表紙   表紙は写真としています。 美術の森緑地(練馬区立美術館隣接)のクマが両手に持つ看板にプランタイトル「みどりの風吹くまちにあ・そ・ぶ 〜練馬区学びと文化の推進プラン〜」が印字されている構図です。   写真コメント みどりと文化のパワーにト・キ・メ・キ   プランタイトル:みどりの風吹くまちに あ・そ・ぶ   練馬区学びと文化の推進プラン 平成27(2015)年度〜31(2019)年度   平成27(2015)年6月 練馬区 2ページ   2ページと3ページでは、プランの考え方や目次、目指す方向などを明らかにしています。   区政運営の羅針盤である「みどりの風吹くまちビジョン〜新しい成熟都市・練馬をめざして〜」で目指す、「新しい成熟都市・練馬」の実現に向け、学びと文化芸術の分野は、心の豊かさや暮らしやすさに、重要な役割を果たしていくことになります。   本プランでは、練馬区の生涯学習と文化芸術分野における概ね10年後を見据えた施策の方向と今後5か年の新たな取り組みを明らかにします。    目次   プランの理念 4ページ    プランの視点 5ページ    プランの全体像 8ページ   施策     10ページ    プランを推進し、将来を見据えた次のアクションにつなげるために 20ページ   資料編    22ページ                            3ページ   このページでは、「あ・そ・ぶ」について、人生をいきいきと一生懸命楽しむことへの感動を謡った、平安末期の歌謡集、梁塵秘抄の有名な一節「遊びをせんとや生れけむ」の心を取り入れ、「あ・そ・ぶ」を楽しみ、潤いのある暮らしと練馬のまちが輝くことを目指していくことを説明しています。   あ・そ・ぶ   あるく・ポタリングを楽しむ!   そとに出ていつまでも元気!   ぶんか芸術でまちが輝く!   遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん 遊ぶ子供の声聞けば 我が身さへこそ動がるれ (梁塵秘抄)   誰もが本当の豊かさを実感できる新しい成熟都市・練馬の実現に向けて、学びと文化芸術の分野では、「あ・そ・ぶ」を楽しみ、潤いのある暮らしとまちが輝くことを目指します。     (1)本プランは、「みどりの風吹くまちビジョン〜新しい成熟都市・練馬をめざして〜」(以下、「ビジョン」という。)を踏まえた生涯学習および文化芸術分野の分野別計画です。   (2)学習活動は文化活動でもあります。学びの活動は文化芸術の振興につながり、まちづくりに活かされています。本プランは、「練馬区生涯学習推進計画(平成23〜26年度)」および「練馬区文化芸術振興計画(平成23〜26年度)」を統合した平成27年度から平成31年度の計画です。   (3)本プランには、文化・生涯学習課が主に推進する計画期間中に取り組む新たな施策に限定して掲載しました。前計画「生涯学習推進計画(平成23〜26年度)」・「文化芸術振興計画(平成23〜26年度)」では区各分野の取り組みを網羅していましたが、これらの取り組みは各分野において、年度ごとに検証し充実や見直しをしつつ、総合的に推進していきます。   (4)本プランによる新たな取り組みについては、「ビジョン」により年次計画を示したものを除き、「ビジョン」および関連する各分野の事業進捗や財政状況等に鑑み、適宜推進や見直しをしていきます。 4ページ このページでは、以下のモデルなき未知の時代および練馬区の特性を踏まえつつ、区政運営の羅針盤である「みどりの風吹くまちビジョン〜新しい成熟都市・練馬をめざして〜」に基づき、文化芸術のチカラで、学びと文化芸術の方針に至るまでを図でまとめています。 1. プランの理念 □理念    学びと文化で感動!未来! 