平成24年2月 第一回定例会 区長所信表明
更新日:2012年2月13日
- はじめに・平成24年度予算編成
- 災害対策の充実
- 練馬光が丘病院の開設
- 福祉施策の充実
- 区内産業の振興
- 都市農業の振興
- 練馬駅北口区有地の活用
- これからのまちづくり
- みどり施策の推進
- 教育委員会における取り組みの充実
- 保育所待機児童対策
- 区民事務所等のサービス拡充と事務の効率化
- 終わりに
はじめに・平成24年度予算編成
平成24年第1回練馬区議会定例会にあたりまして、私の所信の一端を申し上げ、皆さまのご理解を賜りたいと存じます。
はじめに、平成24年度の予算編成について申し上げます。
区は、基本構想に掲げた「ともに築き 未来へつなぐ 人とみどりが輝く わがまち練馬」の実現に向けて、全庁を挙げて取り組んでいるところであります。平成24年度は、長期計画の後半3か年を計画期間とする後期実施計画の初年度にあたるため、長期計画の体系を踏まえた組織改正を行い、区民福祉のさらなる向上に向けた取り組みを一層強化する所存であります。
一方、わが国の経済は、昨年3月に発生した東日本大震災やその後の欧州の政府債務危機により、景気の先行きは不透明感を増しております。国の月例経済報告においても、海外景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクを指摘しており、今後とも国内におけるデフレの影響や雇用情勢の悪化懸念が残っていることに注視する必要があると考えております。
加えて、国の平成24年度予算案では、税収を3.5パーセント増の42兆円と見込んでいるものの、44兆円を超える新規国債発行を予定し、借入金収入が税収を上回る状況が続いており、公債依存度が過去最高を記録したことは大きな懸念材料の一つであります。
また、本区の主要な財源である都区財政調整交付金については、交付金の原資となる固定資産税が2.6パーセント、市町村民税法人分についても4パーセントもの大幅な減収となり、当初フレームベースで平成17年度以来、7年ぶりに1兆6千億円を割り込む見込みであります。こうした中で行われた、平成24年度都区財政調整にかかる都区協議では、21年度以降3年連続して実施されてきた基準財政需要額の臨時的圧縮の継続が主要なテーマの1つとなりました。新規算定や算定内容の見直しに関する都区双方の提案について、一致点を見出すべく協議を行った結果、非常に厳しい税収状況のもと、24年度においても、658億円余の財源対策を講じることとなったものであります。
さらに、一昨年来の課題である年度途中の調整税の減収対策についても、協議を重ねてまいりました。現下の社会経済情勢のもと、各区とも財政運営にあたっては非常に苦慮している状況にあるため、減収対策を整えることは特別区共通の願いであります。そのため、一般の市町村が活用できる減収対策を制度化すべきと強く主張いたしました。これに対し都からは、いわゆる赤字債は、地方財政法第五条に定める建設債を発行してもなお、適正な財政運営を行うために必要な財源に不足が生ずると認められる場合に限り、発行が認められるものであり、財政運営の必要性から議論を始めるべきとの主張が繰り返され、協議の最終局面においても、都区の考えが一致しないことから、協議が整わなかった項目として整理されました。厳しい財政環境の中で、選択肢が閉ざされている状況は是非とも解消されなければならない課題であり、引き続き都に対して、減収補てんの必要性を強く主張し、財源の確保を図る考えであります。
本日ご提案申し上げた平成24年度予算案は、こうした厳しい財政状況を踏まえ、持続可能な財政運営を堅持するとともに、多様な行政課題に的確に対応していくため、「選択と集中のさらなる徹底」を基本方針とし、限りある財源を「大震災を教訓とした災害への対応」「保育所の待機児童対策」「特別養護老人ホームの整備」など区政の喫緊の課題に即応するため、長期計画事業を中心に重点的に配分したものであります。あわせて、21年度以降実施してきた緊急経済対策に引き続いて、事業総額約46億円規模の経済対策を予算化するなど、議会と区民の皆さまからいただいた要望に可能な限り応えたものであります。
まず、歳出につきましては、子ども手当をめぐる国の制度変更の影響から、扶助費の増加傾向には一定の歯止めがかかったものの、なお高止まりの状況にあり、区財政の逼迫要因となっております。そのため、貴重な財源を最大限活用する観点から、職員一人ひとりが無駄を徹底的に省く意識を持って予算編成に取り組むとともに、枠配分予算における3パーセントのマイナスシーリングを実施し、経常的経費の見直しを行いました。また、後期実施計画の策定においても、事業の進捗状況を見極め、例外なき事業費の精査を行ったところであります。
