ区民・区内事業者が担えるように、区内事業者の発掘や育成、区民雇用の促進に努めます。あわせて、区民の皆さんとの協働を引き続き進めます。 委託後は、モニタリング等により運営状況を把握して委託の効果を検  証します。必要に応じて区が適切に指導監督を行うことで、サービス水準の維持・向上を図ります。 民営化後も、区は必要に応じて民間事業者に対する支援や指導を行うこ とで、サービス水準と安定性・継続性を確保します。 ⑷計画的な移行と区民への丁寧な説明 職員の退職の状況等を考慮しながら、長期的見通しをもって計画的に委託・民営化を行います。運営体制の変更について、利用者をはじめとする区民に丁寧な説明を行い、意見を聞きながら段階的に進めます。 2.4.3総合的な検討・検証体制の構築 委託・民営化を進めるにあたっては、個々の施設や業務だけでなく、区全体の行政サービスのあり方、執行体制、財政負担などを総合的に検討し、最適な手法を選択することが求められます。委託・民営化後の運営についてもサービス水準や効率性などについての検証が必要となります。 多角的な視点から総合的に委託や民営化の検討・検証をする体制を構築し、継続的に改善しながらサービス向上と持続可能性の確保の両立を目指します。 2.4.410年程度先を見通した方針 今後10年程度を目途に、新たに進める委託や民営化の主な取組は下表のとおりです。 2.5適正負担の方針 2.5.1使用料等の見直しの検討 区民サービスは、区民全体が負担する区税を基礎的な財源としていますが、サービスの種類によっては、利用する特定の人が利益を受けるものがあります。そこで、施設の種類によって、使用料として、施設の維持管理費用の一部を利用者に負担していただいています。 サービス利用者が応分の負担をすることで、利用しない人との「負担の公平性」が確保されます(「受益者負担の原則」といいます)。 現在の使用料は、平成14年度に定めた算出方法を基本に、光熱水費など施設の維持・運営にかかる経費をもとに、施設の性質に応じて、税金で負担する分と利用者が負担する分の割合を設定して計算しています。この間、様々な民間施設が整備され、区民の利用状況も変化しています。 他自治体や民間施設の状況、区立施設の維持・運営にかかる経費のデータなどをもとに、あらためて区立施設の性質分類や区外利用者の負担のあり方などを検討します。 なお、認可保育所の保育料については、平成10年度以降見直しがされておらず、運営経費に占める保育料の割合は9.5%と23区で最低水準となっていました。このため、低所得世帯に配慮しつつ適正な負担割合となるよう、平成29年4月に保育料を改定します。今後も教育・保育サービスの充実と負担の適正化を図るために、認可保育所の保育料について見直しを検討します。 2.5.2減額・免除制度の見直しの検討 区立施設の使用料等の減額・免除制度は、高齢者・障害者への配慮、各種団体活動の支援・促進、施設利用率の向上に配慮しながらも、その適用については、真にやむを得ないものに限定しています。 現在の制度は平成14年度に定めたもので、その後大きな見直しは行っていません。「超」超高齢社会の到来、少子化の進展により、施設利用者の年齢構成なども変化していきます。今後、使用料と同様に実態等の調査を行い、その結果を踏まえて制度の見直しを検討します。 2.5.3適正負担のあり方の検討手順 これまで使用料算定の原価に含まれていなかった費用を含めて、運営にかかるコストの実態を把握し、その結果に基づき様々な試算を行い、平成29年度にデータを公表します。そのうえで、平成30年度以降、使用料の変動幅や減額・免除のあり方を含めて、区民・利用者の意見を聞きながら、適正な負担のあり方を検討し、必要に応じて見直しを行います。 その後も、運営コストの状況などを調査し、定期的に使用料等の見直しを検討します。 2.6リーディングプロジェクト この計画に定める目標と方針を具体化するものとして、当面5つのプロジェクトに取り組みます。 2.6.1出張所の廃止と別機能への転換   出張所窓口で行っていた住民票の写しの交付や税の収納などは、郵便局での証明書発行やコンビニ交付・コンビニ収納を実施するなど代替方法を導入し、より利便性を高めました。 出張所は平成28年度末に廃止し、跡施設は区民の自主的な地域活動の拠点とすることを基本に、新しい行政需要へ対応した機能へ転換します。これまで説明会などで伺った地域の皆さんのご意見をもとに、施設の規模や地域の状況に応じて、高齢者相談センター支所の移転や図書館資料受取窓口の開設、街かどケアカフェとしての利用などの活用を進めます。 旧出張所建物は、併設の地域集会所または地区区民館とします。谷原出張所は、新たに練馬高野台駅前地域集会所として位置付けます。 2.6.2高野台運動場用地における病院と福祉園の整備 高野台運動場は、三方が住宅に囲まれた敷地に庭球場と野球場が併設されている施設です。野球場は狭小で、庭球場も施設が老朽化しており、いずれも十分な環境とは言えません。 練馬区は人口10万人当たりの一般・療養病床数が23区で最も少なく、23区平均の3分の1であり、高齢化が進むなか増大する医療需要への対応を迫られています。また、高野台運動場に近接する石神井町福祉園は老朽化が進んでおり、今後需要増が見込まれるため、施設の改修等の際には定員拡大が望まれます。 これらの喫緊の課題に対応するため、高野台運動場を廃止し、急性期を脱した方を受け入れる回復期・慢性期の機能を有する病院を誘致して地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、石神井町福祉園を移転し、民間事業者が整備・運営する方式で定員を拡大します。 現在の石神井町福祉園用地には重度障害者グループホームを誘致することを検討します。重度障害者グループホームと一体で、緊急一時保護、ショートステイや相談支援などを総合的に提供できる地域生活支援拠点とすることを目指します。 あわせて、備蓄物資の充実に必要な保管場所を確保するため、高野台運動場に隣接する高野台防災備蓄倉庫を改築して拡張します。 スポーツ施設については、これまでも平成23年度に大泉学園町希望が丘公園運動場を、また平成26年度には石神井松の風文化公園を整備するなど、充実に取り組んできました。今後は、練馬総合運動場の整備、大泉学園町希望が丘公園運動場の庭球場や大泉さくら運動公園多目的運動場への夜間照明設備設置による利用時間の拡大、利用用途の拡充に向けた北大泉野球場のフェンス嵩上げなどを実施します。さらに、大泉さくら運動公園内への庭球場の新設や大泉学園町希望が丘公園運動場の拡張に取り組み、引き続きスポーツを楽しめる環境づくりや、施設の充実に取り組んでいきます。 2.6.3地域施設(児童館、敬老館、地区区民館、地域集会所)の再編 練馬区では、昭和40年代から50年代初頭にかけて児童館・敬老館を、50年代以降に地区区民館(児童館機能・敬老館機能・地域集会機能の複合施設)を整備し、昭和60年代以降に地域集会所(地域集会機能のみ)を地区区民館の空白地域に整備してきました。 これらの施設の機能を、改修や改築等の機会をとらえて徐々に転換し、長期的に、新たな地域施設として概ね中学校区に1か所程度、再配置することを目指します。再配置の検討にあたっては既存の施設の配置状況や交通利便性なども考慮します。 2.6.4 旭丘小学校、小竹小学校、旭丘中学校の統合・再編 旭丘小学校、小竹小学校、旭丘中学校はいずれも過小規模となっています。また、小竹小学校と旭丘中学校は改築が必要な時期が迫っています。そこで、この3校を小中一貫教育校へ再編する方針を定め、より多くの保護者や地域の方々の意見を伺いながら進めていきます。 新たな小中一貫教育校は旭丘小学校・中学校の跡地に整備します。 小竹小学校の跡施設については、地域の状況や区民ニーズ等を考慮して活用方法を検討します。 2.6.5 北保健相談所移転と周辺施設の集約 大規模改修が必要となっている北保健相談所は、平和台駅近くの用地を取得して移転・改築し、利便性の向上を図ります。 あわせて、老朽化している春日町児童館・敬老館を、新たな区民ニーズに応える機能に転換し、複合化します。 春日町児童館は「乳幼児と子育てのひろば」および「中高生のひろば」を充実します。 春日町敬老館は、街かどケアカフェと高齢者相談センター支所に転換します。 新しく整備する施設は、会議室の相互利用などの検討を行い、施設全体での有効活用を進めます。 複合化によって生じる跡地は、区民ニーズに応える活用や、売却または貸付による財源の確保を検討します。 北保健相談所の移転に伴う空きスペースは、利用者の高齢化に対応した北町福祉作業所の機能拡充に活用するほか、シルバー人材センター事業所の移転・複合化についても検討しま 参考今後30年間の改修・改築工事費の試算 この計画に基づく取組を進めた場合の今後の改修・改築工事費を、一定の仮定のもとに試算してみました。 現在の区立施設をそのまま維持・更新した場合の試算と比べると大きく削減はされるものの、現在支出している経費の約2.5倍となっています。 施設の老朽化の状況や財政状況を踏まえて実施計画を策定し、見直しながら計画的に施設を維持・更新していきます。 第三章施設種別ごとの方針 施設種別一覧 1庁舎等 2区民事務所、出張所 3総合福祉事務所 4保健相談所 5清掃関連施設 6土木出張所、公園出張所 7文化・生涯学習施設 8スポーツ施設 9産業振興・勤労者福祉施設、集会施設 10子どもと青少年の施設 11高齢者福祉施設 12障害者福祉施設 13地域の施設 14リサイクルセンター 15区営住宅 16教育施設 17防災学習センター 18男女共同参画センターえーる 19厚生文化会館 20花とみどりの相談所 21区民農園、市民農園 1庁舎等 (1)練馬区役所(本庁舎、東庁舎、西庁舎) 【施設概要】 区の行政機能の中枢となる施設であり、あわせて区議会があります。災害時には、防災拠点としての機能も担います。 本庁舎には練馬区民事務所、西庁舎には練馬総合福祉事務所、東庁舎には練馬区保健所があります。 本庁舎の会議室は区民への貸出しを行っています。 東庁舎には休日急患診療所、つつじ歯科診療所があります。 