輝くひと、笑顔のまち   ○モデルなき未知の時代   ・人口の減少   ・グローバル化の進展   ・市民活動の活発化   ・「超」超高齢社会へ   ・ICT(情報通信技術)の発達   ・東日本大震災の影響   ○練馬区の特性   71万人超が暮らす、みどりの豊かさと都市生活の利便性が両立する住宅都市   ・豊かな自然、学びや文化芸術に関する多様な資源の存在、区民の活発な活動   ・地域活動への関心や学びの成果を地域等へ活かすことへの関心の高まり   ・鑑賞の機会の増加だけでなく、参加型文化芸術への期待の高まり     □区政運営の羅針盤   「みどりの風吹くまちビジョン〜新しい成熟都市・練馬をめざして〜」   リアルな区民ニーズに応え、区民生活の質向上を目指し、地域団体や民間企業等との連携や効率的な区政運営等を進めます。   ○文化芸術のチカラ   ・心の豊かさ、生活の潤い   ・人や地域の交流促進   ・地域の魅力向上   ・地域への愛着や誇りの醸成   □学びと文化芸術の方針   現在の区の文化芸術は、豊かな自然や人々の営み、多様な区民活動などが創り上げてきた貴重な財産です。区では、誰もが本当の豊かさを実感できる新しい成熟都市・練馬の実現へ向け、学習や文化芸術が持つ人々を惹きつける魅力や地域社会に与える影響力を最大限に活かし、「学び」と「文化芸術」に関する様々な取り組みを推進していきます。 5ページ   2.プランの視点   視点1   学びでチャレンジ!     学び、学びあいを支援し地域づくりの基盤を強化する   〜学習活動の活発化へ向けた今後の取り組みの視点〜   1 「超」超高齢社会を見据え、教養や趣味を学ぶことが目的となっている生涯学習から、今後は、「学んだ成果を活かす・地域社会への貢献」をキーワードとした生涯学習の支援を充実していきます。   2 生きがいの醸成や自己啓発につながる学びあいと交流のため、生涯学習団体等の活動を引き続き支援します。また、区が実施している福祉や防災など各分野の学びを通じた施策との連携を強化します。   3 区民の文化芸術にかかわる生涯学習活動が区民文化の創造につながり、文化芸術の輝きに寄与するよう文化芸術事業と連携を深めます。   4 生涯学習センターを生涯学習にかかわる企画・計画推進、事業展開の拠点としていきます。   5 学びに関する一元的な情報発信を充実します。   〜学習活動に関する現状と区民ニーズ〜   ○図書館や生涯学習センター分館、石神井公園ふるさと文化館など学習の場の整備が進んでいます。区の分野ごとに実施している啓発等事業や区内大学等高等教育機関との連携、民間企業等による生涯学習講座、様々な場や学習機会の充実など区民がライフステージに応じ、生涯に渡って学ぶことのできる環境が整ってきています。   ○学び直しや社会的な課題に対応した講座の開講など、人々が主体的に参加できる環境やニーズに即した学習機会の充実が進んでいます。   ○一方で、学習活動の発表や交流の場の充実など学習成果を活かした社会参加への機会や地域への関心を高める学習の支援など、学びの成果を地域活動へ活かすことはこれからの超高齢社会の到来に向けてまだ十分とは言えません。 6ページ   視点2   文化芸術で感動!     多彩な文化芸術が織りなす魅力を磨き上げ 文化力を強くする   〜文化芸術の振興へ向けた今後の取り組みの視点〜   「ビジョン」で示した施策の方向性「練馬区の魅力を楽しめるまちづくり」および戦略計画16「風を感じながら巡るみどりのまち」のまち歩きやポタリング(注1)等により練馬区の文化芸術の魅力を高め、子どもから高齢者、区外の方までの誰もが楽しめるよう発信します。   1 みどりあふれる環境を活かし、みどりと伝統文化など文化芸術各分野が連携した楽しく、メニュー豊かで、独創的なイベントを展開します。   2 アニメを含めた映像文化等の掘り起しを進め、練馬区の特徴的文化として発信します。   3 文化財等の文化的資源をまちづくりに活かします。   4 文化芸術に関する一元的な情報発信の充実に取り組みます。   5 グローバル化の進展を踏まえて文化芸術活動による地域活性化・国際発信の推進に努めます。  〜文化芸術に関する現状と区民ニーズ〜   ○練馬文化センター、美術館、石神井公園ふるさと文化館、図書館等の区立施設や、大学、民間の特色ある美術館などの文化施設があり、区民に文化芸術活動や鑑賞の場として利用されています。   ○江古田駅周辺に、日本大学藝術学部、武蔵大学、武蔵野音楽大学の芸術系を含めた3大学が立地し、学生のまちを形成しています。