また、歳入につきましては、特別区民税、都区財政調整交付金が減収となるなど、一般財源が約8億円減額となることに加え、子ども手当において、国と地方の負担割合が変更されることから特定財源についても約40億円以上の減収となるなど財源確保をめぐる環境は極めて厳しい状況であると見込んでおります。そのため、新たに区内建築物の耐震化においても、社会資本整備総合交付金を活用するなど、国・都からの支出金の確保に努めるとともに、行政改革の成果として積み立ててきた基金から必要額を繰り入れ、社会資本形成に資する事業に関しては、後年度負担に配慮しつつ、起債の活用を図ることにより、区民福祉の一層の向上に寄与するよう予算編成を行ったところであります。
以上、申し上げた点に留意いたしまして、予算編成を行った結果、一般会計の規模は2,275億6,300万円余となり、前年度と比べ、2.1パーセント、約49億円の減となりました。
今後も、予断を許さない経済情勢と国政の動向を把握しながら、区民福祉のさらなる向上を目指し、より一層、的確かつ持続可能な財政運営に心がけてまいりますので、区議会ならびに区民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
以下、主要な事業についてご説明申し上げます。
災害対策の充実
まず、災害対策の充実について申し上げます。
東日本大震災の発生から、来月で一年となります。しかし、依然として、仮設住宅で生活を続けている方や、原子力発電所の事故により住み慣れた故郷を離れ、避難生活を余儀なくされている方が多くおられます。復興が実現し、一日も早く、被災された方々が安心して暮らせるよう、切に願うものであります。
さて、先の震災に際し、区では、宮城県亘理町など各被災地に職員を派遣し、さまざまな支援活動を実施してまいりました。この活動において、被災自治体の震災対策や、復旧・復興への取り組みを目の当たりにしたことを大きな教訓としなければなりません。これに加え、初動対応や帰宅困難者対策、情報対策など、災害対応上さまざまな課題が顕在化したことから、全庁を挙げて地域防災計画の抜本的な見直しに取り組んでまいりました。現在、区議会はじめ防災懇談会や区民意見反映制度などを通じてご意見を頂きながら、年度末を目途に地域防災計画の改定作業を進めております。また先月には、震災総合訓練を実施し、区民の皆さまや関係機関など約2,800名の参加のもと、計画に定める災害対応手順などの検証を実施したところであります。
24年度におきましては、改定した本計画に基づき、災害用備蓄物資の拡充をはじめ、帰宅困難者対策や情報伝達手段の充実、災害時要援護者の安否確認システムの構築、地域防災力の向上など、これまでの課題や震災での教訓を踏まえ、災害対策のさらなる充実を図ってまいります。また、24年度に予定されている、新しい被害想定に基づく都の防災計画の見直しにあわせて、区の地域防災計画も、再改定を行ってまいります。
私は、新たな地域防災計画のもと、実践的な訓練の継続などを通じて、地域防災力の向上に全力を傾注し、71万区民の生命と財産、安全で安心な暮らしを守る所存であります。
練馬光が丘病院の開設
次に、練馬光が丘病院の開設について申し上げます。
本年4月1日から、日本大学医学部付属練馬光が丘病院を引き継いで運営する公益社団法人地域医療振興協会は、このたび新病院の名称を、「(仮称)公益社団法人地域医療振興協会練馬光が丘病院」といたしました。
同協会では、運営方針に、「地域医療の発展に貢献することを目指し、良質な医療の提供に努める」と掲げ、医療の質を確保し、地域連携、健全経営に取り組むこととしております。
新病院の診療科目は、日大練馬光が丘病院の診療科目を基本とし、新たに救急科および病理診断科を設けるなど、合わせて20科目を予定しております。さらに、救急医療、小児医療、周産期医療、災害時医療を、重点医療機能として位置付けております。
このほか、新たに設けられる総合診療科では、幅広い分野の訓練と経験を積んだ医師を配置し、受診科目の判断が難しい患者について、適切に診断、処置等を行い、必要に応じて各専門診療科につなげることにしております。この総合診療科の設置により、疾病を特定しにくい初診の方、合併症のある方、どの診療科で診察を受けたらよいか不安を持つ方に安心して受診いただけることができると期待しております。
さらに、新病院では、電子カルテの導入により、チーム医療による質の高いサービスの提供を実現するとともに、患者の待ち時間短縮を図ることとしております。また、医師会、地域の病院、診療所や介護施設等と積極的に連携を進め、患者等の紹介、受け入れを円滑に行えるよう取り組みを進めてまいります。