【10年後を見据えた方針】 東庁舎・西庁舎は建築後30年以上、本庁舎は建築後20年以上が経過し、改修や設備機器の更新が必要になっています。施設規模が大きく、かつ庁舎機能を維持し続ける必要があることから多額の経費が必要となります。このため独自の改修計画を策定し、行政機能に滞りのないよう計画的に改修を実施していきます。 今後の行政需要への対応や、区民がより利用しやすいフロア配置、災害時の業務継続性向上など、様々な観点から、練馬駅周辺のまちづくりとあわせて将来的なあり方を検討します。 (2)石神井庁舎 【施設概要】 石神井区民事務所、石神井総合福祉事務所などの区民窓口機能を備えています。 一部の会議室は区民への貸出しも行っています。 地下に休日急患診療所、2階に西部公園出張所があり、敷地内には西部土木出張所があります。 【10年後を見据えた方針】 建築後45年以上経過しており、今後10年程度の間に改築に向けての方向性を定める必要があります。行政機能の維持、区民の利便性、敷地の有効活用、石神井公園駅周辺のまちづくりなど、様々な観点から将来的なあり方を検討します。その際、民間活力を導入する整備手法を含めて検討します。 (3)旧情報公開室、職員研修所、中村北分館 【施設概要】 旧情報公開室は、情報公開課の事務室として使用していましたが、耐震性に課題があるため利用を停止しています。 職員研修所は、研修および講演等の会場として利用しています。 練馬区役所中村北分館は、区の情報システムの維持管理、電子データの保管をする区のデータセンターとしての機能を担っています。 【10年後を見据えた方針】 旧情報公開室は、隣接する練馬図書館、生涯学習センターの大規模改修にあわせて建物を除却し、当面オープンスペースとして活用します。 職員研修所は、建築後35年が経過し大規模改修が必要となっています。周辺の区有施設等とあわせて将来的なあり方を検討します。 練馬区役所中村北分館は、建物を賃借していますが、平成31年度の契約期間満了時に、区が敷地とともに買い取る方針です。区の情報処理センターとして引き続き活用するとともに、外部のデータセンターの活用により生じる空スペースについて有効活用を検討します。 2区民事務所、出張所 (1)区民事務所 【施設概要】 転入、転出、印鑑登録等の届け出の受付、住民票の写しや印鑑登録証明書の交付などを行っています。 【10年後を見据えた方針】 石神井区民事務所は、石神井庁舎の改築を見据え、石神井公園駅周辺のまちづくり、区民の利便性などの観点も考慮して施設配置を検討します。 早宮区民事務所は、他の区民事務所と比較して利用が少ない状況にあります。区民への周知を行うとともに、より利便性の高い場所への将来的な移転についても検討します。 区民事務所全体の将来的な配置のあり方について、ICTの普及による事務量変化、大江戸線延伸後の人口動向等に照らして検討します。  (2)出張所 【施設概要】 出張所では住民票の写し等の証明書の交付、住民税等の収納などを行っていましたが、自動交付機やコンビニ収納の普及などによって、事務取扱件数が減少したため、平成26年7月に見直しを実施し、これらの事務は取り扱わないこととしました。証明書発行については、一部の郵便局の窓口へ委託し、コンビニ交付も開始しました。これに伴い、出張所は平成28年度末に廃止し、そのスペースの活用を進めます。 【10年後を見据えた方針】 旧出張所建物は、併設の地域集会所または地区区民館とし、区民の自主的な地域活動の拠点とすることを基本に、高齢者相談センター支所の移転や図書館資料受取窓口の開設、街かどケアカフェとしての利用などの活用を進めます。(P40 リーディングプロジェクト参照) 整備される機能にあわせて、必要な工事を行います。 谷原出張所は、新たに練馬高野台駅前地域集会所として位置付けます。 3総合福祉事務所 【施設概要】 高齢者、障害者、ひとり親家庭、生活困窮者などにかかる各種手続き、相談を行う施設です。 【10年後を見据えた方針】 石神井総合福祉事務所は、石神井庁舎の改築を見据え、石神井公園駅周辺のまちづくり、区民の利便性などの観点も考慮して施設配置を検討します。 4保健相談所 【施設概要】 乳幼児の健康診査のほか、赤ちゃんから高齢者までの健康相談、保健指導や保健師による訪問相談を行うとともに、子育てや生活習慣病予防などに関する教室や講演会を催しています。また、精神保健や難病に関する相談も行っています。 【10年後を見据えた方針】 北保健相談所(北町福祉作業所併設)の現施設は、建築後30年以上が経過し大規模改修が必要な時期に来ています。保健相談所は平和台駅近隣へ移転して改築し、周辺の区立施設と複合化することで、区民の利便性の向上を図ります。(P45 リーディングプロジェクト参照) 豊玉保健相談所は建築後50年が経過しており、長寿命化改修や将来的な改築について、練馬駅周辺のまちづくりとあわせて検討します。 大泉保健相談所は、今後大規模改修が必要となります。大江戸線の延伸を見据え、移転改築も視野に入れて検討します。近隣の施設との複合化についても検討します。 5清掃関連施設 (1)清掃事務所 【施設概要】 ごみの収集運搬、排出指導等の拠点となる施設です。 【10年後を見据えた方針】 可・不燃ごみの収集作業の一部を練馬区環境まちづくり公社に委託しています。 今後も収集作業の委託を拡大していきます。 (2)資源循環センター 【施設概要】 粗大ごみ等の収集・再使用事業や、使用済み食用油からバイオディーゼル燃料を精製する設備の運用などを行っています。 【10年後を見据えた方針】 資源の回収事業の拠点としての機能が果たせるよう、適切な維持管理を行います。  6土木出張所、公園出張所 【施設概要】 道路・公園の維持補修等管理業務の拠点となる施設です。 【10年後を見据えた方針】 東部土木出張所支所は東京都下水道局の浸水対策整備事業により、平成29年度に解体され、平成31年度に新築される予定です。整備にあたっては、他の機能との複合化の可能性を検討します。 西部土木出張所、西部公園出張所は、石神井庁舎の将来的な改築の検討にあわせて、今後の施設配置を検討します。 7文化・生涯学習施設 (1)練馬文化センター 【施設概要】 コンサートや演劇、バレエなどの各種公演の場として、大ホール(定員1,486名)、小ホール(定員592名)のほかリハーサル室やギャラリーなどを備えています。 【10年後を見据えた方針】 建築後30年以上経過しており、今後10年以内に音響等設備の更新が必要となります。ホール施設の設備の一般的寿命とされる建築後50年まで機能を維持できるよう、計画的に改修を実施します。休館が必要な規模の改修工事にあわせ特定天井の改修を行います。 利用実態や東京都・周辺自治体のホール等の状況などから、区の文化施設として求められる機能等を精査します。そのうえで、施設規模・設備のスペックにあわせた最適な維持・更新の手法を検討します。 (2)大泉学園ホール 【施設概要】 楽器の生演奏や肉声に適した音響効果を持つホール(定員176名)です。 【10年後を見据えた方針】 施設の利用実態等から、区の文化施設として求められる機能等を精査のうえ、施設・設備の適切な維持・更新を計画的に実施します。 (3)美術館 【施設概要】 近現代美術を中心とした企画展を行うほか、創作活動や作品の展示の場を区民に提供しています。 【10年後を見据えた方針】 建築後30年以上が経過し、大規模改修が必要となっています。隣接する東京中高年齢労働者福祉センター(サンライフ練馬)の一部も活用して施設のリニューアルを行い、展示機能などを充実させて文化施設としての魅力を向上させます。 (4)石神井公園ふるさと文化館、同分室 【施設概要】 石神井公園ふるさと文化館は、練馬区の歴史や伝統文化、自然を学ぶ場を提供しています。分室は、石神井松の風文化公園の管理棟内にあり、練馬区ゆかりの文化人に関する展示を行っています。 【10年後を見据えた方針】 石神井公園に隣接する石神井公園ふるさと文化館と、石神井松の風文化公園内にある分室の違いを分かりやすくするため、分室の呼称を検討します。 (5)文化交流ひろば 【施設概要】 旧光が丘第五小学校の跡施設を活用した施設です。青少年をはじめとする区民の文化芸術活動、多様な文化を尊重した区民の地域活動の推進、区民相互の交流を図ることを目的としています。音楽・演劇の練習室や交流室、実習室などがあります。 【10年後を見据えた方針】 練習室等の稼働率が低いため、施設をより有効に活用できるよう検討します。 (6)生涯学習センター、同分館  【施設概要】 生涯学習施策の拠点として、区民の文化・学習活動へ寄与することを目的とした施設です。 生涯学習センターおよび生涯学習センター分館では、「練馬Enカレッジ」をはじめとする各種講座事業や自主的な学習・文化活動の場の提供を行っています。 【10年後を見据えた方針】 生涯学習センターは、区の生涯学習事業の拠点として、現在分館が担っている練馬Enカレッジ等の機能も集約します。 建築後30年以上が経過しており、今後果たすべき機能にあわせた大規模改修を実施します。 生涯学習センター分館は建築後約50年が経過しているため、必要な機能を精査して代替施設を確保したうえで、廃止することを検討します。 (7)向山庭園  【施設概要】 日本庭園を有する特徴を活かした、区民の憩いと交流の場です。 【10年後を見据えた方針】 区民の「和」の文化・生涯学習活動の施設としての位置付けを明確にし、より有効活用されるよう、効率的な維持管理を行います。 (8) 図書館 【施設概要】 図書・記録・資料の収集・整理・保存を行い、利用者の読書支援だけでなく、生活や仕事の上で必要な資料や情報の提供を行っている施設です。 【10年後を見据えた方針】 練馬図書館、貫井図書館について、それぞれ併設する施設(生涯学習センター、美術館)にあわせて大規模改修を実施します。 現在9館・1分室に指定管理者制度を適用しています(平成29年4月から導入予定の関町図書館を含みます)。石神井図書館については、指定管理者制度の導入を検討します。