地元の町会・商店街との連携による江古田ナイトバザールやハロウィン仮装パレードが開催され、文化芸術を核とした人々や地域などの連携が進んでいます。   ○区民意識意向調査によると、区民の文化芸術への参加の意向は、「見る、鑑賞する」から、「参加する」へと変化していることがうかがえます。また、文化芸術に関する一元的な情報発信へのニーズが大きく増えています。   ○地域の文化芸術振興のため、貸館公演に偏りがちなホール等の活性化を促す劇場法が平成24年に制定され、実演芸術の水準向上や人材の養成のほか、国際交流、地域コミュニティの創造と再生を通した地域の発展を支える機能を担うことが期待されています。   ○練馬区は、自然、歴史・文化、景観など様々な地域資源が存在するとともに、練馬まつりや商店街イベント、アニメイベントなど魅力あふれる催しが行われています。住んでいるとわかるこうした魅力は、区内外に十分知られていない状況です。   ○歴史・文化への関心の高まりを受け、区内の歴史・文化資源などを巡る「ねりまのねり歩き」などのイベントに多くの参加者があり、散策を楽しんでいます。 用語解説   注1: ポタリング 自転車で散策すること。「ぶらぶらする」という意味の英語からきています。   7ページ   視点3   未来を育てる   拠点から広がる文化の風、文化拠点の魅力を上げて、区内外に発信する  〜学習・文化芸術活動の場の充実に向けた今後の取り組みの視点〜   生涯学習施設、文化芸術施設を学びと文化芸術活動を支える基盤施設として適切に維持管理していきます。社会の変化に合わせた機能の充実や機能の複合化などニーズ等を調査し、将来的なあり方の研究を進めます。   〜学習・文化芸術活動の場の現状と区民ニーズ〜  ○生涯学習センター・同分館、練馬文化センター・大泉学園ホール、美術館、石神井公園ふるさと文化館・同分室などの生涯学習および文化芸術の拠点的施設は充実しています。一方、開設後30年を過ぎた施設も多く、老朽化が進んでいます。   ○昭和58(1983)年に開館した練馬文化センターは立地環境が大きく変化し、練馬駅は区の最大の交通結節点となっています。一方、本プランの計画期間中に劇場施設の法定耐用年数の41年近くになります。老朽化や関係法令の改正にかかわる改修への対応、舞台設備等の更新に大きな経費が必要となってきています。   ○美術館は昭和60(1985)年の開設後30年を迎えます。民間から館長を招へいし、ユニークで独創的な企画により評価を得ています。多くの作品を展示する展覧会スペースや、区民作品の発表スペース、収蔵作品を適切に管理する収蔵庫が狭隘であること、休憩スペースなどの充実のニーズに応えることが課題となっています。 8ページ〜9ページ プランの全体像が構成図で示されています。 一番上には「みどりの風吹くまちビジョン〜新しい成熟都市・練馬をめざして〜」を記載しています。ページ中央にプランの理念「学びと文化で感動!未来! 輝くひと、笑顔のまち」を配し、理念を囲んで左上に視点1「学びでチャレンジ!」、右上に視点2「文化芸術で感動!」、中央下に視点3「未来を育てる」、左下に「計画の推進とこれからの練馬区の文化戦略を考える」を配し、それぞれの施策および新たな取り組みを記載しています。 10ページ   施策1 住んで、学んで飛び出せ 練馬区民パワー   学び・学びあいから区民の力を惹きだす   【5年後の姿】   ○「練馬Enカレッジ」(注2)により各分野の人材育成・活用事業が活性化し、地域の課題解決に取り組もうとする区民が増えています。   ○生涯学習センターを拠点とした講座等の事業や施設間連携の取り組みにより、施設の特性を活かした区民の学びの活動が盛んに行われています。   〇文化芸術分野の生涯学習活動と若手芸術家のコラボレーションにより、世代交流も進み、活動に参加する区民が増え、誇りをもって活動しています。   ○学びの情報のWeb版学習・文化ガイドブック作成やホームページコンテンツ整備による情報提供の一元化により、ライフスタイルに応じた区民の学習環境の選択肢が拡大し、学習活動の活発化につながっています。   ○向山庭園で茶会や句会などの区民の文化活動が活性化しています。俳句や川柳の活動も広がり、ユーモアと笑いがあふれて日々の生活に潤いがもたらされています。交流の輪が広まり、様々な活動の促進につながっています。 用語解説   注2:練馬En(エン)カレッジ 練馬区が実施している人材育成・活用事業の総称です。地域の課題に対応できる人材を育成し、活動の場につなぐ仕組みのプラットホーム的役割を担います。「En(エン)」は、地域で活躍する人の縁・円、応援する、勇気づける(encourage)を意味します。 11ページ   ■新たな取り組み   (1)じっとしていたらもったいない 「練馬Enカレッジ」の運営    地域の課題の解決に進んで対応する人材の育成および活動の場へつなぐ仕組みづくりを進めます。    〇「ねりまをもっと知ろう」講座等の開講     地域の課題に目を向け、その解決に取り組む区民を増やすための「練馬Enカレッジ」地域講座、地域活動の実践に役立つフォロ−アップ講座を新たに開講します。   (2)つながる 広がる学びの場  生涯学習施設の一体的活用    区民に多様で質の高い学習機会を提供できるよう、生涯学習センターを区の生涯学習の拠点として体制と機能を充実します。    ○向山庭園を含めた生涯学習施設の運営体制の整備     生涯学習センター、生涯学習センター分館、向山庭園を生涯学習拠点施設とします。生涯学習センターに企画立案、事業推進組織を集約し、向山庭園を主に茶華道、俳句、川柳、囲碁、将棋、日本舞踊など「和」の活動、分館は「練馬Enカレッジ」の拠点として、生涯学習施設相互の連携を進め、区民に多様で質の高い学習機会を提供できる体制を整備します。   (3)(仮称)「ねりまアトリエ村アート・ラボ」で発信  若手芸術家とコラボ     〇(仮称)「ねりまアトリエ村アート・ラボ」     区の特徴的な文化ジャンル(アニメ・音楽・映像・工芸)の若手芸術家の創作活動の場を空き家などを活用して支援します。新進の芸術家を呼び寄せ、区民文化祭等の区民の学び、文化の活動とコラボレーションし、区民の活動に新風を吹き込み、活動を盛んにします。  (4)もっと知りたい、伝えたい学びの極意  情報発信の充実   ○web版学習・文化ガイドブックの作成    冊子を手に入れなければ利用できなかった制約を解消し、いつでもどこでも、スマートフォンなどの端末から利用できる環境を整備します。   ○ホームページコンテンツの整備    学びに関する情報が一元的に閲覧でき、最新情報をいつでも得ることができるようポータルサイトを整備します。 12ページ   施策2 ねりまを楽しむ 今はじめよう 生涯輝き   生きがい、充実したくらしを発信する   【5年後の姿】   ○60歳前後の世代(=アラカン(注3)世代)を主な対象としたイベントがきっかけとなって、地域活動やボランティア活動などへの参加意欲が高まりつつあります。   ○練馬Enカレッジ「地域講座」や「フォローアップ講座」の受講により防災や子育てなどのボランティア活動に取り組む方が増え、生きがいを持って楽しく生活しています。 用語解説   注3:「アラカン」は「アラウンド・還暦」60歳前後を意味する造語です。 13ページ   ■新たな取り組み   (1) (仮称)「輝くセカンドライフ」 地域活動への関心を高める啓発等の充実    生活スタイルの大きな転換が見込まれるアラカン世代を主な対象として、地域に目を向けるきっかけを創ります。    ○社会貢献型地域活動啓発イベントの実施     これからの過ごし方や地域活動、ボランティア活動などに興味を持つきっかけづくりとなるイベント(仮称)「輝くセカンドライフ」を実施します。   (2)じっとしていたらもったいない 「練馬Enカレッジ」の運営(再掲)    ○練馬Enカレッジ 活動の場へとつなぐ「情報センター」     練馬Enカレッジ講座の受講相談や地域で学びの成果を活かして活動できるように、活動の場の情報を提供します。 