(表紙) 練馬区教育大綱・子育て大綱 平成28年(2016年)2月 練馬区 練馬区教育・子育て大綱の策定にあたって  この大綱は、平成27年4月に設置した総合教育会議において、5回にわたり、教育委員会と協議して策定しました。 「みどりの風吹くまちビジョン」に掲げた教育と子育てのそれぞれの分野における施策の目標や取組の方向性を体系的に整理し、重点となる施策を示しました。  教育分野では、いじめ・不登校対策とともに、人権教育・道徳教育の推進や家庭教育への支援を盛り込みました。 子育て分野では、区独自の幼保一元化や放課後の居場所づくりの拡大、子育て支援サービスの充実に取り組みます。 更に両分野を通して、支援が必要な子どもたちに対する取組を重点施策として位置付けました。 区では、子どもに関わる施策を教育委員会が一元的に担っているという特色を生かし、すべての子どもたちを視野に入れた総合的な支援を行っていきます。 教育および子育て施策の充実は、区政における極めて重要な課題であり、次代を担う子どもたちが、夢や目標を持ち、困難を乗り越え、自らの未来を力強く切り拓きながら、 健やかに成長していけるように、この大綱に基づき、各分野の施策の充実を進めてまいります。  最後に、教育長をはじめ教育委員の皆様と総合教育会議での大綱策定を通して、回を重ねるごとに活発な意見交換ができました。心より感謝申し上げます。  平成28年2月 練馬区長 前川 燿男 大綱について 「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」の改正(平成27年4月1日施行)に伴い、教育に関する目標や施策の根本的な方針について、区長が教育委員会と協議し、 大綱を策定することとされました。 区では、子どもに関わる施策を教育委員会が一元的に担っていることから、大綱は教育と子育ての分野を対象にすることとしました。 大綱の対象期間はおおむね5年間としますが、教育をめぐる社会情勢の変化などに応じて必要な見直しを行います。 1ページ 大綱の位置付け・体系 上位計画である、みどりの風吹くまちビジョン(戦略計画)とそれに基づくアクションプラン(実施計画)を教育・子ども分野の施策の方向性などを体系的に整理したものが、練馬区教育大綱・子育て大綱であることを図で示しています。 また、練馬区教育・子育て大綱は、分野別の個別計画である練馬区教育振興基本計画と練馬区子ども・子育て支援事業計画と整合性を図っているものです。 体系 教育分野 目標 夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備える子どもたちの育成 取組の視点1 教育の質の向上 重点施策1 学力、体力、豊かな心が調和した学びの充実 重点施策2 教員の資質・能力の向上 重点施策3 学校の教育環境の整備 取組の視点2 家庭や地域と連携した教育の推進 重点施策1 家庭教育への支援 重点施策2 家庭・地域の力を活かした学校運営や教育活動の推進 取組の視点3 支援が必要な子どもたちへの取組の充実 重点施策1 いじめ・不登校などへの対応 重点施策2 生活困窮世帯などへの支援 重点施策3 障害のある子どもたちへの支援 子育て分野 目標 安心して子どもを産み育てられ、子どもたちが健やかに成長できる環境の整備 取組の視点1 子どもと子育て家庭の支援の充実 重点施策1 相談支援体制の整備 重点施策2 多様な子育て支援サービスの充実 重点施策3 支援が必要な子どもたちと家庭への取組の充実 取組の視点2 幼児教育・保育サービスの充実 重点施策1 練馬区独自の幼保一元化施設の拡大 重点施策2 保育サービスの充実 取組の視点3 子どもの居場所と成長環境の充実 重点施策1 安全で充実した放課後の居場所づくり 重点施策2 児童館事業・学童クラブの充実 2ページ、3ページ 〔教育分野目標〕 夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備える子どもたちの育成 取組の視点1 教育の質の向上 子どもたちが困難を乗り越え、さまざまな課題を解決するためには、基礎的・基本的な知識や技能を確実に身に付けるとともに、考える力、判断する力、表現する力を育成することが必要です。 