光が丘図書館、練馬図書館についても、サービスの向上と効率的な運営に向けて検討を進めます。 図書館以外に、図書館資料の受取窓口を4か所設置しています。出張所跡施設等を活用し、図書館資料受取窓口を増設します。 8スポーツ施設 (1)体育館・プール 【施設概要】 だれもがスポーツを楽しむことができる施設です。個人、団体での利用のほか、各種の大会やスポーツ教室等の会場としても利用されています。 【10年後を見据えた方針】 建築後45年が経過している総合体育館は、改築に向けて、効率的に整備するための事業方式や現在地以外への移転の可能性も含めて検討します。 プール等の特定天井については、耐震改修促進計画に基づき改修します。 (2)庭球場、野球場、運動場 【施設概要】 屋外でテニス・野球などのスポーツやレクリエーションを楽しむことができる施設です。個人、団体での利用のほか、各種の大会、スポーツ教室等の会場としても利用されています。 【10年後を見据えた方針】 練馬総合運動場は、全天候舗装のトラック、人工芝の運動場等を備えた公園として整備します。 施設をより有効活用できるよう、大泉学園町希望が丘公園運動場の庭球場や大泉さくら運動公園多目的運動場への夜間照明設備設置など機能の向上を図ります。 また、北大泉野球場のフェンス嵩上げにより利用用途の拡充を図るほか、大泉さくら運動公園内への庭球場の新設や、大泉学園町希望が丘公園運動場の拡張に取り組みます。 高野台運動場は、区政の喫緊の課題に対応するため廃止し、跡地に病院を誘致して地域包括ケアシステムの構築を進めるとともに、老朽化が進んでいる石神井町福祉園を移転し、定員を拡大します。また、隣接する高野台防災備蓄倉庫を改築して拡張します。 今後とも、スポーツを楽しめる環境づくりや、施設の充実に取り組んでいきます。 9産業振興・勤労者福祉施設、集会施設 (1)東京中高年齢労働者福祉センター(サンライフ練馬) 【施設概要】 勤労者の福祉向上を目的とした施設であり、各種講座やトレーニングの場を提供しています。区民団体等への貸出施設としても活用されています。 【10年後を見据えた方針】 区民の様々な自主的活動の場としても活用されている実態を考慮しながら、隣接する美術館の大規模改修・機能拡充にあわせて、一部の施設機能の見直しを検討します。 (2)勤労福祉会館 【施設概要】 勤労者の福祉向上を目的とした施設であり、各種講座やトレーニングの場を提供しています。区民団体等への貸出施設としても活用されています。 【10年後を見据えた方針】 建築後30年が経過しており、大規模改修の際はエレベーターの設置等バリアフリー化を検討します。 各種講座等の事業を行うほか、区民の様々な自主的活動の場として活用されています。今後、類似施設とあわせて、より利便性や効率性が高まる事業や施設のあり方を検討します。 (3)石神井公園区民交流センター 【施設概要】 消費生活相談および職業紹介等を目的とした各種啓発、相談事業を行うほか、区民の文化活動と交流を促進する場を提供しています。 【10年後を見据えた方針】 今後、類似施設とあわせて、より利便性や効率性が高まる事業や施設のあり方を検討します。 (4)区民・産業プラザ 【施設概要】 区内産業の振興を目的とする練馬産業振興センター、区民の文化活動と相互交流を促進する場である区民交流ホール、地域活動の支援と協働を推進する区民協働交流センターの複合施設です。 【10年後を見据えた方針】 今後、類似施設とあわせて、より利便性や効率性が高まる事業や施設のあり方を検討します。 (5)区民ホール 【施設概要】 区民文化の向上および区民相互の交流を図るための施設です。 【10年後を見据えた方針】 いずれも光が丘区民センター・関区民センター内の併設施設であり、施設全体の改修にあわせて改修を行います。その際は、区内の他のホール施設との機能分担も考慮して施設のあり方を検討します。 10子どもと青少年の施設 (1)保育園 【施設概要】 保護者の就労・病気等のため、家庭で十分な保育が受けられない就学前の児童を保護者に代わって保育する施設です。 【10年後を見据えた方針】 区立保育園60園のうち、既に20園を委託しています。当面、概ね10年間を目途に20園の委託を実施し、それと並行して、委託後の保育園の民営化にも取り組み、保護者の多様なニーズに応える保育サービスを実現します。 建築後40年以上経過している施設が20施設以上あり、委託や民営化の計画と整合を図りながら、区立施設として維持するものについて改修・改築を実施します。設備等の施設仕様を標準化し、より効率的に改修・改築を行えるようにします。 (2)学童クラブ 【施設概要】 保護者の就労等により保育を必要とする小学生に対し、指導員の適切な指導のもと健全育成を図る施設です。 92施設あり、そのうち小学校の敷地内にあるものが50施設、児童館、地区区民館や厚生文化会館の中にあるものが29施設、UR住宅等の中にあるものが13施設あります。 【10年後を見据えた方針】 92クラブのうち、直営が61クラブ、業務委託が25クラブ、指定管理が6クラブあります。 今後、概ね10年間を目途に学童クラブの委託と小学校内への設置を進め、小学校施設を活用して、「学童クラブ」と「学校応援団ひろば事業」のそれぞれの機能と特色を維持しながら事業運営を一体的に行う「ねりっこクラブ」を全小学校で実施します。 「ねりっこクラブ」の実施により、学童クラブの定員拡大、ひろば事業の通年実施、様々なプログラムの提供による放課後の充実など、すべての小学生が安全かつ充実した放課後を過ごすことができる環境を実現します。 学校の改築等にあわせて、「ねりっこクラブ」のためのスペースを校内に確保します。 (3)子ども家庭支援センター 【施設概要】 地域の子どもと家庭の総合窓口として、様々な相談に応じるとともに、子育て支援事業を通して地域の子育てを応援する施設です。 【10年後を見据えた方針】 子ども家庭支援センターは、東京都と連携して、児童相談サービスの充実を図ります。 子育てのひろばは、児童館機能をもつ区立施設(児童館・地区区民館・厚生文化会館)や、民設の子育てのひろばの設置状況も考慮しながら、全区的にバランスの良い配置としていきます。  (4)児童館 【施設概要】 学校や地域と連携しながら、0歳から18歳までの児童を対象に、自主的活動や遊びを通して、健康で豊かな心を持った児童に育つよう援助しています。また、図書室、工作室、音楽室、遊戯室等を利用して、各種クラブ活動や時節にあわせた行事を行っています。 乳幼児向けの事業や中高生の居場所づくり事業なども行っています。 【10年後を見据えた方針】 小学生の居場所となる「ねりっこクラブ」の展開にあわせて児童館等の機能を見直し、乳幼児と保護者や中学生・高校生向けのサービス等を充実します。 また、地域の子どもや子育てに関する課題に取り組むため、区民や地域活動団体と連携し、子どもの健全育成と子育て支援の地域の拠点としての機能を強化します。   子ども家庭支援センター・子育てのひろば、地区区民館、厚生文化会館など、児童館と類似したサービスを行っている施設を含めて機能を見直し、新たな児童館機能は、新たな地域施設の機能の一つとして、将来的に概ね中学校区に1か所程度の配置とすることを目指します。「中高生の居場所」としての機能は、地域バランス、青少年館など類似施設の配置を考慮して配置を検討します。(P42~43 リーディングプロジェクト参照) 14館が建築後約40年を経過しており、そのうち8館については大規模改修未着手のため、大規模改修または改築を検討する必要があります。併設の敬老館も含めて各館の機能転換の方向性を考慮したうえで、改修・改築を計画的に実施していきます。 春日町児童館は、北保健相談所の移転・改築にあわせて、新たな区民ニーズに応える機能を充実し複合化します。 (5)青少年館  【施設概要】 青少年の健全育成を目的として、自主的なサークル活動等の場を提供する施設です。 貸出施設としても利用されています。春日町青少年館は、心身障害者青年学級、練馬児童劇団、ねりま若者サポートステーションの場としての機能も担っています。 【10年後を見据えた方針】 青少年の健全育成事業は、新たな地域施設における中高生の居場所などの児童館機能等とあわせて再編を検討します。 春日町青少年館は、ねりま若者サポートステーションの場を確保しながら、心身障害者青年学級や練馬児童劇団などの実施方法等を見直し、その方向性にあわせて、施設運営や改修等のあり方を検討します。 11高齢者福祉施設 (1)高齢者センター 【施設概要】 区内在住の60歳以上の方が利用できる、生きがいづくりと健康づくりを推進する施設です。介護予防事業をはじめ各種の教室・講座、レクリエーションのほか、相談事業も行っています。また、娯楽室、浴室等があり、高齢者の憩い・交流・自主的活動の場として利用されています。 【10年後を見据えた方針】 平成29年度に大泉に開設することにより、郵便番号別4圏域に各1か所の体制が整います。これにあわせて、高齢者の生きがいづくりと健康づくりの場としてより区民がわかりやすく、使いやすくするため「練馬区立はつらつセンター」という名称に変更します。 圏域内の施設等と連携しながら介護予防や相談など高齢者向けサービスを提供していきます。 (2)敬老館 【施設概要】 区内在住の60歳以上の方が利用できる、地域の高齢者の交流と健康増進のための施設です。娯楽室や浴室等を備えています。 【10年後を見据えた方針】 改修・改築等の機会を捉え、地区区民館、厚生文化会館の敬老館機能とあわせて再編し、地域バランスに配慮しながら世代にとらわれず広く地域の区民が交流できるよう機能の転換を図ります。そこでは介護予防事業など、高齢者のための事業も行います。 浴室は、改修や改築にあわせて、新たな機能への転換を検討します。規模や周辺施設の状況、全区的なバランスを考慮して、当面存続させる必要があるものは維持します。(P42~43 リーディングプロジェクト参照) 現在、指定管理者または業務委託により運営していますが、機能転換にあわせて運営方法を検討します。 春日町敬老館は、北保健相談所の移転・改築にあわせて、街かどケアカフェと高齢者相談センター支所に転換して複合化します。  (3)デイサービスセンター 【施設概要】 介護保険法により要支援・要介護と認定された方等を対象に、入浴・食事の提供・機能訓練などのサービスを日帰りで提供している施設です。 【10年後を見据えた方針】 いずれも指定管理者により運営しています。平成31年3月31日に指定期間が満了(光が丘デイサービスセンターは平成33年3月31日まで)するため、再度公募して指定管理者を選定します。 高齢者集合住宅に併設している施設は、賃貸借契約により所有者から借り受けています。契約期間満了後の取扱いについて、所有者と協議します。 (4)軽費老人ホーム  【施設概要】 区内に居住する60歳以上の方で、家庭環境や住宅事情等の理由により自宅での生活が困難な方のための施設です。 【10年後を見据えた方針】 大泉特別養護老人ホームの併設施設であり、同一の指定管理者(練馬区社会福祉事業団)による管理を行っていましたが、大泉特別養護老人ホームは平成23年4月に民営化しました。 併設の大泉特別養護老人ホームと同様に民営化することを検討します。 (5)高齢者集合住宅 【施設概要】 65歳以上の単身者、または65歳以上の方と60歳以上の方(親族)の二人世帯を対象とした住宅(集合住宅)です。所得制限があります。 【10年後を見据えた方針】 所有者から借上げ期間30年で賃借している施設であり、平成33年から36年に全ての施設が契約期間満了を迎える予定です。 今後、建物所有者の意向、入居者の状況、施設に係る経費と効果を検証し、対応を検討していきます。 12障害者福祉施設 (1)福祉園 【施設概要】 生活介護事業を行い、障害程度の重い方の日中活動の場として、様々な活動を通じて、心身の発達や社会生活能力を維持向上するための支援を行っています。 【10年後を見据えた方針】 7か所の福祉園のうち、氷川台・大泉学園町の2園を直営で運営し、5園で指定管理者による管理を行っています。 今後、定員の拡大が必要になると見込まれます。 大規模改修が必要となっている石神井町福祉園は、高野台運動場の跡地に移転し、民間事業者が整備・運営する方式で定員を拡大します。(P41 リーディングプロジェクト参照) その他の指定管理者制度を導入している施設についても、指定管理者の運営実績を考慮し、今後の運営方法を検討します。 (2)福祉作業所等  【施設概要】 知的障害のある方のための福祉的就労の場として、一般企業などでの就労が困難な方や、一定年齢に達している方に働く場を提供しています。 また、就労に向けた訓練を経て就職を目指す支援も行っています。 【10年後を見据えた方針】 いずれも指定管理者により運営しています。指定管理者の運営実績を考慮し、今後の運営方法を検討します。 今後、利用者の高齢化に対応したサービスを検討する必要があります。 大規模改修が必要となっている北町福祉作業所は、利用者の高齢化に対応した機能拡充について、北保健相談所の移転に伴う空スペースの活用を含めて検討します。(P45 リーディングプロジェクト参照) (3)障害者地域生活支援センター 【施設概要】 障害のある方が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、必要な支援を行い、障害者の福祉の増進を図ることを目的とした施設です。相談や各種講座、地域交流事業を実施しています。 【10年後を見据えた方針】 いずれも指定管理者により運営しています。豊玉障害者地域生活支援センターについては、建築後50年が経過しており、併設の豊玉保健相談所とあわせて長寿命化改修や将来的な改築について検討します。 (4)こども発達支援センター 【施設概要】 発達に心配のある18歳までのお子さんを対象に、医師、心理士などの専門の職員が発達相談や医療相談を行い、必要に応じて適切な支援につなげ、お子さんの健やかな成長を支援する施設です。旧光が丘第五小学校跡施設を活用して、平成25年に開設しました。 相談事業、通所訓練事業、家族支援事業、地域支援事業などを実施しています。 【10年後を見据えた方針】 平成26年度から相談事業・通所訓練事業などの業務を委託しています。 委託の運営実績を考慮し、業務委託の拡大等、運営方法を検討します。 (5)心身障害者福祉センター 【施設概要】 障害のある方の福祉の増進を図るため、各種の相談、機能回復訓練、重度心身障害者の日中活動支援サービスなどを行っています。平成25年度から高次脳機能障害等の中途障害者に対する相談や通所訓練等も行っています。 【10年後を見据えた方針】 平成25年度から中途障害者支援事業等を委託しています。 委託の運営実績を考慮し、業務委託の拡大等、運営方法を検討します。 併設の出張所の機能転換や地区区民館施設の機能再編も視野に入れながら、改修について検討します。また、医療的ケアが必要な就学前の障害児を受け入れる、児童発達支援事業所を誘致します。 (6)障害者地域活動支援センター(谷原フレンド) 【施設概要】 重度の知的障害のある方に、創作や文化的な活動と機能訓練のほか、入浴・給食などを提供している施設です。学童クラブを併設しています。 【10年後を見据えた方針】 併設の学童クラブとあわせて指定管理者による運営を行っています。地域で生活する障害者の高齢化等に対応するため、必要な機能を検討します。 (7)障害者グループホーム 【施設概要】 知的障害者が地域社会の中で自立した生活を営むことができるよう、居住の場の提供と日常生活において必要な援助を行うとともに、単身生活や他のグループホームの利用等により地域生活を続けていくための取組や援助を行う施設です。 いずれも、介護者が病気などで介護できない時や休養が必要な時に、障害児(者)をお預かりするショートステイ等の事業も行っています。 【10年後を見据えた方針】 指定管理者による運営を行っています。今後障害者の高齢化・重度化を念頭において施策を検討する中で、必要な機能を検討します。 13地域の施設 (1)児童館 【施設概要】 10子どもと青少年の施設参照 【10年後を見据えた方針】(再掲) 小学生の居場所となる「ねりっこクラブ」の展開にあわせて児童館等の機能を見直し、乳幼児と保護者や中学生・高校生向けのサービス等を充実します。 また、地域の子どもや子育てに関する課題に取り組むため、区民や地域活動団体と連携し、子どもの健全育成と子育て支援の地域の拠点としての機能を強化します。   子ども家庭支援センター・子育てのひろば、地区区民館、厚生文化会館など、児童館と類似したサービスを行っている施設を含めて機能を見直し、新たな児童館機能は、新たな地域施設の機能の一つとして、将来的に概ね中学校区に1か所程度の配置とすることを目指します。「中高生の居場所」としての機能は、地域バランス、青少年館など類似施設の配置を考慮して配置を検討します。(P42~43 リーディングプロジェクト参照) 14館が建築後約40年を経過しており、そのうち8館については大規模改修未着手のため、大規模改修または改築を検討する必要があります。併設の敬老館も含めて各館の機能転換の方向性を考慮したうえで、改修・改築を計画的に実施していきます。 春日町児童館は、北保健相談所の移転にあわせて、新たな区民ニーズに応える機能を充実し複合化します。 (2)敬老館 【施設概要】 11高齢者福祉施設参照 【10年後を見据えた方針】(再掲) 改修・改築等の機会を捉え、地区区民館、厚生文化会館の敬老館機能とあわせて再編し、地域バランスに配慮しながら世代にとらわれず広く地域の区民が交流できるよう機能の転換を図ります。そこでは介護予防事業など、高齢者のための事業も行います。 浴室は、改修や改築にあわせて、新たな機能への転換を検討します。規模や周辺施設の状況、全区的なバランスを考慮して、当面存続させる必要があるものは維持します。(P42~43 リーディングプロジェクト参照) 現在、指定管理者または業務委託により運営していますが、機能転換にあわせて運営方法を検討します。 春日町敬老館は、北保健相談所の移転・改築にあわせて、街かどケアカフェと高齢者相談センター支所に転換して複合化します。  (3)地区区民館 【施設概要】 地域住民の相互交流や自主活動を促進することを目的とした施設で、子どもから高齢者まで利用できます。地域の区民の方との協働による運営を行っています。 【10年後を見据えた方針】 児童館機能については、小学生の居場所となる「ねりっこクラブ」の進展や改修・改築等の機会をとらえ、児童館等の類似機能とあわせて見直します。 敬老館機能については、改修・改築等の機会をとらえ、敬老館等の類似施設の見直しも考慮し、これまで以上に世代にとらわれず広く地域の区民が交流できるよう機能の転換を図ります。浴室は、改修や改築にあわせて、新たな機能への転換を検討します。規模や周辺施設の状況、全区的なバランスを考慮して、当面存続させる必要があるものは維持します。 地域集会機能については、地域集会所等類似施設とあわせて再編します。 児童館機能、区民交流機能、地域集会機能をあわせて新たな地域施設とし、将来的に概ね中学校区に1か所程度の配置とすることを目指します。(P42~43 リーディングプロジェクト参照) 新たな地域施設への機能再編にあわせて、地域の区民との協働による今後の運営のあり方を検討します。 大規模改修未実施の施設については、機能再編等の方向性を見据えつつ順次改修を実施し、あわせてエレベーターの設置などバリアフリー化を進めます。 (4)地域集会所 【施設概要】 地域住民がお互いに交流し、自主的に活動できる場を提供する身近な集会施設です。 地域住民による運営委員会に運営を委託しています。 【10年後を見据えた方針】 地区区民館等類似施設とあわせて再編し、新たな地域施設の機能の一つとして将来的に概ね中学校区に1か所程度の配置とすることを目指します。(P42~43 リーディングプロジェクト参照) この考え方に基づき、単独の地域集会所については、周辺の学校や区立施設の改築にあわせて複合化を検討します。稼働率の低い施設については、周辺施設との統合も含めて検討します。 新たな地域施設への機能再編にあわせて、地域の区民との協働による今後の運営のあり方を検討します。 