14ページ   施策3 気がつけば笑顔・誇り ねりまの魅力を探しに行こう   まちが輝くために 文化芸術をクリエイトする   【5年後の姿】   ○みどり豊かな石神井松の風文化公園での新たなイベントが呼び水となり、新たな切り口による区内の様々な文化資源の組合せ、掘り起しなどの取り組みが進み、練馬の魅力が輝いています。   ○文化財や史跡等がわかりやすく紹介され、史跡説明板もおしゃれとなり、「まち歩き」「ポタリング」をしている方から好評の声をいただいています。   ○歴史文化基本構想による地域の文化財を総合的に保存・活用するための取り組みが始まっています。   ○(仮称)「練馬と映画・アニメ文化史」が発行され、練馬ゆかりの漫画家関連の美術館での企画や(仮称)練馬アニメコンペティションが開催されています。映像文化が新たな練馬の魅力となり、産業の振興とも連携しています。 15ページ   ■新たな取り組み   (1)みどりの中でアートな体験  みどりと文化芸術の連携    〇(仮称)「石神井松の風薪能」の開催     石神井松の風文化公園の豊かなみどりの中で、薪能を新たに開催します。地元のお囃子やダンス、音楽とのコラボレーションなど練馬ならではの企画とします。   (2)さあ 出かけよう 練馬の「まち歩き」「ポタリング」 練馬の魅力づくり    ○コース上の文化財や史跡説明板のデザインリニューアルと新たな設置     区の多彩な魅力を歩いて巡り、ポタリングするコースに合わせ、散策コース上の地域文化資源を掘り起し、広く紹介します。   (3)地域の歴史をひもとく文化遺産  文化遺産をまちづくりに活かす    ○歴史文化基本構想の策定     文化財保護のマスタープラン「歴史文化基本構想」を策定し、文化財や史跡などの文化遺産を活かしたまちづくりを推進します。 用語解説   ※「歴史文化基本構想」は文化庁が自治体に策定を推奨している構想・計画です。    〇(仮称)「ねり魅でサインプロデュース」事業の立上げ     美術館・石神井公園ふるさと文化館の収蔵作品や資料を企業や商店等のロゴ・サインや商品開発のデザインに応用できるようプロデュースします。   (4) (仮称)「ねりウッド=練馬ハリウッド?」 映像文化が「華」開いた練馬区    〇(仮称)「練馬と映画・アニメ文化史」冊子の編集・発行     大泉にあった戦前の新興キネマ東京撮影所、日本の商業アニメ発祥の地、世界最先端の映像研究の日本大学藝術学部、シネコンが2か所あるなど練馬区における映像文化史の調査・研究を進め、発信していきます。    ○練馬ゆかりの漫画家などに関連する美術館での企画事業     漫画・アニメに関連する事業を引き続き企画していきます。    〇(仮称)「練馬アニメコンペティション」の開催     若手アニメーターの登竜門として開催し、練馬から優れた技術力を持つアニメーターを育成・輩出します。また、練馬のアニメ文化を広く発信するイベントとして活かしていきます。   解説   ※(仮称)「練馬アニメコンペティション」の開催は、「みどりの風吹くまちビジョンアクションプラン」計画13記載事業の再掲です。 16ページ  施策4 文化のシャワーを浴びたい 文化がさく裂  身近に参加 身構えずに気軽に楽しむ機会を創る   【5年後の姿】   ○ホールやまちなかでの参加型公演やワークショップなどのイベントが行われ、地元で気軽に文化芸術に参加・体験し、楽しむ方が増えています。   ○練馬文化センターでは、ユニークで練馬らしい公演が増えてきて、マスコミやツイッターを賑わしています。練馬文化センターのイベントは「ねり文ブランド」として定着しつつあり、区民もちょっと誇らしい気持ちになっています。   〇練馬文化センター、美術館、石神井公園ふるさと文化館などでの横断的なテーマによるイベントやまちなかコンサートなどは、休日のまち歩きやポタリングにちょうど良く、家族や友達、恋人に限らず、子どもたちも公園で遊びがてら寄り道して楽しんでいます。共通鑑賞券が発行され便利になっています。   ○文化芸術のイベント情報が一覧でホームページから見られるので、多彩な催しの中から、自分のライフスタイルに合ったものに参加できるようになっています。 