(仮称)練馬区障害者の意思疎通に関する条例に係る意見聴取のまとめ 1 目的 障害者地域自立支援協議会での検討に当たり参考とするため、個々の障害特性に応じた多様なコミュニケーション手段や、必要とされている取組について、把握することを目的に実施した。 2 概要 (1)対象団体    16団体(障害者団体) (2)聴取方法    意見書の提出    ※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、書面による意見聴取を基本とした。 (3)期間    令和3年4月28日〜令和3年5月31日 3 主な意見 (1)意思疎通において困難なこと・必要な配慮等 ・コロナ禍で店員のマスク着用でのコミュニケーションが困難。ボードでの表示や、マウスシールド着用などの合理的配慮が必要。 ・店員が早口に話すので、言われていることが分からない。「ポイントカードは?〇〇のご利用は?」など、ゆっくりと必要なことを話してほしい。 ・買い物で値札が付いていない場合など数字の理解が難しいため、お金を掌にのせ、お店の人に取ってもらうなどが必要。 ・お店に行ったとき、どこに何があるか分かりにくく、店員も少なくて困った。案内係を決めておいて、分かりやすくしてほしい。 ・病院での受付や診療の呼び出しの際、ボードや電光板で表示がなく困る。 ・医師に、細かい症状や感情的な部分を伝えることが難しい。 ・医師や看護師の表情や唇の動きがマスクで見えないため読唇(口話)ができない。 ・電車が止まった時、情報が分かりにくい。もっと親切な情報がほしい。アナウンスが流れているが、聞き取りにくい。 ・教科書が分かりにくい。漫画を使うなど、もっと詳しく書いてほしい。 ・職場において、外見からは分からず怠けているように誤解される。症状や特性についての上司や同僚の事前の理解が必要。 ・職場での教わり方が難しい。誰か優しく教えてくれる人が職場にいるといい。 ・障害や介護関連の書類がたくさん届くが、何をすればいいか理解できないため、書類が届くだけで緊張からパニックになる。 また、自分のしたい手続きがあっても言葉で伝えられないため、一人で役所に行くのは難しい。 ・役所などの申請書に自分で記入はできるが、内容を理解することが難しい。 ・支援や福祉のパンフレットが分かりにくい。どこを見たらいいかわからないし、ふりがなだけだと分からない。 ・災害時など、音声だけで理解することが難しいため、放送を聞いただけでは行動することはできず、パニックになってしまう。 ・避難所等において、状況説明や食料等の配布には、掲示と音声での伝達が必要。細かな説明が必要。 ・スマートフォンの音声読み上げ機能など、使いこなせていない。 ・失語症の認知度が低く症状が認識されていないため、配慮を受けづらい。 ・補聴器や人工内耳をつけても、全て聞き取れるわけではなく、理解できないこともある。 ・言葉で伝えようとしても、発音が不明瞭であり、うまく伝わらないことがある。また、意思に反した言葉が出てしまうことがある。 ・言葉以外のコミニケション方法があることを理解している人が少ない。 (2)意思疎通において必要な取組や手段 ・手話通訳者の設置 ・要約筆記者の配置 ・字幕、音声の文字表示 ・文字通訳 ・デジタル補聴システム ・口元の見えるマスク ・スマートフォンで音声を文字に変換するソフトの活用 ・音声読み上げなどのアプリケーション ・SNSでのコミュニケーション ・公共の場などでの電光掲示 ・コミュニケーションボードの利用 ・申請書などの代筆、手続きの代行 ・手続きの簡易化(書類の削減や文字の拡大、表現の簡素化) ・書類の口頭による説明 ・視覚で理解できるような図、写真、映像などの活用 ・会話に必要な言葉を事前に録音できる支援機器 ・飲食店等におけるタッチパネルによる注文システム ・街中などでの積極的な声掛け ・失語症意思疎通支援者など、専門職の養成と派遣 ・ゆっくり、しっかりと向き合って話を聞き意思を汲み取ってくれる支援者の養成 ・コミュニケーションを補助してくれるボランティア ・言いたいことが分かってくれる人に連絡が取れるような仕組み ・非常時に、正しい情報をリアルタイムに伝えてくれ、避難などを援助してくれる支援者の養成 ・少しのサポートによる自立につながるような仕組み ・当事者でもできる範囲で、自分のことは自分でやるという習慣や認識 ・コミュニケーションの練習の場や障害当事者の集いの場 ・失語症への理解促進の学習会・講演会の実施 (3)障害理解が足りないこと ・勤務できても、周囲が障害の特性を理解していないため、能力を発揮できない。雇用先が、事前に周囲の理解を深める必要がある。 ・病院や薬局のスタッフ、医療福祉関係者でも、高次脳機能障害や失語症を理解していない人が多く、本人が話についていけない。 ・障害者等用駐車スペースでは、車いすマークが目立つため、車いす専用もしくは車いす優先と思われてしまい、心臓等内疾患や脳障害にとっては、周りの理解が難しいように感じる。