上石神井区民地域集会所と上石神井地域集会所は、より区民がわかりやすく、使いやすくするため、平成29年度からそれぞれ上石神井南地域集会所、上石神井北地域集会所に名称を変更します。 また、谷原出張所を、新たに練馬高野台駅前地域集会所として位置付けます。 14リサイクルセンター 【施設概要】 地域のリサイクル活動の普及促進を図り、環境学習活動の中心となる施設です。環境・リサイクルについての知識の普及・意識啓発・情報提供や、リサイクルについての学習や活動の場の提供のほか、再使用可能な家具・生活用品の販売も行っています。 【10年後を見据えた方針】 平成29年度に大泉に開設することにより、4か所の体制が整います。資源循環センターと4か所のリサイクルセンターの連携により、環境学習やリサイクルをさらに推進します。 昭和46年建築の2施設のうち、豊玉リサイクルセンターは平成21年に大規模改修を実施しました。関町リサイクルセンターは平成9年の大規模改修実施から20年を経過するため、長寿命化改修または改築について検討します。 会議室の利用受付について、予約システムを導入し、稼働率向上を図ります。 15区営住宅 【施設概要】 東京都との協議により都営住宅から移管されたもので、20団地35棟798戸あります。 【10年後を見据えた方針】 区営住宅の特性を考慮した独自の長寿命化計画を策定し、予防保全的な改修を計画的に進め、施設を適切かつ効率的に維持管理・使用していきます。 高齢単身者世帯の増に対応し、1階の3DK 1住戸を1DK 2住戸にするリフォーム工事を行い、区営住宅への入居機会の確保を進めます。 また、敷地の有効活用を検討します。 16教育施設 (1)小中学校 【施設概要】 学校施設は子どもたちの大切な学びの場であるとともに、地域で最も身近な公共施設です。 区では昭和30年代から50年代の人口急増期に多くの学校を建設しており、築50年以上経過している学校施設が全体の4割を占め、老朽化が進んでいます。 小学校児童数は昭和54年、中学校生徒数は昭和57年をそれぞれピークに、減少に転じています。一方で、学校数は、平成22年度に光が丘地域の小学校8校を4校に統合・再編したことに伴い、小学校は69校から65校に減少しましたが、中学校は34校を維持しています。 【10年後を見据えた方針】 児童生徒数の動向に照らして、学校の適正規模を確保し、児童生徒が良好な教育環境の中で学び、成長することができるよう、学校の適正配置を進めていく必要があります。適正配置は、学校の統合・再編や通学区域の変更により行っていきます。 区立学校の適正配置と学校施設の改築の優先順位づけの整合を図り、概ね年間2校ずつ計画的に改築を実施していきます。 改築費用の抑制のため、学校施設の標準化を進め、可能な限りシンプルでコンパクトな学校施設を目指します。あわせて、バリアフリー化やICT化、児童の放課後の居場所の確保など、今後の学校施設に求められる機能を確保していきます。 改築にあたっては、学校運営や教育活動に配慮した上で、地域施設の複合化や、新たな区民ニーズに対応するための機能整備を図ります。また、小学校の改築等の際には、ねりっこクラブのためのスペースを校内に確保します。 学校調理業務については、99校中73校を委託しています。今後4年間を目途に10校を委託します。学校用務業務については、99校中53校を委託しています。今後4年間を目途に13校を委託します。今後も効率的な執行体制の確保を図りながら委託の拡大を検討します。 学校施設については、公共施設等総合管理計画に基づく個別計画として、平成28年度中に、学校施設管理に関する基本方針を明らかにする基本計画を策定します。 基本計画に基づき、適正配置基本方針および10か年の実施計画を策定し、適正配置との整合を図りながら計画的・効率的に改築を進めます。 (2)少年自然の家 【施設概要】 少年自然の家は、山間部に2施設(軽井沢、武石本館および新館)、臨海部に2施設(下田、岩井)の計4施設あります。 恵まれた自然環境の中、小中学生の移動教室や臨海学校で利用しています。また、一般の区民の方も利用することができます。 【10年後を見据えた方針】 施設の老朽化に伴い維持管理コストが増大しています。今後、児童生徒数の減少、建築後経過年数などに基づき、移動教室や臨海学校のあり方について検討し、施設数を見直していきます。 (3)幼稚園 【施設概要】 区立幼稚園は3園あり、地域に開かれた幼稚園として、未就園児の親子登園や講演会、園庭開放、異年齢児童との交流、子育て相談、子育て情報の提供等、保護者の多様なニーズに対応した取組を行っています。また、全園で、特別に支援が必要な幼児を受け入れ、小学校や関係機関との連携を含め、特別支援教育の充実を図っています。 【10年後を見据えた方針】 園児数が長期にわたって減少傾向にあります。今後、就学前児童数、幼稚園に関する需要動向、地域バランスを考慮しながら、幼稚園の適正配置について検討します。  (4)学校教育支援センター 【施設概要】 学校教育に関する研究・研修を行うほか、情報収集・情報発信を行っています。 また、教育相談の拠点として子どもの教育上の心配ごとや友人関係などに関する教育相談、不登校や不登校に準じた状況にある小学生・中学生の適応指導教室事業(フリーマインド、トライ)、スクールソーシャルワーク事業等を行っています。現在および過去の教科書の展示を行う教科書センターの機能も担っています。 【10年後を見据えた方針】 学校教育支援センター大泉の開設(平成28年度)により、センターと練馬・大泉・関の3地域のセンター(分室)が開室し、教育相談、適応指導教室事業の体制が整います。また、光が丘第一・第二の分室では、個別の指導等、不登校の児童生徒の状況に応じた適応指導教室事業を実施します。支援が必要な子どもと保護者に対する相談・支援を一層充実させていきます。 学校教育支援センターでは、事業を実施していないときの研修室等を貸し出し、利用促進を図ります。 17防災学習センター 【施設概要】 防災に関する知識や技術を学び、家庭や地域において行動できるよう、防災に関する各種講座の実施、「地震の知識」「事前の備え」「練馬区の防災対策」等の展示や紹介、防災に関する各種相談等を行う施設です。 「ねりま防災カレッジ事業」の中心拠点としての機能も担っています。 【10年後を見据えた方針】 防災に関する各種講座や展示室の充実を図ることにより、施設をより有効に活用していきます。 また、事業を実施していないときの研修室の利用促進を図ります。 18男女共同参画センター えーる 【施設概要】 男女共同参画社会の実現を目指すための拠点となる施設です。会議室、研修室、図書・資料室等があり、施設の貸出し、男女共同参画に関する講座や相談事業を実施しています。 【10年後を見据えた方針】 東京都の建物の使用許可を受けて開設している施設です。東京都と協議しながら必要な改修工事を行います。 19厚生文化会館 【施設概要】 住民の自主的な活動を促進し、高齢者や児童の福祉を増進するとともに、人権尊重の活動を推進することを目的に、児童施設・敬老施設・集会施設を備えた施設です。 【10年後を見据えた方針】 児童室は、「ねりっこクラブ」の展開にあわせて、機能の見直しを検討します。 敬老室は、敬老館や地区区民館の敬老機能とあわせて、機能の見直しを検討します。そこでは介護予防事業など、高齢者のための事業も行います。 20花とみどりの相談所 【施設概要】 植物に関する相談、展示会、植物観察会および寄せ植えなどの講習会を行っているほか、みどりに関わる活動をしている区民団体等に講習室の貸出しも行っています。 また、平成27年度には、花とみどりの相談所に隣接して、バラの香りをテーマとした四季の香ローズガーデンを整備しました。 【10年後を見据えた方針】 花とみどりの相談所は建築後30年が経過しており大規模改修が必要な時期に来ていることから、バラを中心とした花とみどりを楽しめる施設として、隣接する公園施設とあわせて改修し、指定管理者制度の導入を検討します。 21区民農園、市民農園 【施設概要】 区民農園は練馬区が所有者からお借りした農地を、市民農園は練馬区が所有者からお借りした生産緑地を整備して、区民の方に有料で貸し出している農園です(一部区有地あり)。 【10年後を見据えた方針】 機能の類似している区民農園と市民農園を統合し、あわせて、民間施設の状況も考慮して使用料を見直します。 第四章区立施設マネジメントを推進するために 4.1安全管理・点検 「練馬区施設管理マニュアル」に基づき、施設管理者が予防保全として以下の点検を行います。 これらの点検により、施設の不具合の兆候を把握し、20年目改修、40年目改修(大規模改修)および60年目改修の際に必要な改修メニューを適切に判断します。 また、建築物の安全管理に関する技術的知見の動向を注視し、適切に対応を図っていきます。 日常点検 建物全般における目視点検や照明および放送設備など、日常的に稼動する設備・機器などの運転状態の点検。 原則として毎日実施 定期点検 機器および設備の損傷、腐食、摩耗状況を把握し、修理、修繕などの計画を立てるために行う点検。 通常、機器の運転を停止させ、日常点検でできない箇所の測定、調整、清掃、記録などの作業を行う点検。 主な点検項目は給排水設備、電気設備、昇降機、消防設備、ガス設備など。 項目ごとに一定の周期を定めて実施 法定点検 建築基準法や消防法など、法律により定められた点検を言い、特に設備機器については、その性能、規模などから対象を規定され、資格を要する技術者により実施する点検。 例)消防用設備の機器点検は1回/6か月(消防法) エレベーターの性能検査は1回/年(建築基準法等) 自主点検 緊急点検 各施設で、それぞれの設備について施設の仕様、劣化状況を踏まえ、目的を定めて自主的に実施する点検。 4.2区立施設マネジメントの推進 4.2.1推進体制の整備     この計画に定めた各方針に基づき、施設配置の最適化や維持・更新、点検・保全などを効率的に進めるため、総合調整を行う組織のあり方を検討します。