今後、区と地域医療振興協会は、病院の設置運営に関する基本協定を締結するとともに、本年4月の開設に向け、協力して、区民の皆さまが安心して医療が受けられるよう取り組む所存であります。
福祉施策の充実
次に、福祉施策の充実について申し上げます。
まず、喫緊の課題である、特別養護老人ホームの整備についてであります。入所待機者実態調査を踏まえ、入所の必要度の高い待機者の早期入所を可能とするため、昨年11月に公表した第五期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の素案において、平成24年度から26年度までの計画期間中に、新たに700床の整備を進めることを目標といたしました。現在、目標達成に向けて事業者と交渉を進め、既に25年4月までに、5か所362床が開設する見通しとなっているほか、複数の具体的な事業提案について協議を進めているところであります。今後も整備目標を達成するため、東京都に対し用地確保に関する支援を働きかけるとともに、事業者との交渉を積極的に行い、特別養護老人ホームの整備を推進してまいります。
また、特別養護老人ホームや、地域密着型サービスの充実、24時間対応型の訪問サービスの開始、国の介護報酬改定などを踏まえて、現在、第五期の介護保険料について精査しているところであり、本定例会中には、練馬区介護保険条例の改正案を追加してご提案したいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、障害者福祉の充実についてであります。現在、平成24年度から26年度までを計画期間とする、新たな障害者計画および障害福祉計画の策定を進めており、このたび、両計画の素案を公表いたしました。素案では、障害のある方の「安心」と「生きがい」、地域の人々との「つながり」を基本理念とし、総合相談体制の構築や日中活動系サービス、障害児支援の充実などを施策の柱として位置付け、障害者の自立と社会参加を推進していくこととしております。主な事業としては、障害者地域生活支援センターにおける相談支援機能の強化や、新たな日中活動の場となる地域活動支援センターIII型の整備、都有地を活用した生活介護事業所の誘致、障害児への相談・療育機能の拡充を目指す「(仮称)こども発達支援センター」の整備などをお示ししております。今後、区議会をはじめ広く区民の皆さまのご意見を伺い、今年度中に計画を策定し、本計画に基づき、障害者福祉の総合的・計画的な充実を図ってまいります。
区内産業の振興
次に、区内産業の振興について申し上げます。
区内中小企業の景況は、東日本大震災の影響により、大きく落ち込んだものの、昨年10月から12月期の業況調査では、前年同期の水準まで回復しております。しかし、我が国の景気低迷が長引く中、区内事業者の経営状況は、依然として厳しさが続いております。
そこで、平成24年度も引き続き、不況対策特別貸付を実施するとともに、政府系金融機関による小規模事業者経営改善資金融資、いわゆる、マル経融資への利子補助率の引き上げを実施し、厳しい経営環境にある区内事業者の多様な資金調達を支援してまいります。
あわせて、特に厳しい状況が続く小売やサービス業など生活関連産業の業況改善のため、練馬区商店街振興組合連合会のプレミアム付区内共通商品券発行事業に対し、補助を行い、区内消費の喚起を図ってまいります。
また、平成24年度から商店街と連携した買い物支援事業を実施することといたしました。具体的には、高齢者や子育て中の方を中心に、食料品等の日常の買い物が困難な、いわゆる「買い物弱者」が増加していることから、買い物を不便と感じている皆様のアンケート調査において要望が大きかった「手ぶらで帰宅できるサービス」と「買い物代行サービス」を、北町地域と石神井地域で、モデル事業として実施するものであります。実施後は、事業効果を検証するため、利用者アンケートなどを行い、より適切な事業展開を検討してまいります。
加えて、地域の多様な課題の解決に取り組む商店街事業を支援し、区民の身近な商店街の特徴を活かした取り組みを進めてまいります。
今後とも、社会・経済の動向を的確に把握し、時機を逸せず適切な対策と事業展開を実施し、区内産業の振興に努めてまいります。
都市農業の振興
次に、都市農業の振興について申し上げます。
二十三区の中で最大の農地面積を有する練馬区にとりまして、農業は本区の特徴と位置付けられる重要な産業の一つであります。