また、子どもたちが生命や人権を大切にし、思いやりの心をもち、社会生活を営む上で必要な規律を身に付け、進んで社会に貢献しようとする精神の育成が重要です。 重点施策1 学力、体力、豊かな心が調和した学びの充実 ○小学校入学前の幼児教育を充実します。 ○幼稚園・保育所・小学校が連携して、育ちと学びの連続性を大切にします。 ○小学校と中学校の一貫教育を進め、義務教育9年間を見通した教育を実践します。 ○子どもたちの心を育む人権・道徳教育を推進します。 ○子どもたちの体力の向上を図り、食育などの健康づくりに取り組みます。 ○子どもたちが学ぶ喜び、わかる喜びを実感できるように、ICT教育を進めるとともに、学校図書館を充実します。 重点施策2 教員の資質・能力の向上 ○子どもたちの良さや伸びようとする力を引き出す教員の育成に努めます。 ○授業力や生活指導の力はもちろん、いじめ・不登校をはじめ、さまざまな問題に対応できる力を身に付けられるように、教員の資質・能力の向上を図ります。 ○教員が子どもたちと向き合う時間を増やします。 重点施策3 学校の教育環境の整備 ○学校の建物や設備の改修改築を計画的に進め、子どもたちの学ぶ環境を整えます。 ○区立学校の適正配置に努め、学校規模によって教育内容に差が生じないようにします。 ○ICT教育を充実するため、ICTを活用できる環境を整えます。 ○教育活動に支障がない範囲で学校施設を有効に活用します。 取組の視点2 家庭や地域と連携した教育の推進 家庭教育は教育の原点です。豊かな人間性や人としてのよりよい生き方は、家庭生活の中で育まれ、地域社会での様々な人々との交流により身に付けることができます。 そのために、家庭教育を支援し、地域社会や関係機関、学校と一体となって子どもたちの健全育成を進めることが必要です。 重点施策1 家庭教育への支援 ○家庭教育を支援するため、学校や教育委員会がさまざまな情報を家庭に提供します。 ○家庭と、学校・教育委員会が協力しながら、問題を解決できる体制を強化します。 重点施策2 家庭・地域の力を活かした学校運営や教育活動の推進 ○保護者や地域の方々とともに、防犯、防災、交通安全など子どもたちの安全対策を充実します。 ○専門性や様々な経験を持つ保護者や地域の方々に、授業や部活動などへ積極的に参加してもらい、学校の教育力を高めます。 ○子どもたちが地域行事やボランティア活動へ参加する機会を増やします。また、練馬の歴史や伝統を学び、練馬への愛着を深める取組を進めます。 取組の視点3 支援が必要な子どもたちへの取組の充実 重点施策1 いじめ・不登校などへの対応 ○いじめ・不登校などに対して、未然防止・早期発見・早期対応につながる有効的な取組を学校、教育委員会、関係機関が一体となって進めます。 ○いじめなどで重大な事案が生じた場合には、総合教育会議を直ちに開催して、迅速で的確な対応を図ります。 重点施策2 生活困窮世帯などへの支援 ○家庭環境などにより、様々な問題を抱える子どもたちに対し、福祉や保健などの関係機関が相互に協力して、一人ひとりに合った生活支援や学習支援を行います。 重点施策3 障害のある子どもたちへの支援 ○障害のある子どもと家庭に対し、保育・教育・福祉・保健などの関係機関が一体となって、切れ目のない支援体制をつくります。 ○子どもたちや教員が障害に対する理解をより深めるよう、取組を充実します。 