あわせて、コンストラクションマネジメント(※)のように、第三者によるチェックを入れ効果的・効率的にマネジメントを行う手法についても検討します。 ※コンストラクションマネジメント:発注者・受注者の双方が行ってきた様々なマネジメント(発注計画、契約管理、施工管理、品質管理等)の一部を、これまでの発注方式とは別な方式で、別の主体に行わせる契約方式。 また、区では、検査済証の未取得など建築手続の不備があったことから、平成25年に「区立施設建築安全基本方針」を策定して建築安全にかかる取組を進めてきました。今後も、区立施設台帳システムにより、施設の建築、点検、改修等の履歴を記録し、建築手続を適切に行うとともに、効率的な施設の維持・保全に活かします。 4.2.2法令順守の徹底と職員の育成 施設の整備に関わる職員が法令順守意識を高め、建築安全に必要な知識を持ち、適正な施設整備が行われるよう、専門技術や法務について研修を実施します。また、各職場に応じたOJTの実施を推進し、研修等で得られた知識等の共有を図ります。 また、施設の日常管理を行う施設長、安全点検員などが、施設の運営において法令順守し、的確に安全管理を行えるよう定期的な研修や啓発を実施します。 4.2.3実施計画の策定等                学校施設については、平成29年度に、10か年の実施計画の検討に着手します。学校以外の区立施設については、平成29年度に、5か年の実施計画の検討に着手します。検討にあたっては、区民の皆さんや外部有識者等の意見を伺いながら進めます。 それぞれの実施計画の推進状況を点検し、必要に応じてローリングしながら取組を進めます。 都市インフラ編   都市インフラ編について 練馬区は、昭和22年に板橋区から分離・独立した当時、人口11万人の近郊農業地域でしたが、今や人口は72万人を超え、全国有数の大都市へと発展しました。発展が急激であったがゆえに、道路や公園などの都市インフラの整備が十分に行われることなく市街化が進行しました。 本来、都市インフラは、都市的土地利用に先立って整備すべきものですが、練馬区では既に家屋が建ち並んだ中で、都市インフラの整備を進めてきました。このため、未だ整備が不十分な状態です。とりわけ、都市計画道路の整備が著しく立ち遅れており、安全で快適な都市生活にとって大きな障害となるなど災害時への備えとしても課題が残されています。 自転車駐車場や自動車駐車場は、駅周辺を中心とした道路上への自転車の放置や違法駐車による通行の妨げが問題となる中、日常生活を支える都市インフラとして整備を行ってきました。必要な収容台数は確保しましたが、借地により運営している施設があり、継続利用が課題です。 都市インフラは、都市の安全と繁栄を支える最も基本的な公共施設であり、その整備は、行政の責務です。 近い将来、東京も人口が減少して、財政力の維持が困難な時代が訪れます。今が都市インフラの整備に取り組む、最後のチャンスです。 道路、橋梁、公園、駐車場は、常に良好な状態でなければ、十分な機能を果たすことができません。都市インフラの着実な整備を進めるとともに、適切で持続可能な維持管理に努め、将来の世代に引き継ぐことが必要です。 都市インフラ編では、練馬区の都市インフラの現状と課題を明らかにしたうえで、今後10年間における整備と維持管理の方針を定める計画として策定します。 第一章 道路 1.1道路の現状 1.1.1道路の種別 (1)道路の機能別分類 道路は、その機能や幅員に応じて段階的に計画されており、下記の機能 に分類されます。 ①自動車専用道路 高速道路など自動車専用の道路で、広域交通を大量かつ高速に処理する道路。 ②広域的幹線道路(都市計画道路) 都内や隣接県を広域的に移動する、主要な交通を担う幹線道路。 ③地域的幹線道路(都市計画道路) 広域的幹線道路につながり、地域の骨格を構成し、区域内で発生・集中する交通を担う幹線道路。 ④生活幹線道路 地域的幹線道路を補完する、地区の主要な交通を担う道路。 ⑤生活道路 都市計画道路や生活幹線道路以外の道路で、日常生活に密着した道路。 (2)道路の管理者 道路は、国、都、区がそれぞれの役割分担に応じて整備・管理しています。 練馬区内の道路のうち、国が管理する道路は、自動車専用道路である関 越自動車道、東京外かく環状道路と一般国道である川越街道です。都が管理する道路は、目白通り、青梅街道、環状7、8号線などです。それ以外の道路は区が管理する道路です。 練馬区内の道路の総延長は1,131,343mです。その中で練馬区道の延長は1,049,003mであり、全体の約9割を占めています。総面積は7,393,994㎡です。その中で練馬区道の面積は5,821,973㎡であり、総面積の約8割となっています。 1.1.2道路整備の現状 (1)都市計画道路の現状 練馬区内の都市計画道路の整備率は約50%で、東京都全体の整備率約63%、23区平均の整備率約65%を大きく下回っています。特に区の西部地域の整備率は約30%と低くなっています。また、東西方向の整備に比べて、南北方向の道路の整備が遅れています。 都市計画道路の整備の遅れは、区内の各所で交通渋滞を発生させ、地域に用事のない通過車両が生活道路に侵入し、日常生活を脅かしています。また、日常生活を脅かすだけではなく、東京全体の交通ネットワークから区が取り残されることとなり、練馬区の将来に向けた持続的発展への妨げになります。 都市計画道路は、地震等の災害時における延焼遮断帯となり、緊急車両の通行路として消防・救急活動の要でもあります。整備の遅れは、都市における防災機能を著しく低下させる要因となっています。 (2)生活幹線道路と生活道路の現状 生活幹線道路は、現道の拡幅を基本として、全体で約110km計画してい ます。そのうち約24kmが整備完了し、現在、約5kmが整備中です。しかし、まだ約80kmが未着手の状況です。 生活道路については、6m未満の道路が多く、公道として必要な4mに満たない道路も多く残っています。まちづくりにより徐々に拡幅整備を進めています。また、民間事業者による開発行為などに伴って、新たな区道が整備されています。 練馬区道の延長は、平成19年度に約1,036kmであったものが、平成28年度は約1,049kmとなり、10年で約13km増加しました。また、面積は約568万㎡から約582万㎡となり、10年で約14万㎡増加しました。 生活幹線道路や生活道路の拡幅整備が遅れているため、常に人と車両が 隣あって交錯している道路や見通しの悪い交差点など日常的に交通の危険にさらされている地区が多く存在しています。 また、道路が狭く、消防車などの緊急車両の通行に支障がある、消防活動困難区域も多く残されています。 1.2道路整備の方針 1.2.1都市計画道路の整備 東京都、特別区および26市2町で連携・協働して検討を進め、平成28年3月に、「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」を策定し、今後10年間で優先的に事業に着手する路線である優先整備路線を選定しました。 練馬区内では、都内最長となる18.5kmの優先整備路線が選定されています。整備は、東京都および練馬区がそれぞれの役割に応じて行い、練馬区は約5.6kmの区間の整備を着実に進め、優先整備路線完成後の整備率を都心部と同程度の8割に向上させます。 整備にあたっては、交通処理機能のための整備だけではなく、豊かな街路樹によるみどりを楽しめる歩道の整備、沿道の緑化の促進と併せたみどりのネットワークの形成、自転車の走行空間の整備、良好な街並み景観の形成など、良好な都市空間を創出します。 ※都市計画道路の整備費 都市計画道路の整備には、用地買収費や工事費など、様々な費用がかかります。各年度の整備費用は、事業の進捗や買収にかかる費用によって大きく異なります。平成22年度~26年度の5年間では、1年あたり約5億円から約22億円程度でした。 これまでの整備実績(補助132号線、補助235号線の用地買収費、工事費等)によると、整備費は1mあたり概ね900万円となります。 第四次事業化計画に基づき練馬区が整備する約5.6kmの区間に掛かる整備費は、約500億円と推計されます。20年間で整備した場合、1年あたり約25億円となります。 整備費については、国や都の交付金および特別区財政調整交付金により、財源が確保される仕組みとなっています。 1.2.2生活幹線道路と生活道路の整備 生活幹線道路や生活道路は、地区計画や密集住宅市街地整備促進事業などのまちづくりの計画に合わせて整備を進めます。生活幹線道路については、都市計画道路とのネットワークの形成など優先度を踏まえて整備します。 また、交差点等とりわけ危険性が高い箇所については、局所改修を行うことにより、歩行者の安全性確保、車両交通の円滑化を図っていきます。 4m未満の狭隘道路については、区からの助成を行い、沿道権利者による幅員4mと隅切り2mの整備を誘導していきます。 1.2.3無電柱化の推進 「練馬区無電柱化基本方針(平成28年5月策定)」に基づき、都市計画道路や生活幹線道路の整備にあわせて無電柱化を進めます。 これまで無電柱化が困難であった歩道が狭い、または歩道のない道路についても、新たな整備手法を確立し、防災に寄与する路線から、順次無電柱化を進めます。 また、駅周辺地域などまちづくりを進めている地域においては、住民とともに策定するまちづくり計画に基づいて無電柱化に取り組みます。 1.2.4バリアフリー化の推進 だれもがスムーズに移動できる経路を増やすため、まずは鉄道駅と施設を結ぶルートについて段差解消や点字ブロックの設置など、バリアフリー化を進めます。 将来的には、面的な整備を進め、だれもが自由に社会参加できるユニバーサルデザインのまちを目指します。 1.3区道の維持管理の現状 (1)維持管理費と収入(平成23年度~27年度平均) 区道は、上・下水道や電気、ガス等の生活を支える施設の収納空間です。これら埋設施設の企業者による維持管理や沿道の土地利用に伴い、日々各地で掘削・復旧が行われており、計画的な維持補修が困難になっています。 道路の維持管理については、日常の巡回点検や区民からの情報などを通じて、適宜補修や改修を行っています。