区内農業者の皆様は、安全で新鮮な農産物を届ける地産地消の推進をはじめ、農業を通じて地域に住む方々同士の交流を活性化し、練馬ブランド農産物の育成などを通じて区内産業の活性化にも寄与されるなど、多岐にわたる都市型農業経営を実践しておられます。区ではこうした区内の農業を振興するため、長期展望に立ち、平成23年度から32年度までを計画期間とする農業振興計画を策定し、さまざまな取り組みを展開しているところであります。
今年度からは、この計画の重点事業に位置づけた、自ら積極的・意欲的に農業経営改善に取り組む農業者を支援する「認定農業者制度」を導入し、21名の農業者を認定したところであります。
こうした意欲のある農業者を支援する一方、区内農業者の高齢化が確実に進むなかで、農家と農業を支える人材育成が喫緊の課題となっております。農業を支えるのは、なんといっても人であります。そのため、練馬の農業の未来を支える意欲のある多様な人材の育成と活用を図る拠点となる「(仮称)練馬区農の学校」の設置について検討を進めているところであり、区民の皆さまや区議会からのご意見をいただきながら、今年度中を目途に「(仮称)練馬区農の学校基本計画」を策定いたします。さらに来年度は、本計画に基づき、実施計画の策定に取り組みたいと考えております。
こうした取り組みを通じ、今後とも私は、区の重要な産業である都市農業の振興に、力を注ぐ所存であります。
練馬駅北口区有地の活用
次に、練馬駅北口区有地の活用について申し上げます。
本区有地の活用にあたっては、区全体の活性化や、区民生活の質の向上につながるよう、定期借地権方式による官民協働事業を実施し、地代収入による区の財政負担の軽減を図るとともに、民間活力を利用し、公共施設と民間施設との複合施設を計画してまいりました。
昨年9月末には、事業提案方式により選定した「日立キャピタルグループ」との間で、本事業の実施に関する基本協定を締結し、施設設計の詳細を詰めてきたところであります。基本協定においては、区・選定事業者の役割、施設の管理・運営、契約の手続きなどを定め、協定の内容に沿って、準備を進めてまいりました。
この複合施設の整備により、区内産業振興の中核的拠点となる(仮称)産業振興会館を整備するとともに、区内で初となる回復期リハビリ病院を誘致し、150床の病床を確保いたします。また、災害時には、帰宅困難者の受け入れや、医療技術・医薬品・食料品等を提供するなど、区民に安心を提供できる施設としても整備してまいります。
今般、実施設計が進み、契約を交わす準備が整いましたので、本定例会に、「財産の貸付けについて」と「区施設の買入れについて」の2議案を提出させていただきました。特に「財産の貸付けについて」は、準備工事を2月半ばから予定していることから、先議をお願いしているところであります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
今後は、平成26年3月の完成を目指し、安全な工事を徹底するとともに、これまで同様、節目ごとに説明会を開催するなど、区民の皆さまの声をお聞きし、区議会のご意見をいただきながら、着実かつ速やかに、施設の整備を進める所存であります。
これからのまちづくり
次に、これからのまちづくりについて申し上げます。
平成13年にまちづくりの基本指針である「都市計画マスタープラン」を策定し、その後20年間を見据えたまちづくりに取り組んでまいりました。策定から10年が経過した現在、練馬区のまちは大きく伸展してまいりました。
具体的には、まず、鉄道の立体化であります。西武池袋線の連続立体交差事業は、これまでに、桜台駅から石神井公園駅付近までの高架化が完了いたしました。また、平成24年度には、石神井公園駅までの複々線化が完了するとともに、副都心線を経由して、横浜方面までの相互乗り入れが実施されます。さらに、26年度には、大泉学園駅付近まで立体化され、事業が完了する予定であります。また、西武新宿線についても、上井草駅と上石神井駅、武蔵関駅で、それぞれの周辺地域の皆様により、立体化を見据えて、積極的にまちづくりに取り組まれております。こうした取り組みが一定の評価を受け、都は、平成20年に連続立体交差事業の事業候補区間に位置づけ、現在、事業化に向けた検討を進めているところであります。
もう一点は、道路網の整備であります。平成14年度から着手した富士街道以北の補助132号線は、用地を全て確保し、26年度整備完了に向けて取り組んでおります。また、外環、補助230号線、放射7号線、放射35・36号線などの骨格となる道路網の用地取得も着実に進んでいるところであります。
区では、こうした現状を踏まえるとともに、残された課題を解決し、基本構想を、まちづくりの面から実現することを目指して、「都市計画マスタープラン」の見直しに着手いたします。見直しにあたっては、次の三点を主な視点といたします。