4ページ、5ページ 〔子育て分野目標〕 安心して子どもを産み育てられ、子どもたちが健やかに成長できる環境の整備 取組の視点1 子どもと子育て家庭の支援の充実 子どもの健やかな成長のためには、家庭が果たす役割が重要です。身近なところで親子が気軽に交流できる場や機会を設けるとともに、子育てに関するさまざまな相談に応えるなど、一人ひとりの子どもと家庭に合わせた支援をすることが必要です。 重点施策1 相談支援体制の整備 ○地域の子ども家庭支援センターに子育ての総合相談窓口を設け、身近な場所で一人ひとりのニーズに応じた適切な助言や情報提供ができる体制を整備します。 ○情報誌や子育て応援サイト、子育てサポートメールなどを活用して、幅広く子育てに必要な情報を提供します。 重点施策2 多様な子育て支援サービスの充実 ○身近なところで、親子で交流や気軽に相談できる子育てのひろばや、預かり事業などを拡充します。 ○保健相談所や関係機関と協力し、妊娠期から子育て期まで、一人ひとりの子どもと家庭に応じた相談や切れ目のない支援を行います。 ○こどもの森や外遊びのひろばなど、屋外での活動を通じて、子どもの心身の発達や社会性を育みます。 重点施策3 支援が必要な子どもたちと家庭への取組の充実 ○障害のある子どもや虐待など対応が必要な子どもと家庭に対し、保育・教育・福祉・保健などの関係機関が相互に協力して支援に取り組みます。 ○ひとり親家庭などに対して、子育てに必要な支援に努めます。 取組の視点2 幼児教育・保育サービスの充実 乳幼児期や3歳以上の幼児期においては、子どもの発達段階に応じて、保護者が多様な保育サービスや幼児教育を選択することができる環境が必要です。 重点施策1 練馬区独自の幼保一元化施設の拡大 ○子どもの教育や保育についての保護者の選択の幅が広がるよう、長時間の預かり保育などを行う私立幼稚園を区が認定する施設「練馬こども園」を推進します。 ○幼稚園、保育所の意見を聴きながら、幼児教育と保育の充実を図り、将来的な幼保一元化実現に向けて、「練馬こども園」の拡大に取り組みます。 重点施策2 保育サービスの充実 ○保育所の待機児童解消を目指して、私立認可保育所や地域型保育事業の誘致などを進め、定員枠を拡大します。 ○延長保育や一時預かりなどを実施して、保護者の多様な就労形態にあった保育サービスを充実します。 取組の視点3 子どもの居場所と成長環境の充実 保護者の就労などの有無にかかわらず、学齢期の子どもたちが安全に安心して過ごせることができる放課後などの居場所を確保し、成長環境を整えることが必要です。 重点施策1 安全で充実した放課後の居場所づくり ○小学校の施設を活用して、「学童クラブ」「学校応援団ひろば事業」の機能や特色を維持しながら、事業運営を一体的に行う「ねりっこクラブ」を開始し、すべての小学生が安全で充実した放課後や長期休業を過ごすことができる環境を整備します。 ○長期休業中の児童の居場所を確保し、「ねりっこクラブ」への移行を円滑に進めるため、「夏休み居場所づくり事業」を拡充します。 重点施策2 児童館事業・学童クラブの充実 ○子どもたちの悩みや相談を受け止め、不登校・虐待などの予防、早期発見、関係機関と連携した対応につなげる児童館事業を充実します。あわせて、児童館等において、中高生の居場所づくり事業を拡充します。 ○既存の民間学童保育への支援に加え、駅前での学童クラブの開設、長時間保育の実施など、多様な区民ニーズに応えるとともに、「ねりっこクラブ」の担い手を育成するため、新規参入する民間事業者を支援します。 (裏表紙) 練馬区教育・子育て大綱 平成28年(2016年)2月 編集・発行 練馬区総務部総務課、練馬区教育委員会事務局 教育振興部教育総務課 住所 〒176−8501 練馬区豊玉北6−12−1 電話 03−3993−1111(代表) 練馬区ホームページ http://www.city.nerima.tokyo.jp