主なものは、舗装や側溝、街路灯等の維持補修や路面の改良等であり、年間の維持管理費は約21.2億円です。 一方、上・下水道や電気、ガス等の道路内埋設施設の占用企業者から占用料を徴収しており、その収入は年間で約20.6億円あります。 現在、道路の日常的な維持管理経費と占用料の収入はほぼ同額となっています。 (2)今後10年間にかかる維持管理費の試算 今後10年間にかかる道路の維持管理の費用は、道路の整備の進捗による増加分を加えて、これまでの実績からの推計で約214.9億円となります。 一方、新たな道路の整備に伴い、電気、ガス等の道路埋設施設も増加するため、占用料による収入の増加が見込まれます。 1.4 区道の維持管理の方針 (1)都市計画道路や生活幹線道路の維持管理 歩道が設置されている都市計画道路や生活幹線道路では、上・下水道や電気、ガス等の施設が歩道に埋設されていることが多く、占用企業者による車道の掘削がほとんどありません。 そのため、経年劣化を勘案した、計画的な修繕を行い、維持管理を効率的に進めます。 (2)生活道路の維持管理 生活道路については、今後も占用企業者による掘削・復旧が見込まれ、計画的な修繕は困難です。 定期的に巡回し、異常個所がないかなどを点検して必要な修繕を行います。沿道建築物の建て替えや、日常の埋設施設の維持管理に伴う工事の状況の把握に努め、占用企業者と十分な調整を行い、効率的な維持管理を進めます。 (3)区民との協働 植栽や街路樹の管理については、区民との協働を進め、地域住民による 管理の拡大に取り組みます。 また、「ねりまちレポーター」により道路の破損等の情報を得て、速やかに修繕するなど、区民の協力のもとにきめ細かく維持管理を行います。 第二章 橋梁 2.1橋梁の現状 橋梁には、河川に架かる橋梁のほかに、道路や鉄道に架かる橋梁があります。道路に架かる橋梁には、自動車や人が通行する道路橋のほかに、人のみが通行する歩道橋などがあります。 練馬区内の橋梁の数は、東京都が管理している橋梁を含めて177橋あります。この中で練馬区が管理している橋梁の数は126橋です。東京都が管理している橋梁の多くは横断歩道橋です。 2.2橋梁整備の現状と方針 練馬区内の橋梁の多くは、河川改修にあわせて架設されています。都市計画道路の整備にあわせた橋梁の新設や河川改修に伴う架け替えを行いますが、その他には新たな橋梁整備の予定はありません。 しかし、昭和40 年代から50年代にかけて多くの橋梁が架設されており、今後、架設から50年を経過し老朽化する橋梁が増加します。このため、一斉に補修や架替えの時期を迎えることになります。 計画的な予防保全型の管理を進め、橋梁の長寿命化を図り補修等に係る費用の平準化や可能な限りのコスト縮減への取り組みを進めます。 また、橋梁の耐震性については、地震の発生による被害の特徴により、技術基準(道路橋示方書)が見直されています。緊急輸送道路を跨いでいる、やすらぎ歩道橋、富士見橋、境橋については、平成26年度から28年度にかけて調査を実施しています。その他の道路に架かる橋梁については長寿命化と合わせて調査を行います。調査結果に基づき、必要な耐震補強を実施していきます。 2.3練馬区の橋梁の維持管理の現状 (1)維持管理の現状 橋梁は、これまで管理するすべての橋梁を対象に、職員による日常点検 などを行い、その都度補修・補強を行うことで、損傷による事故を未然に防いできました。計画的な予防保全型の管理を進めるため、平成25年7月に「練馬区橋梁長寿命化修繕計画」(以下、「橋梁長寿命化計画」とします。)を策定しました。この計画に基づき点検・修繕などの維持管理を行っています。 なお、橋梁長寿命化計画策定のために、平成22年度から平成24年度ま  で、区が管理する全橋梁について、健全度の調査を実施しました。その結果、早急な修繕を必要とする橋梁はありませんでした。 (2)維持管理費 橋梁長寿命化計画において、計画期間である平成34年度までに各橋梁にかかる調査や設計、修繕等の費用は、総額約5億円と見積っています。 計画期間中は、年度ごとに修繕費の内容が異なり、費用についても差異 があります。 橋梁長寿命化計画策定後の2年間の維持管理費は、約8千6百万円でし た。橋梁長寿命化計画に基づく取組を進めることで、国から交付金が交付されます。2年間で経費の約4分の1にあたる約2千2百万円が交付されています。 2.4練馬区の橋梁の維持管理の方針 (1)維持管理の基本方針 引き続き橋梁長寿命化計画に基づき橋梁の長寿命化を進めます。 なお、橋梁長寿命化計画は、平成34年度までの計画ですが、平成35年度以降についても計画を見直して適切に長寿命化を進めます。 (2)現在の橋梁長寿命化計画の基本的な考え方 区が管理する橋梁125橋(※)について、将来の維持管理を効率的かつ効果的に実施するために、路線の重要度などに基づいた類型化(グルーピング)を行い、グループごとに維持管理水準を設定します。 具体的には、河川改修事業に伴う架替え予定の有無、路線の重要度、第三者被害の有無などを考慮し、ABCの3つのグループに分けています。グループごとに健全度を把握するための定期点検を実施し、橋梁の損傷を早期に把握します。 Aグループは、都市計画道路の橋梁など重要度の高い橋梁です。目標寿命を100年以上とします。 Bグループは、重要度が中程度の橋梁です。100年で架け替えることを前提にします。 Cグループは、河川改修の予定区間にあり架替えが予想される橋梁などです。60年後の架替えを想定します。 グループごとの維持管理水準を満足するように、橋梁の健全度および重要度に基づき、補修事業の実施の優先度を定めます。優先度に応じた予防的な補修等の実施を徹底することにより、橋梁の長寿命化および補修や架替えに必要な費用の低減を図り、ライフサイクルコストの抑制を目指します。 ※橋梁長寿命化計画の策定時(平成25年7月)の区管理橋梁は125橋。計画策定後に整備した大泉学園駅北口ペデストリアンデッキについては、今後の計画改定にあわせて追加予定。 第三章 公園 3.1公園の現状 3.1.1公園の種別 (1)公園の種類 練馬区内には、公園、児童遊園、緑地緑道の3種類があります。 ①公園 幼児から大人まで幅広い年代の日常的なレクリエーションを想定し整備する。園路・広場・植栽・休養施設・遊戯施設・便益施設などからなる。 ②児童遊園 主に幼児の利用に供するため整備する。遊戯施設・休養施 設などからなる。 ③緑地緑道 樹林地の保全を目的として整備する。 (2)公園の管理者 東京都と23区の役割分担で、面積が10ha以上の公園は東京都が整備・管理し、10ha未満の公園等は区が整備・管理することとしています。 区内の公園等672箇所のうち、東京都が管理する都立公園は4箇所、練馬区が管理する公園等は668箇所です。 都立・区立をあわせた総面積は、約207.3haです。これは、練馬区の総面積の4.3%にあたります。 練馬区が管理している公園等の面積は、全体の約半分の約101.4haです。 公園等の箇所数は23区で最も多く、特に児童遊園は他区に比べ非常に多い箇所数です。 3.1.2区立公園の整備の現状 (1)過去5年間の公園の整備状況と費用 公園整備の手法には、都市計画決定に基づき整備する都市計画公園のほか、地区計画や密集住宅市街地整備促進事業によるものなど、まちづくりの一環で整備するものがあります。 新たな公園を整備するには、用地の確保が欠かせません。公園に適したまとまりのある土地や、保全すべき樹林地・農地など民有地のみどりを、財源を確保して時機を逸することなく取得することが必要です。平成23年度から27年度の5年間には、中村かしわ公園や石神井松の風文化公園など大規模な公園をはじめ、21か所の公園の新設・拡張等を行いました。 公園の整備には、用地取得費や設計等委託料、整備工事費等、様々な費用がかかります。過去5年間に完了した公園整備に要した費用は、総額で約256億円でした。 整備にあたっては、社会資本整備総合交付金や都市計画交付金などの補助金を可能な限り確保するよう努めています。都市計画決定された公園の場合、用地取得費は、補助金および特別区財政調整交付金により財源が全額確保される仕組みとなっています。工事費等については、面積あたりの整備単価が定められており、実際の工事費はそれを上回っています。 (2)過去10年の区立公園の推移 区で管理している公園は、平成19年度の610箇所から平成28年度は668箇所となり、10年で58箇所増加しました。また、面積は88.0haから101.4haとなり、10年で13.4ha増加しました。 このうち、区が用地を取得し公園を整備したものが24箇所、約12.7haです。そのほか、開発の際に区に提供されたものが34箇所、約0.7haでした。 (3)区民一人当たりの公園面積の推移 都立公園を含めた区民一人当たりの公園面積は2.88㎡で、この10年間で0.14㎡増加しました。 (4)練馬区のみどりに占める公園の割合 練馬区全体のみどりのうち、屋敷林や農地など民有地のみどりが78.3%を占め、公園のみどりは12.9%です。公共施設などとあわせた公共のみどりは21.7%となっています。 民有地のみどりの多くは、相続などにより恒久的に保全することが困難な状況であり、減少し続けています。みどりを保全するためにも、民有地のみどりを公園の整備により公有地化し、公共のみどりを増やしていく必要があります。 3.2区立公園の整備の方針 公園の整備については、平成32年度までに事業着手する公園を明らかにした「都市計画公園・緑地の整備方針」(平成23年に都区市町合同で策定)等に基づき、「みどりの風吹くまちビジョン アクションプラン」(平成27年度~29年度)に位置付けた公園の整備を着実に進めます。 (1)公園用地の確保 公園の整備を進めるため、公園用地の確保に努めていきます。一定規模 の土地などの情報を収集し、財源確保を図りながら公園の新規整備や拡張に取り組みます。 (2)特色ある公園の整備 用地の大きさや地域性などを考慮し、地域の皆さんの意見を聞きながら、みどりの保全、スポーツ施設の充実、子どもの自由な遊びの空間など、魅力的で特色のある公園の整備を進めます。 (3)樹林地や農のある風景の保全 民有の樹林地等で貴重なものは公有地化し、将来にわたって保全します。農の風景育成地区制度を活用し、農地や屋敷林のある風景を保全します。 (4)まちづくりにあわせたみどりのネットワークの形成 都市計画道路等の整備にあわせて街路樹を充実するとともに、まちづく りにより沿道の緑化の促進や緑道の整備に取り組み、快適な都市環境を創出するみどりのネットワークを形成します。 ※今後10年間にかかる公園整備費の試算 「みどりの風吹くまちビジョン アクションプラン」では、平成27年度から平成29年度の3年間における具体的な整備にかかる事業費として約76億円(年平均25.3億円)を見込んでいます。また、過去5年間で整備が完了した公園の整備費用の平均額は、年間約28億円となります。 公園の新設や拡張にかかる費用は、用地取得の費用など整備箇所により大きく異なりますが、これまでと同様に公園整備が進むと仮定すると、今後10年間の費用は、約240億円から約280億円と試算されます。 3.3区立公園の維持管理の現状 (1)維持管理費と収入(平成23年度~27年度平均) 公園の維持管理は、日常の巡回点検や区民からの情報などを通じて、維持管理を行っています。日常的な清掃や除草、管理施設や遊具の補修等をあわせた年間の維持管理費は約13.1億円です。一方、収入は施設使用料等約0.4億円です。 (2)今後10年間にかかる維持管理費の試算 公園の維持管理の費用は、今後整備が進めばさらに増加します。また、遊具等の老朽化も進んでおり、適切な維持・更新を行う必要があります。 過去10年間と同様に面積が増加すると仮定すると、今後10年間にかかる維持管理費用は約141.1億円と試算されます。一方、収入はわずかであり、効率的・効果的な維持管理が求められます。 (3)公園にかかる意見の状況 公園の管理には、地域から様々な声が寄せられています。平成27年度に各公園出張所に寄せられた意見の件数は、2,473件で、その内容は、清掃状況、樹木管理、施設損傷、利用マナーなど多岐にわたっています。 公園の樹木等のみどりには、多くの区民が強い愛着を持っている一方、落ち葉や日照を妨げるなどの課題があります。地域住民の理解と協力を得ながら、管理を行う必要があります。 (4)地域の住民による管理 区では、地域住民による公園の自主管理を進めています。現在、公園の管理が27箇所、花壇の管理が22箇所となっています。 3.4区立公園の維持管理の方針 (1)区民との協働 公園内の樹木等は、剪定のあり方などを地域の区民と意見交換しながら、自然を活かすことを基本に管理します。 「みどりの区民会議(※)」での議論を踏まえ、みどりの確保・創出に向けて、公園の花壇づくり、樹木の管理、落ち葉の処理等、区民と役割を分担し、多くの住民が参加しやすい仕組みづくりや地域住民による管理の拡大に取り組みます。 ※みどりの区民会議:区民の財産である練馬のみどりを守り育てるための方策を区民参加で考え、行動につなげるために平成28年10月に設置した会議。 (2)公園機能の安全性の確保 現在、公園の維持管理は、職員により巡回管理しています。今後も定期  的に巡回し異常個所がないかなどを点検して必要な修繕を行います。 遊具等は、これまでの事後保全型管理から予防保全型管理に転換することで、損傷が顕在化する前に補修や更新を計画的に実施し、長寿命化を進めます。 「ねりまちレポーター」をはじめ区民からの情報提供も活用し、きめ細かくかつ効率的に公園の維持管理を進めます。 第四章 駐車場 4.1自転車駐車場の現状 4.1.1公営の自転車駐車場の状況 区内の公営の自転車駐車場には、区立施設のほか、公益財団法人練馬区 環境まちづくり公社と公益財団法人自転車駐車場整備センターが開設している施設があります。 現在、公営自転車駐車場は84箇所あり、そのうち区立の施設は72箇所、収容台数は33,185台です。その他の公営施設は、12箇所で収容台数は9,522台です。 また区では、貸自転車事業として「ねりまタウンサイクル」も運用しています。ねりまタウンサイクルは7箇所あり、運用台数は2,700台です。 区立自転車駐車場72箇所のうち、借地での運営が42箇所あり、突発的に返還せざるを得ない場合など施設の継続性が課題です。 また、施設の約5割が開設から20年以上経過しており、建物や管理施設の老朽化が進んでいます。 4.1.2区立自転車駐車場の過去10年の推移 区立自転車駐車場は、平成19年度の69箇所から平成28年度が72箇所となり、3箇所増加しました。また、収容台数は33,078台から33,185台となり、107台増加しました。 4.1.3放置自転車対策の状況 これまで練馬区では、自転車駐車場やタウンサイクルの整備と放置自転車の撤去に取り組むことにより、午前の通勤・通学等による放置自転車の削減に努めてきました。その結果、放置自転車台数は、ピーク時(平成7年:13,142台)の約1/17に減少しています。 過去10年においては、午前の放置自転車が平成19年度の4,971台から平成28年度の780台に減少しています。 一方、午後の放置自転車は平成19年度の8,074台から平成28年度の1,731台に減少していますが、午前に比べると多くなっています。 今後は、午前の対策に加え、午後の買物客等による短時間の放置自転車対策が必要です。 4.1.4自転車駐車場の維持管理の現状 区立自転車駐車場やタウンサイクルは、平成18年度から指定管理者制度を導入し、施設の維持管理や運営を行っています。 (1)自転車駐車場の年間の維持管理費と収入(平成23年度~27年度平均) 維持管理に要する費用は、管理運営費(指定管理者経費)と、区が支出する借地料、施設の修繕費、複合施設の共用修繕積立金等であり、年間約7.2億円です。一方、自転車駐車場の利用料金収入は約7.0億円です。 指定管理は、利用料金制を採用しており、利用料金収入は指定管理者 が収受し、管理運営費を除いた約1.9億円が区に納付されています。 区が支出している費用は約2.1億円であり、納付額に対して約0.2億円多くなっています。 (2)今後10年間にかかる自転車駐車場の維持管理費の試算 今後10年間にかかる自転車駐車場とタウンサイクルの維持管理の費用は、現在の施設用地の借地を継続した場合、約72億円になります。引き続き利用料金による収入を活用して維持管理を行います。 4.2自転車駐車場の整備と維持管理の方針 4.2.1自転車駐車場の整備の方針 現在、自転車駐車場は必要な台数が確保されています。現状の台数が確保されていれば、既存駅では新規の整備の必要はありません。 借地として運営している施設、都市計画道路や河川事業の予定地内を借りて運営している施設については、返還により台数が減る場合があります。駅周辺等の利用率の高い重要な箇所など、自転車の乗り入れ台数に応じた用地取得を進めます。また、東京都と連携して、道路区域内の整備を行うなど、必要な台数を確保します。 4.2.2自転車駐車場の維持管理の方針 (1)放置自転車対策 駅周辺の商店街直近の施設では、買い物等の「短時間利用」の対策を進めます。管理機器の更新の際には、短時間の利用は無料で、一定時間が経過すると有料となるような設定が可能なゲートやラックを導入します。 また、駅からの距離や施設の階数の利便性に応じた利用料金を設定し、施設の稼働を平準化します。 (2)指定管理者との役割分担 引き続き、指定管理者制度により、効率的な施設管理を進めます。あわせて利用率の一層の向上に努めます。 施設の維持管理については、区による施設改修と、指定管理者による日常的な維持補修があります。今後は、指定管理者による設備等更新の範囲を拡大し、迅速な対応によるサービスの向上を目指します。 (3)区民との協働 各駅周辺において、商店会や町会・自治会などとの協議を進め、地域  住民との協働による施設の管理や放置自転車対策に取り組みます。 4.3自動車駐車場の現状 4.3.1区立自動車駐車場の開設状況 練馬区には、練馬駅北口地下駐車場、石神井公園駅北口駐車場、大泉学園駅北口・南口駐車場の4箇所あり、収容台数は1,057台です。 練馬駅北口地下駐車場は、開設から20年以上が経過しており、今後、施設の改修や管理機器の更新を進める必要があります。 4.3.2 自動車駐車場の維持管理の現状 平成18年度から指定管理者制度を導入し、施設の維持管理・運営を行っています。 (1)自動車駐車場の年間の維持管理費と収入(平成23年度~27年度平均) 維持管理に要する費用は、管理運営費(指定管理者経費)と、区が支出  する施設の修繕費、複合施設の共用修繕積立金等であり、年間約2.7億円です。一方、駐車場の利用料金収入は約4.9億円です。 指定管理は、利用料金制を採用しており、利用料金収入は指定管理者が収受し、管理運営費を除いた約3.0億円が区に納付されています。 区が支出している費用約0.8億円に対して、納付額が約2.1億円多くなっています。 (2)今後10年間にかかる自動車駐車場の維持管理費の試算 今後10年間にかかる駐車場等の維持管理の費用は、約28億円になります。引き続き利用料金による収入により維持管理を行います。 4.4自動車駐車場の整備と維持管理の方針 4.4.1自動車駐車場の整備方針 現在、駅周辺において自動車駐車場は、民間の施設が充実しています。民間施設の整備状況や利用実態を考慮し、今後、区立自動車駐車場の新設は行いません。 4.4.2 自動車駐車場の維持管理の方針 (1)計画的な修繕の実施 練馬駅北口地下駐車場については、老朽化を見据えて、適切な時期に修繕を実施することで、安全性の確保と経費の抑制、効率的な維持管理を目指します。 複合ビル内の3施設(石神井公園駅北口、大泉学園駅北口・南口駐車場)については、管理組合と調整を図りながら修繕等を実施します。 (2)指定管理者との役割分担 引き続き、指定管理者制度により、効率的な施設管理を進めます。 施設の維持管理については、区による施設改修と、指定管理者による日常的な維持補修があります。今後は、指定管理者による設備等更新の範囲を拡大し、迅速な対応によるサービスの向上を目指します。