第一に、災害に強いまちの実現であります。近い将来に発生が懸念されている首都直下地震に備え、災害に強いまちの実現は、喫緊の課題であります。そこで、密集住宅市街地の改善や、建築物の耐震化、不燃化などを進めるとともに、救援、救助活動の動線となり、延焼遮断帯にもなる道路網の整備と公園などの公共空間の確保に取り組み、まちの安全性を高めてまいります。
第二は、環境にやさしい街の実現であります。民有地のみどりの保全や公共のみどりの拡大による「みどり30推進計画」の実現や、地球温暖化対策を見据えた住まいづくりなどを推進し、環境と共生するまちづくりを目指します。
第三は、安全で快適に移動できるまちの実現であります。大江戸線の延伸をはじめ鉄道の立体化や都市計画道路の整備促進とともに、路線バスやみどりバスの再編と充実、新たな交通システムの研究など、練馬の未来を見通した交通網の整備、充実を目指します。
こうした視点に立ち、これからのまちづくりのグランドデザインをお示しすべく、平成26年度を目途に都市計画マスタープランの改定作業を進めてまいります。
今後とも、区民の皆さまが安全に安心して暮らすことができる、これからも住み続けたいまち練馬区の実現に取り組む所存であります。
みどり施策の推進
次に、みどり施策の推進について申し上げます。
区では、平成18年12月に「みどり30推進計画」を策定し、積極的に、みどりの施策を推進してまいりました。24年度は、計画の見直し年度にあたることから、取り組みをさらに強化したいと考えております。
まず、日本銀行石神井運動場の公園整備であります。本施設の風格のあるみどりは、区民と区の貴重な財産であることから、これを確実に保全することを第一に、区民の皆さまがさまざまな文化芸術を楽しみ、スポーツ活動に参加するなど豊かな時間を過ごすことができる公園となるよう、現在設計を進めているところであります。本年秋には工事に着手し、平成26年春の開園を目指してまいります。
次に、都市計画稲荷山公園の整備についてであります。区は、二十三区随一のカタクリ群生地である清水山憩いの森を含むこの計画地について、区主体の公園整備が進められるよう、長年にわたり東京都と協議を重ねてまいりました。その結果、今般改定された「都市計画公園・緑地の整備方針」において、都市計画稲荷山公園は、練馬区の事業に位置づけることができたところであります。今後は、区のみどりの拠点として、公園の事業化に向けた具体的な検討を進めてまいります。
さらに、区民との協働により、みどり施策を推進するため、設立当初の目標を超える約6億円の積立額となった「みどりの葉っぴい基金」の一部を活用して、みどりの保全と、新たな区民参加による緑化事業を開始するとともに、かつて練馬の各所で見られたホタルの復活を目指す「ホタルの里事業」に着手いたします。
こうした取り組みを盛り込み、みどり30推進計画の見直しを行い、新計画のもと、区民の皆様と力を合わせ、みどり豊かな練馬の実現に努める所存であります。
教育委員会における取り組みの充実
次に教育委員会における取り組みの充実について申し上げます。
本年の4月から、基本構想に掲げる子ども分野の施策を、より効果的、効率的に推進するため、教育委員会に「こども家庭部」を設置し、乳幼児期から青年期までの子どもに対する総合的かつ切れ目のない成長支援を展開することとしたところであります。具体的には、幼稚園、保育所と小学校との連携の強化が挙げられます。学識経験者、幼稚園、保育所や小学校の関係者などで構成する、「(仮称)幼保小連携推進協議会」を設置し、連携の進め方や事業展開、交流研修などについて検討を行い、園児と児童の互恵的・継続的な交流活動や保育士・教員間の連携を進めてまいります。このほか、放課後児童対策の充実、青少年の自立支援の推進など、子どもの健全育成に向けた取り組みを充実してまいります。
また、教育委員会では、練馬区の学校教育に関して「教育の目指すべき姿」を明らかにし、教育施策に関する基本的かつ総合的な指針となる練馬区教育振興基本計画を策定いたします。策定にあたっては、公募区民や教育関係者、学識経験者などで構成する懇談会から答申をいただき、現在、素案を取りまとめているところであります。今後、区議会や学校関係者の皆さまからご意見をいただくとともに、3月には区民意見反映制度により、広く区民の皆さまからのご意見をいただき、5月を目途に策定作業を進めてまいります。
この教育振興基本計画の中でも、大変重要な施策の一つとして位置付けられているのが、小中一貫教育の推進であります。
