(仮称)意思疎通条例検討部会 報告書 1 専門部会の検討テーマ・目的 条例の内容についての具体案の検討および当事者意見の反映の場とする。 (主な協議テーマ) ・条例に盛り込むべき内容 ・障害者の意思疎通に係る関連施策の検討 2 専門部会の開催状況と主な協議内容 第1回 令和3年8月2日 ・(仮称)意思疎通条例検討部会について ・障害者の意思疎通に関する現状と課題 第2回 令和3年9月8日 ・第1回の意見まとめ ・課題の整理(1)条例に盛り込む内容(2)関連事業の検討 第3回 令和3年10月26日 ・第2回の意見まとめ・条例に対する意見について ・(仮称)障害者の意思疎通に関する条例内容(イメージ)について 3 第1回の協議内容 【障害者の意思疎通に関する現状について】 ・手話言語条例制定を区に要望してきた。国にも要望を出しているが法を待っていられないという思いから、各地域で条例化してほしいという動きがあり、練馬区にも要望を出している経緯を理解してほしい。 【コミュニケーションで困る場面・困らないためにあったらよいこと】 ・重症心身障害は、自ら話すことが困難。肢体の不自由さもあるので指差しも難しい。 コミュニケーションボードを使って、「はい/いいえ」で答えられるようにする取組や、ボードでなくタブレットでコミュニケーションが取れるアプリもある。 ・健康診断や特別支援金など申し込み方法が複雑で分からないことがある。書類の記入例や絵を使った説明書、動画で手続きの仕方を知らせてくれるとよい。 一緒に手続きを考えてくれる人がいるとよい。 ・タッチパネルは、視覚障害者にとっては難しい。最近は、スマホを使って色を認識するアプリで、靴下の色を間違えないようにするなど、活用できている人もいると聞く。 一方、スマホなどが苦手な人もいて、うまく活用できない人もいる。 ・同じ障害種別でも、人によって一人ひとり違うんだということを理解してもらいたいと思う。障害のない人たちがそのことを意識してほしいと思う。 ・言葉でコミュニケーションをとれない方の意思をどのようにくみ取るのかというのは悩ましく、課題と思っている。 親が決めてしまっていることもあると思うが、本人の意思を大事にしたい。言葉を発することができても、すべて理解しているとは限らない。 行動とか表情から判断することは時間がかかるが、丁寧にやっていかないといけないと思う。 ・相談員に「もし何かあったら言ってね」と言われても、相談できないことが多い。 サービス提供の契約時、面談してもらうことが多いが、時間を十分とってもらって、安心して話せるようにしてほしい。 4 第2回の協議内容 【意思を伝えるための様々な手段を選べるようにする取組について】 ・視覚障害者が活字を読もうとするときは、音声コードなどの何らかの方法でできることが多い。しかし、生活の中では、直接話せるということが重要。 ・手話は誰でも学べるが、難しい面もある。講習会の目的は、手話を広めること、手話通訳者を育てること、聴覚障害者の社会参加という三つがある。 しかし、講習会は色々な場所であるわけでない。学べる場をたくさん作っていく必要があると思う。 【意思疎通の手段の幅を広げるためのICTを活用する取組について】 ・視線入力などICTの活用についての講座がZOOMで行われている。1時間くらいの内容で無料、パソコンの使い方から教えてくれる講座があり、初心者でも受講しやすい。 導入に向けてのきっかけ作りだが、ICTに初めて触れるにはとても良い。 ・スマホには苦手意識がある。やってみようと思えるようにするには、スマホについては任せて、という相談先があればよい。 コールセンターのような「ここに聞けば大丈夫」という相談先があるとよい。 【様々な手段があることや障害特性の理解を広める取組について】 ・商店街に障害者が出向いて行って、「メニューは点字を準備した方がよい」「写真をつけたら分かりやすい」「障害者が来たらこのように対応する」など、意見を交わしながら取組を行うことは、共生社会を目指すことになると思う。 ・一人ひとりを知ってもらうには、実際に関わる機会が必要だと思う。当事者と関わる時間を持ってもらえたらよいと思う。交流することで理解が深まると思う。 ・私のいる職場では聴覚障害者を採用すると、直属の上司や同僚は必ず一日研修を受ける。聴覚障害とはどんな障害か、障害特性や対応方法などの内容を研修する。 研修を受けると、上司や同僚、受け入れる側の気持ちが変わったと聞く。教育の現場でも、道徳の時間を活用するなどして、取り組んでほしいと思う。 5 第3回の協議内容 【(仮称)練馬区障害者の意思疎通に関する条例に対する意見(案)について】 ・コミュニケーションの前提として、相手を大切にすることや人権を尊重するということも重要だと思う。そうしたことを区民が理解することも必要だと思う。 ・障害者団体などが学校に行って障害について学ぶ機会が必要とあるが、幼稚園や保育園での取組も検討できないか。 ・条例に愛称をつけて親しみやすくするなど、条例を広く知ってもらうための工夫も必要ではないか。 ・障害理解の研修で知的障害者が講師となるなど、当事者から伝える機会がほしい。 ・条例の内容や障害理解について、文字で伝えると難しいと思う。動画を活用するなどして、分かりやすく伝えていく必要があるのではないか。 ・UDトークを使うなどのICTを活用した取組には、適切に運用することも大切にしてほしい。 【(仮称)練馬区障害者の意思疎通に関する条例内容(イメージ)について】 ・目的にある「共生社会を目指す」ということはきちんと条文に入れてほしい。 ・盲ろう者も多様な手段を必要としている障害の一つであるため、条例に含んでほしい。 ・手話は言語であり、ほかの手段とは少し違うと思う。そうしたことも理解してもらえるように、手話言語の普及についても条例に盛り込んでほしい。