17ページ   ■新たな取り組み   (1) おもしろ公演イベントの充実 子どもの情操・耳を澄ませば音楽が    ○練馬文化センターでの参加型公演・ワークショップの強化     誰もが気軽に生涯学習や文化芸術に参加・体験できる機会や場として参加型公演やワークショップを充実します。子どもの頃から多くの区民が文化芸術を、身近に感じ楽しめるようにホール事業の充実に取り組みます。    〇練馬のまちに音楽が響く「ミュージックタウン練馬宣言」      芸術系大学が2校あり音楽家も多く活動する「ミュージックタウン練馬」の魅力を、ビッグバンドジャズの競演公演の招へい、まちなかコンサートの充実により発信し輝かせます。   (2) さすがにプロは凄い  「ねり文ブランド」への磨き上げ    ○芸術監督等の力を活かす     練馬文化センターを拠点とした特色ある事業展開やアウトリーチ活動(注4)の充実、区内外への発信力を強化するため、アートディレクターや演出家等の芸術監督を招へいします。    ○共通鑑賞券の新規発行     練馬文化センター、大泉学園ホール(ゆめりあ)、石神井公園ふるさと文化館、美術館などのイベントを巡る共通鑑賞券を発行します。    〇(仮称)「ねりまアトリエ村アート・ラボ」(再掲)     区の特徴的な文化ジャンル(アニメ・音楽・映像・工芸)の若手芸術家の創作活動の場を空き家などを活用して支援します。新進の芸術家を呼び寄せ、区民文化祭等の区民の学び、文化の活動とコラボレーションし、区民の活動に新風を吹き込み、活動を盛んにします。   (3)もっと知りたい、伝えたい文化芸術の感動  情報発信の充実    ○web版学習・文化ガイドブックの作成     冊子を手に入れなければ利用できなかった制約を解消し、いつでもどこでも、スマートフォンなどの端末から利用できる環境を整備します。    ○ホームページコンテンツの整備     文化芸術に関する情報を一元的に閲覧し最新情報を掲出するポータルサイトを整備します。 用語解説   注4:アウトリーチは、「外に手を伸ばす」という意味で、施設外で行う活動です。 18ページ   施策5 未来にステップ・UP   新たな発想で 次代を見据える   【5年後の姿】   ○練馬文化センターの老朽化に対応し、ニーズ調査を踏まえたあり方の検討が始まります。各界の第一人者から意見を聴くことをはじめ、利用者や区民、まちづくりの視点など様々な意見をいただき、将来を見据えたホール等のあり方の調査、検討が進められています。   ○生涯学習施設、文化芸術施設が適切に維持管理され、公演や学習会などの活動が活発に行われています。 19ページ   ■新たな取り組み   はじめの一歩を踏み出します  利用者や時代のニーズを的確に捉えた施設機能の検討    人々の価値観や生き方が様変わりしてきています。文化芸術施設は、文化芸術の上演を目的とした場としての枠組みを超え、地域の魅力づくりや地域活性化の核としての役割を担うようになってきています。   昭和58(1983)年に開館した練馬文化センターの立地環境は大きく変化し、練馬駅は区の最大の交通結節点となりました。区の魅力発信やまちの活性化の役割も求められるようになってきています。建設当初は、こうした機能を想定しておらず、求められている役割に十分に応えられていません。   さらに、電気設備・機械設備等の更新、ユニバーサルデザインなど高齢者や障害者を含めた幅広い世代の皆さんが快適に利用できるための施設の改修・改善を適切に行っていく必要があります。   ○練馬文化センターのあり方の検討    昭和58年に建設した練馬文化センターは、平成35年に劇場施設の法定耐用年数である築後41年を迎えます。老朽化、地震対策として、これまでも大規模改修や必要な電気設備、機械設備の更新・改修を重ねていますが、利用者や時代のニーズに合わせた施設機能の充実は建物として限度があります。    ホール施設の整備は構想から竣工まで長期的な視点での調査・検討が必要です。施設の複合化などを含めた練馬文化センターのあり方について、検討に着手します。   ○適切な維持管理計画の策定    練馬文化センター(昭和58年)、美術館・生涯学習センター(両施設とも図書館併設・昭和60年)は開館から30年を経て、建物や音響、照明などの設備の老朽化が課題となっています。