すでに、昨年4月、大泉桜学園を開校し、施設一体型小中一貫教育校ならではの特色ある教育活動を開始しております。また、区内全域を見渡して、施設が離れている小中学校22校を小中一貫教育研究校に指定し、義務教育9年間を見通した教育内容や教育方法等についての研究に着手したところであります。
平成24年度には、新たに、小中学校の教員が協力して小学生を指導する「乗り入れ授業」をモデル事業として実施いたします。また、「(仮称)小中一貫教育ねりまフォーラム」を開催し、大泉桜学園および研究グループの取り組みの成果を、すべての小中学校に発信します。さらに、25年度からは、研究グループを段階的に拡大し、その研究成果を各校が活用しながら、小中一貫教育の全区的な展開を図ってまいりたいと考えております。
教育委員会では、4月の組織改正を契機といたしまして、関係部課の連携強化をより一層深め、学校教育の充実と子どもたちの健全育成に積極的に取り組んでまいります。
保育所待機児童対策
次に、保育所待機児童対策について申し上げます。
昨今の景気低迷の影響等により、練馬区における保育所待機児童数は、平成20年4月には254人であったところ、21年4月には429人、23年4月には564人と、この4年間で大幅に増加を続けております。
区では、この間、長期計画に掲げる平成26年度までの整備定員目標数1,923人を早期に達成するため、22年度から24年度までの3か年を保育所集中整備期間として位置づけ、認可保育所と認可外保育施設の増設など1,600人を超える大幅な定員増を行ってきたところであります。
しかしながら、依然として保育所への入所需要が高い状況にあるため、現在策定中の長期計画後期実施計画の中で、整備定員目標数を約2,700人に、積み増す予定であります。
この新たな整備目標を達成するため、保育所集中整備期間の3か年に限定して実施してきた、私立認可保育所の誘致を促進するための賃借料補助制度を2年間延長し、26年度まで適用することといたしました。
また、区有地を活用した私立認可保育所整備につきましては、南大泉三丁目の「南大泉教職員寮跡地」、西大泉五丁目の「マロン広場跡地」および大泉学園町二丁目の「第四土木出張所跡地」の3か所で整備を進めており、うち、南大泉と西大泉の2か所につきましては、本年4月の開設を予定しております。
今後さらに、認証保育所の新設や家庭福祉員の増員などの待機児童対策に積極的に取り組むとともに、病児・病後児保育や認定こども園の新設など、多様な保育環境の整備と充実にも力を注いでまいります。
区民事務所等のサービス拡充と事務の効率化
次に、区民事務所等のサービス拡充と事務の効率化について申し上げます。
現在の区民事務所と出張所は、平成20年1月に実施した出張所の機能別再編により17出張所を、4区民事務所と13出張所に再編し運営してまいりました。再編後は、利用者アンケートを実施したほか、窓口取扱件数等、運営状況を把握し、そのあり方について検証してきたところであります。
そのなかで、自動交付機やコンビニエンスストアでの収納の普及に伴い、出張所の窓口取扱件数減少による非効率な運営が、課題として顕在化いたしました。こうした状況を踏まえ、区民事務所でのサービス拡充や自動交付機のさらなる利便性向上、出張所の窓口機能の見直しを柱とした、今後の方向性についての案を作成し、近く区議会ならびに区民の皆さまにお示しし、ご意見をいただいたうえ基本方針を策定してまいりたいと考えております。
さらに、この基本方針に基づいて、区民事務所のサービス拡充や出張所の窓口機能の見直しなど具体的内容や、地域コミュニティへの支援など各地域の必要に応じた新たな役割についても検討を進め、実施時期を含めた詳細なスケジュールとあわせて、本年5月を目途に実施計画案として取りまとめてまいります。その後、実施計画を策定したうえで、平成25年度中の実施を目指してまいりたいと考えております。
区といたしましては、区議会ならびに区民の皆さまからご意見を伺い、ご理解をいただきながら、今後とも区民事務所等のサービス拡充と事務の効率化の実現に取り組んでまいります。
終わりに
以上、区政経営における私の所信の一端を申し上げました。
本定例会には、平成24年度一般会計歳入歳出予算案など、多くの議案を提出させていただきましたが、なにとぞ、十分ご審議のうえ、全議案を原案どおりご可決賜りますよう、お願い申し上げまして、私の所信とさせていただきます。
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区長室 秘書課 秘書担当係
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