費用対効果を踏まえながら、施設機能の維持・充実のため計画的な施設維持管理を行っていきます。 20ページ   プランを推進し、将来を見据えた次のアクションにつなげるために   (1) (仮称)文化戦略ブレーン会議の設置     新しい成熟都市・練馬を目指す中で、「地域の魅力の発信、コミュニティや暮らしやすさ、心の豊かさ、誇り、子どもの情操を育む」など、地域の文化力は欠くことができません。    江戸・東京の近郊農村から近郊都市を経て、東京の大都市として発展した練馬区にはみどりの豊かさや文化施設、図書館、文化財・史跡、農、アニメ、景観、商店街・食といった魅力が潜在しています。    本プランの推進にあたって、新しい発想や柔軟な思考による各分野の総合的展開が不可欠です。実演芸術、美術や文化政策研究者、生涯学習実践者など各界の第一線で活躍する方々から多様な意見を聞き、議論し、柔軟な発想から施策を展開していきます。    新たな時代を見据えた文化政策のデザインや施設のあり方などについても議論を始めます。   (2) (公財)練馬区文化振興協会を活かす     (公財)練馬区文化振興協会は、「区民文化の向上」および「区民の自主的な文化活動の促進」を図ることを目的に、昭和57(1982)年9月に区が設立した外郭団体です。平成24年4月には公益財団法人となり、文化芸術事業の幅を広げています。    練馬区文化振興協会は、「ビジョン」および本プランに基づき、外郭団体の運営の柔軟性を最大限に活かして、文化芸術振興事業を実施する役割を担います。    ・文化振興協会による文化芸術施設の一体的管理      本プランでは文化芸術振興施策の展開について、区の特徴ある文化との融合を図ることや新たな地域文化を創造することを視点に、文化芸術各分野の連携を進め、文化芸術施設等が横断的な事業展開を図ることを目指しています。     練馬文化センターを区の文化芸術の拠点施設として位置づけ、練馬区文化振興協会によるハード・ソフトが一体となった柔軟な運営を進めます。そのうえで石神井公園ふるさと文化館や美術館の指定管理施設と一体的に管理・運営する体制を構築します。 21ページ    ・文化振興協会の企画力・事業実施体制の強化 第一線で活躍する人材の招へい      美術館展覧会や公演等事業など施設間連携の企画をトータルに推進するコーディネーターやディレクター、舞台芸術監督を招へいします。     さらに経営感覚を備え、広い人脈と発信力のある人材に財団の事業運営を委ね、より一層文化芸術事業の魅力を高めます。   (3) 大学・関係団体等との連携・協働     区では、これまでも区内大学等様々な関係機関との連携による事業を実施し、生涯学習の推進と文化芸術を振興してきました。今後も、これら国や都立等の関係機関や文化施設、関係団体等との連携を強化していきます。    本プランでは、新たに区内企業や商店街、学校との連携・協働を視野に入れて展開していきます。 22ページ〜28ページ   資料1 練馬区の今後の人口   資料2 練馬区の文化芸術関係就業者数(人口50万人以上の特別区)   資料3 区民が1年間に経験した学習活動(複数回答 上位8位)   資料4 地域活動に参加するきっかけ(複数回答 上位4位)   資料5 練馬区の主な生涯学習・文化芸術関連施設(施設を地図上に表示)   資料6 学びの成果を活かしている・活かしたい分野(複数回答 上位5位)   資料7 区内の主な学び・文化芸術に関する施設利用者数   資料8 区民が1年間に鑑賞・体験した文化芸術(複数回答 上位9位)   資料9 区内の文化芸術環境に対する満足度(複数回答 上位8位)   資料10 文化芸術活動に対して必要な支援(複数回答 上位6位) 29ページ 奥付   みどりの風吹くまちに あ・そ・ぶ   〜練馬区学びと文化の推進プラン〜   平成27(2015)年度〜平成31(2019)年度    平成27(2015)年6月   発行 練馬区 地域文化部 文化・生涯学習課   Tel   03-3993-1111(代)   Fax  03-5984-1221